レールによってバーベルの軌道が固定された「スミスマシン」。初心者でも安全にフォームを身につけやすいのが特徴で、スクワット・ベンチプレスなど多くの種目に応用できる。この記事では、フリーウェイトとの違い、メーカー別のバーの重さ、スミスマシンのメリット・デメリットを紹介。軌道が固定されることでのメリット・向いている種目をWellulu編集部スタッフが検証してみたので、スミスマシンで効率よくトレーニングをしたい人は参考にしてみて。
この記事の監修者

関根 綾さん
パーソナルジムDecision 代表トレーナー
この記事の検証者

吉田 健二さん
Wellulu編集部
学生時代は運動部に所属。過去にトレーニングの継続を二度挫折したが、6ヵ月前から再びジム通いをスタート。現在は「続けられる筋トレ習慣」をテーマに、週2〜3回の全身トレーニングを中心に実践している。
スミスマシンとは?

- スミスマシンの仕組み・構造
- フリーウェイトとの違い
スミスマシンの仕組み・構造

スミスマシンはバーベルの軌道がレールで固定される、バーの左右にフックが付き安全に停止できる。また、落下を防ぐストッパーが備えられ、初心者でも安全にトレーニングできるように設計されている。
スミスマシンの主な構造
| スミスマシンの構造 | 安全な理由 |
|---|---|
| レール | バーが前後にぶれず、軌道が一定のためフォームが乱れにくい。 |
| フック | ひねるだけでバーを任意の位置にすぐ引っかけられるため、潰れそうになった瞬間でも即座に停止できる。 |
| ストッパー | あらかじめバーの落下範囲を設定しておけるため、万が一力尽きても体にバーが落ちてくるのを防げる。 |

監修者:関根
スミスマシンはフォームを安定させやすいのが一番のメリット
フリーウェイトでは、動作を安定させるために「ローテーターカフ(肩のインナーマッスル)」や体幹の筋群が常に働きますが、スミスマシンではその分のエネルギーをメインターゲットの筋肉に集中できます。
▼スミスマシンの使い方について詳しく見る
スミスマシンの正しい使い方!初心者向けトレーニングやよくある間違い例も紹介
スミスマシンの基本的な使い方 スミスマシンで効率的なトレーニングをおこなうためには、使い方の手順を正確に守ることが大切。立ち位置やバーベルの高さ、セーフティース.....
フリーウェイトとの違い

フリーウェイトは軌道が自由で、バランス維持や全身の安定性が常に求められる点がスミスマシンと大きく異なる。
また、フリーウェイトはフックに戻す位置を自力で調整する必要があるが、バーに回転式フックが付いたスミスマシンは、手首を返すだけで任意の高さに固定できる。また、フリーウェイトの場合は、セーフティーストッパーを一度取り外して設定する必要もある。
スミスマシンとフリーウェイト(パワーラック)の比較
| 項目 | スミスマシン | フリーウェイト(パワーラック) |
|---|---|---|
| 特徴的な違い | ・軌道が固定される | ・軌道の自由度が高い |
| メリット | ・フォームが安定しやすい ・狙った部位へ負荷をかけやすい |
・全身のバランス能力が鍛えられる ・補助筋や体幹を含めた筋力が向上する |
| デメリット | ・補助筋や体幹が鍛えにくい | ・フォームが安定しない |
| 向いている人・目的 | ・初心者~中級者 ・狙った部位を重点的に鍛えたい人 ・安全にフォーム練習したい人 |
・中級者~上級者 ・全身を鍛えたい人 ・効率よくトレーニングしたい人 |

監修者:関根
重量に伸び悩んだら、フリーウェイトに変えるのもおすすめ!
ある程度重量を扱えるようになった段階でフリーウェイトに移行すると、停滞していた重量が一気に伸びるケースもあります。例えば、ベンチプレスで自体重と同じ重量を8〜10回ほど安定して扱えるようになったら、フリーウェイトへ挑戦する目安と考えてよいでしょう。
最初はスミスマシンで扱う重量の8割程度から始めると安全です。
スミスマシンの種類

