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インナーマッスル「腹横筋」の鍛え方!おすすめの筋トレメニュー・ストレッチ

腹横筋は、体幹の安定性を支えるインナーマッスルで、姿勢の改善や内臓の位置に影響を与えることも。この腹横筋を鍛えることで、腰痛予防や反り腰の改善、運動パフォーマンスの向上などの効果がある。この記事では、女性や初心者でも取り組みやすい腹横筋の筋トレメニューやストレッチ、効果的に鍛えるコツなどを紹介。

この記事の監修者

おぜき としあきさん

パーソナルトレーナー

青山学院大学在学中の1988年から指導をスタート。指導歴30年で女優、役者、アイドル、女子アナ、ミスワールド日本代表モデル、プロサーファー、新体操選手などのスポーツ選手なども含め20000人超の指導を経験。2003年OZEKIパーソナルトレーナー養成スクール(現Shapesアカデミー)開設。2005年Shapes(現ShapesGirl)を東京渋谷に開設。メディア出演のほか、「腹凹は太もも運動でつくれる 1日3分週3日でOK!」(SBクリエイティブ)「5秒姿勢矯正ダイエット」(マガジンハウス)など多数の著書を執筆。

目次

腹横筋とは?知っておきたい基礎知識

腹横筋は、腹筋群の中でも最も深層に位置するインナーマッスル。筋トレをおこなう前に、腹横筋の役割や特性を理解しておこう。

  • 腹横筋は腹筋のインナーマッスル
  • 姿勢の安定や内臓の位置に関わる筋肉

腹横筋は体型の見た目に大きく影響を与える筋肉です。たとえば、ウエストの数値自体は細い範囲にあっても、腹横筋がなければ見た目で細く見えないことがあります。お腹の立体感やウエストの引き締め感を左右しており、体型のメリハリに関わる、ボディメイクの「隠し味」のような筋肉といえるでしょう。

腹横筋は腹筋のインナーマッスル

腹横筋は腹部の最深部に位置する筋肉で、腹直筋や腹斜筋の内側にある重要な筋肉群。腹部全体をコルセットのように横から包み込む働きを担う。この筋肉は見た目では確認することができないが、「ドローイン」のようなお腹をへこませる腹式呼吸のようなトレーニングで筋肉の動きを意識できる。

姿勢の安定や内臓の位置に関わる筋肉

腹横筋は内臓を正しい位置に保持し、背骨や骨盤の安定性も確保している。体幹を安定させることで正しい姿勢を維持できるため、筋トレでフォームを維持するのにも役立つ。

この筋肉が弱くなると、内臓が前方に押し出されて腹部がぽっこりと出てしまうだけでなく、腰痛や姿勢の崩れの原因に。また、呼吸時の腹圧調整にも関与しており、深い呼吸や腹式呼吸をおこなう際にも重要な役割を果たす。

腹筋群のインナーマッスル「腹横筋」を鍛えるメリット

腹横筋を鍛えることで得られるメリットは、姿勢改善から体幹の安定まで多岐にわたる。

  • 姿勢が改善されて腰痛や反り腰の予防に
  • 内臓の位置を正常にしてぽっこりお腹を改善する
  • 体幹が安定して運動のパフォーマンスが高まる

筋トレの種目は左右対称で上下に筋肉を動かす動作が多い傾向にあります。このような動きばかりおこなっていると、斜め方向の動きがしにくくなり、動作が不自然になったりバランス不足によるトレーニングの限界が出てきたりする場合があります。そのような悩みを抱えている“筋トレマニア”の人にも、腹横筋の筋トレがおすすめです。

また、日常の動作も上下動作が主体なので、腹横筋が弱くなりやすいです。トレーニングをしていない人でも腹横筋が弱くなった結果、動作が不自然になったり、内臓の位置がズレたりする可能性があります。とくに胃下垂の人、反り腰の人、腰痛が気になる人は腹横筋を鍛えることで症状改善が期待できます。

姿勢が改善されて腰痛や反り腰の予防に

腹横筋が弱いと背骨や骨盤が不安定になるため、腰への負担が増加する原因に。腹横筋を適切に鍛えることで体幹全体の安定性が向上し、自然と背筋が伸びた美しい姿勢を保てるようになる。

