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【あんじゅ先生】脱サラ後、「好き」の漫画を「仕事」に

1日の大半を占める仕事の時間。仕事の時間が充実していることこそが、ウェルビーイングだと感じている方も多いだろう。反対に、仕事そのものや職場の人間関係に悩む人も多いはず。

今回お話を伺ったのは、漫画家として活躍する若林杏樹さん(通称あんじゅ先生)。2018年に出版した『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』は、発行部数20万部を突破するなど、今や大先生ともいえる漫画家だ。

あんじゅ先生は一度就職をしたものの「脱サラ」し、前職の大学職員とは全く違う職業、フリーランスの漫画家に転向するという異色の経歴の持ち主だ。小さい頃から好きだったという絵を仕事にするまでには、どんな想いや経緯があったのか。Wellulu編集部の堂上研が話を伺った。

 

若林 杏樹さん(あんじゅ先生)

漫画家/イラストレーター

大学卒業後、母校帝京大学に正規職員として就職。5年間務めた後「脱サラ」し、フリーランスとして独立、ライター業やコンセプトカフェでのアルバイトなどを経て現在は漫画家として活躍している。その傍らで漫画家を目指す人や漫画好きな人を集めたオンラインサロンを2018年11月からスタートし、現在は約180人のメンバーを抱えている。

著書に、『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』(2018年/サンクチュアリ出版)、『最短5年で家賃年収1000万円になる方法 あなたにもできる不動産投資のススメ』(2024年/清談社Publico)などがある。

堂上 研

Wellulu編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

自分を受け入れてくれた「大学」という場所

堂上:2作品目となる『貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!』、読みました! あんじゅ先生は、難しいことをわかりやすく伝えることを得意とされていますよね。そのために普段どんなことを意識しているのかすごく気になっていたので、今日はお話しできるのを楽しみにしていました。どうぞよろしくお願いします。

あんじゅ:ありがとうございます! こちらこそよろしくお願いします。

堂上:まず、簡単に自己紹介していただいてもよろしいですか?

あんじゅ:もちろんです。現在は「若林杏樹」「あんじゅ先生」という名前で、漫画家として活動しています。前職は大学の事務職員をしていました。じつはこの経歴はよく面白がられるのですが、私としてはただ「好きなことを仕事にした」だけなんですよね。

堂上:まさにWelluluにぴったりですね。好きなことを仕事にできる人は、ウェルビーイング度がものすごく高い傾向にあります。

あんじゅ:そうなんですね! 私の場合、大学を卒業してそのまま母校に就職、5年で脱サラしてフリーランスの漫画家になったので、世間知らずのまま今に至っている感覚なのですが……。大学で働いていた頃も、一般的な会社のように利益やノルマを追い求めることが少なくて。

堂上:大学ではどんなお仕事をされていたんですか?

あんじゅ:入試課というところに在籍していて、受験生に対して大学の広報をするのが主な仕事でした。全国を回って、高校生に「うちの大学ってこんなところだよ!」「ぜひ来てね!」とアピールする役割です。

全然話を聞く気がない高校生の目をどう引くかを考えたり、受験へのモチベーションによって話す内容を変えたり、すごく楽しかったです。当時はパワポはほとんど使わず、ガイドブック1冊で50分間の授業をする感じだったのですごく大変でしたけど……。

堂上:僕も広告の仕事をずっとしていたので、ひとつのものを色々な角度でアピールする大変さはよくわかります。では大学職員時代は、漫画家やイラストの仕事はしていなかったんですね。

あんじゅ:そうですね。大学時代は漫画研究会に所属していたので、コミックマーケットなどに向けて漫画を描いていましたが、卒業してからはほとんど描いていなかったです。

堂上:コミックマーケット! テレビなどでたまに見かけますが、毎年すごい熱量ですよね。

あんじゅ:すごいですよね。最近は禁止されているようですが、前日の夜から並ぶ人がいたり始発ダッシュをする人がいたり……。ちょうど私たちの世代が大学生の頃に「オタク」という言葉が良い意味で使われるようになってからは、より盛り上がるようになった感じがしますね。

