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食後血糖値の急上昇を抑制!ポテサラ大好き研究員に聞いたポテトサラダの身体への影響とレシピ【キユーピー】

誰からも愛されるポテトサラダ!食後血糖値の急上昇を抑制することを知っていましたか…?サラダの中でもポテトサラダが秘めた身体への影響とは?ポテトサラダが血圧に関係している?そのメカニズムや子どもから大人までたのしめるポテトサラダのアレンジレシピなど、今回キユーピー株式会社の吉田さんと上條さんに詳しくお話を伺ってきた。

吉田さん

出身大学:東京大学大学院(当時の研究:光合成細菌のDMSO呼吸酵素の研究(農学生命科学))/入社年:2000年/入社後のキャリア:キユーピーで調理食品の開発、アヲハタ、キユーピーインドネシアでの開発/現在の部署:研究開発本部 野菜価値創造部 野菜・惣菜研究チーム/主な仕事:サラダに関わる全ての人のために、おいしさや健康などサラダの魅力を解明する研究をおこなっている。

上條さん

出身大学・大学院:お茶の水女子大学大学院/入社年:2015年(~現部署)/現在の部署:研究開発本部 評価・解析研究部 健康栄養研究チーム/主な仕事:食品の健康機能や栄養に関する研究/資格:管理栄養士

本記事のリリース情報

★ポテトサラダの研究について取材を受けました。

好きなサラダランキング1位!ポテトサラダって健康にいいの…?

※好きなサラダについて調べたインターネット調査(マイボイスコム)では、グリーンサラダ(52.7%)を抑えて、ポテトサラダが堂々の1位(59.1%)。

── 本日はどうぞよろしくお願いします。読者のみなさんにとっても、キユーピーさんは小さいころから馴染みのある存在だと思います。

吉田さん:ありがとうございます。私たちは日々さまざまな研究をおこなっていますが、本日はその中からポテトサラダについて深く掘り下げてお話をさせていただきたいと思います。

── ポテトサラダ大好きです!

吉田さん:私も大好きです。私たちのチームはポテトサラダのおいしさ研究やおいしさを長持ちさせる研究のほかにも、家庭で作る新鮮なポテトサラダのおいしさをどう保持できるか、という点にも着目しています。

── なるほど。ジャガイモを潰すのは熱いうちに!と聞いたことがある気がします。

吉田さん:そのとおりです。たとえば、ジャガイモが熱々のうちはマヨネーズかけちゃダメ!とか粗熱がとれたところでマヨネーズをかけて作るとおいしくなるのはなぜなのかといったことを研究したりしています。

── 科学的においしさを証明するということですね。ポテトサラダは老若男女に愛されているものの、糖質を多く含むジャガイモが主体ということもあり、健康によいかと言われると…。実際どうなのでしょうか?

吉田さん:実は社内でも同じ反応だったんです。食後血糖値の研究から、糖質を食べる前にサラダを食べるとよいというデータが取れた際に、グリーンサラダはよいけれど、ポテトサラダは違うんじゃないか?と。

── 社内でもポテトサラダが健康によいというイメージはあまりなかったのですね!

吉田さん:そうなんです…。ですが!私はポテトサラダが大好きなので、研究でポテトサラダが健康によいことを証明して、この状況を挽回したい!という思いが密かに湧きましたね。

── ポテトサラダに対する愛が、研究に対する熱意に!ポテトサラダの主材料となるジャガイモには、「難消化性でんぷん」であるレジスタントスターチが含まれているそうですが、どのような健康効果があるのでしょうか?

上條さん:レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は、名前のとおり、小腸で消化されにくいでんぷんで、食物繊維と似た働きをします。レジスタントスターチを多く含む食品は、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、血中のコレステロールを下げる働きがあります。また、消化されずに大腸まで届くことで腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整え、便通の改善にも役立つと考えられています。

一般的に、ポテトサラダはできたての熱々の状態ではなく、冷やしてから食べますよね。レジスタントスターチは、熱々のままでは少なく、冷やすことで量が増えることがわかっています。

── 冷却の前後では、どれぐらいレジスタントスターチの量に差があるのでしょうか?

