
自宅で器具なし・短時間で全身を引き締められる筋トレ「バーピージャンプ」。しゃがむ・腕立て・ジャンプを連続させるだけで心拍数が一気に上がり、脂肪燃焼と筋力強化を同時にねらえるトレーニング。
この記事ではバーピージャンプの効果・やり方をはじめとし、注意点や他の有酸素運動と比較した消費カロリーも紹介する。
この記事の監修者

坂詰 真二さん
スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー
この記事の検証者

神山 その香さん
学生時代は中高6年間陸上部に所属し中長距離を専門とし、昨年はフルマラソンを完走。現在は月1〜2回のランニングや自宅での腹筋・プランク・スクワットなどを中心に取り入れている。日常的に身体を動かす意識を持ちつつ、無理のない範囲で運動習慣を続けている。
バーピージャンプとは?
バーピージャンプは、しゃがむ・腕立て・ジャンプといった複数の動作を連続しておこなう全身運動。器具を必要とせず自重のみで取り組めるため、自宅や限られたスペースでも実施できる。
短時間で心拍数を高められることから、高い脂肪燃焼効果が期待できるだけでなく、下半身・体幹・上半身の筋肉を同時に鍛えられる。とくに筋力強化と有酸素運動の両方を兼ね備えたトレーニングであり、効率よく全身を引き締めたい人におすすめ。
バーピージャンプで鍛えられるおもな筋肉
- 背筋全体(広背筋・脊柱起立筋)
- 下半身(大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋・下腿三頭筋)
- 体幹(腹直筋・腹斜筋)
- 上半身(大胸筋・上腕三頭筋・三角筋)
背筋全体(広背筋・脊柱起立筋)
部位 | 負荷の強度(※) |
広背筋 | ★★☆☆☆ |
脊柱起立筋 | ★★★☆☆ |
※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差
背筋は腕立て姿勢やジャンプの着地で体を安定させる役割を担う。広背筋は上体を反らす際に腕を固定しフォームを整え、脊柱起立筋は背骨をまっすぐに保つことで、全体の動作をスムーズに行えるように支えている。
下半身(大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋)
部位 | 負荷の強度(※) |
大腿四頭筋 | ★★★★★ |
ハムストリングス | ★★★★☆ |
大臀筋 | ★★★★★ |
※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差
下半身はバーピージャンプの中心的な動力源。大腿四頭筋と大臀筋、ハムストリングスがしゃがみ込みからの立ち上がりとジャンプの推進力を生み出し、下腿三頭筋が床を蹴って身体を押し上げることで力強く正確なジャンプができる。
体幹(腹直筋・腹斜筋)
部位 | 負荷の強度(※) |
腹直筋 | ★★★☆☆ |
腹斜筋 | ★★☆☆☆ |
※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差
体幹は全身のブレを防ぎ、力を効率的に伝えるために重要な役割。腹直筋が体を真っ直ぐに安定させ、腹斜筋が左右の揺れを抑える。また、後方に伸ばした脚を腕側に引き寄せる動作で、力強く働く。
上半身(大胸筋・上腕三頭筋・三角筋)
部位 | 負荷の強度(※) |
大胸筋 | ★★★☆☆ |
上腕三頭筋 | ★★★☆☆ |
三角筋 | ★★☆☆☆ |
※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差
上半身は腕立て姿勢と押し上げ動作を支える。大胸筋と三角筋が上腕部を動かし、上腕三頭筋がひじを動かすことで、身体を床から押し上げることで、素早く確実に腕立てをこなせる。三角筋は腕の振りでも働いてジャンプの推進力を補助し、動作全体にリズムを与えている。
バーピージャンプの6つの効果
- 効率よく脂肪燃焼できる
- 基礎代謝が向上しやせやすい身体になる
- 心肺機能が向上し持久力がアップする
- 筋力と体幹が鍛えられ全身の引き締めに
- 姿勢が改善する
- 運動パフォーマンスが向上する
効率よく脂肪燃焼できる
バーピージャンプは短時間で心拍数を大きく上げられるため、有酸素運動と無酸素運動を同時におこなえる効率的な全身運動。ジャンプや腕立てなど複数の動作を組み合わせることで大腿や臀部といった大きな筋肉が稼働し、消費カロリーが高まる。
さらに運動後も代謝が高い状態が続く「アフターバーン効果」により、トレーニング後も脂肪燃焼が期待できる。サーキットトレーニングやHIITの種目に組み込むことで心肺機能と筋持久力を同時に鍛えられる点も特徴。
【アフターバーン効果とは?】
高強度の運動を行ったあとに安静にしていてもエネルギー消費が増えた状態が続く現象のこと。正式には EPOC(Excess Post-exercise Oxygen Consumption:運動後過剰酸素消費量) と呼ばれ、筋肉や心肺が通常より多くの酸素を必要とするため代謝が高まり、運動を終えてからもカロリー消費が持続する。
とくにバーピージャンプのような全身を使う高強度トレーニングでは、この効果が強く現れ、脂肪燃焼や体質改善につながりやすい。

