ヨガのポーズといっても部位や効果などによってもその種類はさまざま。ヨガの教本「ゲーランダ・サンヒター」によると8,400万種類以上ものポーズがあるとか。
今回は「Veda Tokyo主宰」ヨガマスターでウェルネスメンターの吉川めいさんに「ヨガのポーズに関する基本的な考え方」や「これからヨガを始める人におすすめのポーズ」についてお話を伺った。
特定のポーズだけやっていても効果が出るわけではないので、一連の流れを覚えよう。
吉川めいさん
ウェルネスメンター
ヨガ初心者におすすめのポーズ
太陽礼拝とは、太陽に感謝し祈りを捧げるという意味をもつ、連続した9つのポーズからなる一連のシークエンス(ヨガの動き)のこと。呼吸に合わせて一つひとつのポーズを連動させていくのが特徴で、背骨を中心とした全身運動は身体に活力を与えてくれる。
太陽礼拝Aを繰り返すだけで、姿勢・腰痛の改善、肩甲骨が伸びるといった効果が期待できる。
1日10分程度のトレーニングを2〜3日繰り返すと、ある程度の流れや呼吸のタイミングを体得してくるので、画面や先生を見なくても一連の流れで動けるようになります。
とくに辛いポーズや身体が硬いところは、呼吸が止まってしまいがちなので、自分で気づきながら呼吸を続けるように意識しましょう。しばらく継続してみると、自身の身体の変化に気づくことができます。
太陽礼拝A
中立のポーズからスタート
背筋を伸ばし、足と足を揃えて立ち、手は身体の横に。顎を軽く引いて、視線は鼻の先へ向ける。
STEP1.
息を吸いながら両手を上げ、視線は手の親指へ向ける。
STEP2.
鼻から息を吐きながらできるところまで前屈。頭をしっかりと下げて視線は鼻の先へ。手が下につかなくてもOK。
体勢が難しい場合は、自分のできる範囲で前屈をしましょう。頭をしっかり下げ、膝を曲げないようにするのがポイントです。
STEP3.
息を吸いながら頭と視線を上げて背筋を伸ばす。胸を開くイメージで。
(手が下についていない場合は、その状態で頭と視線を上げる)
STEP4.チャトランガ・ダンダーサナ
息を吐きながら後ろにステップして、腕立てふせのように身体をおろす。脇を締めて、身体全体を板のように一直線に保ち、視線は鼻の先へ。
腕だけで身体全体を支えるのが難しい場合は、膝や胸をついても大丈夫です。脇を締めるのを忘れないようにしましょう。
STEP5.
息を吸いながら、つま先を返し胸を開くような意識で背中を反って上体を起こす。視線は上方へ。(きつい場合はひざが下についても大丈夫)
STEP6.下を向いた犬のポーズ
息を吐きながらつま先を返し、お尻を高く持ちあげる。足は平行で腰幅くらいに開く。背筋を伸ばした姿勢をキープしたまま、おへそのほうを見る。
この状態をキープしたまま深呼吸を5回する。
難しい場合はひざを曲げてかかとを浮かせてもOKです。背中から腕先までしっかり伸ばすことを意識しましょう。
STEP7.
息を吸いながら手と手の間にステップで元の位置に戻り、頭と視線を上げて背筋を伸ばす。(step3と同じ)
手が下につかない場合は。その状態で大丈夫なので、頭と視線をあげましょう。
STEP8.
息を吐きながらひざを伸ばして前屈。しっかりと頭を下げる。
STEP9.
息を吸いながら身体を起こして両手をあげる。視線は手の親指に向ける。
息を吐きながら中立のポーズに戻る。連続してSTEP1.につなげる。
太陽礼拝B
中立のポーズ
背筋を伸ばし、足と足を揃えて立ち、手は身体の横に。顎を軽く引いて、視線は鼻の先へ向ける。
STEP1.
息を吸いながらひざを曲げ、両手を上にあげる。視線は手の親指のほうへ向ける。
STEP2.
鼻から息を吐きながらできるところまで前屈。頭をしっかりと下げて視線は鼻の先へ向ける。
体勢が難しい場合は、自分のできる範囲で前屈をしましょう。頭をしっかり下げ、膝を曲げないようにするのがポイントです。
STEP3.
息を吸いながら、胸を開く感じで頭と視線を上げる。
STEP4.チャトランガ・ダンダーサナ
息を吐きながら後ろにステップして、腕立て伏せのように身体をおろし、視線は鼻の先へ向ける。脇を締めて、身体全体を板のように一直線に保つ。
腕だけで身体全体を支えるのが難しい場合は、膝や胸をついても大丈夫です。脇を締めるのを忘れないようにしましょう。
STEP5.
