親と先生と子どもと。
昨日は末っ子(小6)の小学校卒業式でした。長女の頃から通い続けた地元の小学校は、12年お世話になりました。コロナ禍に入学した今の6年生は、僕が学校行事にあまり参加しなかったこともあり、先生方や子どもたちの親とも、はじめてお話しする方が多く、街中ですれ違っても気が付かない可能性が高いくらいです。
そんな中、僕が関与が少なかったからと、僕自身が年を重ねたせいかもしれないですが、いま、親と子、そして先生の三者の関係性が、なんか他人行儀な感じがしたのです。子どもたちの卒業式に立ち会い、これから飛び立つ子どもたちや、先生方の言葉を聴きながら、何か「違和感」に近い感覚と、自身もその違和感の渦中にあるような気がしたので、ここで綴っておこうと思いました。今回は、いま僕たち親や先生が、子どもたちに、そして自分たち自身に、どのような「学び」を送るべきかを考えてみたいと思います。
まず一つ目の違和感は、「親の期待に応えすぎる子ども」の姿です。僕も親として、自分の子どもに期待しすぎているのかもしれない。サッカーでも受験でも、うちの子はもっとできるはずだ、と。そんな期待に、子どもたちが応えようとする中で、親は「子ども化」していき、子は「大人化」しているように感じたのです。もちろん、子どもならではの素直さや無邪気さは残っている。親や先生が、子どもたちに近づいていき、子どもたちは、その期待に応えようとしすぎている感じがしたのです。それは、親が子どもと同質化しているのかもしれません。
もう一つの違和感は、「先生が子どもや親に気をつかっている」姿です。先生が、地域や子どもたち、親に対して、すごく気を使っているような発言を感じました。卒業式も、いわゆるオーソドックスな「型どおり」の式で「間違いがない」「失敗しない」「決まりきった祝辞」が当たり前になってしまっていました。なんか、心の訴えや情熱が感じられなかったのです。もちろん、先生の愛は感じられました。そして、子どもたちも一生懸命卒業式という儀式に向かっていました。もう少し、アクシデントや情熱を感じさせてもらいたかったのかもしれません。これも、僕自身が学校へ期待が勝手に膨らんでしまったかもしれません。
僕自身、ついつい子どもたちや、学校に期待し過ぎて、そのギャップに違和感となったからの違和感だったように感じます。この違和感を解消し、もっと自身がウェルビーイングな関係性を取り戻すために、僕たちはどのようなマインドセットを持つべきでしょうか?AI時代だからこそ、何か枠からはみ出して、自身が意識を変えて動けるように、親と先生と子どもに対して想うことを綴ってみます。
【親: 自律という背中を見せる】親がまず取り組むべきは、子どもの管理ではなく「自分自身のウェルビーイング」だと思います。親が自分の人生に夢中になり、自分の「働きがい」「生きがい」を自分で取っている姿を見せること。それこそが、子どもを「親の期待」というものから解放するものかも?と思いました。親は、子どもに対して「期待」というミラーで、「自分の化身」のように委ねてしまっているのかもしれないと思いました。まずは、僕が「仕事を楽しむ」姿や、思いっきり楽しむ姿を見せて、子どもの前で愚痴ったり、子どもの前で先にやってしまわないように気をつけようと思います。
【先生方: 自らが出る杭を楽しんで欲しい】学校は、家庭という密室から離れ、子どもが「個」として呼吸できる場所であってほしい。だからこそ、先生の個性も出して欲しい。子どもたちの主体性を信じ、先生自身も効率や生産性だけではなく、先生という職業を楽しんで頂きたい。子どもたちを受け入れ、自分の言葉で自分の行動で、子どもたちを解放してあげる「遊び心をもって挑戦する姿」を見せる場にしてあげて欲しいです。地域や親に気を使わないで良いよ、と言いたい。(と言いつつ、面倒なことはたくさんあるだろうから、むずかしいことは分かっています)
【子どもたち: 自分自身の物語を生きる】あなたたちは、自分が何ものか? なぜ、生きているのか? これから悩んでいくこともあるでしょう。そんなときは、まず自分の人生の最終決定者は、「自分」であることを感じて欲しいです。自分の中での「なんで?」を大切にし、自分の足で歩き出す準備を始めてほしいのです。自分の意志をもって、自分の行動に責任を持って、失敗を恐れず挑戦して欲しいです。そして、自分ならではの「生きる」物語を紡いでいってほしいです。親が言ったから、先生が言ったから、AIが言ったから、友だちがやっていたから、ではなく、自分自身で発言と行動を見極め欲しいです。
中学生になる、あなたたちが「自分を生きる」ために。
少し説教くさくなってしまうかもしれませんが、卒業していくあなたたちの背中を見て、何か伝えることができて、ひとりでも多く、少しでも何かを感じてくれる子どもたちがいればうれしいです。これから思春期や反抗期という時期を迎え、自分を見失いそうになったとき、なんとなく、「なんか、おじさんがいろいろ言ってたな。」くらいの気持ちで受け取ってください。7つほど僕の想いをお伝えします。
① 自分を大切に、意志を持って行動してください
あなたは世界にたった一人の存在です。誰かに言われたからではなく、「自分がこうしたい」という意志の種を、すべての行動の起点に置いてください。これが一番大切です。自分を愛するところからはじめてください。②自律の中の「自由」を自分で選べるようにしてください
「好き勝手」と「自由」は違います。自分で自分を律することができる人だけが、本当の意味で自由な選択肢を手にできるのです。自由に選べるというのは、多く挑戦した人だけが得られる権利です。③周りに振り回されないでください
「みんながやっているから」という理由で流されないで。誰かが悪いことをしているのを見て見ぬふりをせず、自分の中で正しさを判断して行動する強さを持ってください。④仲間を大切にしてください
人間ですから、好き嫌いはあるのは良い。ネット社会では簡単に人を傷つけることもできる。けれど、自分がやられて嫌なことは、絶対に人にしないでください。言葉は武器にも薬にもなります。その一言を放つ前に、相手の心にどんな景色が広がるかを想像できる人であってください。⑤ 熱中できるものを見つけてください
食わず嫌いをせず、いろいろなものに興味を持って。自分の「好き」を探求することで、学びと成長は無限に広がります。⑥常に問いを持ち、自分に負けないでください
「当たり前」を疑い、楽な方へ逃げようとする自分を律すること。問い続ける限り、あなたたちの成長が止まることはありません。⑦調子に乗らず、感謝できる素直さを持ってください
上手くいっている時ほど謙虚に。そして、親や先生、友だちへの「ありがとう」を言える素直な心。それが君を一番遠くまで運んでくれます。
「違和感」は、新しい関係性が始まるサインかもしれないと思いました。僕自身も自分の生き方を見直すきっかけになりました。子どもたちから教えてもらったのです。ありがとうございます。真の教育とは何か?まだまだ探究は続きます。正解が何かは分かりません。そのときは正解だったことも、明日は正解でなくなることもあります。理不尽なことに出くわすこともあるでしょう。ただ、信じるのは「自分の正直な心」だと思います。素直に育ち続けてください。
卒業おめでとう。あなたたちの未来が、あなたたち自身の意志で彩られることを心から願っています。

写真は、京都出張に来ていて、鴨川の桜。
堂上 研 株式会社ECOTONE代表取締役社長 Wellulu編集長
株式会社ECOTONE代表取締役社長
ウェルビーイングメディアWellulu編集長
情報経営イノベーション専門職(iU)大学教授
日本イノベーション協会 理事
私生活では、3人の子供の父。趣味は、スポーツとアート。