監修者:坂詰
バーピージャンプは強度が高く、とくに40代以降では最大心拍数まで達してしまいやすいため、動作のスピード、回数やセット数を調整して負荷を下げて取り入れるのがポイントです。
基礎代謝が向上しやせやすい身体になる
バーピージャンプのように大きな筋肉を動かす運動を継続すると、筋肉量が増加し基礎代謝が自然に高まる。基礎代謝は安静時にも消費されるエネルギーであり、基礎代謝が高まるとイスに座るなどの安静にしている状態、横になったり、眠っている状態でも脂肪を燃焼しやすくなる。
さらに、継続的な運動は見た目の引き締めに加え、脂質異常症や高血圧といった生活習慣病の予防にも役立つ。
心肺機能が向上し持久力がアップする
バーピージャンプのような高強度の運動を繰り返すと、心臓はより強く収縮し、血液を効率的に全身へ送り出せるようになる。さらに肺の働きも活発になり、酸素を取り込んで利用する力が高まるため、全身の持久力が向上する。
これにより長時間の運動をおこなっても息切れしにくくなり、疲労の回復も早まる。スポーツのパフォーマンス向上はもちろん、日常生活でも「階段を登っても息が上がらない」「通勤での歩行が楽になる」といった変化を感じやすい。
筋力と体幹が鍛えられ全身の引き締めに
バーピージャンプは全身を同時に動かすため、下半身・上半身・体幹をバランスよく刺激できる。
体幹の安定性が高まることで姿勢や動作効率が改善するのに加え、全体的に筋肉が引き締まった印象を与える。部分的な筋トレと異なり、特定の部位だけが過剰に筋肥大するリスクが少なく、自然で整った体型を目指しやすい。
さらに器具を使わず自宅で取り組めるため、習慣化しやすい点も大きなメリット。初心者は腕立てを省略したバーピージャンプなどで強度を調整し、慣れてきたらジャンプを大きくすることで負荷を高められる。
姿勢が改善する
体幹や背筋を使う運動は、骨盤や背骨の位置を自然に整える。猫背や反り腰といった姿勢の乱れは首や腰に余計な負担をかけるが、筋肉を強化することで正しい姿勢を保ちやすくなる。
姿勢の改善は肩こりや腰痛の予防につながるだけでなく、見た目の印象にも大きく影響する。背すじが伸びることで若々しく健康的に見え、自信を持った立ち姿を演出できる。
運動パフォーマンスが向上する
下半身の瞬発力や体幹の安定性が高まると、スポーツや日常動作の基礎能力が大きく向上する。ジャンプ力や走力が伸びるほか、安定したフォームで長時間動ける持久力も養われる。
これらの効果は特定の競技に限らず、サッカーやバスケットボールといった球技、マラソンや水泳などの持久力系競技にも共通して役立つ。
さらに、スポーツをしていない人でも階段を素早く上れる、買い物帰りに重い荷物を持っても疲れにくいといった日常生活での快適さにつながる。
バーピージャンプの消費カロリーと他の筋トレ・運動との比較
- 種類別の消費カロリー
- 他種目との消費カロリー比較
種類別の消費カロリー
バーピージャンプは強度が高く、同じ時間継続することが難しい。まずは軽いスクワットやウォーキングで基礎的な体力を養い、段階的に取り入れることが望ましい。強度を下げたぶん、時間を延ばすことで、カロリーの消費につながる。
■10分間バーピージャンプをおこなった際の消費カロリー目安
※バーピージャンプのMETsを8とする
体重 | 消費カロリー目安 |
---|---|
50kg | 70kcal |
55kg | 77kcal |
60kg | 84kcal |
65kg | 91kcal |
70kg | 98kcal |
他種目との消費カロリー比較
■10分間続けた場合の目安
体重 | バーピージャンプ | ランニング | ウォーキング | 縄跳び | ダンス | エアロバイク | ステッパー |
---|---|---|---|---|---|---|---|
50kg | 70kcal | 73kcal | 38kcal | 70kcal | 33kcal | 64kcal | 26kcal |
55kg | 77kcal | 80kcal | 41kcal | 77kcal | 37kcal | 70kcal | 29kcal |
60kg | 84kcal | 87kcal | 45kcal | 84kcal | 40kcal | 77kcal | 32kcal |
65kg | 91kcal | 94kcal | 49kcal | 91kcal | 43kcal | 83kcal | 34kcal |
70kg | 98kcal | 101kcal | 53kcal | 98kcal | 47kcal | 89kcal | 37kcal |
75kg | 105kcal | 108kcal | 56kcal | 105kcal | 50kcal | 96kcal | 39kcal |
80kg | 112kcal | 115kcal | 60kcal | 112kcal | 53kcal | 102kcal | 42kcal |

