ジムの服装を選ぶ際、「スポーツウェアを着た方がいいのか」「スポーツウェアをおしゃれに着たい…」など、どう選べばいいか迷っている人も意外と多いのでは?
今回はCALADA LAB.代表トレーナーの比嘉 一雄さんに「運動観点でのウェアの選び方」を、スタイリストの川崎さんには「コーディネートのポイント」について話を伺った。
「これからジムのウェアを揃える人」や「ウェアの合わせ方がわからない人」はぜひ参考にしてみて。
比嘉 一雄さん
CALADA LAB.代表トレーナー
【アイテム別】ジムで運動するときの服装
【基本的なポイント】
- 汗をかくので通気性や速乾性、防臭効果は大切
- できるだけ試着はしよう(同じサイズでもメーカーによって大きさが違う)
- 好きなブランドで揃えてモチベーションを上げるのも◎
- 冬場は身体を冷やさないようにしよう
スポーツウェアには「身体の可動域を広げてくれる」「衝撃を軽減してくれる」などに効果が期待できるので、運動効率を上げたい人はウェア選びにもこだわろう。
トップス
トップスは、Tシャツまたはポロシャツがベーシックアイテムとして人気。トレーニングをしていると汗をかいてくるので、通気性や速乾性に優れている、防臭効果があるものがおすすめ。
トレーニング中の動きを妨げないよう、伸縮性のあるトップスを着用しよう。上半身のトレーニング時がメインの人は、腕の筋肉を確認しやすいタンクトップもおすすめ。
ボトムス
トップスと同様、通気性や速乾性に優れているものがおすすめ。
また、大事なポイントとなるのが伸縮性。スパッツのように伸縮性のよいボトムスならば、丈の長いものでもフィットしているので動きやすい。
伸縮性のない素材だと、スクワットのときにひざ周りがもたついたり、動きにくくなったりする。丈の長さやシルエット、動きやすさなど、実際に試着してみてしっくりくるものを見つけよう。
シューズ
ランニングやエアロバイクなど有酸素運動を中心におこなう場合は、ランニングシューズがおすすめ。クッション性が高く、横の揺れに強いので足への負担を軽減してくれる。
有酸素運動と合わせて筋トレをおこなう際も、靴底が安定していて踏ん張れるものであれば、ランニングシューズで問題ない。
トレーニングに合わせてシューズを履き変えたい場合は、有酸素運動はランニングシューズ、筋トレは底がフラットなトレーニングシューズにしよう。
ソックス
基本的には普段着用しているソックスで問題なし。
5本指ソックスは、足の裏全体に効率良く力を加えやすいので、ウエイトトレーニングなど踏ん張りを効かす種目に適している。とくに外反母趾や扁平足の人は、足がしっかり使えるように5本指ソックスを履くのがおすすめ。
アンダーウェア
Tシャツやウェアの中に着る伸縮性の高いインナーで、筋肉や関節の負荷軽減や血行促進、汗の吸収など、さまざまな効果がある。有酸素運動の場合は、走ったときに身体の肉が揺れるとエネルギー効率が下がるといわれているため、軽く身体を締め付けるようなコンプレッションウェアを着用するといい。
筋トレの場合は、アンダーウェアをそこまで重要視しなくても大丈夫。
ジャージ・パーカー
ジムの行き帰りや冬場のトレーニングの際にあると便利なアイテム。1年中Tシャツでトレーニングするよりも、季節に合わせたおしゃれを楽しむことで、モチベーションアップにもつながる。
また身体が冷えてしまうと力が出にくく、筋肉が硬くなってケガをしやすくなるので、ジャケットやパーカーを羽織って身体を温めておこう。準備運動やトレーニングで身体が温まったら、すぐに脱げるようなものが便利。
スタイリストに聞いたウェアをおしゃれに着こなすポイント
「スポーツウェアのおしゃれな着こなしがわからない」「機能性だけでなくデザイン性も求めたい」という人に向けてスタイリストの川崎さんに、「似合わせのコツ」「おしゃれに見せるポイント」について伺った。
川崎 英治さん
フリーランススタイリスト
- 2003年〜2007年スタイリスト事務所所属
- 2007年〜2010年スタイリスト甲斐弘之氏に師事
- 2010年〜フリーランススタイリストとして活動中
現在はメンズファッション誌、ファッションブランドのカタログ、広告、芸能人のスタイリングを手掛けている。
バランスのいいシルエットを意識して、だらしなく見えないことが第一
── そもそも自分に似合っているかどうかはどうやって判断したらいいですか?
まず重要なのはシルエットです。簡単にいうと着たときにサイズ感が合っていないとだらしなく見えてしまいます。最近のトレンドも考えると、ジャストサイズより一回り大きいくらいがバランスがよいです。
肩幅や身幅が少し大きい分にはボックスシルエットとしてリラックス感が出るのですが、肩の位置が落ちすぎていてもサイズが合っていないという印象を与えます。
また、着丈が長すぎるとだらしなく見えやすいので、注意しましょう。
── 自分に合ったサイズ感は重要ですね。色味について似合う・似合わないはありますか?
