
ダイエット中は摂取エネルギーを抑えるために、食事を抜く人も多いが、ダイエット中であってもきちんと食事を摂ることが大切。本記事では、ダイエット中に昼ごはんを食べるメリットや、痩せるための食べ方のコツ、意識して摂取したい栄養素やおすすめメニューを紹介。
この記事の監修者

坂本ひかるさん
管理栄養士
ダイエット中にお昼ごはんを抜くのは逆効果?
ダイエット中に昼ごはんを抜くと、一見エネルギーを抑えられるように思えるが、実は逆効果。
血糖値のコントロールが不安定になる他、夕食のドカ食いにつながり、脂肪が蓄積しやすくなることも。また、エネルギー不足により疲れやすく集中力が低下するため、仕事の生産性にも悪影響を及ぼしてしまう。さらに、血糖値が下がりすぎると倦怠感が生じることも。
こうしたリスクを避けるには、量を調整しながらも昼ごはんを食べることが大切。時間がなくて昼ごはんが食べられなかった場合、間食で足りない栄養素を補ったりすることで、血糖値の急変動を防ぎながら無理なくダイエットを続けることができる。健康的な食習慣を意識しよう。
昼ごはん抜きはよくない?ダイエット中に昼ごはんを食べるメリット
栄養バランスのよい昼ごはんをと摂ることは、ダイエット効果をより引き立てることにつながる。まずは、ダイエット中に昼ごはんを食べるメリットについてみていこう。
- 午後の活動のエネルギー源になる
- 間食や夕食の食べ過ぎを防げる
- 必要な栄養素を摂取できる
- エネルギー消費量が上がり痩せやすくなる
午後の活動のエネルギー源になる
ダイエット中でも、昼ごはんをしっかり摂ることは大切。昼ごはんは、午後の活動に必要なエネルギーを確保するための重要な食事。活動のパフォーマンスを上げるためには、炭水化物、タンパク質、脂質の3大栄養素のバランスが重要。
理想的な昼ごはんは、主食、主菜、副菜の揃った定食スタイル。ごはんやパン、麺類などの主食から炭水化物を、肉や魚、卵、大豆製品などの主菜からタンパク質を、そして野菜や海藻、きのこ類などの副菜からビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることができる。
仕事や家事、運動など、日中の活動を快適に行うためにも、適度な昼ごはんを心がけよう。

昼は夜と比べて脂肪をため込みにくいので、高エネルギーなものを食べたい場合は昼に選ぶのがベター。主食、主菜、副菜の3つのお皿を意識し、野菜や果物も積極的に取り入れることが大切です。
間食や夕食の食べ過ぎを防げる
昼ごはんを抜くと午後の空腹感が強まり、間食を食べ過ぎてしまうリスクが高い。一時的な空腹に耐えられず、高エネルギーなお菓子やジュースに手を伸ばしやすい。
また、夕食時には我慢できずに大量に食べてしまい、エネルギーオーバーを招く恐れも。ダイエットのためには、「1日3食」を食べることが何より大切。
必要な栄養素を摂取できる
ダイエット中は、栄養バランスを整えることが重要。昼ごはんを抜くと、必要な栄養素が不足する可能性が高くなる。
身体の健康を維持し理想の体型を目指すには、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの適度な摂取が欠かせない。脂質は他の栄養素と比べて1gあたりのエネルギー量が多く、摂り過ぎには注意が必要だが、適量であれば脂溶性ビタミンの吸収を促したり、体温維持、皮膚の健康維持にも効果的。
また、昼ごはんに野菜や海藻など食物繊維の多い食べ物を取り入れるのもおすすめ。食物繊維には、血糖値の上昇を緩やかにする働きがあるため、午後の集中力低下を防げる。

