肩幅を広く見せたい場合、もっとも重要になる部位は三角筋中部。腕を横に広げるラインをつくる筋肉で、ここが発達すると正面から見たときの横幅がはっきり出やすくなる。この記事では、肩幅づくりに直結する三角筋中部の代表的2種目を中心に、肩まわりのボリュームづくりに役立つ三角筋前部、シルエットを逆三角形に整えるうえで重要な広背筋を鍛えるのに効果的な種目を紹介。「肩幅を広くしたい」「逆三角形の体型を目指したい」という人は参考にしてみて。
この記事の監修者

三矢 紘駆さん
日本体育大学助教 日体大ボディビル部監督
この記事の検証者

吉田 健二さん
Wellulu編集部
学生時代は運動部に所属。過去にトレーニングの継続を二度挫折したが、6ヵ月前から再びジム通いをスタート。現在は「続けられる筋トレ習慣」をテーマに、週2〜3回の全身トレーニングを中心に実践している。
肩幅を広くするには?鍛えるべき部位と注意点


検証者:吉田
肩幅を広くしたい場合、やはり肩の筋トレが一番重要なのでしょうか。見た目を変えたいと思っても、どこを重点的に鍛えるべきなのか少し迷っていました。

監修者:三矢
肩幅を広く見せたい場合、最も重要になるのは三角筋です。その中でも、とくに三角筋中部を鍛えるのがおすすめです。腕を横に広げたラインをつくる筋肉なので、ここが発達すると正面から見たときの横幅がはっきり出やすくなります。

検証者:吉田
三角筋前部はどうなのでしょうか?前側もよく使う筋肉なので、肩幅に関係しているのか気になりました。

監修者:三矢
三角筋前部も肩の筋肉として重要ですが、肩幅という点では影響はやや小さくなります。前部は腕を前に出す動きで使われやすく、横への広がりをつくる役割は中部ほど大きくありません。

検証者:吉田
三角筋中部以外にも鍛えた方がいい部位はありますか?

監修者:三矢
肩幅を強調するためには、ウエストとのバランスも大切です。ウエストと肩幅の差がはっきりすることで、上半身が逆三角形に見えやすくなります。その点で、広背筋のトレーニングも大切です。広背筋は直接「肩幅」を広げる筋肉ではありませんが、上半身全体のシルエットづくりに大きく関わります。

検証者:吉田
肩のトレーニングをおこなううえで、注意しておきたい点はありますか?

監修者:三矢
三角筋は肩関節と直結しているため、フォームには注意が必要です。腕を上げすぎると僧帽筋に効きやすくなり、肩関節への負担も増えてしまいます。動作は肩の高さまでを目安に止め、反動を使わず、ていねいにおこなうことが重要です。

検証者:吉田
広背筋のトレーニングでは、どんな点に気をつけるべきでしょうか。

監修者:三矢
広背筋では、肩をすくめず、肩甲骨を下に下げた状態から動作を始めることが大切です。肩がすくんだままだと、首や肩に力が逃げやすくなります。最初に肩を落とした状態をつくることで、広背筋が使いやすくなります。
肩幅の平均の太さ

一般的に、肩幅の平均は成人男性でおよそ45cm前後、女性で35cm前後とされている。肩幅は骨格の影響が大きい部位であり、とくに鎖骨の長さによって、もともとの広さがある程度決まっている。
一方で、見た目の肩幅はトレーニングによって変えられる。三角筋中部を鍛えて肩の横に張り出しをつくり、広背筋を鍛えてメリハリを出すことで「肩幅が広い印象」をつくることができる。

監修者:三矢
肩幅は骨格による影響が大きいため、数値を無理に追いかける必要はありません。三角筋中部と広背筋をバランスよく鍛え、全体のシルエットがどう変わっているかを基準にすると、トレーニングの方向性を見失いにくくなりますよ。
【三角筋中部】肩幅広くする筋トレ2選
- サイドレイズ
- アップライトロウ
サイドレイズ
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 続けやすさ | ★★★☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 4㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ダンベルを両手に持ち、体の横に下ろして立つ
- ひじを軽く曲げたまま、腕を真横に持ち上げる
- 肩の高さまで上げたら一瞬止め、ゆっくり元の位置へ戻す
- 反動は使わず、肩の力でコントロールしておこなう
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 三角筋中部 |
| 実施できる場所 | 自宅、ジム |
| 設備・器具 | ダンベル |