堂上:なるほど。そこで当時大学生だったあんじゅ先生も漫画を出していたわけですね。

あんじゅ:はい。4コマギャグ漫画をメインで描いていたんですが、それがけっこう評判良くて「大学って楽しい!」となったんです。これまで漫画を描いていることをなんとなく周囲に隠していたので、自分や自分の作品を受け入れてもらえたことがすごく嬉しくて。それで大学という場所はすごく面白いかもと思うようになり、就職先として大学を選びました。結果的に高校生に「大学って面白いよ!」と話す立場につけたので、仕事はすごくやりがいがありました。

堂上:たしかに、大学は面白い場所ですよね。大学職員と漫画家って、すごく遠い位置にいるような気がしていましたが、あんじゅ先生の中ではつながっていたんですね。

こっそり続けてきた「好き」を再開。いつのまにか仕事に

堂上:あんじゅ先生は、小さい頃から絵を描くのが好きだったんですか? どんなお子さんでした?

あんじゅ:母が言うには、幼稚園に迎えに行くと、絵を描いているか、動物の相手をしているかのどちらかだったそうです。特に幼稚園で飼っていたウサギやリス、ニワトリに餌をあげるのにハマっていて。「餌をどれだけ短く持ってあげられるか」ということを、一人でゲームにして遊んでました(笑)。とはいえ性格は明るかったそうですし、まったく友だちと遊ばないというわけでもなくて、今考えると、一人の時間と友だちとの時間をきっちり切り分けていたのだと思います。

堂上:面白いですね。小さい頃から自分の世界をしっかり持っていた感じですね。

あんじゅ:そうかもしれません。ずっと一人でいるから母は心配したそうなんですが、先生には「あれはあれで楽しそうだから良い」と言われていたそうです。だから無理に一人の時間を奪われるようなことがないまま育ちました。

それから、中学生から高校生くらいにかけて周りのみんながガラケーを持ち始めたのですが、私は頑なに持ちませんでした。学校のアンケートで生徒の99%が携帯を持っているのがわかっても、私は残りの1%でしたね。

堂上:なぜ持たなかったんですか?

あんじゅ:必要性を感じなかったというか、こちらの都合に構わず連絡が来るのが嫌だったというか……。

堂上:びっくり! 僕もまったく同じ理由で社会人になるまで携帯を持たなかったんです。社会人になって、いよいよ上司に連絡を取る必要が出てきたり、不便だと感じることが増えたりして半ば嫌々持ち始めたくらいで。なんとなく、自分の時間を邪魔される感じがありますよね。

あんじゅ:わかります……。

堂上:面白い。あんじゅ先生は学生時代からそういうこだわりを持ってたんですね。では、ご両親はあんじゅ先生のやりたいことをやりたいようにやらせてくれた感じですか?

あんじゅ:そうでもないですよ。両親は真面目なタイプで「勉強しなさい」「しっかりしなさい」としょっちゅう言っていました。大学進学のときに、唯一資料請求したのが絵を学べる大学だったのですが、資料が届くなりゴミ箱に捨てられて……。芸術系の道は厳しいことをわかっていたのか、「普通の大学に行って」と言われた記憶があります。

堂上:「好きなことを思いっきりやりなさい」という感じではなかったんですね。

あんじゅ:はい。小学校の卒業文集で「将来の夢は漫画家」と書いていましたし、漫画家という職業はずっと頭にあったのですが、芸術系の学校には進学しませんでした。結局、大学で漫画研究会に入って好きなことをしていましたけどね……(笑)。むしろコソコソやるから、楽しいと思えたのかもしれません。

堂上:じつは僕も昔から絵を描くのが大好きで、学生の頃は教科書にパラパラ漫画を描いたり偉人の顔に落書きをしたりして遊んでいました(笑)。勉強をすることが正しいと言われるなか、ある意味「遊び」の延長線上だからこそ楽しいというのは、その通りかもしれませんね。

あんじゅ:そうですよね。絵の勉強をしっかりしていなかったからこそ、私は大きな挫折も経験していないんです。

堂上:漫画家という職業に興味はあったものの、一度は大学職員として就職したあんじゅ先生が、再び漫画家を目指そうと思ったきっかけはどんなものだったのでしょうか。安定を手放すのは、すごく勇気がいることだと思うのですが……。

あんじゅ:大学で5年働いて、部署異動もあり仕事に面白みを感じなくなったことが大きいです。「無理に働く必要もないし、とりあえず辞めてみるか」「ハイスペな男性と結婚して、趣味程度で絵を続けられたら最高!」くらいの勢いで辞めちゃいました。

堂上:すごい行動力ですね! ご両親の反対はなかったですか?

