
イタリアで創業された世界的なフィットネス機器メーカー「Technogym(テクノジム)」。近年、健康やフィットネスへの関心が高まり、トレーニングやウェルネスをサポートする機器の選択肢が増えている。そんな中、テクノジムは「ウェルネス」を提唱し、健康とフィットネスを一体化させた製品を展開している。
健康とフィットネスを一体化したトレーニングとは?実際に体験してきた。

松久 将一さん
テクノジム ジャパン株式会社 デジタルセールス部 部長

多田 雅典さん
テクノジム ジャパン株式会社 コンサルタンシーサービス部 エデュケーションスペシャリスト
民間フィットネスクラブで実務経験後、テクノジム ジャパンに入社。現在は製品を活用したトレーニングプログラムの開発からトレーナー向けのエデュケーションを担当。メディカルフィットネス施設や民間フィットネスクラブ等、エデュケーションを実施した施設は300を超える。
AIツールとプラットフォームで「ウェルネス」をサポート
包括的な視点で一人ひとりの「健康」をサポート
── 本日はよろしくお願いします!早速ですが、テクノジムが考える「フィットネスの未来像」について聞かせてください。
松久さん:テクノジムでは創業当初から「ウェルネス」という言葉を使ってきました。これは、単に身体の健康状態を示すだけでなく、運動、食事、そして精神的な健康という3つの要素が調和した状態です。
一人ひとりが前向きなマインドで身体を動かし、必要な栄養もしっかりと摂れている。つまり「健康で毎日明るい生活ができている」状態を目指す考え方です。
──つまり包括的な健康支援ということですね。
松久さん:その通りです。毎日健康的な生活を送るためには、運動だけではなく、心の健康や適切な食事が重要ですよね。この3つの要素がバランスよく整うことで、より充実した生活が実現できます。ただ単にジムで運動をして終わりではなく、このような包括的な視点で人々の健康をサポートするのがテクノジムの未来像です。
プラットフォーム上のデータを踏まえてプログラムを提案
──運動・心の健康・適切な食事を整えるために、どういったサービスを提供しているのでしょうか?
松久さん:一人ひとりに最適なプログラムを処方・管理し、全ての活動履歴が記録され、同じプラットフォーム上でデータを一元管理できる「デジタルエコシステム」に力を入れています。
「テクノジムエコシステム」では、サードパーティ(他社の製品・ソフトウェア)のテクノロジー、デバイス、アプリなどをシームレスに統合しているため、各ユーザーに合わせた「ウェルネス体験」の提供が可能です。
さらにAIが個人のログを解析し、負荷の調整や継続的なトレーニングの改善を提案してくれるのも大きな利点です。
たとえば、トレーニングが一定回数達成されるとフィットネスツールが負荷の引き上げを提案するなど、継続的な成長をサポートします。
柔軟性やバランス感覚などを踏まえて、身体年齢のような総合評価を算出してくれる「Technogym Checkup(テクノジムチェックアップ)」というツールもあり、半年後に再測定を促したりもしてくれます。
──テクノジムチェックアップ、気になります!
松久さん:高度な測定技術とAIを使用して「Wellness Age™(ウェルネスエイジ)」と呼ばれる、生理学的認知パラメータに基づくモチベーション指標を示してくれるツールなのですが、後ほど体験してみてください。
──楽しみです。
AIコーチとトレーナーの融合!効果的なトレーニングの実現
テクノジムが提案しているフィットネスツールやシステムによって、トレーナーやスタッフなど提供する側の負担も軽減されそうですね。
松久さん:そうですね。デジタル技術と専門知識に秀でた人間のサポートを融合させ、それぞれの強みを活かすことが重要だと考えています。デジタル技術は、測定や分析といった正確性が求められる作業が得意な一方、細やかな気遣いやコミュニケーションは人間がサポートする。この役割分担をより洗練させることが、未来のフィットネスを形作るポイントだと感じています。
たとえば、現在提供しているフィットネスマシンでのトレーニング状況をリアルタイムで判断し、自動的に負荷を調整したり、動きや椅子の設定を最適化する機能のような技術はさらに進化し、多くのフィットネスマシンへの応用が進んでいくと思っています。
──とくに初心者は器具の使い方や負荷がわからなかったりして早々に挫折した経験がある人も多いと思います。
松久さん:とくに初心者の方は「負荷の調整」「シート位置の設定」「フォームの矯正」の3つが難しくて、なんとなくマシンでのワークアウトに取り組むけど、効果的なトレーニングができていないというお悩みをよく耳にします。。
それをマシンが全自動で調整をしてくれる、マシン自体が一人ひとりにパーソナライズされた内容を提供してくれます。
── より多くの人のフィットネスへのハードルが下がりそうですね。独自開発の「Technogym App(テクノジムアプリ)」には運動のモチベーション維持のための機能もあるんですよね。
松久さん:アプリを活用した「チャレンジ」機能や「リワード」といったものを提供しています。ユーザー同士が運動を通して獲得したポイントを競い合い、仲間意識やモチベーションを高めながら運動を続けることにつながっています。
── 私も普段ウォーキングアプリを使っているのですが、ランキングはいつも気になりますし、そのおかげか頑張ってしまいます!