監修者:坂詰
強度にもよりますが、他の有酸素運動と比較すると、ランニングや縄跳びをした際と同等のカロリーを消費できます。
バーピージャンプの正しいやり方・フォーム
- 直立姿勢からしゃがむ
- 腕立ての姿勢をとる
- 腕立て伏せをおこなって再びしゃがみ姿勢にもどる
- 真上にジャンプする
バリエーション | 約4種類 |
ケガのリスク | 高い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 不要 |
鍛えられる部位 | 下半身・体幹・上半身 |
負荷の調整 | 可能 |
静音性 | 音が出る傾向 |
STEP1:直立姿勢からしゃがむ
- 背中を丸めない
- ひざを内側に入れない
- お尻を後ろにだす
背中を丸めない
ひざを内側に入れない
お尻を後ろにだす

検証者:神山
しゃがむときに背中が丸まりやすく、腰に違和感を感じました。ひざも内側に入りやすく、意識しないとフォームが崩れてしまいます。

監修者:坂詰
背中は常にまっすぐを意識し、胸を張ることで腰への負担を防げます。ひざはつま先と同じ方向にそろえ、お尻を後ろに引くようにしゃがむとひざに負担がかかりません。
STEP2:腕立ての姿勢をとる
- 腰を反らせない
- 肩がすくまない
- 指先は斜め45度
腰を反らせない
肩がすくまない
指先は斜め45度

検証者:神山
腰が反ってお腹が下がりやすく、肩もすくんでしまいました。プランク姿勢を保つのが意外と難しかったです。

監修者:坂詰
お腹に力を入れて全身を一直線に保つことが大切です。肩は落として耳から離し、手は肩幅より少し広く置き、指先は斜めに開くと手首の負担が減ります。
STEP3:腕立て伏せをおこなって再びしゃがみ姿勢にもどる
- 腰を強く丸めない
- ひざをつま先より内側に入れない
腰を強く丸めない
ひざをつま先より内側に入れない

