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スクワットの消費カロリー!体重別・種目別の目安や消費カロリーの計算方法

スクワットは「消費カロリーが多い」と言われるが、筋力トレーニングの中では最も高いということで、実際に実施中の直接的な消費量は決して多くはない。消費カロリーが増える理由は、スクワットによって大腿四頭筋や大臀筋などの大きな筋群が鍛えられ、筋肉量が増加することで基礎代謝が上がるのがポイント。

この記事ではスクワットの消費カロリーの計算方法をはじめとし、種目別の消費カロリー、おすすめの自重スクワットなどを紹介する。

この記事の監修者

坂詰 真二さん

スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー

フィジカルトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)にてディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムで各種アスリートのコンディショニング指導を担当する。1996年に独立後、パーソナル指導、トレーナーの育成とともに、書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供をおこなう。22万部越えの「世界一やせるスクワット」(日本文芸社)ほか著書多数。3月末に『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』(日本文芸社)を上梓。公式youtubeチャンネルはhttps://www.youtube.com/@shin.training-channel

この記事の検証者

山本 祐志郎さん

6年前に始めたハンドボールで培った瞬発力や体力を活かして、日々の生活や仕事にも前向きに取り組む。朝の公園ランニングやHIITトレーニングを日課とし、時にはヨガで心身を整えるなど、アクティブな日々を過ごしている。

目次

スクワットの消費カロリーが高い理由

スクワットは、一度に多くの筋肉を使うため「消費カロリーが高い」と表現されることが多いが、実際にはスクワット自体の直接的な消費カロリーが特別に高いわけではないスクワットが消費カロリーの増加に寄与する理由は、基礎代謝を高めることで間接的に消費カロリーを増やす効果が大きいから。

筋肉には発熱装置としての働きもある。スクワットは下半身の大きな筋肉群である大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングスを効率よく鍛えられるトレーニングであり、これらの筋肉量が増えることで基礎代謝が向上する。

基礎代謝は1日の総消費カロリーの60~70%を占めるため、筋量の増加は結果として日常生活でのエネルギー消費量の底上げにつながる。

スクワットの消費カロリーの計算方法

  • METsを用いた計算式
  • 【種目・回数別】スクワットの消費カロリー

METsを用いた計算式

運動によるエネルギー消費量(消費カロリー)は、運動強度を示す「METs(メッツ)」を用いて計算するのが一般的。

【計算式】

消費カロリー (kcal) = METs × 体重(kg) × 運動時間(時間) × 1.05

座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当する。

スクワットのメッツが5.0、体重50kgの人が1回の動作時間を約8秒(腰を下ろす動作に4秒+立ち上がる動作に4秒)かけておこなった場合「5.0 × 50(kg) × 0.00222(時間) × 1.05 ≒ 0.58kcal」となる。

体重 1回あたりの消費カロリー
40kg 約0.47kcal
50kg 約0.58kcal
60kg 約0.70kcal
70kg 約0.82kcal
80kg 約0.93kcal

【種目・回数別】スクワットの消費カロリー

     
ノーマルスクワット 5 METs
  • 自重で行う標準スクワットは「中強度」相当とされる
ダンベルスクワット 6〜7 METs
  • 追加負荷によって筋活動量と心拍数が上昇し、自重より明確に強度が高くなる
バーベルスクワット 7〜8 METs
  • ダンベルより高重量を扱いやすく、体幹・下半身に大きな負荷がかかるため活動強度がさらに高い。
  • 高負荷レジスタンス運動は7METs以上になる
ブルガリアンスクワット 6〜7 METs
  • 片脚動作のため自重でも高負荷になり、バランス保持・体幹の安定など筋活動が大きく増える
  • 自重でも中〜高強度に分類される

スクワットの種目ごとにMETsが変わるのは、作に必要となる筋肉の数・バランスの要求度・負荷の大きさが異なるため。ダンベルやバーベルを用いる場合は重量を支えるために全身の筋活動が高まり、エネルギー消費が増加することでMETsが上昇する。

