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【田牧そら氏】挑戦こそがウェルビーイング。18歳、仕事も学業もどちらも頑張りたい

今回ご登場いただくのは、女優・モデルとして活躍する田牧そらさん。NHKの人気番組『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』のアシスタントを務める役者として知っている方も多いだろう。

生後半年でモデルデビューし、数多くのドラマ・映画に出演してきた彼女は、7月25日(木)放送スタートの新ドラマ『スカイキャッスル』に出演が決まったことでも話題を呼んでいる。

小さい頃から数多くドラマや映画に出演してきた田牧さんは、今年18歳になる現役高校生でもある。そんな彼女は、日頃どんなことを考え、どんなことにワクワクするのか。等身大の田牧さんについてWellulu編集部の堂上研が話を伺った。

 

田牧 そらさん

女優/モデル

2006年8月2日生まれ。トライストーン・エンタテイメント所属。生後半年でモデルデビューし、幼少期より数多くの広告に出演。2010年、4歳の時に山崎製パンのCMにて初出演して以来、多くのドラマや映画に出演するとともに、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』でレギュラーを務めるなど、バラエティ番組でも活躍している。現在放送中のドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日)では、山田未久役を演じている。

堂上 研

Wellulu編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

「やりたいことは好きにやりなさい」と応援してくれた母の存在

堂上:今日は、ドラマの撮影の後のお忙しい中、Welluluでお時間頂きありがとうございます。そもそも、ウェルビーイングって聞いたことありましたか!?

田牧:よろしくお願いします!正直な話、今回はじめて聞いて、マネージャーさんや周りの人に尋ねました。

堂上:そうですよね。僕らはウェルビーイングって人それぞれ違うと思っています。だから、今日は難しく考えずに、自分が何を楽しいと思えるか、どういう生き方が自分らしいか、なんてことをお伺いできれば嬉しいです。

まずは、小さい頃のお話から伺ってもいいですか? 幼少期から子役として活躍されているそらさんですが、小さい頃は何をするのが好きでしたか?

田牧:友だちと遊ぶのが大好きでした。小さい頃は今よりもアクティブだったので、外でドッジボールをしたりサッカーをしたり。中学校の時は陸上部で中長距離をやっていました。

堂上:へぇ!それは意外でした。役者の仕事をしながらも、友だちと遊んだり部活に参加したりする時間は確保できていたんですね。

田牧:はい。マネージャーさんが学校行事とお仕事ができるだけ重ならないように配慮してくださっていたので、同じ仕事をしている同世代の子と比べると、比較的学校には通えていたほうだったと思います。部活はほとんど幽霊部員でしたけど……(笑)。

堂上:そうだったんですね。それはそれで、素敵な仲間や体験につながっていいですね。ご家族との時間はどんな感じで過ごされていましたか?

田牧:父と母、弟と妹の5人家族で育ちました。今はみんなそれぞれが仕事や部活、習い事などで忙しくてなかなか時間が取れませんが、昔はよく家族で遊びに行ったりご飯を食べに行ったりしていました。

堂上:僕にも小学生・中学生・高校生の子どもがいるので家族構成が似ていますね。そらさんは長女と歳が近いので、娘と話しているような変な感じがします(笑)。ご家族とはどんなお話をすることが多いですか?

田牧:学校であったことを話したり、友だちとのことを話したり……。あんまり覚えていないくらい、「これを話そう!」と意識したことはないかもしれません……。

堂上:そうですよね。でも、そんな日常会話が、じつは家族がウェルビーイングな時間を過ごすのに必要だったりすると思っています。僕の家ではあえて「今日なんか楽しかったことある?」「学校はどうだった?」と聞くことも多いのですが、そらさんの家庭ではきっと自然とそれができているのでしょうね。すごく素敵だと思います。

田牧:ありがとうございます。家族みんな仲が良いので嬉しいです。

堂上:『Wellulu』を通じて色々な方にお話を伺っていると、小さい頃にどんな育てられ方をしたかが、今の考え方や生き方につながっていることがわかったんです。そらさんのお父さんとお母さんはどんな方ですか?