スミスマシンには、主に「垂直スミスマシン」「スーパースミスマシン」「オールインワンスミスマシン」の3種類がある。いずれも基本構造は同じだが、バーの軌道や付属機能が異なり、トレーニング目的や設置環境によって適したタイプが変わる。
【スミスマシンの種類】比較一覧
| 種類 | 特徴 | 難易度 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| 垂直スミスマシン | ・バーベルが垂直軌道で上下する | 初心者向け | ・フォームを固めたい、安全におこないたい人 |
| スーパースミスマシン | ・バーベルが約5〜7度のわずかに斜め軌道で動く | 中級〜上級者向け | ・フリーウェイトに近い感覚で安全に鍛えたい人 |
| オールインワンスミスマシン | ・複合機能を搭載(ケーブル・チンニング・ディップスなど) | 初級〜上級者向け | ・全身トレーニングを完結させたい人 |

監修者:関根
スミスマシンの動かしやすさは、好みによる
垂直タイプとスーパースミスマシンは、どちらが優れているというより「種目との相性」や「自分が動きやすいかどうか」が一番の判断ポイントになります。
垂直スミスマシン

垂直スミスマシンは、バーベルが上下方向にまっすぐ可動するタイプのスミスマシン。軌道が完全に垂直なため、スクワットやベンチプレスなどの基本動作でも再現性は高い。バランスを取りながらも安定した動作がおこなえるため、フォームの確認や初心者の導入トレーニングに向いている。
スーパースミスマシン

スーパースミスマシンは、バーベルがやや斜め(約5〜7度)に傾いた軌道を描くタイプのスミスマシン。わずかな傾斜によって、人間の自然な動作に近い軌道を再現できる点が大きな特徴。スクワットやデッドリフトでは、ヒップラインの動きと連動しやすく、フリーウェイトに近い感覚でトレーニングできる。
オールインワンスミスマシン

オールインワンスミスマシンは、スミスマシン機構に加えてケーブル・チンニングバー・ディップスバーなどを統合した多機能タイプ。1台で全身をトレーニングできる構造を持ち、自宅用ジムとしての完成度が高い。
初級者は安全に、上級者は追い込みトレーニングを効率的におこなえる汎用性の高いマシン。
メーカー別・スミスマシンのバーの重さ

スミスマシンのバーベル重量はメーカーや機種によって異なり、一般的には5〜20kg前後の範囲で設定されている。バーベル自体がレールに支えられている構造のため、フリーウェイトのバーベル(約20kg)よりも軽く設計されるケースが多い。正確な重量を把握しておくことは、トレーニング強度を管理するうえで不可欠。
以下は主要メーカー別のバーベル重量と特徴を比較したリスト。
| メーカー名 | バーベル重量(kg) | 規格・特徴 |
|---|---|---|
| Matrix(マトリックス) | 約11〜12kg | ジム設置率が高く、滑らかな軌道と安定性が特徴。バーベルは軽めの設計。 |
| Technogym(テクノジム) | 約20kg | 国際規格に近い重量。バーベルの剛性が高く、上級者にも対応。 |
| Hammer Strength(ハンマー・ストレングス) | 約11kg | パワーラック感覚で扱える安定性。動作がスムーズで可動域が広い。 |
| Life Fitness(ライフフィットネス) | 約13〜15kg | 中間的な重量設定。安全性とリアルな負荷感のバランスが良い。 |
| BODYMAKER(ボディメーカー) | 約8〜10kg | 自宅用モデルに多く、軽量設計で扱いやすい。初心者向け。 |
| Motions(モーションズ)/TUFFSTUFF(タフスタッフ) | 約6〜9kg | コンパクトタイプが多く、家庭用スミスマシンで人気。 |
スミスマシンのメリット

スミスマシンは筋トレ初心者や女性でも安心して扱えるトレーニングマシン。フックやセーフティストッパーによって安全性が高く、フォームの再現性が高いのが特徴。
- ケガのリスクが低い
- 軌道が固定され、フォームの再現性が高い
- 特定部位にアプローチしやすい
ケガのリスクが低い

スミスマシンはバーベルの両側にフックが設けられており、動作中に限界を感じた時でもすぐに固定できる。さらに、セーフティーストッパーを適切な高さにセットすれば、バーベルが落下しても体に直接当たる心配がない。補助者がいなくても安全にトレーニングをおこなえるため、安心して筋トレを継続できる。
軌道が固定され、フォームの再現性が高い

