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ブラックコーヒーはダイエット効果がある?選び方・取り入れ方・注意点を紹介

コーヒー豆本来の苦味と豊かな香りを楽しめるブラックコーヒー。砂糖やミルクを入れない分、摂取エネルギーが抑えられダイエットにおすすめの飲み物。この記事では、ブラックコーヒーのダイエット効果や選び方、ダイエット中の取り入れ方・注意点などを紹介。ブラックコーヒーの特性を上手に利用して、効率的なダイエットを目指そう。

この記事の監修者

荒井 名南さん

管理栄養士/健康食育ジュニアマスター/離乳食アドバイザー/フードスペシャリスト

保育園での給食運営・食育指導の経験がある管理栄養士。しっかり食べながら、1年半で10kgのダイエットに成功した経験を生かし、ダイエット指導を行うほか、子どもの食や健康に関する記事の執筆や監修を行っています。食品メーカーのサイトや雑誌に執筆記事多数掲載。「親子のしあわせごはん」をテーマに、「取り分け離乳食」や野菜を使った簡単レシピの開発、飲食店へのメニュー提供、商品開発なども行っています。千葉県出身、2児の母。

目次

ブラックコーヒーのダイエット効果 

ブラックコーヒーはダイエット中の飲み物に適していて、正しく飲めばダイエットをサポートしてくれる効果が期待できる。ここでは、具体的にどんな成分や健康効果があるのか紹介。

  • カフェインで老廃物の排出を促進
  • クロロゲン酸が急な血糖値の急上昇を抑制
  • 疲労回復効果で運動効率がアップ
  • 利尿作用によるむくみ解消

カフェインで老廃物の排出を促進

コーヒーに含まれるカフェインは交感神経を刺激し、老廃物の排出をサポートする。

老廃物を体外に排出することで、細胞が最適なコンディションで働いたり、血行の改善につながる。これによって身体が効率的にエネルギーを使うことができるようになる。

クロロゲン酸が急な血糖値の急上昇を抑制

「クロロゲン酸」はコーヒーに含まれるポリフェノールの一種。抗酸化作用のほかにも、糖質の吸収を緩やかにすることで、血糖値の上昇を抑える効果が期待できる。血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌される。

インスリンには脂肪を体内に蓄積しやすくする働きもあるため、ダイエット中はとくに血糖値コントロールが大切。血糖値が急上昇する原因は「朝食の欠食」や「糖質の過剰摂取」など。

1日3食バランスよく食事をすることが基本だが、コーヒーをうまく活用しながら血糖値の急上昇を予防しよう。

疲労回復効果で運動効率がアップ

コーヒーに含まれる「カフェイン」には運動中の疲労感を和らげる効果がある。

コーヒーを飲むと「仕事がはかどる」「眠気がなくなる」などがあるが、これはカフェインの作用によるもの。カフェインが中枢神経を刺激することで疲れを感じにくくなり、「集中力」「持久力」の向上が期待できる。

また、コーヒーに含まれるポリフェノールの1種である「クロロゲン酸」が運動による酸化ストレスを軽減するため、疲労回復効果が期待できる。運動後の疲労感が軽減することで次の運動の意欲も起こりやすく、効果的なダイエットにつながる。

利尿作用によるむくみ解消

コーヒーに含まれるカフェインには腎臓でおこわれる水分の再吸収を抑制する働きがある。本来体内に戻るはずだった水分がそのまま排出されるため、尿をつくる量が増えて、余分な水分や老廃物が体外に排出されやすくなる。

むくみが気になる人にはとくにおすすめ。

ダイエット中のブラックコーヒーの選び方

ひとくちにブラックコーヒーといってもさまざまな種類があるが、ダイエット中に飲むなら何を基準に選べばいいのだろうか。ダイエットにより適した種類を選んで、効率的な減量をおこなおう。

  • 浅煎りの豆から選ぶ
  • 健康成分が豊富なものを選ぶ
  • 手軽に買えるものを選ぶ
  • ドリップタイプを選ぶ

浅煎りの豆から選ぶ

コーヒーの焙煎度は大きくわけると「浅煎り」「中煎り」「深煎り」がある。焙煎時間が短いものを「浅煎り」、時間をかけてじっくり焙煎したものを「深煎り」、浅煎りと深煎りの中間を「中煎り」と呼ぶ。