松久さん:トレーニングは「1人でおこなうもの」ではなく、ユーザーが「いろんな人がサポートしてくれてる」「みんながちゃんと見てくれてる」という感覚をデジタル技術を活用して提供できるのはテクノジム独自の特徴だと思っています。
1,000人規模のユーザーがいる施設で、専任トレーナーが全員を継続的に管理するのは現実的に難しいんです。
アプリ内にある「Technogym AI Coach(テクノジムAIコーチ)」機能を活用すれば、トレーナーの負担を軽減しつつ、最適なプログラムやチャレンジを提供することでユーザー1人ひとりのエンゲージメントを高めることが可能です。
松久さん:また、ランニングマシンで30分間走った後、ログアウトすると「お疲れ様でした。ストレッチをしましょう」「水分を補給してください」といったアドバイスがアプリにポップアップ表示されます。こうしたデジタルなサポートにより、トレーニング後も適切なケアを受けられる仕組みが整っているため、ユーザーは自分がきちんとサポートされていると実感でき、トレーニングへのモチベーションを高められます。
──まさにパーソナルトレーナーみたいですね!
モチベーションを保つ「小さな目標」と「大きな目標」
──トレーニングをするときのモチベーションを保つポイントを教えてください。
松久さん:モチベーションにつなげつつ、楽しんでトレーニングしていただければと思います。
そうですね。モチベーションをキープするために、計画を立てるときのポイントがあります。それはまず「大きな目標」とそのための「小さな目標」を明確にすることが大切です。多くの方は、たとえば「結婚式までに身体を引き締めたい」「モデルのような体型になりたい」といった大きな目標はハッキリしているのですが、それを実現するための細かなステップの設定はできていなかったりします。
── 大きな目標だけでは挫折もしやすそうですね…。
松久さん:具体的な計画は必要ですが、現在の身体の状態を正確に把握するのが重要です。その第一歩となるツールとしておすすめが「テクノジムチェックアップ」です。
── なるほど!現状を把握せずには計画は立てられませんもんね。
松久さん:たとえば、「痩せたい」と思ってジムに来られた方が、テクノジムチェックアップで測ってみたところ、実は筋力は十分あって柔軟性が不足している。その場合は、今持っている筋肉の可動域を生かしてカロリー消費量を上げるために、柔軟性を高めていきましょう、というアドバイスができるんです。
── 実は筋トレより柔軟性が重要という視点は1人ではさすがに気付ける気がしませんね。
松久さん:これらの作業はインストラクターやパーソナルトレーナーが一緒におこなうべきものなので、遠慮なく相談してください。まずはチェックアップで現状を把握し、目標を達成するためのスケジュールや細かいハードルを設計してもらいましょう。
── まさにデジタル技術と人間のサポートの融合ですね!