監修者:三矢
サイドレイズは、三角筋中部をピンポイントで刺激しやすい代表的な種目です。動作がシンプルなぶんフォームの違いが効きに直結しやすく、肩の横幅を出したい場合には欠かせません。動作をていねいにおこなうことが、三角筋中部への刺激を安定させるポイントです。
- ひじを少し曲げる
- ダンベルを肩の位置まで上げる
ひじを少し曲げる


検証者:吉田
ひじを軽く曲げて動かすと、腕を振り上げる感覚が減り、肩の横に力が集まっているのが分かりやすかったです。ひじを伸ばしすぎると、ダンベルの重さに引っ張られて反動が出やすくなりました。ひじの角度を固定したまま動かす意識を持つことで、肩だけを使って持ち上げられている感覚がありました。
ダンベルを肩の位置まで上げる


検証者:吉田
ダンベルを肩の位置までで止めるようにすると、肩の横に負荷が集まりやすく、効いている感覚がはっきりしました。それ以上持ち上げると、肩をすくめる動きが入りやすくなり、刺激が分散してしまう印象でした。
サイドレイズの効率を上げる方法は?

監修者:三矢
初心者の場合は、片手ずつトレーニングする方法がおすすめ
サイドレイズは動作がシンプルな反面、フォームが崩れると負荷が前腕や反動に逃げやすい種目です。とくに初心者の場合、両手同時におこなうと動きが安定せず、狙った刺激が入りにくくなることがあります。その場合は、片手ずつおこなう方法がおすすめです。
▼片手でサイドレイズをしている様子

検証者:吉田
実際に片手ずつサイドレイズをおこなってみると、動作が安定しやすく、三角筋中部の収縮感をはっきり感じられました。片手でトレーニングしている間、反対側の手を肩に軽く置くと、三角筋中部が縮んでいる感覚を確認しやすくなりました。重量を追うよりも、まずは正しいフォームを身につけたい段階に向いている方法だと感じました。
アップライトロウ
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 続けやすさ | ★★★☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 12㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- EZバーを体の前で順手で持つ
- 背すじを伸ばしたまま、ひじを上に引き上げる
- バーをみぞおち〜胸下あたりまで引き上げる
- ひじが手首より高くなる位置を意識し、ゆっくり下ろす
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 三角筋中部 |
| 実施できる場所 | 自宅、ジム |
| 設備・器具 | EZバー、ダンベル、ケトルベル、ケーブル |

監修者:三矢
アップライトロウは、三角筋中部を中心に肩全体を使いやすい種目です。バーを引き上げる動作の中で、ひじの位置やスピードによって刺激が変わりやすいため、コントロールした動作が重要になります。勢いを使わずゆっくり引き上げることで、三角筋中部への負荷を逃がしにくくなります。
- 勢いを使わず、ひじからゆっくり持ち上げる
勢いを使わず、ひじからゆっくり持ち上げる


検証者:吉田
勢いを使って引いてしまうと、肩に効いている感覚が弱くなりました。ゆっくり引き上げると、ひじが上がる途中から肩の横にじわっと負荷がかかり続ける感じがありました。重さを軽くしてでも動作をコントロールしたほうが、三角筋中部を使えている実感が強かったです。
▼動作スピードの速いNGフォーム例
持ち上げたときに、前腕がひじの位置より高くなりやすい
EZバー、ダンベル、ケトルベル、ケーブルどれが初心者におすすめ?

検証者:吉田
トレーニング歴6ヵ月の編集部スタッフが検証しました!
今回はアップライトロウの重量として適切なのはどろか?を検証するため、フォームの安定しやすさ・重量の扱いやすさを軸に、EZバー、ダンベル、ケトルベル、ケーブルを比較しました。
▼EZバーでのアップライトロウ
▼ダンベルでのアップライトロウ
▼ケトルベルでのアップライトロウ
▼ケーブルでのアップライトロウ