吉田さん:冷却の前後での正確な増加量はジャガイモの種類や冷却時間によって異なります。どのくらい冷やしたらどのくらい増えるのか、どのタイミングで増えるかというのははっきりわかっていませんが、1日経つと十分に増えているという実感はありますね。

── レジスタントスターチにはまだまだ解明されていないことがたくさんあるのですね!

ポテトサラダには食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果

── ポテトサラダの健康効果について伺っていきたいと思います。まず、研究を始めたきっかけを教えてください。

吉田さん:私自身はポテトサラダの研究チームにいるのですが、この研究に至ったきっかけは実はマヨネーズの研究チームの発見からでした。乳化や機能性の研究をおこなうメンバーから、糖質と脂質を乳化剤を使ってくっつけると、消化性が変わってくる可能性があるという話があったんです。

それならば、ポテトサラダもそのような健康効果が期待できるはず!と思い研究を始めました。また、冒頭でお話ししたように、ポテトサラダも健康によいことを証明して、イメージを変えたいという思いもありました。

── マヨネーズの研究チームの発見からヒントを得たのですね。

吉田さん:それに加えて、キユーピー マヨネーズが来年でちょうど発売から100年になるのですが、キユーピーの創始者である中島董一郎(なかしま・とういちろう)がアメリカでポテトサラダを食べて、マヨネーズに魅了されたのが当社の始まりでした。

おいしくて栄養価も高い食べ物を日本に広げたい、食べて健康になってもらいたいという思いもあったんですよね。会社としてそのような歴史の物語もあり、ポテトサラダもおいしく食べられて健康によいことを証明して、盛り上げたい気持ちもありました。

── おいしさと健康の両立、創始者の思いと重なる素敵なお話しですね。では、実際に研究の内容について教えていただけますか?

上條さん:この研究では、まず15人の男性を対象に2つのパターンで試験をおこないました。1つ目の試験では、ポテトサラダとご飯を用意し、食べる順序を入れ替えて、どのように血糖値が変化するかを見ました。これは、食前にグリーンサラダを食べることで血糖値が抑制される効果が、ポテトサラダでも見られるかどうかを検証するというものでした。その結果、ポテトサラダでも、血糖値の上昇が穏やかになることが明らかとなり、ポテトサラダが含むレジスタントスターチが効果を発揮しているものと考えられます。

── グリーンサラダ同様、ポテトサラダも効果が確認されたんですね!続いて、2つ目の試験についても教えてください。

吉田さん: 2つ目の試験では、蒸したてのジャガイモと冷やしたポテトサラダを用意しました。こちらは、ポテトサラダとして食べることで血糖値がより効果的に抑えられるかを確認するためのものでした。その結果、冷やしたポテトサラダがジャガイモをそのまま食べるよりも血糖値の上昇を抑制する効果があることがわかりました。

── あえてジャガイモをポテトサラダにして食べることのほうがより健康によいというのは驚きです。これからは安心してポテトサラダをたくさん食べられそうです!

ポテトサラダで効率的にレジスタントスターチ摂取!

── 家庭でポテトサラダを作る際にできる、レジスタントスターチを増やす方法はありますか?

吉田さん: レジスタントスターチを増やすためには、できあがったポテトサラダを冷やすことが重要です。また、ジャガイモをマヨネーズとしっかりと混ぜ合わせることで、その効果を高めることができます。ポテトサラダはできたてももちろんおいしいですが、作った次の日に食べるのもレジスタントスターチを増やすことを考えるとおすすめです。

── ジャガイモの品種によって含まれるレジスタントスターチの量の違いはありますか?