松久さん:3か月での目標を立てる場合、1か月ごと、さらには2週間や1週間単位で小さな目標を設定します。これに加え、定期的な再測定を行い、進捗を確認することも重要です。
このプロセスを通じて、「1か月でここまで来たから、次は少し目標を変えてみよう」といった柔軟な調整が可能になります。
── 筋トレというと「男性向け」とか「身体を大きくする」イメージが強かったですが、健康のために少しずつ挑戦してみたいです。
松久さん:ぜひ!いまでは女性のジム利用者も増えるなど、トレーニングに対するハードルが下がってきているのを感じます。
──女性にとっては嬉しいですね。
松久さん:テクノジムとしてビジュアルガイダンスが流れるパネルを備えたマシンやAI搭載のトレーニングマシンを提供することで、初心者や女性にも日常的に運動を楽しむきっかけにつながると思っています。
──女性も初心者も楽しく運動に取り組めるトレーニングツール。ぜひ体験させてください!
「Technogym Checkup」を体験
──先ほどお話をお伺いしましたが、改めて「テクノジムチェックアップ」とはどのようなものか教えてください。
松久さん:テクノジムチェックアップは、2024年4月に世界でリリースされたばかりの最新テクノロジーを搭載した測定機器です。人間の身体的および精神的な状態を6つの項目に分け、それぞれを100点満点で評価して「ウェルネスエイジ」を算出します
──具体的にどのような評価項目があるのでしょうか?
松久さん:「体組成」「可動性(柔軟性)」「バランス機能」「筋力」「持久力」「マインド」の6つのカテゴリーがあります。
たとえば、「筋力」では、自分が持つ筋肉をどれだけ効率よく使えるかを測定します。運動初心者の方の場合、筋肉を最大限に引き出せないことが多いので、その点も評価に含まれます。
──評価項目のなかでも「マインド」というのが興味深いです。
松久さん:そうですよね、「マインド」という項目では認知機能を測定します。脳の敏捷性や記憶力、視野の広さといった要素を評価するものになります。
──この「マインド」という項目はテクノジムチェックアップの特徴でもあるんですよね。
松久さん:他社でも同じようなツールはあるのですが、基本的には体組成や可動性、多くても筋力や持久力の測定に留まります。
しかし、テクノジムが大切にしている「ウェルネス」は、身体の健康だけでなく精神的な安定やよい食事も含む包括的な健康状態なので、「マインド」の項目はやはりテクノジムチェックアップの特徴ですね。
──興味深いです!この「チェックアップ」にはどんな役割があるのでしょうか?
松久さん:チェックアップは、フィットネスやトレーニングを生活に取り入れる際の最初のステップとして活用できます。体組成(体重や体脂肪、筋肉量など)を測定したり、柔軟性やバランス機能を評価したりすることで、自分の筋肉や体の動きの状態を客観的に把握できるのです。
──自分の現状を知るファーストステップということですね!
アプリにログインしてチェックアップを開始
──早速ですが私にもチェックアップを体験させてください。
松久さん:まずはアプリにログインする必要があります。ログイン方法は、アプリを使う方法と専用のバンドをかざす方法の2種類があり、どちらも簡単です。
まずは体組成の測定からおこなっていきましょうか。体重、体脂肪率、筋肉量、筋肉率、水分量、基礎代謝量、骨格筋の量などが評価されます。
──よろしくお願いします!
松久さん:この測定では裸足で機器に乗り、両手と両足を介して微弱の電流を流して計測します。測定結果はリアルタイムでスマートフォンのアプリにも反映されます。
──トレーニング前に測定をおこなう人が多いのでしょうか?
松久さん:そうですね、運動後は汗をかくことで水分量が減り、体脂肪率が高く出てしまう可能性があるので一番よいのは運動する前の「素の状態」で測定することですね。
──わあ!86点が出ました!
松久さん:高得点ですね!素晴らしいです!50点が平均なのでかなりよいスコアです。
──嬉しいです!ゲーム感覚もあるというか。次はもっと高得点を!となりますね。
松久さん:よかったです。この測定結果は会員データとしてジムの管理システムに保存され、これを基にスタッフは会員とのカウンセリングをおこなっています。たとえば「最近体脂肪が減少していますね」や「どういった運動をされていますか?」といった会話から、個々の目標に合ったトレーニングプログラムを作成します。測定データは、ユーザーの変化を記録し、トレーニングの方向性を決める重要な材料になるんです。
──次は「可動性」のテストですね。
松久さん:可動性とバランスのテストは、モーションキャプチャー技術を活用して、関節や身体の動きをリアルタイムにトラッキングしながら評価を行います。肩、首、腰(股関節)、足首の柔軟性を測定する4種類のテストで構成されており、それぞれのスコアを基に、可動性の総合評価をします。
微細な動きやエラーもAIが捉えるため、診断がぶれることなく、いつ誰がおこなっても一貫した結果が得られるのも特徴です。
──では早速よろしくお願いします!
