
インクラインダンベルカールは、上腕二頭筋長頭のストレッチ刺激と収縮刺激を両立できる種目。この記事では、通常のダンベルカールとの違い・得られる効果、初心者が注意したいフォームのポイントを紹介。力こぶの高さを出したい人、二頭筋の外側ラインを際立たせたい人におすすめ。
この記事の監修者
関根 綾さん
パーソナルジムDecision 代表トレーナー
この記事の検証者

吉田 健二さん
Wellulu編集部
学生時代は運動部に所属。最近になってジム通いをスタート。実体験を踏まえて、初心者・ブランク明けでも再現しやすいメニューや、続けやすい負荷設定・時間配分に強い関心を持つ。今回の検証では「正しいフォームをどれだけ早く身につけられるか」「目安となる重量」を基準に評価。
「インクラインダンベルカール」の検証ポイント
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【難易度】 トレーニングレベルに関わらず、正しいフォームを習得できるか?
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【継続性】 数ヶ月継続して実践できる種目なのか?
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【負荷】 初心者はどれくらいの回数・重量が適切か?
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インクラインダンベルカールで鍛えられる部位
インクラインダンベルカールはベンチに座って腕を後方に伸ばした状態からカールをおこなうことで、上腕二頭筋を効果的に刺激できるトレーニング。特に力こぶを形づくる筋肉に的確にアプローチできるため、腕を太く見せたい人や二頭筋のラインを強調したい人に向いている。
上腕二頭筋の役割・位置・構成筋肉
おもな役割 |
・肘を曲げる(肘関節屈曲) ・手のひらを上に向ける(前腕の回外) ・肩関節屈曲(補助)にも関与 |
位置 | 腕の前面(力こぶ)にあり、肩からひじにかけて縦に走っている |
構成筋肉 |
・長頭:外側にある ・短頭:内側にある |

監修者:関根
インクラインダンベルカールは、ベンチを斜めにして腕を後方に引く動きが入るため、上腕二頭筋の長頭に強い刺激が入ります。長頭はストレッチポジションで負荷がかかると活性化しやすいため、この種目は力こぶの高さや外側のラインを際立たせるのに効果的です。
インクラインダンベルカールとダンベルカールの違い
通常のダンベルカールとインクラインダンベルカールではフォームや負荷のかかり方が異なる。インクラインダンベルカールはベンチを使って腕を伸ばした位置から動作するため、やや難易度が高い分だけ強い刺激が得られる。
トレーニング目的や自分のレベルに合わせて、2つの種目を使い分けることでよりバランスのよい腕の発達を目指すことができる。
項目 | ダンベルカール | インクラインダンベルカール |
おもに鍛えられる筋肉 | 上腕二頭筋(短頭) | 上腕二頭筋(長頭) |
フォームの難易度 | 比較的簡単で初心者向き | やや難易度高め |
重量の目安(初心者) | 片手5kg程度 | 片手3~5k程度 |
特徴 |
・器具があればどこでも実施できる ・短頭を鍛えて腕の厚みを増せる |
・強いストレッチによる大きな刺激が得られる ・長頭の発達に効果的 |

監修者:関根
ダンベルカールはフォームがシンプルで重量も扱いやすく、初心者でも上腕二頭筋全体を鍛えやすい種目です。実際のトレーニングでは、厚みを出す目的ならダンベルカールを中心に、外側のシルエットを強調したい場合はインクラインダンベルカールを取り入れるのがおすすめです。
インクラインダンベルカールで得られる効果
インクラインダンベルカールは、通常のダンベルカールよりも腕を伸ばした位置から動作を開始できるため、上腕二頭筋に強いストレッチ刺激を与えられる。その特性から、以下のような効果が期待できる。
- 上腕二頭筋の筋肥大
- 日常動作やパフォーマンスの向上
上腕二頭筋の筋肥大
上腕二頭筋が伸びた状態から収縮するため、筋肉の可動域を広く使え、通常のダンベルカールに比べて 上腕二頭筋への刺激が強まる。力こぶのサイズアップにつながりやすい。
また、ベンチにもたれることで体幹の反動が抑えられ、前腕や肩の関与が過剰になりにくく、上腕二頭筋にターゲットを絞りやすいのも特長。
日常動作やパフォーマンスの向上
上腕二頭筋は、ひじを曲げる動作だけでなく前腕の回外(手のひらを上に向ける動き)にも関わる。重い荷物を持ち上げる・買い物袋を運ぶ・子どもを抱き上げるといった場面が楽になる。
スポーツでは、ラケットやボールを扱う動作、クライミングや懸垂系の引く動作などで、引き込みの強さと保持力の向上が期待できる。
インクラインダンベルカールのやり方
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★★☆ |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- ベンチを30度に設定し、座面を上げる
- ダンベルを握り、ベンチに座る
- 首を起こし、目線は斜め前に向ける
- 両ひじをしっかり伸ばす
- ひじを固定したままダンベルを持ち上げる
バリエーション | 約5種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | ダンベル、トレーニングベンチ |
鍛えられる部位 | 上腕二頭筋 |
負荷の調整 | 可能(プレートで調整可能) |
STEP1:ベンチを30度に設定し、座面を上げる
- イスの座面を上げ、ベンチの角度は30度が目安