スミスマシンではバーベルがレールに沿って動くため、軌道が安定しフォームが崩れにくい。フォーム習得の練習段階として最適なマシンであり、筋トレの基礎を身につけられる。

監修者:関根
フォームの安定性とトレーニング効率は比例する
フォームが乱れにくいことで、トレーニングテンポの安定性にもつながります。フォームだけでなくテンポが一定に保たれることで、トレーニング効率が高くなります。
特定部位にアプローチしやすい

軌道が安定しているスミスマシンは、特定の筋肉をピンポイントで刺激したい場面に有効。バーの位置と体の角度を正しく調整できればアプローチしたい部位への刺激を入れやすい。

監修者:関根
大胸筋上部にアプローチできる「インクラインダンベルプレス」などの種目は、スミスマシンがおすすめです。
【検証】スミスマシンはトレーニング効率が高いのか?


検証者:吉田
大胸筋上部への刺激・フォームの再現性はどう変わるのか?
普段のトレーニングプランに「インクラインベンチプレス」を組み込んでいませんが、「スミスマシンを使ったインクラインベンチプレスはおすすめ!」と監修者の関根さんに教えてもらい挑戦!
スミスマシンとフリーウェイトの比較項目
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 大胸筋上部への刺激 | インクラインベンチプレスのNG例として肩に刺激が強く入るケースが多い。そのため、「胸上部にちゃんと乗っている感覚があるか?」を基準にして比較。 |
| フォームの再現性 | フォームの安定性=刺激の質に直結するため、「初心者でも毎回同じ動きができるか?」という再現性を比較。 |
スミスマシンの場合
スミスマシンの評価
| 項目 | 評価 | メモ |
|---|---|---|
| 大胸筋上部への刺激 | 〇 | ・回数を重ねても胸上部に乗るポイントを外しにくい ・肩に逃げる感覚がほぼない ・収縮と伸張を感じやすい |
| フォームの再現性 | ◎ | ・同じ軌道で動けるため安定性が高い ・限界重量でも、フォームのブレがほぼ出ない |
フリーウェイトの場合
フリーウェイトの評価
| 項目 | 評価 | メモ |
|---|---|---|
| 大胸筋上部への刺激 | ▲ | ・8〜10回目になると、肩の力でリフトアップしてしまう ・刺激が「乗る回」と「乗らない回」の差がある |
| フォームの再現性 | × | ・左右のバランスを取ることに意識を取られ、胸上部に集中しにくい ・回数を重ねると軌道が頭の方にブレる |

検証者:吉田
限界レップ数に近づくと、大胸筋上部への刺激に大きな差がある
8〜10回目の追い込み局面だと、フリーでは肩や腕が先に頑張ってしまい、フォームがわずかに乱れてしまいました。スミスマシンは軌道がぶれないため、疲労してもバーの位置を外しにくく、最後まで大胸筋上部に効いたまま押し切れる感覚が続きました。

監修者:関根
スミスマシンでは最初の位置調整が最も大切!
インクラインベンチプレスは角度・軌道のわずかなズレで、大胸筋上部に効くかどうかが大きく変わる種目です。スミスマシンでも最初のポジション設定(ベンチの角度・置く位置)を間違えると、フリーウェイト以上に効かせにくくなる点には注意が必要です。
最初の位置合わせをていねいに取り組むことで、安定して大胸筋上部に刺激を乗せられるようになります。
スミスマシンのデメリット

スミスマシンは軌道が固定されているため、可動域が制限される。スミスマシンの特性を理解したうえで、フリーウェイトや他のトレーニングと併用することで、全身のバランスを保ちながら効率的に鍛えられる。
- 自由な動きができない
自由な動きができない
軌道が斜めに動く種目は、垂直スミスマシンに不向き
スミスマシンはバーの軌道が固定されているため、自由な動きを取り入れたトレーニングには不向き。フリーウェイトのように可動域を自在にコントロールできず、本来の軌道とズレるトレーニングもある。

監修者:関根
垂直にバーが動くスミスマシンでは軌道が合わない種目も!
スミスマシンの軌道は基本的に一直線のため、種目によっては本来の動きとズレが生じることがあります。たとえばベントオーバーローは順手なら垂直軌道でも問題ありませんが、逆手の場合はバー軌道がわずかに身体側へ入ってくるのが理想です。この動作をスミスマシンの固定軌道でおこなうと、自然な引き方向と噛み合わず、効かせにくくなるケースがあります。
【検証】スミスマシンに向いている種目とは?