検証者:神山
足を戻すときに腰を丸めすぎて背中に張りを感じました。ひざもつま先より内側に入りやすかったので注意します。

監修者:坂詰
腰はフラットにすることを意識し、ひざとつま先は必ず同じ方向にそろえましょう。スピードよりフォームの正しさを優先するのがポイントです。
STEP4:真上にジャンプする
- ひざを軽く曲げる
ひざを軽く曲げる

検証者:神山
勢いよく跳ぶと着地でひざに強い衝撃がきただけでなく騒音も気になりました。ジャンプの高さにばかり意識が向き、フォームが乱れたので意識していきたいです。

監修者:坂詰
ジャンプの高さは無理をせず、体力に合わせて調整してください。着地の際はひざを軽く曲げて衝撃を吸収し、ひざが内側に入らないように注意しましょう。
バーピージャンプの種類
- 【静音・初心者向け】ジャンプなしバーピー
- 【体幹強化】プランクバーピー
- 【高強度・上級者向け】デビルズバーピー
【静音・初心者向け】ジャンプなしバーピー
難易度 | ★★☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★★★ |
トレーニング効率(※2) | ★★☆☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 足を肩幅に開いて立つ
- 背すじを伸ばしたまましゃがみ込み、両手を床につける
- 両足を後ろに蹴り出し、腕立て伏せの姿勢になる
- 両足を引き戻してしゃがみ姿勢に戻る
- ジャンプはせず、そのまま立ち上がって繰り返す
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 不要 |
鍛えられる部位 | 下半身・体幹・上半身 |
負荷の調整 | 可能 |
静音性 | 静かな傾向 |
- 背中を丸めない
背中を丸めない

検証者:神山
ジャンプがない分、体力的には続けやすかったです。夜間やマンションでも安心してできるので続けやすいと思います。

監修者:坂詰
衝撃は少ないですが、しゃがむ姿勢や足の戻し方が悪いと腰やひざに負担がかかりやすいです。胸を張り、背中を丸めないフォームを意識すると安全かつ効果的です。
【体幹強化】プランクバーピー
難易度 | ★★★★☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★★★ |
トレーニング効率(※2) | ★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 足を肩幅に開いて立つ
- 背すじを伸ばしたまましゃがみ込み、両手を床につける
- 両足を後ろに蹴り出し、腕立て伏せの姿勢になって5~10秒キープする
- 両足を引き戻してしゃがみ姿勢に戻る
- ジャンプはせず、そのまま立ち上がって繰り返す
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 不要 |
鍛えられる部位 | 下半身・体幹・上半身 |
負荷の調整 | 可能 |
静音性 | 静かな傾向 |
- 腰を反らさない
腰を反らさない

検証者:神山
プランクの姿勢をキープするのがきつく、体幹に大きな負荷を感じました。回数が少なくても十分に効いたように感じます。

監修者:坂詰
体幹を鍛えるにはおすすめですが、腰が落ちたり反ったりすると効果が減少し、腰痛のリスクが高まるので注意が必要です。
【高強度・上級者向け】デビルズバーピー
難易度 | ★★★★★ |
続けやすさ(※1) | ★★☆☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 足を肩幅に開いて立つ
- しゃがみ込み、両手を床につけて足を後ろに蹴り出す
- 腕立て伏せを1回おこなう
- 腕立てから立ち上がる際に、ダンベルを両手で持ち上げてショルダープレスをする
- ダンベルを下ろしながらしゃがみ、再び繰り返す
ケガのリスク | 高い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 不要 |
鍛えられる部位 | 背筋全体・下半身・体幹・上半身 |
負荷の調整 | 可能 |
静音性 | 静かな傾向 |
- 脇を開かない
脇を開かない