ブルガリアンスクワットのような片脚種目ではバランスを保つために多くの筋群が働き、安定性の低さが運動強度を引き上げ、結果として同じ「スクワット」であっても身体への負担や代謝負荷が変わる。

■【体重別】10回の消費カロリー

体重別/スクワットの種類 ノーマルスクワット(5Mets) ダンベルスクワット(6Mets) バーベルスクワット(7Mets) ブルガリアンスクワット(6Mets)
50kg 5.8kcal 6.7kcal 7.8kcal 6.7kcal
60kg 7.0kcal 8.0kcal 9.3kcal 8.0kcal
70kg 8.2kcal 9.3kcal 10.9kcal 9.3kcal
80kg 9.3kcal 10.7kcal 12.4kcal 10.7kcal
90kg 10.4kcal 12.0kcal 14.0kcal 12.0kcal

スクワットで消費カロリーを増やすポイント

スクワットで直接的に消費カロリーを増やすためには、筋肉への刺激だけでなく「全身運動としてのエネルギー消費量」を高める工夫が必要。もっとも手軽な方法は単位時間内の回数を増やすことであり、動作量が増えるほど心拍数が上がり、エネルギー消費も自然と大きくなる。

回数を過度に増やしすぎると筋トレとしての効果が薄まるが、有酸素運動に近い状態になり消費カロリーを増やしやすい。

筋力向上をねらう場合は適切な負荷やフォームを保ちつつ、消費カロリーを上げたい場合はテンポよく動作を続け、1分程度で区切ってさまざまなトレーニング種目をサーキット方式で組み合わせる方法がおすすめ。

カロリー消費におすすめの自重スクワット3選

  • ノーマルスクワット
  • スプリットスクワット
  • サイドスクワット

監修者:坂詰

1分程度で区切ってさまざまなトレーニング種目を組み合わせる場合、動きの違ったものを組み合わせるのが飽きないのでおすすめです。ノーマルスクワットを中心に、前に動くスプリットスクワット、左右に動くサイドスクワットを組み合わせましょう。

ノーマルスクワット

難易度 ★★☆☆☆
続けやすさ(※1) ★★★★★
トレーニング効率(※2) ★★★★☆
  • ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
  • ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
  1. 足を肩幅程度に開き、つま先をやや外側に向ける
  2. 背中は真っすぐの状態でひざと股関節を同時に曲げて尻を落とす
  3. 太ももが床と平行になるまで屈み、立ち上がる
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 不要
鍛えられる部位 大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、下腿三頭筋
負荷の調整 可能
※股関節とひざを曲げる角度を浅くすると負荷が弱まる

【注意点】

  • 背中を丸めない
  • ひざがつま先より前に出ない
  • 脚は肩幅程度
背中を丸めない

ひざがつま先より前に出すぎない

脚は肩幅程度

検証者:山本

シンプルな動きなので取り組みやすかった一方で、しゃがむ深さが浅くなったり、重心がつま先側に寄ってかかとが浮きそうになることがありました。回数を重ねると太もも前だけでなく、お尻やふくらはぎにもじわじわ効く感覚がありました。

監修者:坂詰

ノーマルスクワットは下半身全体をバランスよく鍛えられる基本トレーニングです。股関節を曲げながらお尻を下げていく意識を持つと重心が前に流れにくくなり、お尻やもも裏にも刺激が入りやすくなります。

鏡を見ながら背すじが丸まっていないか、太ももが床と平行まで下りているかを確認しながらおこないましょう。

「スクワット」の正しいやり方!効果・回数・重量・種類別の特徴

「スクワット」の検証ポイント 【難易度】 トレーニングレベルに関わらず、正しいフォームを習得できるか? 何回目の練習で正しいフォームを習得できたか? どの部分が.....

