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電気代が高いのモヤモヤを解消!賢い選択が自分と地球を心地よくする、これからの電気の選び方【株式会社Looop】

物価高騰が続くなかで、電気代はどの時間帯でも同じだと思っている人は意外と多いのでは?実は、時間帯によって電気料金が異なる。

実は、電気代を抑えるポイントは使う量を減らすだけではない。「いつ、どの電気を使うか」という視点を持つことで、お財布にも環境にも優しい暮らしが見えてくる。

今回は、Looopでんきの橋本大二郎さんに、電気代が高騰する背景からテクノロジーを活用した頑張らない節約術に関する話を伺った。 

この記事の監修者

橋本 大二郎さん

電力本部 電力FP&A部 部長

電力本部 電力FP&A部 部長

エネルギー会社の法人営業を経て2019年5月にLooopへ入社。営業推進課課長・IR課課長を経て、2024年4月のFP&A(財務計画・分析)組織発足に参画し、現在は主に電力本部FP&Aを主導。

https://looop.co.jp/

目次

電気代、どうしてこんなに高い?生活者が感じているモヤモヤの正体

── そもそも、生活者の電気代はどのような仕組みで決まっていますか?

橋本さん 電気代は、大きく分けて発電にかかる費用・託送料金・発電所を維持・新設するための投資費用の3つで構成されています。

発電にかかる費用は文字通り、火力や太陽光などで電気を発電する費用。託送料金は、発電所からご自宅まで電気を届ける料金です。発電所を維持・新設するための投資費用は、老朽化が進む発電所の設備改修や点検費用や、新規に建設する費用。

── 最近、電気代が高いのは、3つのうちどれが影響しているのでしょうか。

橋本さん先ほどお話した3つの料金がすべて高くなっているのが要因なんです。日本の電気の60〜70%は火力発電が占めていて、燃料となる天然ガスなどは輸入に頼っています。ロシア・ウクライナ情勢の影響をダイレクトに受けて、燃料費が跳ね上がりました。

かつての日本は原子力発電にある程度依存していましたが、東日本大震災以降、多くの稼働が停止しました。その穴を埋めるために火力発電をフル稼働させてきましたが、コスト負担は増すばかりです。

送電線の老朽化による託送費用の上昇や、将来の安定供給に向けた「容量市場」という仕組みへの拠出金が増えていることも、料金を押し上げる要因となっているんですよ。

── 高くなる要素がたくさんあるんですね……。

橋本さん そうなんです。しかし、電気会社や電力プランの変更によって、毎月の電気代を抑えられる可能性があります。それぞれのご家庭の使用スタイルに合ったプランで、電気代を削減してほしいと考えています。

── 電力プランや電気会社を変更すると、電気代の負担を軽減できるのは嬉しいですね!選ぶ前のチェックポイントを教えてください。

橋本さん まず、自分の家の属性を知ることです。たとえばオール電化の家庭で給湯機を使う場合は、電気でお湯を沸かしてタンクに貯めたものを使います。一方でガス給湯器の家庭は、お湯を沸かすのに電気をほとんど使いません。

── ほかにもチェックポイントはありますか?

橋本さん 次に重要なのが、どの時間帯に電気を使っているかです。共働きで昼間は不在の人と、日中に自宅で過ごす時間が長いファミリー層では、最適なプランが異なります。

実は卸売市場で販売される電気の価値は30分単位で変動しており、0.01~40円以上と幅があります。需要と供給によっても卸売価格は変わるんですよ。太陽光パネルの発電量が増えると、発電された電気が余っているときは安くなります。

一番電気を使う時間帯に、電気料金が安くなるプランを選ぶのが、本質的な節約への近道です。

使う時間で電気代が変わる?電気のつくられ方・余り方を知る

── 昼間に太陽光発電の発電量が増えると、電気が余ることがあるんですね!

橋本さん最近は太陽光発電が普及し、晴れた日中には需要を上回るほどの電気が作られるようになりました。 電気は大量に貯められないので、需要と供給を常に一致させる必要があります。

使い切れないと判断された場合は、発電をストップさせる出力制御が行われます。せっかくのクリーンなエネルギーを捨てている、もったいない状態なんです。

── 電気を貯めにくいのはなぜですか?

橋本さん 電気はエリアをまたいで送るのにも制限があります。現状、太陽光が豊富な九州で余った電気を、雪の多い北陸や東北へ自由にすべて送るのは難しいんです。だからこそ、エリア内で余っている時間帯に電気を使う工夫が求められています。

ただし、電気を貯めるための蓄電池の普及も徐々に進んでいます。導入コストや効率性も改善されつつあり、近い将来一般家庭にも導入されるのではないかと考えています。

── こうした電気の特性を、私たち生活者はあまり意識してこなかったと思います。知らないことで、どんなもったいないことが起きていますか?