コーヒーに含まれるポリフェノールの1種である「クロロゲン酸」は熱に弱く、焙煎をすればするほど量が減ってしまう。そのため、とくに浅煎りの豆に多く含まれる傾向がある。

また、浅煎りのコーヒーは酸味が強く苦味が比較的マイルドなため、ブラックコーヒーの苦味が苦手な人でも比較的飲みやすい。ダイエット中はなるべく砂糖やミルクを加えずに飲むのがおすすめなので、浅煎りのブラックコーヒーを選ぼう。

健康成分が豊富なものを選ぶ

コーヒー豆にはおもに「アラビカ種」と「ロブスタ種」がある。アラビカ種のカフェイン含有率は「約1%」、ロブスタ種は「約2%」と約2倍の違いがある。また、クロロゲン酸の含有量についてもアラビカ種より「ロブスタ種」に多く含まれている。

一方で、「カフェイン」や「クロロゲン酸」は含有量表示の義務がないため、表示されていないことが多く確認できないこともある。

カフェインに対する感受性には個人差があるため、自分に合うものを見つけることが大切です。まずは飲みやすさを基準に、自分の好みに合った味わいのものを選んでみてください。通常の2倍のカフェインを含んでいる商品などもありますが、人によってはお腹が緩くなるなどの体調不良を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

手軽に買えるものを選ぶ

ダイエット目的でブラックコーヒーを飲む場合はなるべく継続して飲むことが大切。そのため手に入りやすいものを選ぶことも継続のカギになる。

一方で、高価なものや特定の場所でしか買えないコーヒーは気軽に購入できず、継続するのが難しい。そのため、コーヒーを選ぶときはスーパーやコンビニなど近所のお店で売られているもの、あるいはネットショップで入手できるものがおすすめ。

ドリップタイプを選ぶ

コーヒー豆や焙煎度によって変わるカフェイン量だが、実は抽出方法によっても違いがある。一般的にドリップタイプのコーヒーに含まれるカフェイン量はインスタントコーヒーよりも多い。

コーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェイン量は、「インスタントコーヒーで約80mg」、「ドリップコーヒーで約90ml」ほど。大きな差ではないが、ダイエット中に取り入れるならドリップコーヒーを選ぶのがおすすめ。

カフェインやクロロゲン酸をより多くとるには、コーヒーをいれる際のお湯の温度も重要です。カフェインはお湯の温度が高い方が多く抽出され、クロロゲン酸はお湯の温度が高すぎると量が減るという特徴があります。そのため、90度程度のお湯でいれるのがおすすめです。

ダイエット中のブラックコーヒーの取り入れ方

ブラックコーヒーをダイエットに活用するなら、飲み方のコツをおさえておこう。ここでは、おすすめの飲み方と重要なポイントを紹介。

  • 「ホット」か「常温」で飲む
  • 1日何回かに分けて飲む
  • 運動や食事制限もおこなう

「ホット」か「常温」で飲む

ブラックコーヒーのダイエット効果を高めるには、ホットか常温で飲むのがおすすめ。コーヒーに限らず、飲み物は温かい方が代謝の向上にもつながる。

また、温かいと香りも強く感じられるため、満足感も得やすくなる。温かい飲み物が苦手な人や、夏場に暑いものを飲みたくないときは、常温で飲むのがおすすめ。必ずしもアイスコーヒーを避ける必要はないが、ダイエット中はなるべく身体を冷やさないように意識しよう。

1日何回かに分けて飲む

一度にたくさん飲むのではなく、少量をこまめに飲むことで胃腸への負担も少なく済む。

カフェインの感受性は人によって異なるものの、一般的にカフェインを摂取してから効果が薄れるまでの時間は「約4時間」とされており、摂取後30~120分で血中濃度が最大値になる。

そのため、就寝前は少なくとも「2~3時間前」までには飲み終わるようにしたい。また、不眠を起こさないカフェインの摂取量が「1回あたり100mg以下」という報告もある。

カフェインには覚醒効果があるものの、個人差があります。そのため、就寝数時間前のコーヒー摂取でも人によっては睡眠の質への影響がない可能性もあります。生活リズムが夜型の人でも、夜遅くのコーヒー摂取は自身の体質的にどうかを考慮して取り入れましょう。