あんじゅ:当然ありました。前職の同僚とは辞めた後も仲良くしていたので、母に「大学に戻れるか大学の職員の方に聞いてみなさい」なんて言われたりして(笑)。それでもなんとかなると思っていたし、「せっかく辞めたし好きなことをやってみるか!」と絵を再開したんです。

堂上:素敵です。僕はWelluluを通じて色々な方にお話を伺っていますが、好きなことがある、推しがいる、何かに熱中できる……など、いわゆるプレイフルネスな状態の方はウェルビーイング度がとても高いんです。あんじゅ先生も昔から自分が好きなものをわかっていて、少しずつでもやり続けてきたからこそ、結果的に好きなことを仕事にすることができたわけですもんね。

あんじゅ:たしかに! すごく良い生き方をしているかもしれません。

堂上:とはいえ、いきなりフリーランスになってすぐに仕事がもらえるわけではないですよね? どうやって「好きなこと」を「仕事」にしてきたんですか?

あんじゅ:最初は、Webメディアでライターとして活動を始めました。原稿料として報酬をいただいて、そこに自分で描いたイラストもついでに載せちゃう、みたいな。絵はいくら載せても報酬にはつながらないのですが、最初のうちは自分の絵がインターネット上にあることが新鮮で嬉しかったんです。

とはいえ、ライターの収入だけでは生活はできなかったので、コンセプトカフェでのアルバイトもやってました。そんな生活を続けるうちにイラストを載せた記事が少しバズったりして、徐々にイラストの仕事もいただけるようになりました。

堂上:それで「あんじゅ先生」と呼ばれるようになったんですね。

あんじゅ:じつは「あんじゅ先生」と呼び始めたのは私なんです。イラストの仕事の延長線上でKindle本の挿絵を担当させていただいた後に、「漫画の仕事が来たんだから私ももう『先生』じゃん!」と思って、SNSの名前とかを変えました。

堂上:それは良い案ですね。かつて「株式会社大会社」という名前の会社があったんです。従業員は3〜4名くらいの小さな会社だったんですけど、なんとなく「しっかりした会社」のイメージが湧きますよね。漫画の世界でも、「先生」と名乗っている方のほうが、安心して依頼できる気がします。

あんじゅ:そうかもしれません。株式会社大会社、面白いですね(笑)。

これまでの経験がすべて「今」につながっている

堂上:ここからは、あんじゅ先生の「今」について伺えればと思います。1作目も2作目も、一般的には複雑で難しいといわれることが、本当にわかりやすく漫画で描かれているなとすごく驚いたのですが、あんじゅ先生の中では何かコツがあるのでしょうか? 税金や投資について、じつはものすごく詳しいとか?

あんじゅ:いやいや、むしろ知識はゼロに近いです(笑)。私がやっているのは、自分自身がわからなかったことを理解するまでの過程を漫画にしている、ということです。

堂上:その等身大の感じがすごくわかりやすいんですよね。いわゆる専門家の方が書いた本だと、用語の意味すらわからず、難しすぎて2〜3ページで挫折してしまう……なんてことがよくあるじゃないですか。

あんじゅ:私の本はそんな私の視点で描かれているので、いわゆる解説者よりも質問者の声のほうが大きいんです。「えー! これわからないんだけどー!」「なんて読むのー?」って。だから読者の方に親近感を持って読んでいただけるのかもしれません。

堂上:わからないことをわかりやすく解説するのは、すごく難しいことではありますが、普段の生活や仕事でも役に立つ能力ですよね。Welluluでも、ウェルビーイングに関する論文を噛み砕いてわかりやすく解説するという企画があるんです。その企画で、あんじゅ先生に漫画を描いていただくのも面白いかも。

あんじゅ:えー! いいんですか? ぜひ!