とくにデスクワークなどで長時間座る機会が多い現代人にとって、腹横筋の強化は腰痛予防として効果的。

内臓の位置を正常にしてぽっこりお腹を改善する

腹横筋が弱いと内臓が前方に押し出され、下腹部が膨らんでしまうため、腹横筋を鍛えることで、ぽっこりお腹の改善にもつながる。腹部全体も引き締まり、ウエストラインがスッキリとした印象に。

また、内臓が正しい位置にあることで消化機能や呼吸機能も改善され、体調や身体のコンディションがよくなる可能性もある。

体幹が安定して運動のパフォーマンスが高まる

腹横筋を鍛えて体幹の安定性が向上すると、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動から筋力トレーニングまで、あらゆる運動動作の質が改善される。

とくにスポーツにおいては、急な方向転換や予期せぬ衝撃への対応力がつくため、けがのリスクも軽減される。また、四肢の力をより効率的に伝達できるようになり、パワーやスピードの向上にもつながる。

女性・初心者でも簡単!腹横筋の筋トレメニュー4選

  • ドローイン
  • プランク
  • レッグレイズ
  • マウンテンクライマー

ドローイン

お腹に意識を集中し、腹式呼吸をして深層の筋肉を刺激する筋トレメニュー。立ったり、座ったりしている状態でもおこなえるので、慣れてきたら信号や電車待ちの時間、デスクワーク中など、日常生活の中に取り入れてみよう。

<やり方>
  1. 身体の力を抜き、リラックスした状態になる
  2. 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませる
  3. 口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませる
  4. お腹をへこませた状態を10秒キープする

プランク

決められた姿勢を一定時間維持するプランクは、年齢や性別を問わず、幅広い人におすすめの体幹トレーニング。ひざをついた姿勢でおこなうものや、片手を上げるものなどさまざまなバリエーションがあり、それぞれ強度が異なるため、自分に合わせて負荷を調整できる点も魅力。

<やり方>
  1. 床にうつ伏せになり、ひじを曲げて肩の下に置く
  2. つま先を立てて、かかとを後ろに伸ばす
  3. ひじとつま先で身体を支え、全体を一直線に上げる
  4. この姿勢を30秒~1分間キープする
通常のプランクができるようになったら、基本姿勢から片腕を上げる「片手プランク」、片足を上げる「片足プランク」などにすると、腹横筋を片方ずつ鍛えられるのでおすすめです。また、「サイドプランク」も効果的です。

レッグレイズ

あおむけの状態で、脚を伸ばして上下に動かし腹筋に刺激を与える筋トレメニュー。少し難易度が高いため、難しいと感じた場合は脚を少し曲げた状態でおこなうとよい。

<やり方>
  1. 床に仰向けになり、ひざを伸ばして足を揃える
  2. 腕は身体の横につけ、手のひらを床に向ける
  3. 息を吐きながら、両足をゆっくりと床から離し、垂直になるまで上げる
  4. 上げた状態を数秒キープする
  5. 息を吸いながら、ゆっくりと足を床に戻す

マウンテンクライマー

プランクの基本姿勢から、ひざを左右交互に胸に向けて引き上げる筋トレメニュー。腹横筋だけでなく、上半身と下半身を繋ぐ役割を持つ腸腰筋にも刺激を与えられる。

<やり方>
  1. うつ伏せになり、両手を肩幅に開いて床につく
  2. 腕立て伏せの姿勢になる
  3. 片方のひざを胸に引き付けるように曲げる
  4. もう片方の足を伸ばしたまま、後ろに引く
  5. 左右の足を交互に、テンポよく入れ替える

腹横筋の筋トレと一緒にやりたいストレッチ2選

腹横筋は鍛えるだけでなく、適切なストレッチを取り入れることで、筋肉の柔軟性を高め、ケガ予防やパフォーマンスの向上ができる。とくに、運動前後にストレッチをおこなうことで、筋肉の疲労回復を促し、トレーニング効果を最大限に引き出せる。

  • 仰向けでのストレッチ
  • 側屈ストレッチ

ストレッチをして部位をしっかり伸ばすことで、腹横筋の位置を意識しやすくなると、トレーニングのときに腹横筋へのスイッチが入りやすくなります。腹横筋のストレッチは腹横筋の位置を身体レベルで記憶し、意識せずとも自然に腹横筋を使用できるようになるという点でも効果的です。