運動や食事制限もおこなう

栄養バランスの整った食事と適度な運動を心がけた上で、ブラックコーヒーを取り入れるのが効率的なダイエットの秘訣。とくに「有酸素運動」は脂肪を燃焼し、「無酸素運動(筋トレ)」では筋肉量を増やすことで普段の消費エネルギー量が増加し、痩せやすい身体づくりにつながる。

ブラックコーヒーだけに頼るのではなく、食事管理や運動もしっかりおこなって健康的なダイエットを目指そう。

ダイエット中にブラックコーヒーを飲む最適なタイミング

ブラックコーヒーは飲む時間帯によって効果が異なる。目的に合ったタイミングで飲むことで、ダイエットをより進めやすくなる。人によって効果の個人差はあるものの、まずは自分に合ったタイミングを探してみよう。

  • 運動の30分前
  • 食後30分以内
  • 起床1時間後

運動の30分前

カフェインの血中濃度は「摂取後30分程度」でピークになる。運動開始のタイミングでカフェインの効果が最大限に発揮されることで、集中力が上がりパフォーマンスを高めやすくなる。

ただし、カフェインの利尿作用によって脱水状態にならないよう、運動中は水やスポーツドリンクなどをしっかり飲むようにしよう。

食後30分以内

食後30分以内にブラックコーヒーを飲むことで血糖値の上昇をゆるやかにし、余計な脂肪の蓄積を防ぐ。

コーヒーに含まれるクロロゲン酸には、糖の吸収をおだやかにし脂質の吸収を抑える作用があるため、ダイエットはもちろん、日々の健康管理や生活習慣病の予防も期待できる。また、コーヒーには胃液の分泌を促す作用もあり、適量の摂取は食後の「胃もたれ」「消化不良」を防ぐことができる。

起床1時間後

起床直後のコーヒーは胃への負担が大きい。とくに朝食前は胃が空の状態なので刺激物のコーヒーを飲むと胃が荒れる可能性もある。「薄めにする」「コーヒーを飲む前に水を飲む」など負担を和らげる工夫をしよう。

また、起床後に分泌されるストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」には、カフェインと同じく身体を覚醒させる働きがあるが、カフェインを摂取することで両方の作用を抑制してしまうことも。そのため、コルチゾールの分泌が落ち着く「起床1時間後以降」に飲むようにしよう。

ダイエット中にブラックコーヒーを飲む際の注意点

ブラックコーヒーはダイエットのサポートが期待できる飲み物。しかし、飲む量や時間に注意しなければ、かえって体調を崩してしまう可能性もあるため、次の点にはとくに注意しよう。

  • 空腹時は飲まない
  • 1日の適正量を守る
  • 寝る4時間前までに飲む
  • 健康的な生活習慣を心がける

空腹時は飲まない

空腹時にブラックコーヒーを飲むと胃酸の分泌が過剰に促進され、胃粘膜を刺激することも。これにより、「胃痛」「胸やけ」などの症状が起こる可能性がある。

とくに胃が弱い人や胃酸過多の傾向がある人は空腹時のコーヒーは避けて、軽い食事や果物と一緒に飲むなど、胃に不調が起こらないよう配慮しよう。

また、コーヒーを飲んで胃もたれを感じた場合は胃を休めつつ、自律神経を整えるために「無理に食事をしない」「白湯をゆっくりと飲む」などをするのがおすすめ。また、胃粘膜を保護する効果が期待できる「牛乳」を飲むのも効果的。

温かい飲み物の方が、胃腸の血流を促進して胃もたれ解消に役立つ。

コーヒーによる胃もたれが心配な場合は、ブラックコーヒーをそのまま飲むのではなく、牛乳を加えて「カフェラテ」や「カフェオレ」にして飲むとよいでしょう。また、温かい状態で飲むことも胃腸を温め、消化を助ける働きが期待できておすすめです。

1日の適正量を守る

一般的に、成人の1日に摂取してもよい「カフェインの量は400mg」までとされている。

これをコーヒーに換算すると、1日マグカップで約3杯が目安。コーヒーは身体に悪い飲み物ではないが、飲みすぎるのはNG。カフェインの摂取量が多くなりすぎると、「不眠」「動悸」「頭痛」などの不調を引き起こす可能性がある。