松久さん:最初に肩の柔軟性を測定します。両腕を伸ばしたまま万歳をして、どこまで上げられるかを確認します。
続けて、首の柔軟性では両手を腰に当て、首を左右に倒してどの程度動かせるかを測定します。テスト中、たとえば首に引っ張られてつい肩が上がってしまった際などのエラーもカメラが検知し、教えてくれます。
──モーションキャプチャー技術、すごいですね。
松久さん:次に、腰や股関節の柔軟性を測るために、長座体前屈を行い、つま先にどこまで手が届くかを測定します。
続いて足首の柔軟性を確認します。足を前後に開き、前方に倒す動作をおこないます。
──緊張しました!
松久さん:続いてバランスの測定では、片足立ちをして20秒間、「どれだけ重心を正確に中央に保てるか」を確認します。これにより、体幹の強さや左右のバランス差を可視化します。リアルタイムで表示される円に重心を合わせてくださいね。
──これは難しい!私は左足のほうが得意なようです。
独自の測定要素「マインド」:脳のスピードを測定
松久さん:次に、マインドの測定では、敏捷性や記憶力、視野の広さなどを評価します。いくつかテストはあるのですが、今日は「脳のスピード」テストをやってみましょう。たとえば、画面上の異なる形や色を瞬時に記憶して正確に選択するようなテストで、集中力と反応速度を測ります。
──黙々とやってしまいました!集中しすぎて疲れますね!でも面白かったです。
松久さん:そうなんです。このテストはとくに疲れますよね。チェックアップは以上になります。お疲れ様でした。では早速アプリで結果を確認してみましょう。アプリ内のウェルネスパスポートに結果が入っているはずです。
結果をもとにプログラムを提案
──この結果から自分に合ったトレーニングプログラムを提案してもらえるのでしょうか?
松久さん:そうですね。たとえば、首の柔軟性が平均を下回っていた場合は首のストレッチ種目、バランスが弱い場合は特定のスタジオプログラムやエクササイズを、左右のバランスに差がある場合はその部分を改善するトレーニングをといったように、AIがそのユーザーに最適なトレーニングを推奨してくれます。
これにより、トレーナーごとに提案内容がばらつく問題を解消し、一定の基準に基づいたプログラム提供が可能になります。
──これまでトレーナーさんによって提案が少しずつ違っているというのはしょうがないことだと思っていたので新鮮です。自分の苦手分野を知れるのは嬉しいです。
松久さん:自分の身体の苦手分野を具体的に理解できるため、「この部分を改善すればいい」という明確な目標が立てられるのは魅力ですよね。
また、Garmin(ガーミン)やApple Watch(アップルウォッチ)などの外部デバイスとも連携すると、運動データだけでなく睡眠や心拍数なども統合できるので、このアプリ1つで運動から休息まで包括的な健康管理がおこなえます。
──モチベーションの維持にもつながりそうです!
Biocircuit:パーソナライズされたトレーニングの提案
多田さん:続いて、「Biocircuit(バイオサーキット)」でトレーニングをやってみましょう!バイオサーキットはユーザー一人ひとりの体力や目的に応じて自動的に運動負荷を調整する最新型のAI搭載トレーニングマシンです。6機種以上のマシンでのエクササイズを1セットでおこない、初回の利用時に筋力や可動域などを測定するテストによって個人の体力レベルを把握します。
そのデータを基に運動負荷が設定されます。たとえばダイエットを目的とする方には脂肪燃焼に適した運動負荷が、筋力を増やしたい方には筋肉を鍛えるための負荷がそれぞれ自動的に調整されます。このように、異なる目的を持つユーザーが同じフォーマット内で効率的にトレーニングできる点が特長です。
──従来のマシンとの違いはどういったところにあるのでしょうか?