ビタミン、ミネラル、食物繊維の摂取源となる野菜は1日に350g、小鉢5杯分ほど摂取することが推奨されています。昼ごはんでは2皿程度の野菜を取れるとよいですね。食事に野菜があるかどうかを意識することが大切です。
エネルギー消費量が上がり痩せやすくなる
昼ごはんを食べることで、胃腸の動きが活発になり、エネルギーが使われて熱が発生する。食後に身体がぽかぽかと温かくなるのも、食事による熱産生のため。
食事をすることでエネルギー消費量が上がるので、食べないダイエットは非効率的。さらに空腹のまま過ごすと身体は飢餓状態と判断し、エネルギーを溜め込もうとするため、太りやすくなってしまう可能性も。
ダイエット中の昼ごはんを食べるタイミングはいつがいい?
ダイエット中、昼ごはんを食べるベストなタイミングは、目安として12時から14時の間。遅くとも15時までに済ませれば、食べたものが夜ごはんの時間までに消化され、3食きちんと摂ることができる。
遅めの昼ごはんでもしっかりとエネルギーを補給し、夜ごはんは控えめにするのが脂肪をため込みにくい食べ方。どうしても夜に会食があるなど、夜ごはんのボリュームが多くなりそうな場合は、昼ごはんを少し控えめにして夜ごはんを楽しむのもよい。
大切なのは1日のトータル量。昼ごはんと夜ごはんの両方でボリュームがあると、エネルギー過剰になってしまうので気をつけよう。

夜の時間帯は脂肪が蓄積しやすいため、昼ごはんにしっかりと食べて夜を控えめにするのがおすすめです。
ダイエット中に昼ごはんを食べるときのポイント
昼ごはんを食べる際に意識したい4つのポイントを紹介。昼ごはんに限らず、ダイエット中の食事すべてに応用できるので、今日から実践してみよう。
- 栄養バランスを意識して食べる
- 腹8分目を心がける
- 食べる順番を工夫する
- よく噛んで食べる
栄養バランスを意識して食べる
ダイエット中の昼ごはんは、栄養素のバランスを意識することが大切。サラダだけ、麺だけ、ご飯だけなど、偏った食事はおすすめできない。
偏った食事だと、必要な栄養素が不足してしまう恐れがある。栄養バランスの偏りは、身体や心の不調につながる可能性も。ダイエット中だからこそ、バランスのよい食事を心がけることが重要。
仕事が忙しく、昼ごはんが単品になりがちな人もいるが、そうした場合は単品でも具だくさんなものやサンドイッチなどサラダが入ったものがおすすめ。
主食、主菜、副菜を組み合わせて、バランスのよい食事にしよう。

おにぎりは鮭やツナなど、タンパク質がとれる具材が入ったものがおすすめです。炭水化物だけにならないように選びましょう。
腹8分目を心がける
ダイエット中は、常に腹8分目を心がける習慣が大切。満腹を感じるまでには、血糖値の上昇から約20分の時間差があるため、食べるスピードが速いと満腹に気づきにくく、食べ過ぎてしまう原因になる。30分など食事時間を決めて、ゆっくり味わいながら食べるのがポイント。
食べる順番を工夫する
食べる順番について、とくに「野菜が先」といわれているが、それだけに固執する必要はない。野菜から食べれば、食物繊維の効果で血糖値の急上昇を抑えられるが、量が少なかったり早食いをしてしまえばその効果は十分に得られない。
実際、よく噛んでゆっくり食べれば、野菜を先に食べなくても血糖値の上昇を緩やかにすることはできる。主食、主菜、副菜を交互に食べる「三角食べ」では少量ずつ口内で味の広がりを楽しめ、結果として栄養バランスも整いやすい。野菜をしっかりと食べて、主食の食べすぎを防ぐことが重要。