1杯ごとの量を測ってから飲んだり、時間を決めて飲むことで飲み過ぎを防ぐことができる。カフェインの影響を受けやすい人は無理に飲まず、カフェインレスのものなどで楽しもう。

寝る4時間前までに飲む

ブラックコーヒーから摂取したカフェインの血中濃度は、半減するまで「4時間ほどかかる」と言われている。

また、カフェインには覚醒作用があるため、寝る直前にとると脳が興奮状態になってしまい、寝つきが悪くなる可能性もある。睡眠の質の低下は日中の疲労感の増加、運動意欲の低下にもつながる。良質な睡眠はホルモンバランスの維持や代謝の促進に欠かせない。

健康的な生活習慣を心がける

ダイエット効果を得るには、「栄養バランスのとれた食事」「適度な運動」「良質な睡眠」など、健康的な生活習慣が欠かせない。コーヒーはあくまで嗜好品として取り入れながら、必要な栄養素は食事からしっかりと摂取しよう。

ダイエット中の食事は、「タンパク質」「食物繊維」を意識的に取り入れて、過度な糖質制限を避けるのがポイント。運動面では「有酸素運動」と「筋トレ」をバランスよく取り入れると脂肪燃焼や身体の引き締めがしやすくなる。

まずは無理なくできそうなことから始めて、痩せやすい身体づくりに適した生活リズムを作ろう。

ブラックコーヒーとダイエットに関するQ&A

ブラックコーヒーは毎日飲んでも大丈夫?

A:毎日飲んでOK、飲み過ぎに注意

ブラックコーヒーは毎日飲んでも問題はありません。ただし、決まった時間に一定量を摂取したり、適切な量と頻度を守るのが大切です。過剰摂取はお腹が緩くなったり、カフェイン中毒の原因になることがあるため注意しましょう。

コーヒーは「ダメ」・「太る」といわれる理由は?

A:身体を冷やす作用から代謝の低下につながると考えられている

カフェインには利尿作用があり、体内の水分を排出する際に体温まで逃してしまうことから冷えにつながると考えられています。コーヒーはあくまで嗜好飲料として水分補給の代わりとせず、他の飲料から十分な水分摂取をおこなうようにしましょう。

苦くて飲めないとき、ミルクの代用品になるものは?

A:アーモンドミルクがおすすめ

アーモンドミルクは食物繊維が豊富で生活習慣病の予防にも役立つ「オレイン酸」が豊富に含まれています。また、栄養面だけでなく、アーモンドの香ばしさと自然な甘みが、コーヒーの苦味を和らげて飲みやすくなるのでおすすめです。

カフェインレスのブラックコーヒーでも効果はある?

A:カフェインが完全にゼロならカフェインの効果は期待できない

カフェインの含有量が完全にゼロの場合、カフェインの効果を期待することは難しいものの、完全にゼロではない場合であれば、多少の効果が得られる可能性はあります。通常のブラックコーヒーよりも期待できる効果は低くなるものの、カフェインが体質に合わない人にはカフェインレスコーヒーがおすすめです。

ブラックコーヒーをおすすめできない人は?

A:カフェインで不調を感じる人

よく見られる症状には「頭痛」「胃もたれ」「下痢」などがあり、過敏性腸症候群がある人はその症状が現れる可能性もあります。カフェインが合わない場合は、「カフェインレス」や「カフェインゼロ」のコーヒーを選択するのも1つの手です。

ダイエットコーヒーにはダイエット効果があるの?

A:添加されている成分や量による

商品にもよりますが、ダイエットコーヒーの多くは「クロロゲン酸」「カフェイン」が通常のコーヒーより多く含まれています。そのため、ダイエットをサポートする効果が期待できるものの、あくまでも効果の有無は人それぞれです。ほかの栄養素が添加されている商品であれば、より「血糖値の上昇」「脂肪の蓄積」を予防する可能性もあります。

MCTオイルと一緒に飲んでも大丈夫?

A:問題ない

MCTオイルとブラックコーヒーを一緒に摂取しても、成分や効果に変化がないため問題ありません。MCTオイルは加熱調理には適さないため、飲み物に加えることで手軽に摂取が可能です。コーヒーに入れる際は熱いコーヒーよりも少し冷めたコーヒーに入れるとよいかもしれません。

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