田牧:母は「やりたいことや好きなことは何でもやりなさい」と言ってくれる人です。その代わりというわけではないですが、父は寡黙で少し厳しい人で、小さい頃はよく怒られていました。

堂上:へぇ! 素敵ですね。きっとご両親で良いバランスが取れているのでしょうね。特にお母さまの「やりたいことを応援する」というのは、良いと思ってもなかなかできない。ついつい、何か禁止にしてしまう。素晴らしい環境ですね。

田牧:その影響もあって、やりたいと思うことにはどんどんチャレンジさせてもらっていたなと思います。

堂上:素晴らしいです!そらさんが家族といる時間に楽しそうにしているのが目に浮かびます。

仕事と受験、どちらも諦めずに頑張りたい

堂上:今は高校3年生ということで、お仕事をしながら学校に通うのは大変じゃないですか? 友だちとの時間も取れてますか?

田牧:ありがたいことにお仕事をいただくことも増えました。お芝居が楽しいという気持ちはずっと変わっていないのですが、受験生ということもあり、友だちと遊ぶ時間はだいぶ減ってしまいましたね……。

堂上:あ、そうですね! 受験生なんですね。仕事をしながら受験勉強も……なんて、僕には想像ができないです。どちらも忙しくて時間に追われたり、そのせいで好きなことができなくなったりしてしまうのは、僕はウェルビーイングからは少し離れてしまうのでは? と親目線で心配してしまうのですが、すでに役者さんとして活躍されているなかで、大学にも通おうと思った理由は何なのでしょうか。

田牧:周りにいる年上の方々が口を揃えて「大学はすごく楽しいよ」とおっしゃっているのをずっと聞いてきたので、高校に入る前から漠然と大学生活というものに憧れがありました。小さい頃からたくさんの大人に囲まれて育ってきたので、大学に限らず色々な影響を受けている気がしますね。「勉強はしたほうが良いよ」とか(笑)。

堂上:たしかに、大学に行くことで、たくさんの多様な人と会える。そして自分の可能性を広げられる、と思います。

田牧:そうですよね。その影響が大きかったのと、小さい頃に少しだけインターナショナルスクールに通っていた時期があってその影響で英語がずっと好きなので、大学で英語を学べたらなと今は思っています。

堂上:そうなんですね!僕の高2の娘もつい先日、1年間の海外留学を終えて帰ってきたばかりなんです。向こうで色々な人と出会ったり日本ではないような授業を受けたりして「楽しかった!」と帰ってきましたよ。それに、僕自身も同じように高校の頃に留学を経験して、生き方の幅を広げられました。

役者としての視野を広げるのにも、もしかしたら大学での生活や留学なども良い経験になるかもしれませんね。大学受験、応援しています!

田牧:ありがとうございます! 頑張ります。

役作りは程々に、現場で感じた感情を大切に。

堂上:本当に小さい頃からモデルや子役として活躍されているそらさんですが、今までで1番楽しかった現場はどんな現場ですか?

田牧:1番……。決められないぐらい、たくさんありますね!

堂上:仕事を楽しんでいるんですね。そらさんにとっては、仕事のどんな部分が楽しいのでしょう?

田牧:CMやドラマを作るとなると、本当に色々な方が集まるじゃないですか。普段だったら絶対に出会わないだろうなという方と出会えたり、非日常の経験ができたりするのがすごく楽しいです。

堂上:素敵です。役者さんの仕事はある意味自分の素を消さなきゃいけない瞬間もありますよね。役作りで意識していることはありますか?