橋本さん 安い時間帯があるという事実を知らないだけで、高い時間帯に電気を使ってしまっているかもしれません。

時間帯に合わせて電気を使う工夫をすることは、お財布に優しいだけでなく、火力発電を減らすことにもつながります。知ることによって生活者の家計と地球環境、両方を同時に守れます。

電気代が下がる選択が、結果的に環境にもつながる理由

── ここまでで、電気代の仕組みと安くするための方法がわかりました。Looopでんきの料金プランは電気代が安くなる時間帯があるのが特徴ですが、どのような考え方から生まれたのでしょうか?

橋本さん「市場価格が変わるのは業界では当たり前なのに、それに連動したプランがないのはなぜか?」という疑問が原点です。

Looopでんきは、東日本大震災で太陽光パネルを設置するボランティアから始まった会社で、太陽光パネルを設置して電気を使えるようになり、被災者のみなさんに喜んでいただいたことが当社を設立するきっかけになりました。

── その変動する電気料金プランの魅力を伝える工夫を教えてください。

橋本さん シンプルでわかりやすい料金プランにすることです。市場価格をそのまま反映させることでシンプルかつお客さまに納得できる形にしました。電気が余って捨てられている時間に安く提供し、そこでたくさん使っていただく。それが、再エネを活かすスマートな方法だと考えています。

── なぜシンプルにしようとしたんですか?

橋本さん従来の電気料金は複雑な料金設計になっていて、正しく理解するのは難しいのではないでしょうか。とくに、従来のプランで使われている燃料費調整額はわかりにくい箇所だと思います。

燃料が安いときは燃料調整額が下がる一方で、高い場合は上がる特徴があります。燃料調整額がマイナスになることもあるんですよ。

結局、燃料費調整額は市場価格を反映するのと、ある意味同じことをしているんです。このシステムにより、電気代の計算方法が一層複雑になっています。 

燃料調整額
発電方式に関わる燃料コストの変動を調整するための料金

電気代削減を無理なく続けられる環境に優しい仕組み

── 「環境のために頑張らないと」と思わなくても、いつのまにか自然に優しい行動をするためには何が必要だと思いますか??

橋本さん 無理なく続けられる仕組みが不可欠です。Looopでんきではスマホアプリでいつでも現在の電気代単価を確認できます。「今は安いから洗濯機を回そう」とゲーム感覚で楽しんでくださるお客さまも多いんですよ。

さらに今後は、AIやスマートホーム技術を活用し、お客さまが意識しなくても、電気代が安い時間にエアコンや炊飯器など自動で稼働する環境を整えていく予定です。

── 現在進めているAIやスマートホーム技術を活用した取り組みがあれば、教えてください。

橋本さん2025年12月にAIエージェント搭載IoT機器「ナインドット」を公表しました。

ナインドットは、家電制御やセキュリティ、スマートロック連携、住宅設備と連携するIoTに必要な機能の全てを一台に搭載した統合型ホームIoT機器です。電気代が安いタイミングで洗濯機を回すように制御できるんですよ。

こういった技術を活用することで、気づいたら電気代が下がっていて、環境にも貢献していた。このようなストレスのない環境貢献を実現したいと考えています。

── AIは便利でいいですね!ただ個人情報がどのように扱われるのかが不安です……。

橋本さん電気を使用するタイミングはデータとして特定していますが、ほかのお客さまに伝えることはありませんので安心してください。お客さまの自動制御の精度を上げていくためだけに、データを収集しています。

無理なく続けることがウェルビーイングにつながる。これからの電気の選び方

── 電気代の節約と環境配慮を両立することは、生活者の幸福度にどんな影響を与えると思いますか?

橋本さん 私たちが目指すのはエネルギーフリーな社会です。これは電気代が無料になることではなく、電気のことを気にしなくて済む状態を指します。

AIがお客さまの生活パターンを理解し、電力を最適化してくれるようになると電気の心配から解放され、家族や仕事などに使える時間が多くなります。

── 冒頭の流れを踏まえつつ、そのために電力会社にはどのような役割が求められると思いますか?

橋本さん 単にエネルギーを売るだけでなく、電力データから見える生活の困りごとや潜在的なニーズを掘り起こし、解決策を提案する「生活のプロ」になることです。

また、自分の選択がどれくらい社会に貢献しているかを、データやスコアを用いてわかりやすく伝えるコミュニケーションも大切だと考えています。

── これから電気を選ぼうとしている生活者に向けて、まずはどんな視点を持ってほしいですか?

橋本さん 現在、電力会社は数百社もあり、選ぶのは大変だと思います。もちろん目先の安さは重要ですが、ぜひ電力会社がどんな世界を目指しているかという長期的な視点も持ってみてください。

自分のライフスタイルに合い、かつポリシーに共感できる会社を選ぶことが、単なる消費ではない、自分らしい電気との付き合い方の始まりになるはずです。まずは一度、ご自身の電気の使い方をシミュレーションして、興味を持つことから始めていただければ嬉しいです。

── 電気代を抑えるための工夫が、そのまま地球を守ることにつながり、さらには電気のことを考えなくていい自由な時間を作り出す。テクノロジーと賢い選択が、私たちの暮らしをより豊かで心地よいものに変えていく可能性を感じました。本日は素晴らしいお話をありがとうございました!

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