検証者:吉田
ベンチの角度によって、トレーニング時のストレッチ感がまったく違いました。傾斜が急(約80度)だと、ストレッチが全く感じられずトレーニング効率も低かったです。

監修者:関根
インクラインダンベルカールは上腕二頭筋にストレッチをかける種目なので、ベンチの角度は重要です。また、座面は腰が前へ滑らない高さに上げることで、動作が安定しやすくなります。
STEP2:ダンベルを握り、ベンチに座る
- ベンチに深く座り、両足をクロスする

検証者:吉田
両足を浮かせた状態だと重心は少し不安定になります。しかし、両足を床に着ける場合と比較して、腕の軌道は確保しやすかったです。

監修者:関根
両足を広げて床に着けると、太ももにダンベルが当たって軌道がぶれる可能性があります。慣れるまでは少し難しいかもしれませんが、しっかり上腕二頭筋に負荷をかけるためにも、足をクロスにする方法がおすすめです。
STEP3:首を起こし、目線は斜め上に向ける
- 胸を張り、目線は斜め上を見る

検証者:吉田
あごが上がっている状態だと、体幹に力が入らず、フォームが乱れやすかったです。注意点としては、あごを引くと背中が丸くなることもあるので、胸を張る意識を持った方がよさそうです。

監修者:関根
あごが上がると全身の力が抜けやすく、フォームが乱れやすくなります。あごを軽く引くために、目線は少し先の斜め上に置き、首だけでなく後頭部〜背中がベンチにやさしく触れている感覚をキープしてください。
STEP4:両ひじをしっかり伸ばす
- しっかりひじを伸ばし、ストレッチをかける

検証者:吉田
ひじをしっかり伸ばすことで、ボトムでストレッチが強く入りました。また、勢いよく動作すると肩が前に出たり、ひじへの負担が大きくなるため、ゆっくりコントロールしたほうがよさそうです。

監修者:関根
ダンベルを上げる動作だけでなく、下ろす動作もしっかりコントロールするようにしましょう。2〜3秒かけてゆっくりダンベルをおろす意識でトレーニングしましょう。
STEP5:ひじを固定したままダンベルを持ち上げる
- ひじは身体から離さず、横に固定する

検証者:吉田
ひじを身体の横で固定することで、上腕二頭筋にしっかり効きました。反動で持ち上げるとひじと身体の位置が離れて、上腕二頭筋への負荷が弱くなりました。

監修者:関根
ダンベルを持ち上げる際は、親指よりも小指への意識を強くすることで、上腕二頭筋の収縮も強くなります。持ち上げるときは収縮させ、下ろすときに伸張(ストレッチ)することがポイントです。
おさらい:インクラインダンベルカールのOK・NGフォーム
OKフォーム
NGフォーム
インクラインダンベルカールのOKフォームとNGフォームを比較した場合の違い。
フォーム | ひじの位置 | テンポ | 可動域 |
OKフォーム | 体側で固定され、前後に流れない | 上げ1–2秒/下ろし2–3秒 | 下でしっかり伸ばし、上で確実に収縮 |
NGフォーム | 反動で前後にぶれる | 速すぎてメリハリがない | 下で弾ませる・上で止まれない |