堂上:あんじゅ先生のお話を伺っていると、これまでのご経験をしっかり糧にされているなと感じます。すべての学問や経験が自分の生き方、考え方につながっていて、無駄なものはない。これを「リベラルアーツ」というのですが、あんじゅ先生は漫画を通してご自身が色々なことを学ぶ機会を得ていて、まさにリベラルアーツな生き方をされているなと思います。

僕とあんじゅ先生が出会って今日この対談が実現したのも、たまたま大阪に行った時に参加した講演会がきっかけですもんね。そういう意味では、大学職員時代の経験も今のお仕事につながる良い経験だったのでしょうね。

あんじゅ:それはすごく感じますね。同業者の方には、漫画のなかで自己表現をすることは得意なものの、対面でのコミュニケーションや自己主張は苦手、というケースも少なくありません。一方で、私は大学職員の経験があるので、人と喋ることはもちろん、打ち合わせやトークイベントなどにも苦手意識がまったくないんです。50分間のフリートークを毎日のようにしていたくらいですから、人前でもほとんど緊張もしませんし、司会者がいない出版イベントも余裕です(笑)。

堂上:すごい! これまでの経験は、どんな形であれ「今」につながっていますね。僕もあんじゅ先生と同じように、学生時代に4コマ漫画を描いて遊んでいたのですが、広告会社に入社した時にCMの絵コンテを描くのに役立った経験があります。

あんじゅ:たしかに! そう考えると人生って面白いですね。

ただ、私はたまたまそう生きられているだけで、同じ漫画家のなかには生きづらさを感じているからこそ漫画の中で自己表現をしている、という方も多くいます。昔は「そんな暗いこと考えても仕方ないじゃん!」と思っていたのですが、今は、自分にとっては目に見えないくらい小さなことでも、それで悩んでいる方もいるということは理解はしたいなと思いますね。

堂上:素晴らしいです。あんじゅ先生は、漫画家コミュニティも運営されているんですよね。

あんじゅ:はい。オンラインサロンという形で、漫画家やイラストレーターの方が気軽に相談したり仕事の受発注をしたりする場を作っています。自分自身、フリーランスの1〜2年目の頃に相談できる人がいなくて困った経験があるので、そういった方々の役に立てたらいいなと思って……。いつのまにか180人くらいの規模になっていて、なかには税理士さんや弁護士さんもいらっしゃるんです。

堂上:すごい! 色々な職業の方がいるって面白いですね。自分にとって居心地が良いコミュニティや学べる場所があることは、ウェルビーイング度を上げるという意味でもすごく大切です。

最近、僕は息子と一緒にLINEスタンプを作るのにハマっているんですが、あんじゅ先生のオンラインサロンで修行させてもらおうかな(笑)。

あんじゅ:ぜひぜひ! これは余談ですけど、LINEスタンプは漫画の修行に最適なんですよ。ひとつのキャラクターの色々な表情を描くことになるし、ランキングでどんなスタンプが売れているかをチェックすることでマーケティングの勉強にもなりますから。「漫画家になるためにはまず何を見たらいいですか?」と聞かれたら、いつも「LINEスタンプを!」と答えています。

堂上:へぇ、そうなんですね! やっぱり、息子をあんじゅ先生のもとに送り込もうかな……(笑)。

仕事を通じて自分自身も成長する

堂上:すでにとてもウェルビーイングに生きているように見えるあんじゅ先生ですが、どんな瞬間に楽しさや幸せを感じますか?

あんじゅ:うーん……。基本的には全部楽しいです。今回の本を作る時も、1カ月ちょっとで100ページ以上描かなければいけないというハードなスケジュールだったんですけど、それはそれで楽しかったというか……。絶対に誰も倒れず走り抜けなければという意味で、アシスタントの子たちと「デスマーチ」と呼んだりして楽しんでいました(笑)。

堂上:チームでひとつのものを作り上げている感じも達成感につながるのでしょうか。

あんじゅ:そうですね。最近はアシスタントの子たちの成長にも幸せを感じるようになってきました。「すごい! こんなに描けるようになったのー?」と日々感動しています。最近はデジタルで作業を効率化できるようになったのもあって、アシスタントさんをつけずに一人ですべて描き切る漫画家さんも多いのですが、私は「スケジュールきつい!」「無理!」なんてギャーギャー言いながらも、みんなで作る時間が好きですね。