田牧:役作りはそこまできっちりやるのではなく、現場で感じた雰囲気や感情を大切にするようにしています。強いて言えば、作品に入る前に自分が演じる役のイメージをノートに書き起こすようにしています。誕生日や血液型、性格などを思いつくままに書くんです。実際現場に行って監督に確認したらイメージしていた役と全然違った、なんてこともあるんですけど……。ノートを書いている時間が楽しいのもあって、ずっと続けています。

堂上:へぇ、面白いですね! 事前にノートに書いたイメージしていたものと、監督から指示されて、実際の役が違った場合はどうするんですか?

田牧:「たくさん書いたけど、それはなし!」と、全部忘れます(笑)。

堂上:それでスッと役に入り込めるのもすごいです。天性の役者さんという感じがしますね。

田牧:自分と似た部分を持つ役をいただくことが多いので、あまり深く考えすぎずに役に入り込めるのかもしれません。まるっきり同じじゃなくても、どこか共感できる部分を探して自分と重ねるんです。

堂上:なるほど。お芝居をしている中では、どんな瞬間に楽しさや幸せを感じますか?

田牧:楽しいや幸せとは少しニュアンスが違うかもしれませんが、お芝居をしている時に相手のセリフが自分の中にスッと入り込んできた瞬間に「気持ち良いな」と思います。たまにお芝居をしていても、その姿を遠くのほうから自分が第三者目線で見ているような感覚になることがあって、すごくモヤモヤするんです。そうじゃなく、ただその場にいるだけでお芝居ができた時は嬉しいですね。言葉にするのが難しいんですが……。

堂上:憑依している感覚?

田牧:そうかもしれません。そういう瞬間は、とにかく「気持ち良い!」ってなりますね。

堂上:今(2024年7月取材時)は、新ドラマ『スカイキャッスル』(テレビ朝日)の撮影の真っ只中なんですよね。実は『Wellulu』編集部の中に韓国オリジナル版が大好きだというメンバーがいて、今日お話を伺えるのをすごく楽しみにしていたんです。

田牧:そうなんですか、ありがとうございます!

堂上:簡単にあらすじを紹介していただけますか?

田牧:もちろんです。このドラマは、高級住宅街「スカイキャッスル」に住むセレブたちの人間模様を描いた作品です。私が演じるのはそんな環境の中で生きる貧しい家庭の中学生役なのですが、私も韓国オリジナル版を観てから、ドラマはもちろん、その役を大好きになってしまって。演じている女優さんにもハマり、他の作品も見漁ったくらい(笑)。

堂上:そうだったんですね。でも、そこまでハマると同じ役を演じるのが大変じゃないですか? さっきおっしゃっていた役作りノートを書くのも、すでにお手本となる役者さんがいると難しい気がするのですが……。今回はどのように役作りをしたのでしょうか。

田牧:自分が大好きになってしまったからこそ、絶対にその子にはなれないと思いました。なので、自分らしさを入れながら役作りをしつつ、現場で感じた感情を大切にするようにしています。

堂上:今回の役柄も、普段のそらさんと共通する部分はありますか?

田牧:うーん……、受験の話なども出てくるので近しい部分もありますが、韓国が原作ということもあってやや現実とは離れています。とはいえ、やっぱり「わかる」という感情もたくさん出てきますね。

堂上:韓国オリジナル版のファンだという同僚に聞いたら、そらさんが演じるのはかなり複雑な役だとのことで、プライベートとの切り替えはどうされていますか?

田牧:今回のドラマは苦しいシーンも多くて、撮影が始まってすぐの頃は現場に向かう足取りが重くなるくらい、暗い気持ちになってしまっていました。でも撮影を進めるうちに現場にも慣れてきて、今では意識しなくても素に戻れます。

何より先輩女優のみなさんやライバル役の子たちもすごく明るくて、カットがかかるとすぐ笑顔になるくらい現場も明るいんです。人見知りで自分からは話しかけられない私に、みなさんがフレンドリーに話しかけてくださったりもして。そういう意味では、周りの方々にかなり支えてもらっています。

堂上:そうなんですね。チームで何か作り上げるというのは、ウェルビーイングにも大きく影響しているんです。色々な役割やタイプの人が、お互いをリスペクトしながら同じ方向を向くことは、日々の生活の中でも欠かせません。そらさんは人見知りとおっしゃっていましたが、きっとそんなそらさんだからこそ、周りに安心感を与えたりしているのだと思いますよ。

田牧:そうだと嬉しいです。今はもう撮影が終盤にかかってきているので、本当にチームという感じで一体感が出てきています。いつの間にか、私も人見知りしなくなりました!