息を吸いながらつま先を返し、胸を開くような意識で背中を反って上体を起こす。視線は上方へ。
STEP6.下を向いた犬のポーズ
息を吐きながらつま先を返し、お尻を高く持ちあげる。足は平行に腰幅くらいに開き、背筋を伸ばした姿勢をキープしたまま、おへそのほうを見る。
難しい場合はひざを曲げてかかとを浮かせてもOKです。背中から腕先までしっかり伸ばすことを意識しましょう。
STEP7.
息を吸いながら右足を大きく一歩前へ。右足のつま先を前に向け、左足のつま先は45度にして、右脚を膝頭が足の指の上にくるように曲げたまま、おへそを真正面に身体を起こして、両手を頭上で合わせる。視線は手の親指に向ける。
STEP8.チャトランガ・ダンダーサナ
息を吐きながら両手をついて右足を後ろに戻し、脇を締めて身体を腕立て伏せのようにまっすぐにおろす。
STEP9.
息を吸いながらつま先を返し、胸を開くような意識で背中を反って上体を起こす。視線は上に向ける。
STEP10.下を向いた犬のポーズ
息を吐きながらつま先を返し、お尻を高く持ちあげる。足は平行に腰幅くらいに開き、
背筋を伸ばした姿勢をキープしたまま、おへそのほうを見る。
STEP11.
息を吸いながら左足を大きく一歩前へ。左足のつま先を前に向け、右足のつま先は45度にして、左脚を膝頭が足の指の上にくるように曲げる。
おへそを真正面に向けて身体を起こし、両手を頭上で合わせ、視線は手の親指に向ける。
STEP12.チャトランガ・ダンダーサナ
息を吐きながら両手をついて左足を後ろに戻し、脇を締めて身体を腕立て伏せのようにまっすぐにおろす。
STEP13.
息を吸いながらつま先を返し、胸を開くような意識で背中を反って上体を起こす。視線は上に向ける。
STEP14.
息を吐きながらつま先を返し、お尻を高く持ちあげる。できるところまで膝を伸ばし、足は平行に腰幅くらいに開く。背筋を伸ばした姿勢をキープしたまま、おへそのほうを見る。
この状態をキープしたまま深呼吸を5回する。
STEP15.
息を吸いながら手と手の間にステップで元の位置に戻る。頭と視線を上げて背筋を伸ばす。(step3と同じ)
手が下につかない場合はその状態で大丈夫なので、頭と視線をあげましょう。
STEP16.
息を吐きながらひざを伸ばして前屈。しっかりと頭を下げる。
STEP17.
息を吸いながらひざを曲げ、両手を上にあげる。目線は手の親指のほうへ向ける。
息を吐きながら中立のポーズに戻る。連続してSTEP1.につなげる。
屍のポーズ(シャバーサナ)
- あおむけに寝る
- 足は腰幅よりも少し広く、手のひらは上向きに
- 目を閉じて完全にリラックスした状態で休む
ヨガのポーズに関する基本的な考え方
1つのポーズだけをやらない
ヨガのポーズは効果・効能別に紹介されることが多いが、ヨガは本来「心・身体・精神」にホリスティック(全体性)に働きかけるもの。
身体全体にアプローチをかけて初めてちゃんと人間の身体は動くようになる。そのため、気になる部位だけをやるのではなく、身体全体をまんべんなく動かしていくことが大切。
まずは試しにやってみる
自分に合うヨガ(種類や流派)や先生との相性、やりやすいポーズなど、実際にやってみないとわからないことはたくさんある。
老若男女問わず誰でも気軽に始められるのがヨガのいいところなので、まずは気軽に始めてみよう。
無理のない範囲で身体を動かす
「ちゃんとポーズをとらないといけない」と考えなくても大丈夫。自分の身体にとって心地よい感覚を大切にしよう。
ポーズの柔軟さよりも、「ほどよく息を吸って吐いて」を継続できることが大事。自分ができる範囲で継続していくことで自然に柔軟性も増してくる。
Veda Tokyo主宰。日本で生まれ育ちながら、幼少期より英語圏の文化にも精通する。母の看取りや夫との死別、2人の息子の育児などを経験する中で、13年間インドに通い続けて得た伝統的な学びを日々の生活で活かせるメソッドに落とし込み、自分の中で成熟させた。ヨガ歴21年、日本人女性初のアシュタンガヨガ正式指導資格者。『Yoga People Award 2016』ベスト・オブ・ヨギーニ受賞。adidasグローバル・ヨガアンバサダー。