堂上:お互いに良い影響を与え合うことにもなりますしね。

あんじゅ:いつのまにか私より売れてる、なんてこともありますけどね……。以前お手伝いしてくれていたアシスタントさんは、ある大会で入賞して賞金750万円を獲得してました……。

堂上:すごいですね! でも、アシスタントさんの活躍もまたきっと嬉しいですよね。

あんじゅ:はい。あとは、景色の良いところに行って美味しいコーヒーを飲みながら漫画を書く時間も、私にとってはウェルビーングですね。できれば仕事ではなく、自分のSNSのための漫画、誰にも頼まれていない漫画を描くのが幸せです。

堂上:締め切りや期限がなく、時間に追われずに好きなことに取り組める時間は最高ですよね。フリーランスにはそういうイメージがありますが、あんじゅ先生は大学職員時代と比べたら、今のほうが自由な感じがしていますか? それとも仕事が増えすぎて、むしろ大変ですか?

あんじゅ:フリーランスになった当初は、まだまだ仕事も少なく「結婚していつでも辞めてやる」くらいの感覚でした。でも漫画の仕事をいただくようになって、さらにありがたいことにけっこうな反響をいただいて、「すごいね」と言われるようになってからは、さすがに責任感が芽生えるようになりました。仕事を通して成長させてもらっている感じです。

堂上:なるほど。悩んだり落ち込んだり、クヨクヨ、イライラしたりすることはありませんか? あんじゅ先生とお話ししていると、ポジティブなオーラをものすごく感じますが……。

あんじゅ:あまりないかも……? 例えばSNSで心ない一言を見ても、「見てー! デブって言われたんだけどー! ひどくないー!?」とその場で軽く愚痴を言えば解消できて、いつの間にか怒っていたことさえ忘れています(笑)。

堂上:素晴らしいですね。そんな「鈍感力」を持ったあんじゅ先生だからこそ、周りの方々に愛されているのかもしれませんね。

堂上:最後に、あんじゅ先生のこれからについて教えてください。どう生きていきたい、みたいな展望はありますか?

あんじゅ:もちろん漫画家としての活動は続けたいと思っていますが、最近はアニメにも挑戦したいなと思っています。もともと声優をやってみたいと思っていた時期もあって、友だちに協力してもらいながらショートアニメを作ったこともあるんです。

堂上:すごい! マルチですね。

あんじゅ:それに今は個人でもアニメや映像を作れる時代ですよね。せっかくだから作りたいな、と思っています。とはいえしっかり台本を作った経験がないので、今は台本作りを学びたいです。

堂上:素晴らしいです。コンフォートゾーン(居心地の良い場所)に留まらず、自分がわからないことでもどんどんチャレンジする精神は、ウェルビーング度を高めるのにも役立ちます。今日お話を伺って、あんじゅ先生はまさにウェルビーイングに生きている方だと感じました。貴重なお話、本当にありがとうございました!

あんじゅ:こちらこそ、ありがとうございました! いつかご一緒にお仕事できたら嬉しいです!

堂上編集後期:

大阪の女性起業家の集いでお会いしたときに、「自然体で周りの方を巻き込むフリーランス漫画家」であるあんじゅ先生に魅力を感じた。どうやって彼女は、自身の「好き」を探求しているのだろう。そして、どうやって、彼女は「好き」を仕事にできたのだろう? そんな話をしたいと思って、あんじゅ先生との対談が生まれた。

あんじゅ先生の魅力は、なんでも好奇心旺盛に楽しんでいる。そして、常にまわりへの気配りを忘れない。そんなところから来るのだろう。そして、起業家にも必要な「鈍感力」=「ポジティブ思考」を天性に持っているように感じる。あんじゅ先生の周りにいる人たちは、とても楽しくなる。

そして、漫画が好きすぎる、というのが仕事になって、生きているのを楽しんでいる。とはいえ、締め切りがあるものは大変な日常が待っている。その上で、その仕事を楽しむ原点は、「人を喜ばせたい」という想いからだろう。

ウェルビーイングな人は、ウェルビーイングな人をどんどん巻き込む。そして、ウェルビーイングな人の周りは、どんどんウェルビーイングになる。こんな好循環を、あんじゅ先生は持っている。今度、ぜひいっしょにWelluluの中でイラストを描いてもらいたい。

素敵な時間をどうもありがとうございました。

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