検証者:吉田
軌道が固定されることでデメリットが生じる種目とは?
「逆手でのベントオーバーローはスミスマシンだとおすすめできない」という例を踏まえ、他の種目ではどうなのか検証してみました。
スミスマシン・フリーウェイトで比較した検証結果
| 種目 | 評価 | メモ |
|---|---|---|
| デッドリフト | 〇 | ・セーフティーストッパーの影響で上下の可動域が狭くなりやすい ・台を置くなど可動域を確保する工夫が前提条件 |
| スクワット | ◎ | ・フォーム習得や安全性重視のトレーニング向き |
| ベンチプレス | ◎ | ・バーの軌道が安定し、狙った筋肉に負荷を乗せやすい |
| ショルダープレス | ◎ | ・上半身の押す動作を安定しておこなえる |
| トライセプスエクステンション | × | ・本来はひじを支点に「弧」を描きながら前後に動くためおすすめできない |
| フロントレイズ | × | ・本来は体側から肩の高さへ向かって前方上がりに弧を描くためおすすめできない |
| アームカール | × | ・本来はひじを支点に胸の前へ向かって弧を描く軌道のためおすすめできない |
| ブルガリアンスクワット | △ | ・足位置とレール位置の微調整が手間 |
| ランジ | △ | ・バックランジのみおすすめ(フロントランジの動作はできない) |
| ヒップスラスト | △ | ・セーフティーストッパーにより可動域が制限されやすく、ボトム時に狙った位置まで動かしにくい |

検証者:吉田
セーフティストッパーの取り外しができるスミスマシン(※少ない)であれば問題ないですが、デッドリフトをおこなう場合は足元にステップ台などを置いた方がおすすめ。

▼ステップ台を使ったスミスマシンデッドリフトの詳しいやり方を見る
スミスマシンデッドリフトの正しいやり方!鍛えられる部位・やりにくいときの対処法
スミスマシンデッドリフトは初心者・女性におすすめ! スミスマシンデッドリフトは、レールで軌道が固定されたスミスマシンを使うデッドリフト種目。バーベルのバランスを.....
スミスマシンを使った種目一覧

スミスマシンは、上半身・下半身をバランスよく鍛えられる汎用性の高いマシン。ここでは代表的な上半身・下半身の種目を一覧で紹介。
上半身を鍛える種目
| 種目 | 鍛えられる部位 (負荷の高い順) |
特徴 |
|---|---|---|
| ベンチプレス | ・大胸筋 ・上腕三頭筋 ・三角筋前部 |
バーの軌道が安定し、胸の中心にしっかり負荷をかけやすい |
| インクラインベンチプレス | ・大胸筋上部 ・三角筋前部 |
ベンチを斜めに設定し、胸上部を集中的に刺激できる |
| ナローベンチプレス | ・上腕三頭筋 ・大胸筋 ・三角筋前部 |
上腕三頭筋によるプレス動作をしやすい |
| デッドリフト | ・脊柱起立筋 ・ハムストリング ・大臀筋 ・広背筋 |
フォーム習得を目的としたトレーニングに適する |
| ショルダープレス | ・三角筋 | 肩の可動範囲を意識しながら安定した動作が可能 |
| ベントオーバーロウ(順手) | ・広背筋 ・僧帽筋 ・菱形筋 |
背中に集中して刺激を与えやすい |