野菜の先食べはもちろん理想的ですが、それ以上に早食いせず、ゆっくりと食事を楽しむことも重要です。野菜を先に食べても量が少なかったり、早食いしてしまえば血糖値を抑える効果も薄れてしまいます。急がずに味わって食べましょう。
よく噛んで食べる
ダイエット中の食事ではよく噛んで食べることが大切。満腹中枢が刺激され、満足感を得ることで食べ過ぎの防止につながる。
また、消化液の分泌が促進されて消化を助けるほか、食事によるエネルギー消費量もアップする。具体的な噛む回数については一概に定めることは難しいが、目安として「1口30回噛む」と言われることもある。重要なのは、回数よりもしっかりと噛んで食材の味や食感を楽しむこと。食物繊維が豊富な野菜やキノコ類は噛む回数が自然と増えやすいため、食事に取り入れるのもおすすめ。
よく噛むためには、ながら食べを避けることもポイント。パソコン作業やテレビ、スマホを見ながら食べると、味や食感を十分に感じられず、満足感が得られにくくなる。その結果、どれだけ食べたのかが把握しづらくなり、食べ過ぎにつながることも。

ながら食べを避けるのもポイントですが、家族や同僚と昼食を楽しむことで自然と食べるペースも落ちつきます。食事の前後に予定を詰めすぎず、ゆっくりと食べる時間を確保するのもおすすめです。早食いを控え、よく噛んで味わいながら食べることで、食事の満足度が高まります。意識的に「食べる時間を大切にすること」を習慣にしましょう。
ダイエット中の昼ごはんで摂取したい栄養素
ダイエット中の食事は、痩せやすい身体を作るために栄養バランスを考えることが大切。ここでは、ダイエット中に積極的に摂取したい栄養素を紹介。
- タンパク質
- 食物繊維
- 炭水化物
- ビタミン・ミネラル
タンパク質
タンパク質は筋肉をつくる材料となり、ダイエット中にも欠かせない栄養素。身体の大部分を構成する筋肉や肌、髪、内臓などもタンパク質からできている。
筋肉量を増やすことで、基礎代謝量が増大する。逆に筋肉量が減ると基礎代謝量が低下し、太りやすい体質になってしまう。
タンパク質は摂りすぎも取らなさすぎもNG。タンパク質を摂取し、運動をすることで筋肉量を増やすことはダイエットに欠かせないが、摂り過ぎたタンパク質は脂肪になる可能性がある。
また、日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、18歳から64歳の成人男性で1日65g、女性は50g摂ることが推奨されている。1食については、20g前後を目安にするのがよい。毎食主菜を欠かさず食べると、タンパク質が不足することはほとんどない。
肉、魚、卵、大豆製品といった主菜にはタンパク質を作るのに欠かせない「必須アミノ酸」がバランスよく含まれており、質のよいタンパク質を補給することができる。食べる時間がないときなど、昼ごはんに主菜を摂ることが難しい場合はプロテインなどのサプリメントで補うのもよい。

ダイエットにおいて特別にタンパク質を多く摂る必要はなく、総エネルギー摂取量のうち2割程度摂れていれば問題はありません。高齢になり食事量が減ったり、肉を食べるのが難しい人は、意識的にタンパク質を取ることが大切ですね。
ダイエット中に取り入れたいタンパク質豊富な食品は以下の記事で紹介。
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食物繊維
食物繊維は、腸内環境を整え血糖値の上昇を緩やかにするなど、多くの健康上の利点をもたらす。食べすぎの防止にもつながるので、ダイエット中は、食物繊維が豊富な食材を積極的に摂ることが大切。
食物繊維は、野菜やいも類、きのこや海藻、穀類など幅広い食材に含まれている。とくに穀類は便秘になりやすい人にはおすすめ。

食物繊維には、不溶性と水溶性で分類されることもありますが、両者の特徴や作用は一概にいえないことがわかっているため、それぞれを分けて捉えず、様々な食品から摂取することが推奨されています。
ダイエット中におすすめの食物繊維豊富な食べ物は以下の記事で紹介。
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炭水化物
炭水化物は、脳や身体を動かすための重要なエネルギー源。適度に摂取することでエネルギー不足にならず活発に過ごせる。
一方で、炭水化物が不足すると疲れやすくなったり、集中力が低下したりするだけでなく、筋肉量も落ちやすくなってしまう。また、糖質制限によって脂質やタンパク質の摂取量が増えると、食塩の過剰摂取や腎臓・肝臓に負担がかかる可能性も。ダイエット中は糖質制限が注目されがちだが、極端に避けるのはNG。
炭水化物を摂取する際は、白米よりも玄米や全粒粉の製品を選ぶことで、食物繊維やビタミンB1などの微量栄養素も同時に補給できる。ただし、これらの食品は消化があまりよくないため、よく噛んで食べることが大切。