監修者:関根
あごを軽く引き、ひじを固定しながらダンベルをコントロールすることが大切です。ダンベルを持ち上げた際は力こぶ作り、下ろした際はしっかり停止する意識を持ちましょう。

検証者:吉田
ひじを体の横で固定できていると、上腕二頭筋に入る感覚が強くなりました。また、トップとボトムで一拍止めるだけでも反動が消えて、収縮と伸張がわかりやすかったです。

監修者:関根
フォームが乱れやすい原因としては、肩がすくむ癖や重さの欲張りもあります。セット前に肩を下げて首まわりを長く保ち、最初の数レップは「確認レップ」として軽めの重量でおこなうと、フォームも安定しやすくなります。

検証者:吉田
アップとして軽量から始めるのもよさそうです。また、その他の注意点などもあるのでしょうか?

監修者:関根
もし、ひじや上腕二頭筋に違和感がある日は他の種目に切り替える、あるいは休養日とする判断も大切です。
インクラインダンベルカールの種類4選
種類 | 対象となる主な部位 | 種目 |
インクラインハンマーカール | 上腕二頭筋・腕橈骨筋 | 筋肉の伸張時に負荷が大きい種目 |
インクラインダンベルプレス | 大胸筋(主に上部) | ダンベルを持ち上げる際に負荷が大きい種目 |
インクラインダンベルフライ | 大胸筋(主に上部) | 筋肉の伸張時に負荷が大きい種目 |
スパイダーカール | 上腕二頭筋 | 筋肉の収縮時に負荷が大きい種目 |

監修者:関根
インクラインダンベルカールは、上腕二頭筋が伸長しているときに負荷が強くなる種目です。インクラインベンチを使う類似種目は他にもいくつかありますが、狙う部位や負荷のかかるタイミングがそれぞれ異なります。鍛えたい部位に応じて、種目を選ぶようにしましょう。
インクラインハンマーカール
難易度 | ★★★★☆ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 座面を上げベンチを30度に設定する
- 両手にダンベルを握りベンチに座る
- 手のひらを身体側に向ける
- ひじを固定したままダンベルを持ち上げる
- ダンベルを肩付近で軽く止めたら元の位置に戻す
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅、ジム |
器具・設備 | ダンベル、トレーニングベンチ |
鍛えられる部位 | 上腕二頭筋・腕橈骨筋 |
負荷の調整 | 可能(ダンベルで重量を調整) |
- あごを下げる
- 手のひらは内側に向ける
あごを下げる
手のひらは内側に向ける

検証者:吉田
ベンチを30度にして手のひらを内側に向けたまま上げると、上腕筋と腕橈骨筋に早い段階から張りが出ました。あごを軽く引き、胸をそっと張ると肩がすくみにくく、ひじを身体の横で固定しやすかったです。

監修者:関根
重量を欲張るとフォームが乱れるので注意しましょう。もし前腕の張りが強い場合は重量を少し下げ、手首をまっすぐ保つことを意識してください。
インクラインダンベルプレス
難易度 | ★★☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 座面を上げベンチを30度に設定する
- 両手にダンベルを握りベンチに座る
- 手のひらを上に向ける
- 大胸筋を意識しながらダンベルを上げ下げする
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅、ジム |
器具・設備 | ダンベル、トレーニングベンチ |
鍛えられる部位 | 大胸筋・上腕三頭筋 |
負荷の調整 | 可能(ダンベルで重量を調整) |
- ダンベルは鎖骨の真上に
- ベンチの座面を上げる
ダンベルは鎖骨の真上に
ベンチの座面を上げる

検証者:吉田
ベンチを30度にすると胸上部へ効きが集まりやすく、座面を上げると体が滑らず安定しました。ダンベルは鎖骨の真上を通す意識で上下させると、軌道が安定しやすかったです。

監修者:関根
手首が反りやすい種目なので、手首をまっすぐに保ち、ひじは外へ開かないようにしましょう。トップで胸を軽く寄せると収縮感をより強く感じられます。
インクラインダンベルフライ
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 座面を上げベンチを30度に設定する
- 両手にダンベルを握りベンチに座る
- 手のひらを向かい合わせる
- 大胸筋を意識しながらダンベルを上げ下げする
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅、ジム |
器具・設備 | ダンベル、トレーニングベンチ |
鍛えられる部位 | 大胸筋・上腕三頭筋 |
負荷の調整 | 可能(ダンベルで重量を調整) |
- ダンベルは鎖骨の真上に
ダンベルは鎖骨の真上に