検証者:吉田
A:EZバーとケトルベルがおすすめ
検証した中では、EZバーとケトルベルがとくにおすすめだと感じました。アップライトロウでは、手で引くのではなく、ひじから重量を持ち上げる意識が重要ですが、EZバーやケトルベルはその動きを作りやすかったです。
また、肩のトレーニングでは勢いを使わず動作することも大切ですが、ダンベルやケーブルは可動域が広いぶん、つい反動に任せてフォームが崩れやすい印象がありました。初心者のうちは、軌道が安定しやすいEZバーやケトルベルのほうが、正しい動きを身につけやすいと思います。
【三角筋前部】肩幅を広くする筋トレ2選
- バイクプッシュアップ
- スミスマシンショルダープレス
バイクプッシュアップ
▼床に足をついてのバイクプッシュアップ
▼ベンチに足をのせてのバイクプッシュアップ
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 続けやすさ | ★★★★★ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 自重×10~15回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- 通常の腕立て伏せ姿勢から、お尻を高く持ち上げる
- 上体を斜め下に向け、頭が床に近づくようにひじを曲げる
- 肩と腕の力で体を押し戻す
- 腰を反らさず、背中と腰を一直線に保つ
| ケガのリスク | 高い |
| 鍛えられる部位 | 三角筋前部・中部 |
| 実施できる場所 | 自宅 |
| 設備・器具 | 特になし |
- レベルに応じて足の位置を変える
レベルに応じて足の位置を変える


検証者:吉田
足の位置を変えるだけで、体にかかる負荷が大きく変わると感じました。足を床に置いた状態では動作をコントロールしやすく、フォーム確認に集中しやすかったです。一方で、ベンチに足をのせると肩まわりへの負荷が一気に増し、ひじの曲げ伸ばしを雑にすると姿勢が崩れやすくなりました。

監修者:三矢
バイクプッシュアップは、腕立て伏せよりも肩への負荷が高まる種目です。足を高くするほど体重が上半身に乗るため、無理に難易度を上げず、安定して動作できる位置から始めることが大切です。頭を床に近づける意識を持ち、ひじを外に開きすぎないことで、狙った動作をおこないやすくなります。
スミスマシンショルダープレス
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 続けやすさ | ★★★☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 16㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- 肩の位置にスミスマシンのバーをセットする
- ベンチに座り、バーを肩幅程度で握る
- バーを目の高さまで落とし、頭上へ押し上げる
- ひじを伸ばしきる直前で止め、ゆっくり肩の位置まで下ろす
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 三角筋前部・中部 |
| 実施できる場所 | ジム |
| 設備・器具 | スミスマシン |
- ベンチをバーが肩に落ちる位置にセットし、角度は80~90度
ベンチをバーが肩に落ちる位置にセットし、角度は80~90度


検証者:吉田
ベンチの角度を立て、バーが自然に肩の位置へ下りるようにセットすると、押し上げる軌道が安定しやすいと感じました。角度が寝すぎていると胸に近い動きになりやすかったです。

監修者:三矢
スミスマシンショルダープレスでは、ベンチ角度とバーの初期位置がフォームの安定性を左右します。反動を使わず、下ろす動作もていねいにおこなうことが安全性と効果の両立につながります。
【広背筋】肩幅を広くする筋トレ4選
- ワンハンドロー
- ラットプルダウン
- シーテッドロー
- 懸垂
ワンハンドロー
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 続けやすさ | ★★☆☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 8㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- 片手と同側のひざをベンチにつき、反対の手でダンベルを持つ
- 背中を丸めず、床と平行に近い姿勢を作る
- ひじを体側へ引きながらダンベルを引き上げる
- 肩甲骨を寄せる意識で引き、ゆっくり下ろす
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 広背筋、僧帽筋 |
| 実施できる場所 | 自宅、ジム |
| 設備・器具 | ダンベル |
- 背中を丸めない
背中を丸めない


検証者:吉田
背中が丸まると、ダンベルを引く感覚が腕に逃げやすくなりました。背中と腰を反らさず丸めず一直線に保つと、ひじを引いたときに背中全体が使われている感覚が分かりやすかったです。