顔のパーツや骨格にもよるので一概には言えませんが、色白の人は色物が似合いやすい、色黒や顔が濃い人はモノトーンが似合うという印象はあります。
なので色黒の人は同じ赤でもビビットな色味ではなく比較的落ち着いた赤にするとよいでしょう。
また、顔周りに色を持ってくるのではなく、スニーカーや小物に色物を持ってくるのもおすすめです。顔から遠い位置で色を使うことでどんな色でも比較的合わせやすくなります。
メリハリを持たせて、ワンポイント入れるとおしゃれに見える
── 次におしゃれに見せるためのポイントはありますか?
メリハリをつけることが大事です。たとえばウェアが上下とも黒ならスニーカーには色を使ってみる。逆に柄とか大きくデザインが入ったTシャツを着るなら、パンツとスニーカーは抑えめにするなど。シンプルの中に一点遊びのあるポイントを作るとおしゃれに見えますよ。
色は2色か多くても3色までにおさえるとバランスが取りやすいです。色が増えるとどうしてもごちゃごちゃした印象になってしまいます。
コーデの主役となるアイテムを決めて、それ以外は控えめにするとバランスが取りやすいと思います。
── メインのアイテムを先に決めるとバランスが取りやすいですね。30代・40代の大人の男性が気をつけるポイントはありますか?
“地味になりすぎない”というのは1つのポイントかなと思います。たとえば、無地のウェアでもサイズ感で今っぽさを出してみる、さりげないデザインが入ったものにしてみるとか。
スポーツウェアは、ファッションブランドとコラボしているものも多いです。デザイン性がプラスされているので、こういったものもおすすめですよ。
── 簡単におしゃれを取り入れることができ、タウンウェアとしても使えそうですね!体型が気になる人、たとえばぽっちゃりしている人の場合はどうでしょうか?
上にボリュームがある人は上を少しだけタイトにして、下にボリュームをもってくるのがいいです。パンツのボリューム感がでることで視線を下に集めることができます。運動のしやすさを重視したうえでの話にはなりますが。
下半身が太い人は、引き締め効果のある黒色のパンツをはいたり、上半身にボリュームを持たせたりすることで、メリハリを作れます。
逆に華奢な人は少しオーバーサイズのものがおすすめです。また、色物や柄の入ったトップスを使うと、身体のラインが目立ちにくくなります。
色味を上手く取り入れておしゃれを演出。試着は絶対にしよう!
── シューズを選ぶポイントや合わせ方のコツを教えてください。
普段履きだと少し大きめのスニーカーでもいいですが、運動する場合はジャストフィットのものを選びましょう。
また、試着は絶対にしたほうがいいですね。同じサイズでもメーカーやモデルによってサイズ感や横幅はけっこう違うんですよ。
幅に関してはきついと足に負担がかかるので、少々ゆとりがあるものをおすすめします。
細かい話でいうと1日のうちでも若干足のサイズが変わるので、ジムに行く時間帯が決まっているのなら、その時間帯に合わせて試着するのもいいかもしれません。
── 確かに同じサイズでも、ものによって大きく感じたり小さく感じたりしますもんね。ウェアと合わせる際のポイントはありますか?
色味をうまく合わせるとおしゃれに見せることができますよ。たとえば、白にワンポイントで赤が入ったTシャツを着る場合、赤のスニーカーもしくは赤が入ったスニーカーを合わせるとか。
キャップを被る場合はキャップとスニーカーで少し色を使って、ウェアはシンプルにするとかもおすすめです。
もしウェアが黒の無地とか比較的シンプルなものであれば、スニーカーが多少派手でもうまくまとまると思いますよ。
パンツもスニーカーもシンプルな場合は、ソックスに色や柄を使うのがおすすめです。ハーフパンツを履く人は、ソックスにデザイン性のあるものを持ってくると簡単におしゃれに見せることができます。
川崎さんに聞いたコーディネートのポイントまとめ
- ジャストサイズより一回り大きいくらいがバランスがいい
- 着丈が長すぎるとだらしなく見えやすい
- 色は3色までにおさえる
- 色や柄のアイテムを入れる場合はそれ以外をシンプルに
- スニーカーは必ず試着して購入する
- 色物や柄に挑戦したい人は足元から取り入れるのがおすすめ
川崎様コメント
シンプルなスタイルがおすすめですが、ちょっとしたアイテムの使い方で格段にお洒落に見えると思います。まずは自分の体型を把握することから始めましょう。それによって自分に合う・合わないが見えてくると思います。
株式会社ヒガトレック CEO
1983年、福岡県生まれ。早稲田大学スポーツ科学部卒業後、東京大学大学院(石井直方研究室)にて、筋肉、ダイエットについて研究。
書籍40冊以上、累計100万部を超える。
「初心者がひとりで安全に効率的なトレーニングを行える」AIフィットネスマシン・ヒガトレックを研究開発。