検証者:吉田
手のひらを向かい合わせて大きく開くと胸上部にストレッチが入りましたが、深く下げ過ぎると肩に詰まりを感じました。ひじに軽い曲がりを残したまま、腕を広げる意識を持つとフォームの安定性が増しました。

監修者:関根
ダンベルフライは胸で弧を描く意識が大切です。肩甲骨を落とし、肩をすくめないように注意しましょう。肩に違和感が出る場合は、ダンベルプレスへ切り替えましょう。
スパイダーカール
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- ベンチの角度を45度に調整する
- ベンチに対してうつ伏せになりダンベルを持つ
- ひじを固定しダンベルを持ち上げる
- ゆっくりダンベルを下ろし腕を伸ばす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅、ジム |
器具・設備 | ダンベル、トレーニングベンチ |
鍛えられる部位 | 上腕二頭筋 |
負荷の調整 | 可能(ダンベルで重量を調整) |
- しっかりダンベルを持ち上げる
- 45度程度の傾斜をつける
しっかりダンベルを持ち上げる
45度程度の傾斜をつける

検証者:吉田
うつ伏せで反動が使えないため、軽い重量でも上腕二頭筋にしっかり効きました。ベンチの角度を45度にするとトップでの収縮が強く、2〜3秒静止を入れるとより強く負荷を感じました。

監修者:関根
ひじが前へ出過ぎると負荷が抜けやすいので、ひじの位置を固定する意識を持ちましょう。胸とベンチの接点を安定させ、肩を下げて首まわりを長く保つとひじが動きにくくなります。
インクラインダンベルカールの重量・回数
インクラインダンベルカールは、反動を使わずに正しいフォームでおこなうことが大切。重すぎる重量でフォームが崩れると、上腕二頭筋への刺激が逃げてしまうため注意しよう。
回数・重量の基本
基本 | 12~15回できる重量で3セット |

検証者:吉田
トレーニング経験3か月程度だと、12~15回×3セットの重量は片手6㎏程度でした。軽い重量でも正しいフォームでおこなえば、上腕二頭筋もパンパンになります。
【レベル別】男女の重量目安
インクラインダンベルカールで扱う重量は、性別・トレーニング経験によって異なる。ここでは、男女それぞれの体重とトレーニング歴(ビギナー/経験者)を基準とした目安重量 を紹介。
男性のレベル別重量目安(片手)
体重 | ビギナー(~3ヵ月) ※フォームの習得が優先 | 経験者(4~6ヵ月) |
---|---|---|
50㎏ | 4~7㎏ | 7~10㎏ |
55㎏ | 4~7㎏ | 8~11㎏ |
60㎏ | 4~7㎏ | 9~12㎏ |
65㎏ | 4~7㎏ | 10~13㎏ |
70㎏ | 4~7㎏ | 11~14㎏ |
75㎏ | 4~7㎏ | 12~15㎏ |
80㎏ | 4~7㎏ | 13~16㎏ |
85㎏ | 4~7㎏ | 14~18㎏ |
90㎏ | 4~7㎏ | 15~19㎏ |
女性のレベル別重量目安(片手)
体重 | ビギナー(~3ヵ月) ※フォームの習得が優先 | 経験者(4~6ヵ月) |
---|---|---|
40㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
45㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
50㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
55㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
60㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
65㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
70㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
75㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |
80㎏ | 2~3㎏ | 4~6㎏ |

監修者:関根
あくまで目安となる重量です。フォームを崩さずにしっかり回数を行えるかどうかが最優先。特に初心者は、重量よりも 正しい姿勢と動作の習得 を優先しましょう。
インクラインダンベルカールのコツ・注意点
インクラインダンベルカールは、角度やフォームを少し誤るだけで負荷のかかり方が大きく変わる種目。効果的に上腕二頭筋を鍛えるためには、以下のポイントを意識しよう。
インクラインベンチの角度は30度
ベンチの角度は 30度前後が基本。ただし、肩の柔軟性には個人差があるため、肩周りが硬い人は角度を浅めに設定しよう。角度がきつすぎると肩に余分な負担がかかる可能性があるため、無理のない範囲で調整することがおすすめ。