松久さん:従来では、たとえば「40代の男性ならこのくらいの重量で」といったように年齢や性別に基づいて一律に負荷設定がおこなわれることが多かったのですが、実際は同じ年齢・性別でも身長や体重など体格が異なれば筋力も異なります。また、ユーザーの体力レベルを正確に把握するにはトレーナー自身にも高いスキルが必要で、測定にも時間がかかるものでした。
──これで!と言われると変えたくても変えられないんですよね。
多田さん:そうですよね。しかし、バイオサーキットでは初回テストを通じて個別の筋力や体力に最適な負荷が設定されるため、無理なく効果的なトレーニングが可能です。また、デジタル技術を活用し、誰が操作しても一定の正確な測定結果が得られるよう設計されています。1台あたり45秒程度で測定が完了し、全体でも7〜8分程度でテスト完了と非常にスピーディーです。
──これほど簡単に自分に合った負荷でトレーニングできるのはありがたいですね!
多田さん:ユーザーにとっては自分の目的や体力に合わせた負荷で運動ができるため、過度な負担を避けつつ最大限の効果を得られます。また、簡単にプログラム設定できるため、初めての方でも安心して利用できるのが魅力です。
トレーナーにとっては、ユーザーごとに時間をかけて負荷を調整する必要がなく、効率的な指導が可能になります。
──トレーナーの負担も軽減するのですね。
多田さん:そうなんです。対話やコミュニケーションといった「人が担うべき部分」はトレーナーに任せて、「人に頼らなくてもよい部分」はデジタルに任せよう、というのが当社のデジタルの考え方で、まさに、デジタルとトレーナーの役割をうまく組み合わせた効率的なトレーニング環境を実現した形です。
──ぜひ!体験させてください!
多田さん:初めに、設置されているQRコードを読み取り、ログインします。そうすると初回だけ、どんな目的でトレーニングをしていきたいですか?という選択をする必要があります。
──「マシンにログイン」するってなんだか不思議です。
多田さん:あまりないですよね。ここで、ご自身のトレーニングする目的に近しいものを選んでいただきます。
引き締まった筋肉をつけて身体にメリハリをつけたいなら「TONE YOUR BODY」、アンチエイジングを目的とするなら「STAY YOUNG」、運動初心者であれば負荷が少ない「START MOVING」、ダイエット目的なら「LOOSE WEIGHT」、スポーツパフォーマンスを向上させたいなら「BOOST PERFORMANCE」があります。どのプログラムを選んでみましょうか?
──そうですね…身体にメリハリをつける「TONE YOUR BODY」ですかね…
多田さん:しんどいのを選びましたね!素晴らしいです!笑
──つい惹かれるままに…笑
多田さん:では選んだものでスタートをしましょう。画面にどのマシンを使用するべきか指示が出ると思います。
──1番のマシンのようです!もうマシンの画面にも反映されていますね!
多田さん:2回目以降は、マシンにログインするだけですぐにトレーニングを開始できます。椅子の調整も自動でユーザーに合った位置に調整されるため、初めての方でも安心して使用できます。
マシンの指示の通りにテストをおこなっていきましょう。
──がんばります!
多田さん:順番に背中、胸、脚ですね。45秒間で動かし方や可動域、1RM(正しいフォームで1回だけ挙げることができる最大重量)のテストをおこなっています。
次に背中とお腹ですね。この部位にどのくらいの筋力があるかをテストしています。
──45秒間ずつとは言え、へとへとになりました…でもマシンが動作のガイドもしてくれたので難しくなかったです!
多田さん:お疲れ様でした!がんばりましたね。これでセットアップは完了したので、次回からはログインするだけでマシンがすべての設定を自動でおこなってくれます。シートの高さや重さの設定もすべてお任せで大丈夫です。
──すごい。これだけで悩まず自分に最適なトレーニングがすぐおこなえるんですね。
多田さん:2回目以降のワークアウトがどのような感じかも見ていきたいと思います。お選びいただいた「TONE YOUR BODY」というプログラムでは、約15分間で6種類のマシンを2周するトレーニングがおこなわれます。
──背中、胸、足の表側と裏側、背中、腰、お腹といった全身をバランスよくたった15分で鍛えられるというのが信じられないです。
多田さん:さらに、体調や状態に応じて柔軟に調整も可能です。たとえば、「今日は膝や肩が痛い」といった場合には、特定のマシンをその日だけ除くこともできます。シートの位置は自動で設定してくれるものの、必要であればエクササイズ中にシート位置の微調整も簡単におこなえます。
──臨機応変に対応できるのですね!