検証者:神山
ダンベルを持ち上げる動作が加わることで、心拍数が一気に上がりかなりハードに感じました。

監修者:坂詰
ダンベルを用いて負荷を加えるため、最初は軽めのダンベルから始め、反動を使わずコントロールすることを意識しましょう。
通常のバーピーが無理なくおこなえるようになってからトライしてください。
【運動レベル別】バーピージャンプの回数・頻度
初心者 |
|
|
中級者 |
|
|
上級者 |
|
|

検証者:神山
私は普段軽い運動をおこなっているので中級者の回数・頻度でおこないましたが、適度な負荷で運動ができたように感じました。
上級者のように1セットで20回以上すると疲れてしまい他の運動ができなかったので、自分の運動レベルにあわせておこなう必要があると感じます。
バーピージャンプの効果を高める5つのコツ
- 目的に合わせてトレーニング時間を変える
- ウォーミングアップとクールダウンをおこなう
- 全身を使って大きく動くことを意識する
- 体幹に常に力を入れる
- 呼吸を止めずにおこなう
目的に合わせてトレーニング時間を変える
バーピージャンプをおこなう際に脂肪燃焼や代謝アップを狙う場合は朝食前やトレーニング後に取り入れると効果的で、エネルギー消費を高めやすい。
パフォーマンス向上やリフレッシュを目的とするなら昼の休憩時間におこなうことで、心拍数が上がり血流が促進され、集中力回復にもつながる。
さらに、筋トレ効果を高めたい場合はメイントレーニング前のウォームアップとして取り入れることで、全身を効率的に温め、可動域を広げながらメイントレーニングのパフォーマンスを引き出せる。
タイミング | メリット | 注意点 |
朝 |
|
|
昼 |
|
|
夜 |
|
|
トレーニング前 |
|
|
トレーニング後 |
|
|

検証者:神山
以前トレーニングの一環としておこなったことがありました。今回仕事の合間でチャレンジしてみましたが、眠気が解消され身体もほぐれたように感じました。
ウォーミングアップとクールダウンをおこなう
バーピージャンプはジャンプや腕立てを含む高強度の全身運動であり、いきなり始めるとひざや腰に強い負担がかかりやすい。開始前には軽いストレッチや実際におこなう動作に使う筋肉をほぐし、身体を温めてから取り組むことが大切。
終了後は太もも裏やふくらはぎを中心にストレッチを取り入れ、筋肉を緩めることで疲労や筋肉痛を防ぎやすくなる。

監修者:坂詰
おすすめのウォーミングアップ方法は、実際におこなう動作をゆっくりおこなうことです。バーピージャンプの場合は、屈伸運動や、腿上げ、腕を回す動きがウォーミングアップにつながります。

検証者:神山
ウォーミングアップせず取り組んでいた時はなかなか足や腕が動きませんでしたが、おすすめいただいたウォーミングアップ方法をおこなうと最初から大きな動きでおこなえました。
全身を使って大きく動くことを意識する
しゃがむ・腕立て・ジャンプといった動作を小さくまとめてしまうと、消費カロリーが下がり効果も半減する。腕立てではしっかり床に手をつけ、ジャンプは全身を大きく伸ばすようにおこなうのがポイント。
動作を大きくすることで自然に負荷が高まり、効率的に全身を鍛えられる。

検証者:神山
早く動きたい一心でおこなうと動きが小さくなりがちですが、大きく動くことで少しの回数でも全身が疲れました。意識しないと小さくなってしまうのでより注意したいです。
体幹に常に力を入れる
腕立て姿勢やジャンプの着地時に体幹の力が抜けると、腰に余計な負担がかかりケガのリスクも高まる。おへそを背骨に引き寄せるように意識しながら腹筋に力を入れると、動作全体が安定しやすくなる。
体幹を意識することで正しいフォームが保ちやすくなり、全身を効率的に使える。
呼吸を止めずにおこなう
動作中に呼吸を止めると血圧が上がり、心臓や身体への負担が大きくなる。安全に続けるためには、しゃがむときに息を吸い、立ち上がりやジャンプ時に息を吐くリズムを意識することが重要。
呼吸を整えることで疲れにくくなり、動作もスムーズにおこないやすくなる。