監修者:関根
どの種目も可動域をしっかりとることが大切!
どの種目でも「可動域をしっかり確保する」ことが大切です。可動域が狭いままだと、ターゲットとなる筋肉が十分に伸び縮みせず、十分な負荷が与えられません。
ベンチプレスなら胸に近い位置までしっかり下ろす、ショルダープレスなら目の位置までバーを下ろすなど、正しい可動域を確保するだけで刺激の入り方が大きく変わります。
まずは軽めの重量で可動域を確認し、自分のフォームを意識しながら徐々に負荷を高めていくのがおすすめです。
▼上半身を鍛えるスミスマシン種目について詳しく見る
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下半身を鍛える種目一覧
| 種目 | 鍛えられる部位 (負荷の高い順) |
特徴 |
|---|---|---|
| スクワット | ・大臀筋 ・大腿四頭筋 ・ハムストリング |
下半身全体を安全に強化でき、初心者の場合は深くしゃがんでもバランスを崩しにくい |
| ブルガリアンスクワット | ・大臀筋 ・ハムストリング ・大腿四頭筋 |
体幹のブレが少なく狙った部位をピンポイントで鍛えられる |
| ハックスクワット | ・大腿四頭筋 ・大臀筋 |
太ももの前面を集中的に刺激できる。専用マシンがない場合におすすめ |
| ヒップスラスト | ・大臀筋 | 可動域が狭くなりがちだが、スミスマシンでも取り組める |
| ランジ | ・大臀筋 ・ハムストリング ・大腿四頭筋 |
スミスマシンではバックランジのみ対応可能 |
| カーフレイズ | ・ヒラメ筋 ・腓腹筋 |
バランスを保ちながら高負荷をかけやすく、ふくらはぎの引き締めにも効果的 |

監修者:関根
まずは軽い重量で可動域とフォームの確認を!
下半身種目も「どれだけ可動域を確保できるか」が効果を左右します。ブルガリアンスクワットのようにフォームが崩れやすい種目でも、深くしゃがみターゲットとなる筋肉にしっかりストレッチをかけることが大切です。
可動域を広げるほど筋肉にかかる負荷も高くなるため、まずは軽めの重量で動作の深さや安定感を確認してからトレーニングするようにしましょう。
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自宅用・スミスマシンを選ぶポイント

自宅用スミスマシンを選ぶ際は、設置スペースや重量、安全性、機能性を総合的に確認することが大切。限られた空間でも効率的にトレーニングできるよう、サイズやバーの規格、機能面を比較しながら選定したい。
メーカーによって仕様が異なるため、自身の目的に合ったマシンを見極めることが理想。
- サイズと重量を確認する
- バーベルの重さと規格を確認する
- 他の機能を確認する
サイズと重量を確認する

自宅設置を前提とする場合、サイズと重量の確認は最優先事項。スミスマシンは一般的に高さ200cm前後、奥行き150cmほど必要とされ、床の耐荷重も考慮したい。マシン本体が100kgを超えるモデルも多いため、搬入経路や床補強も大切。
サイズを誤ると設置後に可動域が制限されるため、設置スペースとのバランスを慎重に見極める。
バーベルの重さと規格を確認する

バーベルの重量や規格は、メーカーによって異なる。家庭用スミスマシンでは5〜15kg程度が一般的で、ジム用の20kg規格より軽いことが多い。また、バーの直径・耐荷重やプレートの対応規格(28mm/50mm)も確認しておくのがおすすめ。
他の機能を確認する

自宅用スミスマシンには、ケーブル・ディップスバーなどを備えた多機能タイプも多い。オールインワン設計のモデルであれば、上半身から下半身まで一台で全身をトレーニングできる。コスト面は上がるが目的や予算に応じて選びたいタイプ。
スミスマシンのおすすめモデル・メーカー