仰向けでのストレッチ

寝たままで腹横筋を伸ばせる手軽なストレッチ。ストレッチは継続することでより高い効果を得られるため、毎日の日課として取り入れよう。

<やり方>
  1. あおむけになり、両手をかるく広げる
  2. ひざを立て、左右に倒す
軽いひねりを加えることで、腹横筋へのストレッチ効果が得られます。なんとなく動作をおこなうのではなく、腹横筋を意識しながら取り組むことが大切です。

側屈ストレッチ

日常生活ではあまり伸ばすことのない、体側を伸ばすストレッチ。筋肉がしっかりと伸びているのを感じながらおこなうこと。

<やり方>
  1. ベンチや椅子に背筋を伸ばして腰かける
  2. 背中をまるめずに肩を真横に倒すようにする

腹横筋を効果的に鍛えるコツ

腹横筋を効果的に鍛えるためには、正しいフォームや頻度を守っておこなうことが不可欠。

  • 正しいフォームでおこなう
  • 無理のない重量でおこなう
  • 1セットあたり12〜15回程度で3セットおこなう
  • 週に2〜3回程度が目安だが、毎日取り組んでもOK
腹横筋は意識的に動かすことが難しい筋肉です。高回数のトレーニングや過度な負荷をかけても、比較的効果が得られにくい部位となっています。筋肥大も起こりにくいため、集中的に鍛えるのではなく、日々のトレーニングの中で少しずつ取り入れていくことで、徐々にウエスト周りの引き締めにつながっていきます。

正しいフォームでおこなう

腹横筋を効果的に鍛えるためには、腹部を意識的に引き込む動作が重要。トレーニング中は常にお腹を凹ませるイメージを持ち、腹圧をかけながら動作をおこなおう。

また、呼吸と動作を連動させることで、より効果的な刺激が可能。息を吐きながら腹部を引き込み、吸う際はゆっくりと元の位置に戻すように。腰が反りすぎないよう、骨盤の位置にも注意しよう。

無理のない重量でおこなう

腹横筋のトレーニングでは、重量よりも正確なフォームでおこなうことを優先しよう。とくに初心者は自重での運動からはじめ、徐々に負荷を上げていくのがおすすめ。

過度な重量を使用すると、ほかの部位に負担がかかり、ケガのリスクが高まる可能性もある。

1セットあたり12〜15回程度で3セットおこなう

腹横筋の効果的な強化には、1セットあたり12〜15回を目安に、3セット程度実施することが理想的。この回数設定により、筋持久力と筋力の両方の向上を目指せる。

また、セット間の休憩は30秒から1分程度が目安。ただし、フォームが崩れ始めたら、すぐに休憩を取り入れること。最初は1セットからはじめ、フォームに慣れたら徐々にセット数を増やしていくのも1つの手。

週に2〜3回程度が目安だが、毎日取り組んでもOK

週に2〜3回のトレーニングで十分な効果が期待できるが、自重での軽い運動であれば毎日実施しても問題ない。トレーニング強度が高い場合は、48時間程度の休息を設けると、筋肉へのダメージが回復した状態で取り組める。

また、日常生活の中でも信号待ちや入浴中など意識的に「ドローイン」をおこなう習慣をつければ、あえて筋トレの時間を設けなくても腹横筋を鍛えられる。

腹横筋と一緒に鍛えたい部位

腹横筋を鍛える際には、腹横筋と密接に連携して動く筋肉など、ほかの部位もバランスよく鍛えることがおすすめ。

  • 前鋸筋
  • 腸腰筋
  • 骨盤底筋
  • 菱形筋
  • 広背筋
  • 脊柱起立筋

前鋸筋(ぜんきょきん)

前鋸筋は、肋骨から肩甲骨の内側の縁に沿って伸びている、胸郭の側面にある筋肉。肩甲骨を胸郭に固定し、腕を上げたり、回したりする際に、肩甲骨をスムーズに動かす役割を担う。肋骨を引き上げることで、呼吸を助ける役割も果たす。