「新しい挑戦」がウェルビーイングな生き方につながる

堂上:最後に、そらさんにとってのウェルビーイングを教えてください。お仕事でもプライベートでもかまわないのですが、どんな瞬間に「楽しい」「幸せだな」と感じますか?

田牧:新しいことにチャレンジする瞬間、ですね。

堂上:素晴らしいです。歳を重ねるとどんどん新しいことに出会ったり、チャレンジしたりする機会が少なくなってしまうんですよね。つい先日、60代の方にお話を伺った時に「毎年100個、“初めて”を始めるようにしている」とおっしゃっていて、僕も見習わなきゃと反省したところでした。ウェルビーイングの観点から見ても、新しいことにチャレンジし続けることは効果的なんです。

ちなみに、そらさんは最近新しくやってみたいことはありますか?

田牧:この前、初めて一人きりで海外に行ったんです。アメリカのシカゴに住んでいる友だちに会いに行ったのですが、一緒にスーパーで買い物をしたり図書館で勉強をしたり、現地の方と交流したり、「日常感」がすごく楽しくて。同じように、色々な国に行って現地の「日常」を楽しんでみたいなと思うようになりました。

堂上:へぇ、素敵ですね。今1番行きたい国はどこですか?

田牧:フランスにも友だちが住んでいるので、会いに行きたいです。

堂上:友だちがグローバルですね(笑)。海外に行くと、普段の生活や日本そのものを俯瞰して見ることになるので、良い意味で刺激になることもありますよね。

田牧:たしかにそうですね! いつかは役者として海外の作品に出てみたいという目標もあるので、そういう意味でも海外にはたくさん行っておきたいなと思います。

堂上:それもまた「新しい挑戦」ですね。これからもどんどん活躍されるであろうそらさんの未来がすごく楽しみです。本日は貴重なお話、ありがとうございました!

堂上編集後記:

僕の娘が高校2年生で、そらさんが高校3年生。娘と話をしている感じになってしまった。しかも長女で弟妹が2人いる3人兄弟姉妹。我が家も3人子どもがいて、勝手に親近感を持てた楽しい対談だった。

そらさんはとても笑顔が素敵で明るく、まわりの人たちを笑顔にしてくださる方だった。実際、我々のWelluluのスタッフも、いつもよりも笑顔だったようにおもう。

この対談の後、ドラマ『スカイキャッスル』の第一話を娘と観たのだが、もう既にハラハラドキドキで、それぞれの人間関係が複雑すぎたが、なんかはまってしまう感じだった。韓国ドラマならではの独特の人間模様の感じなのだろうか? そらさんの役は、今後どうなっていくのか楽しみである。

チームで何かをつくりあげるときに、チームの中でリーダーシップをとる人もいれば、その場をポジティブに明るくする人もいる。チーム内の潤滑油的な存在だ。ウェルビーイングなチームには、そういう潤滑油的な人が必要だと思っていたのだが、そらさんはまさにそのタイプ。

小さな頃から、女優という仕事をしながら、どんどん新しいことに挑戦する。しかも、自分でいろいろな挑戦を楽しんでいる。そらさんは、まさにウェルビーイングな人だな、と思いながら楽しい時間をいただいた。

受験も仕事も楽しんで、これからもどんどん新しい出会いを創っていってください。ウェルビーイングな人は、ウェルビーイングな人の輪が拡がっていきます。応援しています。どうもありがとうございました。

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