吉田さん: 今のところ品種差は解明できていません。品種による違いについては、これからまだまだ研究していきたい部分でもあります。

── ポテトサラダに合わせるのにおすすめの食材はありますか。

吉田さん: 食感を追加するという点できゅうりはおすすめです。歯ごたえのある野菜を加えることや、野菜を大きめに切ることは、食感を増やしてよく噛むことにつながり、血糖値の上昇を抑える助けにもなります。他にもレタスなど他の野菜もいろいろと加えると、食感を楽しめるだけでなく、健康にもよく、見た目にも華やかに仕上がりますよ。

── ポテトサラダの摂取量の目安やレジスタントスターチの摂取量および含有量を教えてください。

吉田さん: レジスタントスターチの具体的な含有量は、製品や調理方法によって異なるため、正確な数字をお答えするのは難しいです。

一般的には、ポテトサラダの適切な摂取量は大体小鉢1つ、約70~100グラムが目安です。レジスタントスターチの摂取目安量はありませんが、ご自身の食生活の中で全体的な食事の栄養バランスを考えつつ、ポテトサラダを食べていただけたらと思います。摂りすぎによるデメリットはとくにありませんが、病気などでカロリー制限をしている方などは注意してください。

いつものポテトサラダをグレードアップ!調理のポイント

おいしいポテトサラダ作りのカギはタイミング!

── ポテトサラダのおいしい作り方を科学的に解明されているキユーピーさんに質問です!いつものポテトサラダをグレードアップできる、ポテトサラダを作るポイントを教えてください。

吉田さん:まず、マヨネーズを加えるときのジャガイモの温度が大切です。ジャガイモの粗熱がとれた40度くらいのタイミングで、マヨネーズを加えて混ぜましょう。この温度の場合、マヨネーズに含まれる油分の粒子が適切な大きさで保持され、油分が過度に分離せず、ジャガイモと均一に混ざります。

── ジャガイモの温度によって風味も変わってくるのでしょうか。

吉田さん:そうなんです。熱すぎると油が分離してしまってマヨネーズの風味が弱くなる一方、冷たすぎるとマヨネーズの風味が強くなりすぎるんですよね。なので、ジャガイモとマヨネーズ両方の風味を活かすためにも、40度くらいがおすすめなんです。

── バランスよく両方の良さを味わうためには40度がベストなのですね。ポテトサラダのジャガイモを潰すときにも何かポイントはありますか?

吉田さん:ジャガイモが熱いうちに潰すことがポイントです。熱いうちに潰すことで、ジャガイモの細胞の中にでんぷんの粒が流出し、おいしい食感になります。反対に、冷たくなってから潰すと、なかなかでんぷんが出てこなかったり、また無理に混ぜることででんぷんの粒が壊れ、べったりとした重い食感になってしまいます。デンプンをしっかり出すためには熱いうちに、というのが大切です。

── ジャガイモを潰したり、マヨネーズを入れたり、どれもタイミングが重要なのですね!マヨネーズと混ぜる際は、しっかり混ぜたほうがよいのでしょうか?

吉田さん:マヨネーズを加えたらよく混ぜたほうが、味の面でもレジスタントスターチの面でもよいと思いますが……段々とこのあたりから人それぞれの好みが出てくる部分でもありますね。個々人の好みでいうと、実はしっかり潰す派とゴロゴロ派の割合は、大体半々くらいなんですよ!

── 半々なのですね!ちなみに吉田さん、上條さんはどちら派ですか?

吉田さん:私はしっかり潰す派です!ジャガイモとマヨネーズがしっかりと混ざったところがたまりません!

上條さん:私は反対でゴロゴロ派です!お芋の味をしっかり感じたいですね。

── 早速二手に分かれましたね!どちらも納得の理由です。

子どもも大人も大好き!家族でたのしむポテトサラダのアレンジレシピ

── ファミリー向けのポテトサラダのアレンジレシピについて、とくにお子さまと一緒にたのしめるレシピを教えてほしいです!

吉田さん:実は、キユーピー マヨネーズのファンクラブがありまして、そのコミュニティサイトで以前「子どもが喜ぶポテトサラダ」の投票をしたんです。

── ポテトサラダの人気投票ですか?結果が気になります!