多田さん:お選びになった「TONE YOUR BODY」プログラムですと、たとえば、あるマシンではハンドルを引く際に12キロ、戻す際に15キロといった形で動作ごとに負荷が変わります。これはユーザーの目的、つまり今回だとボディメイクにはある程度筋肉をつけていくことが必要なので、それに適した運動負荷を設定してくれます。
──引くときと戻すときで負荷が変わるのには驚きました。
多田さん:ほかにも、画面に表示される波形やボールの動きを見ながら、動作の速さやタイミングを確認しながら運動ができます。正確な動作ができていると白いボールが表示され、速すぎたり遅すぎたりすると赤く表示されるため、自分の動きがトレーニングの目的に沿っているのかが一目でわかります。
さらに、トレーニング終了後には「コンプライアンス」として、動作の正確性と負荷を評価する仕組みがあります。この評価はユーザーのモチベーション向上につながり、次のトレーニングへの意欲を高めてくれます。
従来のジムにはない効率的なトレーニング
──私はどこかゲーム感覚で楽しいとすら感じました!
多田さん:バイオサーキットでは全員が同じタイミングでトレーニングをおこない、インターバルを挟んで次のマシンでトレーニングをするフォーマットのため、従来のジムのようにマシンの順番待ちの時間が発生しないのは大きな魅力の1つです。
また、実はマシンの並び順も工夫しているんです。特定の筋肉に負担が偏らないよう、身体の表側と裏側つまり背中を鍛えたあとはその反対側にある胸、下半身の表側を鍛えたあとは裏側といったように、身体に負担をかけすぎることを避けながら、交互にトレーニングがおこなわれる配置になっています。
──無駄がなくとにかく効率的なトレーニングが実現するのですね。
多田さん:そうなんです。このトレーニング結果は最初のチェックアップで測定した筋力データに反映されるので、サーキット終了後に可視化された自分の筋力や進捗を確認して満足感や達成感を感じられるはずです。
──データを見ながら自分のトレーニングの評価ができるのは重要ですよね。
多田さん:これまでのトレーニングは「筋肉がついた気がする」「引き締まったかもしれない」といった感覚的な評価が主でしたが、チェックアップでは数字で自分の成長を確認できます。
たとえば、初回の測定では現状を把握し、2回目以降は「以前よりどの部分がよくなったか」を具体的な数値で見ることができ、トレーニングプログラムが適切であるか、ユーザーがしっかりトレーニングをおこなえているかを判断できます。
──思うように結果が出ていなければ早い段階で軌道修正をおこなえるのもメリットですね!
Skillrun:様々な目的に応じて使用できるランニングマシン
多田さん:最後に、従来のランニングマシンよりも幅広いトレーニングができる「Skillrun(スキルラン)」を利用してみてください!持久力だけでなく、トップスピードの工場や敏捷性、さらにはパワーといった多面的なスキルを鍛えられ、トップアスリートから初心者まで幅広い方に利用してもらっているランニングマシンです。
一般的なベルト式とは異なり、走行面がキャタピラー構造になっていて、実際に陸上競技場のタータンの上を走っているような感覚を再現しています。
──たしかに感覚が従来のものと違いますね!滑らないですね!
多田さん:快適ですよね。スキルランもログイン機能を活用すると、ランニングデータや履歴を記録でき、自分のペースや進歩を把握できます。
とくにこのスキルランの特徴として注目したいのが「バイオフィードバック機能」です。
──フィードバックですか?