炭水化物は重要なエネルギー源となるため、主食は毎食欠かさずに摂りましょう。主食を玄米や雑穀米に置き換えるだけでも、不足しやすい食物繊維やビタミンを補うことができます。食べにくい場合は、玄米や雑穀を白米に混ぜたり、もち麦を加えたりするなど、好みに合わせて調整するとよいでしょう。
ダイエット中におすすめの糖質やグルテンフリーな食事は以下の記事で紹介。
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ビタミン・ミネラル
ビタミンとミネラルは、身体の調子を整える重要な役割を担っている。これらの栄養素は単独で機能するわけではなく、体内の代謝プロセスにおいて複雑に作用し合うため、すべてが必要不可欠であり、1つの栄養素ばかりに注目して過剰摂取しないよう気をつけたい。
また、サプリメントは、特定の栄養素が濃縮されているため、過剰摂取のリスクが高い。サプリメントに頼るばかりではなく、ビタミンやミネラルが含まれる野菜や果物、海藻、きのこといった食品を積極的に取り入れよう。

ダイエット中は食事量が減ることで、ビタミンやミネラルといった微量栄養素が不足しやすくなります。
ビタミンは食べたものを体内でエネルギーに変える手助けをし、皮膚や粘膜、肌の健康維持にも欠かせません。ダイエット中とはいえ食事量を極端に減らすことはせず、菓子類やジュース、アルコールなどの嗜好品の量から見直しましょう。
【コンビニで購入できる】ダイエット昼ごはんメニュー3選
ダイエット中でも、主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることが大切。そこで、コンビニで手軽に購入でき、栄養バランスが整ったランチメニューを紹介。
ポイントは「満足感があり、多品目の食材を摂れること」。また、コンビニ食で気になる「食塩の摂りすぎ」を防ぐため、カットフルーツやスムージーなどの食塩を含まない食品をプラスしよう。
- 焼き魚弁当+けんちん汁+カットフルーツ
- 中華丼+温泉卵+冷凍スムージー
- ハムとチーズのブリトー+ミネストローネ+フルーツ牛乳寒天
焼き魚弁当+けんちん汁+カットフルーツ

焼き魚弁当は、主食・主菜・副菜がそろっていてバランス◎。揚げ物ばかりの弁当よりも、魚がメインで色とりどりのお弁当を選ぶと、低脂質で栄養バランスも整いやすくなります。ただし、お弁当のみでは野菜が不足しやすいため、具だくさんの汁物でビタミン・ミネラル・食物繊維を補えれば栄養素バランスも整います。デザートにはカットフルーツを選べば、食塩を含まずにビタミン補給ができます。
中華丼+温泉卵+冷凍スムージー

中華料理は油の使用量が多いため高エネルギーになりやすいが、コンビニの中華丼は中華料理店に比べれば意外にも低脂質な傾向にあります。具だくさんで野菜もとれるため、ダイエット中でもおすすめ。ただし、肉や魚介類の量が少ないことが多いので、温泉卵をプラスしてタンパク質量を補うとバランスが整います。また、冷凍スムージーは野菜や果物をまるごと摂取できるので、手軽にビタミン・ミネラルを補えるのが魅力。ダイエット中でも、栄養をしっかり摂りながら満足感を得られる組み合わせになっている。
ハムとチーズのブリトー+ミネストローネ+フルーツ牛乳寒天