スプリットスクワット

難易度 ★★★☆☆
続けやすさ(※1) ★★★☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★☆
  • ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
  • ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
  1. 前後に脚を開き、背すじを伸ばして立つ
  2. 前に出した脚の股関節とひざを同時に曲げて、体を落としていく
  3. 背すじを伸ばしたまま、後ろのひざが床に着く手前まで体を落とし、体重を前に出した脚側にのせるようにする
  4. 前の足裏全体で地面を踏みつけるようにして立ち、もとの体勢に戻る
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 不要
鍛えられる部位 大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、下腿三頭筋
負荷の調整 可能
※步幅調整・深さ

【注意点】

  • 背すじを真っすぐにする
  • 前脚のひざがつま先より前に出すぎないようにする
背すじをまっすぐにする

前脚のひざがつま先より前に出すぎないようにする

検証者:山本

前後に脚を開いた姿勢を保つだけでも体幹が使われている感じがしました。重心を下ろすときに前脚へ体重を乗せきれず、後ろ脚に頼ってしまうことがありました。

監修者:坂詰

スプリットスクワットでは前脚にしっかり体重を乗せることで、大臀筋や大腿四頭筋に刺激を入れられるトレーニングです。最初は前脚6:後脚4の割合で体重を乗せる方法から始め、徐々に7:3になるようにしていきましょう。

ふらつく場合は左右の足幅を広めにとり、壁などに手を添えて実施しましょう。

サイドスクワット

難易度 ★★★☆☆
続けやすさ(※1) ★★★★☆
トレーニング効率(※2) ★★★☆☆
  • ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
  • ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
  1. 脚を肩幅の2倍程度に開き、背すじを伸ばして立つ
  2. 両腕を前に伸ばし、腰を落としながら片方のひざを曲げる
  3. ひざがつま先より前に出すぎないよう注意しながら、左右交互におこなう
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 不要
鍛えられる部位 大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、下腿三頭筋
負荷の調整 可能
※スタンス幅・深さ

【注意点】

  • 腕をしっかり上げる
  • ひざが内側に入らないようにする
腕をしっかり上げる

ひざが内側に入らないようにする

検証者:山本

横方向への動きに慣れていなかったため、どこまで腰を落とせば良いか迷いました。正しくできたときは内ももやお尻の横にしっかり効くのを感じました。

監修者:坂詰

サイドスクワットは横方向の動きを取り入れ、下半身を多角的に鍛えられるトレーニングです。野球、ゴルフ、テニスなどのスポーツでは横方向の動きが多いので、スポーツ動作を改善するのにも効果的なエクササイズです。

背すじを伸ばし、無理のない範囲で足幅を広げていきましょう。

以下の記事では、スクワット以外での消費カロリーが高い運動を紹介。

消費カロリーが高い運動は?自宅向きの運動・カロリー消費を高めるコツも紹介

消費カロリーの基礎知識 カロリーは「消費カロリー」と「摂取カロリー」がある 男女別:1日の消費カロリー目安 消費カロリーが増えることで痩せるメカニズム カロリー.....

消費カロリーを増やすためのポイント

  • 日常の活動量を増やす
  • 基礎代謝を向上させる
  • 良い姿勢を保つ
  • タンパク質をしっかり摂る
  • ストレスを適切に管理する

日常の活動量を増やす

消費カロリーを増やすためには、運動時間だけでなく日常生活での活動量を増やすことが大きく寄与する。これは NEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis) と呼ばれ、トレーニング以外の動作によって消費されるエネルギーを指す。

立つ、歩く時間を増やす、階段を利用する、こまめに体を動かすなど、日常における小さな行動を積み重ねることで消費カロリーは大きく増える意識的に活動量を高めることが、無理なく継続できる減量方法。