自宅用スミスマシンを選ぶ際は、人気メーカーのモデルを比較しながら、機能・価格・設置性のバランスを見極めることが重要。
編集部がピックアップしたモデルのリストを以下にて紹介。
| メーカー | モデル名 | 種類 | 特徴 | 価格帯(目安) | 総サイズ | 総重量 | バーの重さ | バーの太さ(直径) | 購入URL | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | BODYMAKER | スミスマシン ブラック | 垂直スミスマシン | 安全性と汎用性を前面に出したホームジム向けベーシック機。価格帯も比較的低く、入門寄りモデルという位置付け。 | 88,990 | W184.5×D133×H203.5cm | 約73kg | - | - | Amazon |
![]() | TUFFSTUFF | ベーシックスミス/ハーフケージ CSM-600 | 垂直スミスマシン | ステンレス製バーホルダーや極太フレームなど、業務用クラスの剛性と耐久性を強く打ち出すハイエンド機。家庭用の域を超えた頑丈さが特徴。 | 566,500 | W203×D183×H213cm | 177kg | 19kg | - | GALLOP FITNESS |
![]() | IROTEC PRO | パワースミスマシン | 垂直スミスマシン | 価格帯が低く、標準的な垂直スミスマシン。 | 77,000 | W194.5×D125×H195cm | 76.3kg | - | - | iROTEC |
![]() | IROTEC PRO | マルチファンクショナルスミス&クロストータルトレーナージムWOT[TO-MSXT] | オールインワン | クロストレーナー機能を統合したオールインワン型で、一本シャフト構造と耐荷重200kg。多機能機の中でも安定性と高重量対応を推しポイントにしたモデル。 | 407,880 | W200×D120×H223cm | 400kg (ウェイト含む) | - | - | BoDYLINK |
![]() | Body-Solid | Powerlineスミスマシン | 垂直スミスマシン | アメリカで長年売れ続けている実績と独自ブッシングによる滑らかさが特徴。歴史と販売実績を誇るメーカー。 | 123,866 | W192.5×D113×H203.2cm | 77.5kg | - | - | Amazon |
![]() | Force USA | G4 All-In-One Trainer | オールインワン | ハーフラック・スミス・ケーブル・チンニング・ランドマインの5機能統合とスミス部約350kg耐荷重が特徴。オールインワン系の中でも、多機能かつ高荷重対応。 | 319,000 | W192×D154×H220cm | 383kg | 10kg | - | フィットネスショップ |
![]() | DANTOS | スミスマシン | 垂直スミスマシン | シャフトガイドに「遊び」を持たせ、動きがフリーウェイトに近づく設計が最大の特徴。 | 275000 | W220×D130×H211cm | 83kg | - | - | Amazon |
![]() | Deltech Fitness | DF4900 リニアベアリングスミスマシン | 垂直スミスマシン | リニアベアリングと700ポンドクラスの高耐荷重に特化したシンプル構成。ケーブルやラックを持たない代わりに、単体スミスとしての滑らかさとタフさを前面に出したモデル。 | 240,503 | W218×D125×H206cm | 約125.2 kg | 約26.3 kg | - | Amazon |
![]() | Body-Solid | Series 7 Smith Machine (GS348B) | オールインワン | 7度の傾斜を付けたスミスとハーフラック統合が特徴。完全垂直軌道の機種と比較して、身体の自然な軌道を再現する設計コンセプトが特徴。 | 約25万〜30万円程度 | W200×D168×H211cm | 約125.2 kg | 約11.3 kg | - | Amazon |
![]() | SOVRAN (ソブラン) / Tokyo Sovran | SM100B SOVRAN スミスマシン | オールインワン | スミス・パワーラック・可変ケーブルクロスに加え、レッグプレスなど多彩なアタッチメントが付属。付属品の豊富さが特徴。 | 298,800 | W180×D180×H228cm | 235kg | - | 50 mm | Amazon |
![]() | Sunny Health & Fitness | Essential Series Smith Machine Squat Rack (SF-XF920020) | オールインワン | スミスに加え、外部Jフックでスクワットラックとしても使える。マルチグリップ懸垂バー・バンド用ハンドルを搭載。 | 287,400 | W188.7×D109.5×H225cm | 約56.9kg | 約4.5kg | スミスマシンのバーは1インチ (穴径約25.4mm) のプレートのみ適合。※ただし、ウェイトプレートストレージポストは1インチと2インチ(50mm)の両方に対応 | Amazon |
![]() | Ritfit | M1 2.0スミスマシン | オールインワン | オールインワン型の中でも、18個のアルミプーリーと耐荷重850kgというスペックが際立つ多機能機。高強度トレーニングとケーブル種目の両立を狙う上級者向け色が強い。 | 259,000 | W164×D173×H217cm | 680kg | - | - | Amazon |
![]() | REVOLUONE | All-in-One Smith Machine | オールインワン | スミスマシン、パワーラック、ケーブルマシン、ディップスバー、チンニングバーなど、一台で多種多様なトレーニングが可能な複合型。 | 219,800 | W210×D140×H210cm | 235kg | 7kg | 50mm | Revoluone |
![]() | WILD FIT | スミスマシン (SM16) | 垂直スミスマシン | ケーブルシステムやパワーラックを搭載しない、シンプルなスミスマシン。ホームジムでのトレーニングに適したサイズ。 | 77,000 (税別) | W182×D124×H200cm | 93kg | - | 50mm | WILD FIT |
![]() | Powertec | Roller Smith Machine | 垂直スミスマシン | 業界をリードするローラーシステムを採用し、高い安定性、安全性、滑らかさを実現。調整可能なスプリング式セーフティキャッチ付き。 | 262,900 | W215.1×D105.7×H209.8cm | 99kg | 50mm | Rakuten |
スミスマシンに関するQ&A
スミスマシンとフリーウェイト種目をどう使い分けている?
A:トレーニング期間やレベルに応じてスミスマシンを活用する。