ブリトーは炭水化物とタンパク質を一緒に摂れるのでランチにおすすめです。加えて、千切りキャベツなどの野菜を一緒にはさんでアレンジすると、さらに栄養バランスがアップします。ミネストローネは、野菜がたっぷり摂れる上に満足感もあるので、ダイエット中のスープとしておすすめ。また、フルーツ牛乳寒天は、カルシウムやタンパク質を補いながら甘さも楽しめるので、午後のエネルギーチャージにもぴったりです。
【自炊する人向け】ダイエット昼ごはんメニュー4選
自炊での昼ごはんは手軽さが重要だが、栄養バランスもしっかり考えたいもの。そこで、1皿で主食・主菜・副菜を揃えられ、食物繊維も摂取しやすい食べ応えのあるメニューを紹介。これらの料理は具だくさんで満足感があり、ダイエットにもおすすめ。
- 月見そば
- ビビンバ
- シーフードパスタ
- カオマンガイ
バランスの良い食事を考えるときは、細かい栄養価計算をするよりも「主食・主菜・副菜を揃える」というシンプルな考え方がわかりやすく、実践しやすい。
主食はごはんや麺、パン類、主菜は肉、魚、卵、大豆製品などタンパク質を含む食品、副菜は野菜、果物、海藻類といったビタミンやミネラルが豊富なものを指す。これらを意識して選ぶことで、自然とバランスのとれた食事になる。
また、食事の満足度を高めるには彩りや盛り付けも重要。色鮮やかな食材を取り入れることで、視覚的にも楽しめ、食事がより美味しく感じられる。「美味しそう」と思えることが、ダイエット中でも満足感を得るためのポイント。少しの工夫で、楽しく健康的な食生活を送ろう。
月見そば

そばは麺類の中でも食物繊維が多く、タンパク質も含まれています。麺のみではエネルギーが不足しやすく、栄養素が偏るため、たまごやカットワカメ、海苔、冷凍のネギやオクラ、とろろなどお好みのトッピングをするのがおすすめ。
ビビンバ

1つのお皿で主食、主菜、副菜がとれる満足度も栄養価も高いのがビビンバ。もやしやにんじん、ほうれん草は茹でて調味料と和えるだけなので手間いらずです。不足しがちな野菜も加熱することでかさが減って食べやすくなります。
シーフードパスタ

下処理が大変な魚料理も冷凍のシーフードミックスを使えば調理も楽に。魚でタンパク質を補い、ブロッコリーやトマトなどの野菜も加えれば、美味しくビタミン・ミネラルも補給できます。パスタ料理でもカルボナーラは生クリームやチーズがたっぷりなので、食べるときには野菜をプラスするとバランスが整いやすくなります。
カオマンガイ

炊飯器でも作れるカオマンガイ。茹で・蒸し料理は油を使わないのでダイエットにも◎。キュウリやトマト、パクチーを添えれば不足しがちなビタミン・ミネラルも補えます。甘辛いタレはかけすぎるとエネルギー過剰になりやすいため、つける程度にほどほどにしましょう。
自分で作るおすすめダイエット弁当3選
- ごはん+肉野菜炒め+フルーツ
- ごはん+冷凍のから揚げ+冷凍のきんぴら+冷凍ブロッコリー
- 冷凍のケチャップ味チキンライス+スクランブルエッグ
ごはん+肉野菜炒め+フルーツ

お弁当を作るときは主食、主菜、副菜を3:1:2の配分にすると栄養素のバランスが整いやすくなります。お肉と野菜は一緒に炒めるだけでもOK。にんじんやピーマンといった緑黄色野菜を加えれば、彩りも栄養価もアップします!
ごはん+冷凍のから揚げ+冷凍のきんぴら+冷凍ブロッコリー

