可能性しか感じない

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

情報経営イノベーション専門職大学(iU)にて

墨田区の東京スカイツリーの側にある情報経営イノベーション専門職大学(iU)にて、徳本特任教授に誘っていただき、超客員教授として3時間の授業を担当させていただいた。

この出会いは不思議で、新規事業開発をしている中で、オンライン上で新事業の相談役が徳本さんだったのだが、彼が読んでいる本を読み漁っているときに、運の良い人は伊勢神宮へお詣りに行っている、と聴いて「伊勢神宮」行きたいとつぶやいたら、伊勢待ち合わせで一緒に来てくださったのだ。そこからのご縁である。

僕は押上駅からバスに乗って、iUに着いた。この専門職大学は、日本の全ての大学の中で起業家率が1位というくらい学生起業家をどんどん排出している。すごくアットホームな感じで、学生たちは夕方遅めの授業にもかかわらず、真剣に僕の話を聴いてくれた。

僕が10年以上新規事業に携わって考えてきたこと、挑戦してきたこと、失敗してきたことなどを話しながら、徳本さんが「フレーム」にはめて解説してくださる。ここはこんな視点でお話しすると生徒は分かりやすいんだな、と僕自身も学びばかりだった。

僕は「ウェルビーイング共創学」という考えを来年以降のプロジェクト型教授でお話ししようと思っているのですが、少し触りだけを学生と共に考える時間を持った。バックキャストでものごとを考えることと自分が主語になって考える思考をつけるために、僕はひとつの問いを投げかけた。

「2050年、あなたはどんなウェルビーイングな生活を送りたいですか?」

どんな未来になって欲しいか、でも良いし、どんな社会になって欲しい、というのでも良い。僕はz世代のみなさんが、未来にどんな希望と、今抱えているペイン(困りごとや悩み)を持っているか聴きたいと思った。

3つのグループに分かれて、それぞれ意見を出し合ってもらう。ここでも、多様な個性があって面白い。それぞれがお互いを認め合う文化がこの学校にはあると感じるものだった。ついつい社会人になると就職先が主語になって、自分の内なる想いを主従の従のほうにしてしまいがちだ。主語が「我が社は、、、」となるのだ。そうではない、僕らは僕らのひとりひとりが輝ける環境を創りたいのだ。

学生のみなさんの発表を聴かせていただき、僕自身感動した。この子たちが創っていく未来は可能性に満ち溢れている。そして、僕も自分が主体となって社会をより良い方向へ向かわせる当事者であり続けたいと思った。

テクノロジーを通して、世界中の文献が読める社会。政府に直接意見が言える社会。常にワクワクを学び続けるクリエイターが生きやすい社会。リアルでスプラトゥーンをやる体験型エンタメ社会。ガンダムがある世界(地球に害がないように、宇宙で戦争している)。宇宙移住できている社会。どこでもドアがある社会。ベーシックインカムが保証される社会。SDGsが達成された社会。時間に縛られない社会。人に優しくあり続ける社会。他者評価によって傷つく人がいない社会。人の目を気にしないでよい社会。日本の伝統的な就活や公教育に縛られない社会。個性を発揮しやすい社会。自分たちが主役で生きられる社会。選挙にどんどん参加できる社会。

どんどんみんなの意志と社会への不満が出てくる。このパワーと個性が実行に繋がれば、社会はウェルビーイングに生きられるようになる。今回はやらなかったが、ここで次に一番叶えたい未来を選んでもらって、「その未来の実現のために、自分はまずどう行動するか?」そして、「どういった技術や人、データを持てると良いか?」など事業の形にしていく。

何より生徒たちが、とても楽しそうだった。授業が終わったあと、ひとりの生徒が熱く「私は差別のない社会を創りたい」と語ってくれた。そして、もうひとり「どんな本を読めばいいかお勧め教えてください。」と聴いてきてくれた。

徳本さんは授業の終わりに、「僕は運のいい人しか連れて来ない。運のいい人の周りも運のいい人になっていく。みんなも運のいい人と繋がってください。」とメッセージを送っていた。僕は「運は、努力している人にしか降りてこない。」と思っている。

本や先人たちが紡いできた過去を分析して、自分たちのアドバイザーにし、未来を自分で創っていくという志を持つことが大切だ。彼ら彼女らと共に、一緒に変化を恐れず、失敗を恐れず、前を向いて歩いていきたい。一歩ずつ。一歩ずつ。

可能性という光と機会に出会って、僕自身もたくさんのパワーを頂いた。徳本さん、素敵な機会をいただき感謝です。

「自分の感受性くらい」茨木のり子さんの詩を思い出した。

ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

僕は社会や組織に不満だけ言っていないか!?不満だけなら何も生まれない。そのパワーを、変革の意志へ。

 

 

 

 

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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