監修者:関根
まずは30度前後を目安に、自分が快適に動作できる角度を探す方法がおすすめ。人によっては40~45度でトレーニングすることも。

検証者:吉田
30度だとストレッチが効きやすく、ひじを身体の横で固定しやすかったです。角度を45度程度にすると上腕二頭のストレッチが強くなった気がしました。
手首に負担がかかりすぎない重量でおこなう
ダンベルが重すぎると、手首が反ったり痛めたりするリスクが高まる。まずは軽めの重量からスタートし、手首をまっすぐに保ちながら動作をコントロールできる範囲で回数をこなすことが大切。手首の安定性を意識することで、上腕二頭筋に負荷を集中させやすくなる。

監修者:関根
手首が固定できないと前腕などの負荷が増します。手首を固定するために、リストストラップを使うやり方もおすすめです。

検証者:吉田
重くしすぎると手首が反り、前腕が先に疲れてしまいました。手首をまっすぐ保つことを最優先にすると上腕二頭筋に狙いを集めやすく、リストストラップを使うとフォームづくりに集中できました。
反動を使わずにゆっくりおこなう
勢いをつけて持ち上げると、負荷が上腕二頭筋から逃げてしまううえ、関節や腱への負担が増えてケガの原因になる。反動を使わず、ゆっくりとコントロールした動作を心がけることで、筋肉にしっかり効かせることができる。

監修者:関根
ダンベルをゆっくり下ろす意識をもつことで、反動は使いにくくなります。動きをコントロールすることで、軽い重量でも十分な効果が得られます。

検証者:吉田
勢いをつけると肩や腰に逃げ、上腕二頭筋への負荷が弱くなりました。スピードをコントロールするため、トップで一拍静止→下ろしは2〜3秒を意識するだけで、軽い重さでもしっかり効きました。
ひじが身体から離れないようにする
動作中にひじが前後に動いたり身体から離れてしまうと、上腕二頭筋以外の筋肉が働いてしまい、ターゲット筋への負荷が弱まる。常にひじを身体の横に固定し、ぶれないように意識して動作することがポイント。

監修者:関根
ひじを固定する感覚がつかみにくい場合は、片手ずつトレーニングする方法もあります。小さな工夫を取り入れて、上腕二頭筋に効かせる感覚を身につけましょう

検証者:吉田
疲れてくるとひじが前へ流れて肩が巻き込みやすくなりました。片手ずつおこなうと、ひじを体側に“置いたまま”の感覚がつかみやすかったです。
インクラインダンベルカールに関するQ&A
- インターバルはどれくらいが適切?
- 両手と片手ずつやるのは何が違う?
- ベンチがない場合の代用方法は?
インターバルはどれくらいが適切?
A:基本は60〜90秒程度。回復に時間がかかる場合は2分を目安に。

監修者:関根
上腕二頭筋を鍛える際のインターバル(休憩時間)は、人によって異なりますが、基本は60〜90秒程度にしましょう。もしインターバルが短く回復できない場合は、2分程度に伸ばしてください。
両手と片手ずつやるのは何が違う?
A:片手だと伸張と収縮を感じやすいが、時間がかかる。

監修者:関根
両手で同時におこなうメリットとして、反動を使いにくくなります。片手ずつ行う場合は集中力を片方の腕に向けられるため、伸張と収縮を強く意識できます。片手方式はセットに時間がかかるため、トレーニング時間に余裕があるときなどにおすすめ。
ベンチがない場合の代用方法は?
A:チューブを使う方法もあるが、ストレッチを効かせるのであればインクラインベンチがおすすめ。

監修者:関根
インクラインダンベルカールはベンチがあることで長頭を効果的に刺激できます。もし、ベンチがない場合は、チューブでストレッチ時の負荷を高めるやり方などもありますが、傾斜のあるイスを使った方が効果的です。
年間約1000セッションを指導。経営者や芸能関係者の指導経験も多く、ダイエット・ボディメイク・健康維持など、さまざまな悩みに幅広く対応している。2021年より大原学園大宮校スポーツトレーナー科講師としても活動。
【保有資格/実績など】全米エクササイズ&フィットネス協会認定トレーナー(NESTAーPFT)/IMBF公認ファスティングカウンセラー/関東オープンメンズフォジーク選手権入賞