作り置きはせずに冷凍食品だけでもバランスのよいお弁当は作れます。昼食には午後も元気に動くためのエネルギーが必要なので、ボリュームのあるおかずを選ぶことが大切。
冷凍弁当のおかずの定番は唐揚げですが、揚げ物は脂質が多く高エネルギーなので、食べすぎには注意が必要。最近では焼き魚の冷凍もあるので、ダイエット中のお弁当にもおすすめです。スーパーなどでは様々な冷凍食品が販売しているので、お好みの商品で主食、主菜、副菜を揃えましょう。
冷凍のケチャップ味チキンライス+スクランブルエッグ

具だくさんな味付き冷凍ごはんはお弁当にも大活躍。レンチンしている間に卵を炒めれば、時短でパパッとオムライス弁当のできあがり。卵とブロッコリーを一緒に炒めてのせれば、不足しやすいビタミンやミネラル、食物繊維もプラスできます。
ダイエット中の昼ごはんにおすすめしない食べ物
おにぎりだけ、パンだけといった主食のみの昼ごはんや、ジャンクフードなどは、手軽に食べれて便利ではあるものの、ダイエットには不向き。
ここでは、ダイエット中の昼ごはんで食べ過ぎに注意したい食べ物を紹介。食べる際はご褒美程度に取り入れるようにして、栄養バランスの取れた食事を心がけよう。
- 揚げ物
- 麺類
- ハンバーガーやピザなどのジャンクフード
- 主食のみの昼ごはん
揚げ物
代謝しきれない脂質は、体内で中性脂肪として蓄積されてしまうので、揚げ物や、油を多く使った料理の食べ過ぎには注意しよう。
調理の際は、脂身を取り除いたり、油の使用量を減らすのも1つ。蒸す、茹でるなど、油をあまり使用しない調理法もおすすめ。

どんな油も「1gあたり9kcal」のエネルギーが含まれるので、身体によいといわれる油も摂りすぎないようにしましょう。揚げ物を食べたら、次の日の食事で油の使用量を控えるなど、数日単位で調整していくことがポイントです。
麺類
極端に麺類を避ける必要はないが、炭水化物、食塩が多いので量や頻度には注意しよう。油が明らかに浮いているようなこってりしたラーメンよりも、出汁の効いたあっさりしたもののほうがエネルギー量は少ないため、ダイエットには適している。
また、麺類を食べる場合は、野菜を多めにトッピングするなどの工夫をしよう。また、全粒粉やこんにゃく麺など、低糖質の麺を選ぶのもおすすめ。
さらに、麺類と揚げ物の組み合わせは、高エネルギーになるため、ダイエット中は避けるようにしよう。汁を全部飲み干したり、背油のトッピングや替え玉はしないなど、食べ方にも注意しよう。

ラーメンはダイエットの敵と思われがちですが、工夫次第では食べても問題ありません。野菜や卵をトッピングするなどして全体の栄養バランスを整えましょう。好きなメニューを我慢するとストレスになるので、適度に楽しむことが大切ですね。
ハンバーガーやピザなどのジャンクフード
ジャンクフードは、ダイエット中だからといって絶対に食べてはいけないというわけではない。選び方次第では十分に楽しむことができる。
たとえば、サイドメニューをサラダに変更したり、ポテトのサイズを小さくしたりするなど、工夫次第でエネルギー量を抑えることができる。ただし、ジャンクフードは脂質や糖質が多くなりがちなので、飲み物は水や無糖のものを選ぼう。
また、ジャンクフードは野菜不足になりやすいので、夜ごはんでいつもより野菜を多めに摂るなどして調整するのがいい。ダイエットにおいて絶対に食べてはいけないものはないので、ジャンクフードも罪悪感を持つことなく楽しもう。暴飲暴食をしてしまったとしても、次の日の食事以降で調整していけば問題ない。