検証者:神山
動きに集中してしまうと呼吸が浅くなりがちなので、呼吸のリズムを整えながら動きとセットで意識していきたいです。
ダイエット目的で取り入れるときのポイント
- ほかのトレーニングと組み合わせる
- 食事管理をあわせておこなう
ほかのトレーニングと組み合わせる
バーピージャンプは強度の高い全身運動であるが、それだけに頼ると疲労が蓄積しやすく継続が難しい。ウォーキングや軽い筋トレ、有酸素運動と組み合わせることで、身体への負担を分散しつつ脂肪燃焼効果を高められる。
下半身や体幹を鍛えたあとに加えると効率よくエネルギーを消費でき、ジョギングやエアロバイクとあわせて週2〜3回取り入れる方法もおすすめ。
食事管理をあわせておこなう
どれだけ運動しても、摂取カロリーが消費カロリーを大きく上回ればダイエット効果は出にくい。栄養バランスを意識した食事が基本であり、とくにタンパク質をしっかり摂ることで筋肉の維持や成長につながり、基礎代謝を押し上げられる。
脂質や糖質は極端に制限せず、野菜や海藻、キノコ類も取り入れて、燃焼しやす身体づくりを目指そう。
バーピージャンプに関するQ&A
どのくらいやれば効果が出る?
A:個人差はあるが、1〜2か月で体力や見た目の変化を感じやすい

監修者:坂詰
変化を感じるスピードは個人差がありますが、早い方では数週間で「息切れしにくくなった」「身体が軽く感じる」といった効果を実感することもあります。
短期間で劇的な成果を求めるのではなく、継続して習慣化することで無理なく体質改善につながります。
初心者や女性でもできる?
A:初心者や女性でもできる

監修者:坂詰
バーピーは強度が高いイメージがありますが、動作を分解して「しゃがむ→足を伸ばす」など段階的におこなえば、誰でも取り組めます。
大切なのは回数やスピードではなく、フォームを正しく保つことが大切です。慣れてから少しずつスピードや強度を上げるのが安全で効果的です。
バーピージャンプで足が太くなることはある?
A:正しいフォームで行えば脚が太くなる心配はなく、引き締め効果が得られます

監修者:坂詰
バーピージャンプは下半身をよく使うため「脚が太くなるのでは」と不安を感じる人も多いですが、実際には脂肪燃焼や筋持久力の向上が主で、脚がスリムに見えやすくなります。筋肉自体は太くなりますが、代謝が上がって脂肪が燃焼されるため、メリハリのある脚の形作りにつながります。
ほかの有酸素運動と比べてどちらが効果的?
A:ランニングやウォーキングに比べ、短時間で効率的にカロリーを消費できる

監修者:坂詰
バーピージャンプは全身を使うため消費カロリーが高く、短時間でも運動効果を得やすいのが特徴です。ただし関節への負担もあるため、日常的に続けるならウォーキングやランニングと組み合わせておこなうのがおすすめです。
体力や目的に合わせて運動を使い分けることで、より効果的に健康づくりができます。
フィジカルトレーナー、NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)にてディレクター、教育担当を歴任後、株式会社スポーツプログラムで各種アスリートのコンディショニング指導を担当する。1996年に独立後、パーソナル指導、トレーナーの育成とともに、書籍、雑誌、TVなど各メディアで健康情報の提供を行う。22万部越えの「世界一やせるスクワット」(日本文芸社)ほか著書多数。2月末に『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』(日本文芸社)を上梓。公式youtubeチャンネルはhttps://www.youtube.com/@shin.training-channel