監修者:三矢
ワンハンドローは、姿勢の崩れがそのまま効きにくさにつながる種目です。背中を丸めず安定させることで、引く動作に集中しやすくなります。
ラットプルダウン
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 続けやすさ | ★★☆☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 30㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- マシンに座り、バーを肩幅よりやや広めに握る
- 胸を軽く張り、体を安定させる
- ひじを下に引く意識でバーを鎖骨付近まで下ろす
- 広背筋の伸びを感じながら、ゆっくり元の位置へ戻す
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 広背筋 |
| 実施できる場所 | ジム |
| 設備・器具 | ケーブルマシン |
- 肩を落として動作する
肩を落として動作する


検証者:吉田
動作前に肩を落とす意識を持つと、腕だけで引いている感じが減り、背中に力が入りやすくなりました。肩がすくんだ状態だと、動きが浅くなる印象でした。毎回スタート位置で肩の状態を確認することが大切だと感じました。

監修者:三矢
ラットプルダウンでは、肩を落とした状態を作ることで動作の質が大きく変わります。最初に肩を安定させてからひじを下に引くことで、引く動作がスムーズになります。反動を使わず、戻す動作もコントロールすることを意識してください。
シーテッドロー
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 続けやすさ | ★★☆☆☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 20㎏×10回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- マシンまたはケーブルに座り、ハンドルを握る
- 背中と腰をまっすぐ保ったまま構える
- ひじを後ろへ引き、胸に向かってハンドルを引く
- 肩甲骨を寄せた状態で一瞬止め、ゆっくり戻す
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 広背筋、僧帽筋 |
| 実施できる場所 | ジム |
| 設備・器具 | ケーブルマシン |
- 背中を丸めない
背中を丸めない


検証者:吉田
背中が丸まると、ハンドルを引いても背中に効いている感覚が薄くなりました。背中と腰をまっすぐ保つことで、ひじを引いたときに背中がしっかり動いているのが分かりやすかったです。

監修者:三矢
シーテッドローは姿勢づくりが重要な種目です。背中を丸めずに構えることで、引く動作が安定します。体を大きく反らす必要はなく、上体を固定したままひじを後ろへ引く意識でおこなうと、フォームが崩れにくくなります。
懸垂
| 難易度 | ★★★★★ |
| 続けやすさ | ★★★★☆ |
| 重量・回数・セット数の目安 | 自重×5~8回(3セット) |
※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- バーを順手または逆手で握り、ぶら下がる
- 肩をすくめず、胸をバーに近づける意識で体を引き上げる
- あごがバーの高さに来たら一瞬止める
- 反動を使わず、コントロールしながら下ろす
| ケガのリスク | 低い |
| 鍛えられる部位 | 広背筋 |
| 実施できる場所 | 自宅、ジム |
| 設備・器具 | 懸垂バー |
- 肩幅より広くバーをにぎる
肩幅より広くバーをにぎる


検証者:吉田
肩幅より広く握ることで、体を引き上げたときの広背筋への効きが違いました。手幅が狭いと腕の力に頼りやすく、回数を重ねるほどフォームが崩れやすかったです。

監修者:三矢
懸垂では反動を使わず、下ろす動作もコントロールしながらおこなうことを優先してください。
肩幅を広くすることに関するQ&A
Q:肩幅が広くなるスポーツは何ですか?
A:代表的なのは水泳。

監修者:三矢
水泳選手のような見事な逆三角形は、水をかく動作(クロールやバタフライ)によって「広背筋」と「三角筋」が強く発達するからです。また、腕を大きく回すことで肩甲骨の可動域が広がり、姿勢が良くなることも理由の一つです。ジムや自宅トレの代わりに、週末にプールに通うのもリフレッシュになって良いですね。
Q:なで肩でも肩幅は広くなりますか?
A:なで肩でも広くなる。

監修者:三矢
なで肩の方は、鎖骨の角度が下がって見えている状態ですが、三角筋を鍛えて盛り上がりを作ることで、肩のラインを水平に近づけることができます。むしろ、筋肉がついた時の変化が分かりやすく、スーツのフィット感が劇的に改善されるタイプと言えます。








































2024年日本体育大学大学院体育科学研究科博士課程修了。博士(体育科学)。日本体育大学体育研究所助教であり、同学のボディビル部にて監督およびボディビルクラブ代表を務める。2024年におこなわれた第38回東京クラス別ボディビル選手権大会では、ミスター75kg以下級にて優勝。
【資格】
NSCA-CSCS