外食をするときは楽しく食べて、その前後の食事でしっかり調整すれば大丈夫です。ジャンクフードも量や頻度に気をつけながら、ダイエットを続けていきましょう。
主食のみの昼ごはん
カレーライスや丼物など、主食のみの昼ごはんは炭水化物の摂りすぎにつながるので注意しよう。主食のみのメニューを選ぶのではなく、定食と同じように野菜の小鉢を一皿追加するなどして、栄養バランスを整えるとよい。
たとえば、カレーならごはんを大盛りにせず、野菜や肉の入った具だくさんのものを選んだり、丼物ならサラダなどを追加するなど工夫しよう。
パスタなどの麺類はランチメニューとして人気だが、野菜などの具が少なく、炭水化物に偏りがち。できるだけ具だくさんなメニューを選んだり、サラダや野菜スープを追加するなどの工夫次第で、外食でも健康的な食事ができる。

どうしても昼ごはんで野菜が摂れなかった場合は、間食に無糖の野菜ジュースを1本飲んで補ったり、夜ごはんで野菜を多めに摂ったりする工夫でもOK。単品ものだけで済まさず、小鉢を追加したりトッピングしてバランスを整えましょう。
ジャンル別!ダイエット中の外食ランチにおける注意点
仕事などの都合でランチを外食にする場合、どのような点に注意すればよいのだろうか?料理のジャンル別に、ダイエット中に意識したい食事の選び方と工夫を紹介。
- 和食の場合
- 中華の場合
- アジアン・エスニック料理の場合
- 洋食の場合
特に外食は、調理の過程で多くの油が使われていることが多く、無意識に高エネルギーな食事になりやすい。そのため、選び方や食べ方を工夫することで、健康的な食事を楽しむことができる。また、単品で済ませるのではなく、食材の種類を増やすことを意識すると、より多くの栄養素をバランスよく摂取できる。
和食の場合
和食は比較的ヘルシーなイメージがあるが、丼ものや揚げ物が中心のメニューは要注意。ご飯と揚げ物の組み合わせになりやすく、野菜が不足しがちだ。定食スタイルを選び、副菜をしっかり取り入れるのがおすすめ。
和食は肉や魚、野菜、海藻類など多様な食材を使っていて、栄養バランスに優れているのでダイエット中にもおすすめ。定食スタイルなら、主食、主菜、副菜がそろっているので必要な栄養素をまんべんなく摂ることができる。
ただし、味噌汁や焼き魚、漬物などは、塩分が多いので注意が必要。汁物は具だくさんのものを選び、漬物は少量にとどめるのがコツ。
NG例:かつ丼、天丼 ※野菜の小鉢や味噌汁を追加すればバランスアップ
中華の場合
中華料理は野菜のあんかけなど、野菜が多くヘルシーに見えるものもあるが、実は油や塩、砂糖がたっぷり使われているので食べる際は注意しよう。
中華料理の調理ではうま味を閉じ込めたり、食感をよくする目的で食材が油通しされていることも。炒める過程でも油をたっぷりと使用するため、かなり高エネルギー。また、味も濃くつい食べ過ぎてしまうので、ダイエット中は控えめにしよう。
NG例:天津飯、油淋鶏 ※油の量が多く、エネルギー量が増えやすい