【おすすめの前鋸筋トレーニング】

前鋸筋を効果的に動かすトレーニングをおこなうことで呼吸がスムーズになり、腹横筋のトレーニング効果を高めることができます。

腸腰筋

腸腰筋は、腰から脚のつけ根にある大腰筋、小腰筋、腸骨筋の3つの筋肉の総称で、股関節を屈曲させる働きを持ち、姿勢維持に重要な役割を果たす。

腹横筋と協調してはたらくことで、骨盤の安定性を高め、腰痛予防などの効果が期待できる。

レッグレイズやニーレイズなど、下肢を持ち上げる運動で効果的に鍛えられる。ただし、過度な負荷をかけると腰への負担が大きくなるため、正しいフォームでおこなおう。

骨盤底筋

骨盤底筋は骨盤内の臓器を支える筋肉群。腹横筋と連動して働くことで骨盤内の安定性を高めてくれ、適切な筋力があることで、内臓の下垂予防や尿漏れの予防にも効果的。

「ケーゲル体操」や「ヒップリフト」、ヨガなどで鍛えることが可能。日常生活の中でも意識的に骨盤底筋を締める習慣をつけることで、継続的な効果が期待できる。

菱形筋

菱形筋は肩甲骨と背骨をつなぐ筋肉で、姿勢維持に重要な役割を果たす。腹横筋と協調してはたらくことで体幹の安定性を高め、猫背の改善にも効果的。適切な筋力を維持することで、肩こり予防や美しい姿勢の維持にもつながる。

ダンベルローイングやバンドプルアパートなど、背中を寄せるような運動で効果的に刺激できる。

広背筋

広背筋は背中上部から腰にかけて広がる大きな筋肉で、上肢の動きや正しい姿勢の維持に関与する。腹横筋と連動することで、体幹全体の安定性を向上させる効果が期待でき、姿勢改善のみならず、背中の形も整った理想的な体型づくりにもつながる。

「懸垂」や「ラットプルダウン」など、背中を下に引くような運動で効果的に鍛えられる。

脊柱起立筋

脊柱起立筋は背骨に沿って縦長に走る筋群で、背骨の伸展や姿勢の維持に重要な働きを担っている。

腹横筋の拮抗筋としてはたらき、体幹の前後の安定性を高めてくれる。お腹と背中の筋力バランスを保つことで、腰痛予防や姿勢改善にも役立つ。「グッドモーニング」や「バックエクステンション」など、背中を反らす運動で効果的に刺激できる。

腹横筋に関するQ&A

腹横筋が弱いとどうなる?

A:身体の総合的な力が出にくくなり、日常生活でも疲れを感じやすくなる。

腹横筋は身体の奥にある、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる筋肉で、ほかの筋肉との繋がりを担う重要な部位となっています。
腹横筋が弱いとほかの筋肉との繋がりも少なくなり、普段よりも少ない筋肉で動作を補わなければならず、身体全体の動きが滑らかでなくなります。結果として、一部の筋肉に負担がかかりやすくなり、疲れやすい状態となってしまいます。

筋肉痛の場合はトレーニングを休んでも大丈夫?

A:休んでも大丈夫。

筋肉痛があるときは、トレーニングを休んでも問題ありません。過度な負荷をかけず、適度に休養を取ることが望ましいです。

腹筋だけでもおなかはへこむ?

A:腹筋運動だけで脂肪が減り、お腹が凹むことはない。

腹筋運動をおこなったことで内臓の位置が整い、筋肉や脂肪の位置が変わることで、一時的にお腹が凹んで見える可能性はあります。ですが、腹筋運動だけでは脂肪を減らすことはできません。脂肪を減らしてお腹を凹ませるためには、筋トレだけでなく、有酸素運動や食事管理に取り組むことが重要です。

下腹痩せをするためのポイントは?

A. 全体的に脂肪を落とすことと、骨盤などの骨格の位置の調整。

部分的に脂肪を落とすことは難しいため、まずは全体的に脂肪を落とすアプローチが大切です。また、骨盤が後傾していると、脂肪が少なくても下腹部が前に出て見える傾向があります。骨盤が適切な位置にあり、前傾や後傾の動きがスムーズにできる状態が理想です。

骨盤は左右上下に動きますが、運動不足や、立ったまま、座ったままなど同じ姿勢をとり続けることで固まってしまいます。「アニマルウォーク」など左右非対称な動きを含むトレーニングを取り入れることで、骨盤の可動性を回復させることができます。

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