【日常生活で消費カロリーを増やす行動】

  • エレベーターではなく階段を使う
  • 近くの買い物は車ではなく歩く
  • 通勤時に1駅分歩いてみる

基礎代謝を向上させる

基礎代謝とは、心臓の拍動や呼吸など、生命維持のために必要とされる最低限のエネルギー消費のことであり、1日の総消費カロリーの60~70%程度を占めている

基礎代謝が高いほど、安静時でも多くのカロリーを消費するため、痩せやすく太りにくい身体づくりにつながる。

基礎代謝を高めるには、大腿四頭筋、三角筋、広背筋といった大きな筋肉をバランスよく鍛えることが大切。

これらの筋肉量が増えることで、身体全体のエネルギー消費量が底上げされ、日常生活でも効率的にカロリーを消費できるようになる。

■基礎代謝を上げるのにおすすめの習慣

湯船にしっかり浸かる
  • 体温が1度上がると基礎代謝は約12〜13%上昇する
しっかり睡眠時間を確保する
  • 睡眠不足になると日常生活運動量が低下する
  • 睡眠中に分泌される成長ホルモンが全身の新陳代謝を高め、筋肉の修復を促す
水分をしっかり摂る
  • 水分を補給すると血行が良くなり、日常生活での活動量の向上が期待できる
よく噛んで食べる
  • 食事誘発性熱産生の割合が高まり、エネルギー消費量が増える
朝にストレッチをする
  • 呼吸や体温を調整する自律神経が整い、代謝の向上につながる

良い姿勢を保つ

正しい姿勢を保つためには、身体各部がバランスを保つように筋肉が常に働く必要があり、この筋活動が基礎代謝を高め、エネルギー消費量の増加につながる。

姿勢維持は活動量が少なく見えるが、多くの筋肉が継続的に活動しているため、代謝向上に寄与する重要なポイント。

【正しい姿勢とは?】

正しい姿勢とは、首からお尻にかけて緩やかなS字カーブを描いている状態を指す。座位・立位いずれの場合でも、骨盤を立てて背すじを伸ばし、肩を後ろに引くように意識することで、筋肉が働いて関節の負担が減り、姿勢改善と代謝向上の両方に効果が期待できる。

タンパク質をしっかり摂る

タンパク質は、食事誘発性熱産生(DIT)が高く、摂取したエネルギーの一部がそのまま熱として消費されるため、代謝を効率よく引き上げる栄養素。

また、タンパク質は筋肉を構成する主要な材料であり、筋トレによって傷ついた筋線維を修復し、強化するために欠かせない。

十分なタンパク質を摂ることで筋量を維持・向上しやすくなり、結果として基礎代謝の向上にもつながる。

監修者:坂詰

タンパク質は一度にまとめて摂っても消化吸収することができないので、3食以上にわけて摂取するのがおすすめです。

以下の記事では、タンパク質が豊富な食べ物や簡単に作れるレシピを紹介。

タンパク質ダイエットの正しいやり方!一日の摂取量やおすすめの高タンパクな食べ物も紹介

タンパク質がダイエットによい理由!痩せる仕組みを解説 なぜタンパク質をとると痩せることにつながるのか、まずその理由を知ることがダイエット成功の秘訣。ここではタン.....

ストレスを適切に管理する

過度なストレスは、コルチゾールと呼ばれるストレスホルモンを過剰に分泌させる。このホルモンは筋肉のタンパク質を分解してエネルギーとして利用する働きを持つため、ストレス状態が続くと筋肉量が減少し、基礎代謝の低下につながる。

また、長期的なストレスは基礎代謝を下げることが指摘されている。さらに、適切なストレス発散方法を持たない場合、ドカ食いなどにより過剰にカロリーを摂取してしまう傾向に。

そのため、自分なりのストレス解消法を確立しておくことも、健康的な身体づくりにおいて大切なポイント。

スクワットや消費カロリーに関するQ&A

Q:運動する時間帯によっても消費カロリーは変化する?

A:基本的には時間帯で大きく変わらない

監修者:坂詰

同じ負荷・同じ動作でおこなう場合、消費カロリーは時間帯による差はほとんどありません。ただし、自分にとって動きやすい時間のほうが集中しやすく、結果的に消費カロリーが増えやすくなります。

運動習慣としては歩いて帰宅した直後など、体を動かしやすい時間帯におこなうのがおすすめです。

Q:スマートウォッチで消費カロリーを計算するのは効果ある?

A:目安として活用する程度であれば効果はある

監修者:坂詰

スマートウォッチの消費カロリー表示は正確さに限界がありますが、日々の変化や運動量の目安として使うにはおすすめです。スクワットは一時的に心拍数が上がり数値も増えますが、あくまで参考値として捉え、運動継続のモチベーションに活かすのがおすすめです。

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