監修者:関根
ジムに通っている期間やレベルによって使い分けています。パーソナルトレーニングではトレーナーがサポートしてくれますが、未経験者が正しいフォームを身につける際にいきなりフリーウエイトで挑戦するのは難しいと思います。そのため、正しいフォームを習得する最初のステップとして、スミスマシンを活用するのがおすすめです。
上級者向けの効果的な使い方はある?
A:メインはフリーウェイト、仕上げや特定部位はスミスマシンという使い分け。

監修者:関根
例えば、ベンチプレスはフリーウェイトで高重量に挑戦し、インクラインはスミスマシンで軌道を安定させて大胸筋上部を狙い撃ちする・スクワットはフリーで全身の連動性を高め、ランジやブルガリアンスクワットはスミスマシンでお尻に効かせるなど、目的に応じて使い分けることで、負荷の質が大きく変わります。
オールインワンスミスマシン独自の種目は?
A:ケーブル、チンニングバー、ディップスバーを使った種目ができる。

監修者:関根
オールインワンスミスマシンはケーブル、チンニングバー、ディップスバーなどを組み合わせた多機能設計であるため、通常のスミスマシンではできない種目を幅広く実施できます。上半身・下半身・体幹を総合的に鍛えるトレーニング環境を1台で完結させることが可能になります。
オールインワンスミスマシン独自の種目例
| 種目 | 鍛えられる部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| ラットプルダウン | ・広背筋 ・大円筋 |
広背筋を中心に背中全体を引き締める基本種目。肩がすくまないよう注意。 |
| シーテッドロー | ・広背筋 ・僧帽筋 ・菱形筋 |
背中の中央部から下部を狙う。 |
| ケーブルクロスオーバー | ・大胸筋 | 両腕を左右から中央に引き寄せる動作で大胸筋を立体的に鍛える。 |
| トライセプスプレスダウン | ・上腕三頭筋 | ひじを体側に固定し、バーまたはロープを下に押し下げる。 |
| ケーブルカール | ・上腕二頭筋 | ひじを固定して前腕を持ち上げ、トップで1秒静止すると収縮を強調できる。 |
| フェイスプル | ・三角筋後部 ・僧帽筋 ・菱形筋 |
ロープを顔の高さで引くことで、肩後部と背中上部を強化。 |
| チンニング(懸垂) | ・広背筋 ・上腕二頭筋 |
自重で背中を鍛える基本種目。可動域を広く保つのがポイント。 |
| ディップス | ・上腕三頭筋 ・大胸筋下部 ・三角筋前部 |
上体を前傾させると胸に、垂直を保つと腕に効かせやすい。 |
▼オールインワンスミスマシンの各種目について詳しく見る















年間約1000セッションを指導。経営者や芸能関係者の指導経験も多く、ダイエット・ボディメイク・健康維持など、さまざまな悩みに幅広く対応している。2021年より大原学園大宮校スポーツトレーナー科講師としても活動。
【保有資格/実績など】全米エクササイズ&フィットネス協会認定トレーナー(NESTAーPFT)/IMBF公認ファスティングカウンセラー/関東オープンメンズフォジーク選手権入賞