多田さん:スキルランでランニングをしていただくと
- ケイデンス(1分間あたりの足の運びの数)や歩幅
- 左右のバランス(右足と左足の蹴りの強さの差)
- 接地時間(地面に足がついている時間)
- 滞空時間(両足が地面から離れている時間)
といったデータをリアルタイムで確認できます。これらのデータを分析することで、自分にとって最適なフォームやペースを見つけられます。さらに、過去のデータを参照して、調子がよかったときの数値を確認しながらトレーニングをおこなうことも可能です。
──すごいですね!通常のランニングマシンではできないトレーニングも可能なんですよね?
多田さん:スキルランでは、通常のランニングだけでなく、スレッドプッシュンという機能があります。これは芝生の上で重いそりを押すような動きをおこない、全身を使った筋力トレーニングの要素を取り入れる事ができます。またほかに、パラシュートランという機能では走行時に背中に背負ったパラシュートに風圧がかかるような負荷を走行面にかけることで、瞬発力やスプリント力を高めるようなパフォーマンストレーニングが可能です。
これらのトレーニングは、短距離選手のスタートダッシュや、ラグビー選手のスクラムの踏み込み力を鍛えるのに役立つトレーニングです。
──有酸素運動しながらパワートレーニング要素を取り入れられるのは画期的ですね。
多田さん:そうですね。スキルランは、有酸素運動としてのランニングだけでなく、パワートレーニングや瞬発力トレーニングの要素も兼ね備えています。これにより、アスリートのような本格的なトレーニングから、一般の方の日常的な健康維持目的のトレーニングまで、幅広い用途に対応できます。
──これは一気に疲れますね!
多田さん:スキルランでは、単に走行速度や消費カロリーだけでなく
左右のバランス:足の蹴りの強さや設置時間の違いを可視化します。
ピークスピード:トレーニング中に達成した最大速度。
ピークパワー:スプリントやダッシュ時に発揮した最高出力。
といったデータが記録できます。トレーニング中の動きや結果を細かく分析してくれるのでランニングに特化したパーソナルトレーニングや運動指導の際に役にたつと思います。
──マラソン選手のトレーニングみたいですね…。
多田さん:そうですね。従来のランニングマシンでは最大速度が時速22~25キロほどですが、スキルランは30キロまで対応してるのでトップアスリートやマラソン選手のトレーニングにも十分活用できる速度域です。また、下りの勾配もマイナス3%まで設定可能です。
──上りはよく聞きますが下りのトレーニングもあるのですね!
多田さん:ほかにもたとえばトレーニングルーティン機能では、ユーザーが目的に応じてプログラムを選べます。
たとえば
ダイエット向けトレーニング
パワートレーニング
サッカーや陸上競技向けの全方向への動きに対応する体作り
──ちょっとハードルが高いのかなと思いましたが、一般の方にも魅力的なプログラムがあるのですね!
多田さん:ただ走るだけでなく、ランニング中にサイドランジや横向きステップなどの多彩な動きを取り入れたプログラムも楽しめます。従来のランニングマシンというと自分でスピードを設定して黙々とやっていくものでしたが、これだと飽きずに走ったり歩いたり運動してもらえると思います。
──速度や角度の調整もマシンが自動でしてくれるので任せっきりでよいのは素敵です!やる気だけ持ってきますね。
多田さん:あとはアウトドアの「ディスカバリーセッション」という機能では、世界の有名な都市や自然の風景を見ながら、まるでその場所を散歩しているかのような気分でトレーニングができます。イヤホンを使用すれば、現地の雰囲気や文化をタレントトレーナーがガイドしてくれる音声も楽しめます。
──旅行してるみたいですね。パーソナライズされたトレーニングに楽しく取り組めて、あっという間に時間が過ぎました!本日はありがとうございました。
編集後記
テクノジムジャパンでの体験は、最新のテクノロジーと人間のサポートのバランスをとった新しいトレーニング体験でした。特に、チェックアップやバイオサーキットなど、データに基づいて個々の目標にも合ったトレーニングを効率的におこなえる点が魅力的でした!
健康やフィットネスの未来を感じさせると同時に、モチベーション維持の重要性を再認識させられた一日でした。
民間フィットネスクラブやプライベートジムでのトレーナー、フィットネスクラブ向けのアプリ開発を経験した後、デジタルセールススペシャリストとしてテクノジム ジャパンに入社。Mywellness CRMをはじめデジタル分野におけるソリューション拡販に従事。