外食で中華料理を選ぶ際は、蒸し料理やスープ、中華粥など、できるだけ油の使用量が少ないメニューを選ぶこと。点心類や杏仁豆腐などのデザートも糖質が多いので、食べ過ぎないように注意しましょう。
アジアン・エスニック料理の場合
タイ料理やベトナム料理など、アジアン・エスニック料理は、野菜や豆類を多く使ったメニューが豊富で、栄養バランスが整いやすくダイエット中にもおすすめ。
ただし、ココナッツミルクを使ったカレーや炒め物は、エネルギーが高めなので注意が必要。米麺やビーフンなど、麺類も糖質が多いので、食べ過ぎには気をつけよう。
NG例:ココナッツカレー、パッタイ ※脂質が多く、エネルギー過多になりやすい
洋食の場合
洋食は脂質が多く、高エネルギーな料理が多い。とくにカルボナーラなどクリーム系のパスタや、バターをたくさん使ったピラフやオムライスは注意しよう。
ダイエット中は、サラダやカルパッチョなど野菜を意識して選ぶのがおすすめ。スープも野菜たっぷりのものを選べば、満足感が得られて食べ過ぎの防止にもなる。
NG例:カルボナーラ、クリームコロッケ ※クリーム系は脂質が多く、エネルギーが高め
【1品もの】コンビニで購入できるダイエットにおすすめの食材
オフィスでは時間が限られていたり、レンジがない場合もあるため、温めずに食べられるものを選ぶのも良いでしょう。
【サッと食べられるおすすめ食品】
・具だくさんサンドイッチ:BLT、ミックスサンド、タンパク質が摂れるサンドイッチ など
・トルティーヤ・生春巻き:野菜やタンパク質がバランスよく摂れる
・おにぎり:鮭、ツナ、たらこなどタンパク質が含まれるもの
・豆腐バー・サラダチキン:主菜として手軽にタンパク質を補給
・ゆで卵・チーズ・おつまみかまぼこ:間食やプラスワンに最適
・干し芋・ナッツ:ヘルシーなエネルギー補給源
・カットフルーツ・ヨーグルト:ビタミン・ミネラル補給として
【バランスを意識した組み合わせ方】
コンビニでランチを選ぶ際は、「主食・主菜・副菜」を意識することで、栄養バランスが整いやすくなる。カットフルーツやヨーグルトだけではエネルギーが不足しがちなので、まずはおにぎりやパンなどの主食を取り入れ、その後間食としてビタミン・ミネラル補給を意識するのが良い。
コンビニ食でも、選び方次第でバランスの取れた食事が可能。特に1品で栄養素が揃う食品を選ぶと、忙しいときでも手軽に健康的な食事ができる。温めずに食べられる食品を選べば、オフィスでも周囲を気にせずスマートに食事を取ることができるのでおすすめ。
ダイエット中のコンビニ食品の取り入れ方やおすすめの食品は以下の記事をチェック。
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コンビニはダイエットの味方って本当? コンビニにはさまざまな食べ物、飲み物が揃っている。中には、ダイエット向けの商品や手軽に栄養バランスを整えられる嬉しい商品も.....
ダイエット中の昼ごはんに関するQ&A
昼ごはんを食べ過ぎたら夜ごはんの量は減らした方がいい?
A.夜ごはんはいつもより控えめに。1日のトータル量で考えよう。

昼ごはんで食べ過ぎてしまった場合、夜ごはんはいつもより量を控えめにしましょう。1日のトータル量で考え、昼ごはんで食べ過ぎた分を夜ごはんで減らすように。
カップ麺やレトルト食品は避けた方がいい?
A.塩分や糖質が多く含まれているので、頻度は注意しよう。

絶対に避けたほうがよいというわけではありませんが、加工食品は食塩や脂質が多く含まれるものが多いので、栄養成分表示をチェックしながら食べるようにしましょう。また、エネルギー代謝に欠かせないビタミンやミネラル、整腸作用のある食物繊維が少なく、便秘や不調の原因にもなるので、頻度には注意が必要です。
夜に外食などがっつり食べる予定がある場合、昼ごはんの量は減らした方がい?
A.夜に外食などで食べる予定がある場合は、昼ごはんを少し控えめに。

1日の食事量だけで考えず、数日~1週間単位でバランスを取れれば大丈夫です。仮に暴飲暴食をしてしまったとしても、翌日やその次の日の食事で調整するようにしましょう。
健保組合にて栄養相談や特定保健指導、企業の健康経営サポート事業に従事。セミナー講師や健康教育を行い、働く人の健康づくりを支援する。食を通して心も体も豊かに、笑顔を届けるお手伝いがしたいという想いからフードコーディネーターの道へ。
現在は株式会社 Smile meal で若年層や料理初心者でもチャレンジしたくなる簡単な料理の提案や、女性のダイエット、痩せの課題解決に向けても活動中。
【保有資格】
管理栄養士、フードコーディネーター、健康経営アドバイザー、東京糖尿病療養指導士