吉田さん:1位は、「辛くない!カレーポテサラ」でした。実はこれは商品化もしたんですよ。やはりカレーの風味というのは子どもにも大人にも人気なアレンジです。ポテトサラダにカレー粉を加え、さらにコーンやツナ、ベーコンなどの具材を混ぜると、より栄養バランスもよく、食べ応えがあっておすすめです!

── カレーは間違いないですね!

吉田さん:続いて、2位は「のりしおポテトサラダ」とか「コンソメポテトサラダ」。つまりポテトチップスで人気の味は、子どもたちにも喜んでもらえるはずです。

── ポテトサラダはどんな味にもなれるんですね!消費者参加型のイベントも楽しそうです。

吉田さん:実は、社内でも社員が考えるおいしいサラダのレシピコンテストもおこなっていて、ポテトサラダのアレンジレシピが1位に輝いたのです。「ポテサラ稲荷」というお揚げにポテトサラダを詰めたもので、グループ会社のキユーピー醸造の石井さん考案のレシピです。お酢に詳しい社員が考えた、見た目にもかわいく、食べやすい、ひな祭りなどイベントにもぴったりな一品です。

── とてもかわいいです!これは子どもも喜んで食べてくれそうですね。お弁当にもよさそうです。

上條さん:他にも、ゆで卵や半熟卵をポテトサラダにトッピングすることで、糖質と脂質に、不足しているタンパク質を追加でき、栄養価が高くなります。また、ハムやベーコンもおすすめです。栄養バランスもよく、何よりおいしいのでぜひ試してみてください。

吉田さん:サンドイッチにもおすすめです。糖質と糖質で心配もあるかもしれませんが、ポテトサラダは食後血糖値の急上昇を抑制してくれるので、安心してください。

── 大人向けにおすすめのアレンジはありますか?

吉田さん:スモーキーな香りが特徴の燻製マヨネーズを使ったポテトサラダもおすすめです。通常のポテトサラダとは一味違う味わいを楽しめ、これがビールの苦味ともよく合うんですよ。

── おつまみポテトサラダでいうと、めんたいマヨネーズや塩辛のせも良さそうですね…!ポテトサラダの楽しみ方が無限大に広がりそうです!フルーツが入っているポテトサラダも見たことがあります!

吉田さん: とくに、みかんやリンゴはそのジューシーさがマヨネーズと良く合うと思います。華やかさも魅力ですよね。キユーピーの創始者は、マヨネーズに出会った際に、ママレードにも出会っていて、現在までグループ会社でジャムを作っているアヲハタにつながっているように、キユーピーではマヨネーズとフルーツのつながりがあるんですよ!

── そのような背景もあったのですね、マヨネーズはその他にも料理に応用可能なのでしょうか?

吉田さん:たとえば調理するときに油代わりにマヨネーズを使っていただくとかホットケーキの生地に少し混ぜるとふんわりサクッと仕上がるとか、さまざまな使い方や裏ワザがあります。

── ポテトサラダは実は健康によい!ということで新たな発見を得ただけでなく、これからは気兼ねなく食べられそうで嬉しいです!

吉田さん:ぜひこれからは我慢せず、好きなだけ美味しくポテトサラダを食べていただければと思います!

Wellulu編集後記
今回のインタビューを通して、健康によいイメージはあまりなく、ちょっと罪悪感も抱えつつ食べていたポテトサラダに隠された健康効果を知ることができました。食後の血糖値の急上昇を抑える効果は日々注目されていて、私たちの身体にとっての負担を減らす鍵となります。老若男女たのしめるポテトサラダ、今後は気兼ねなく、アレンジもたのしみつつ、たくさん食べたいと思いました!

また取材の後には、マヨネーズにまつわる情報やトピックを体感しながら学べる見学施設「マヨテラス」も案内いただきました。マヨネーズの製造過程を見学できたり、キユーピーの歴史を感じられるスポットでした!

時計の上にいるキューピーちゃんは季節によって衣装が変わるんだそう。

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