僕は年賀状が好きだ
新年を迎えて、心を新たに決意表明する。昔から家族が集まって、お節料理を食べながら、親父に「今年の抱負」を家族全員が言うのが嫌だった記憶がある。小学生の頃なんか、お年玉いくらもらえるかくらいしか考えていなかったのに、1年のはじまりだからと言って、今年1年○○をがんばる、とか、○○を達成する、とか思いつかなかったものだ。そんな子ども時代だったにもかかわらず、親になった今、息子たちに「今年の抱負」を語ってもらった(息子たちは、多分嫌なんだろうな)。お正月を家族で過ごす、ということが本当に大切なことだとあらためて感じている。
僕の小学生の頃は、年賀状を書くのが大好きだった。年末に、普段会っているお友だちに、手書きの手紙を出すということと、元旦に届く年賀状を見るのがとても楽しみだった。友だちの中には、小学校がはじまってから手渡ししてくれる子もいた。その中身は、「今年もよろしくね。」とか鉛筆で書いてたりしているだけなんだけれども嬉しかった記憶がある。
年賀状好きは社会人になってからも続き、手書きで1枚1枚丁寧に書いていたこともあった。まだSNSとかがない時代だったこともあり、仕事の関係者の家の住所まで教えていただき、多い年は500枚を超える年賀状を書いていた。そして、いただく年賀状を見ながら、ずっと会っていない方たちとの近況報告を読んだり、子どもの写真を見るのも楽しみだった。長女が生まれてからは、子どもたちの成長記録のような写真で年賀状をつくり続けた。
12年前の「辰年」の年賀状は、長女(当時4歳)と長男(当時0歳)の写真を切り抜いて、フェルトでつくった龍にまたがって登り龍のごとく成長を祈願したものをつくった。
2008年の日本郵便の広告で「年賀状は、贈り物だと思う。」というコピーが目に飛び込んできた。故岩崎俊一さんのコピーだ。岩崎さんとのお仕事は、ワクワクした。広告の仕事って面白い、と思えるものばかりだった。デジタル化が進み、SNSで挨拶を交わすことができる時代に、紙の印刷の年賀状はいらなくなってきているというのも分かりつつ、紙の年賀状は贈り物、だと考えると感謝の気持ちを伝える1枚のはがきはやっぱり大切な気がする。
ところが、今年の辰年は、忙しさにかまけたのと、娘が留学中にいなかったので、子どもたちが3人そろっていないからいっしょに写真を撮れないことを言い訳に「年賀状を辞めよう」と思った。年末に「年賀状辞めます」とかSNSで言ってみたりした。
元旦、次男といっしょに日本代表の試合を国立競技場に観戦しにいって、夕ご飯用の食材を買って、家のポストを見た。たくさんの年賀状をいただいている。ひとつひとつ、読み進めているうちに、やっぱり年賀状っていいな、と感じた。僕はいただいた人に年賀状を書くことにした。僕は、近況の報告をするか悩んだが、Welluluの立ち上げが大きな1年になったこともあり、ウェルビーイング推しで年賀状を書くことにした。
Welluluで出会った方たちからインスピアーされた「生きる」10の行動指針を書くことにした。
一 自分を好きになる
一 相手の気持ちに立つ
一 アンラーンする
一 自分をオープンにする
一 常に感謝をする
一 自然に触れる
一 おもんぱかる
一 ちゃんと聴く
一 心配を恐れず動く
Welluluは、今年大きな登り龍になって、進化させていきたいと思う。強い決心を持って、進む。これからも出会いを大切に、つながりのウェルビーイングを追求する。やっぱり、感謝の気持ちも込めて、来年もちゃんと年賀状を書こう。僕は年賀状が好きだ。
夜はお好み焼き
久しぶりに家でお好み焼きを焼いた。自分でつくるお好み焼きはなぜかおいしい。子どもたちもお店で食べているのと同じくらいおいしいとたくさん食べてくれた。大阪で育った僕は、お好み焼きは日常のご飯だった。お好み焼きと白ご飯を食べていたというと、東京の人にいつもびっくりされる。前の日にお好み焼きだった次の日のお弁当は、お好み焼きが折りたたまれてお弁当にそのままお好み焼きだけ入っていたこともあった。
お節料理もお雑煮も地域によって食文化が異なる。そんな日本の文化を正月に楽しめるのもいい時間だ。お好み焼きを食べすぎた僕は、相変わらずの暴飲暴食の生活に反省しつつ、今年1年は、「食とウェルビーイング」を追いかけようと思っている。食べることとウェルビーイングは、日常の中でもとても大切な習慣だ。
年賀状が贈り物だとすると、毎日の食も贈り物だ。家族のことを想い料理する。生きる基本だ。誰と食べるか、そして、どうやって食べるか。そんなウェルビーイングを追求していきたい。今年1年も新たな出会いを通して、たくさんのウェルビーイングに触れる。ワクワクがとまらない。
大晦日、家の大掃除をしたので、今年は「綺麗な家を保つ」ことで、家族のウェルビーイングをもたらすことを誓った。
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー