
「パワープレート」とは、全身振動を利用したエクササイズマシン。今回はパワープレート・ジャパンのオフィス内にあるショールームにて、パワープレートを使ったエクササイズを体験!振動マシンの効果やメカニズムについてパワープレートのマスタートレーナーさんにたっぷりお話しを伺ってきました。

具志堅 利実さん
株式会社パワープレート・ジャパン
ブランドマーケティング部 シニアブランドマーケティングスペシャリスト/パワープレート マスタートレーナー
本記事のリリース情報
Webメディア「Wellulu」
初めてのパワープレート体験
今回訪れたのは、パワープレート・ジャパンのオフィス内にあるショールーム。
業務用、家庭用とさまざまなタイプのパワープレートがあり、初めて体験する振動マシンのトレーニングに期待が高まります。
── パワープレートも振動マシンも初心者です。本日はどうぞよろしくお願いします!
具志堅さん:こちらこそよろしくお願いします!本日は、プラットフォーム面積の大きい最上位機種「パワープレート Pro7」を使って実施していきたいと思います。振動の強さも細かく調整できるので、安心して体験してください。
まずは、パワープレートの振動や動きに慣れるため体験セッションからスタート。片足をパワープレートに乗せ、何もせずリラックスした状態で30秒間振動を感じる。
具志堅さん:イメージと比べて、実際の振動はどうですか?
── 思っていたより細かい振動ですが、あまりグラグラとせず、軸もブレていない気がします。
具志堅さん:今はただ足を乗せているだけですが、足底やふくらはぎなど振動が伝わっている部分が物理的に揺り動かされることでマッサージ効果があり、血流促進が期待できます。
ここで、前にグッと体重をかけてみてください。
── また全然違う振動の伝わり方になりますね!触るとけっこう筋肉も硬くなっているような…。
具志堅さん:これが「筋トレ」の状態です。同じ振動でも、筋肉に力を入れることで、振動が筋肉に伝わり、無意識に収縮と弛緩が繰り返されるんです。このように自然な筋肉の反射反応により、床での通常のトレーニングに比べてより多くの筋肉が刺激され、短時間で効率的なトレーニングが可能になります。では、ここで一度パワープレートから降りてみて、左右の足の違いを感じてみてください。
── なんだか身体がポカポカします。そして、マシンに乗せて負荷をかけた足は、意外と筋肉の疲れを感じます…!
具志堅さん:血流が促進されて筋肉がほぐれるので、身体が温まる感覚がしますよね。筋肉に力を入れてパワープレートに乗ったのはたった1分半ですが、しっかり筋肉を使った疲労感も感じられると思います。このように、パワープレートは身体の特定の部位を狙って筋肉を刺激することで、効率的にトレーニングができるんです。
筋肉への刺激が柔軟性にも影響
振動による筋肉への負荷を感じた後は、ストレッチ効果を体験。まずは現在の自身の身体の柔軟性を確認してから、パワープレートに乗る。大きく息を吐きながら、30秒間振動を感じつつ身体を伸ばす。パワープレートに乗った後の身体の変化やいかに・・・?
身体の柔軟性(パワープレートでストレッチする前)
身体の柔軟性(パラープレートでストレッチした後)
──わ…!乗る前後で伸ばしやすさが違う…!
具志堅さん:乗る前に比べ、動作のスムースさも違いますし、手もだいぶ床につきましたね!これがパワープレートによるストレッチ効果の大きなポイントです。パワープレートは、振動による身体の自然反射を利用して効果を引き出し、身体を整えていきます。どのようなポーズで、どの筋肉をターゲットにして乗るかで、適切なストレッチ効果を得られるんですよ。
また、今体験していただいたパワープレートの振動は、1秒間に30回振動する「周波数30Hz(ヘルツ)」の設定です。振動は身体の「受容器」と呼ばれるセンサーに働きかけます。受容器は、外部からの刺激を感知して、筋肉や神経を活性化させる役割を持っています。このセンサーが振動を刺激として受け取り、筋肉が反射的にギュッと収縮したり、ゆるんで弛緩したりして、筋肉が効率よくほぐれて伸ばされる仕組みとなっています。
──つまり、30秒間乗っている間に、身体には900回分(30秒間×30回)の刺激が入るんですね!これが短い時間でもストレッチやトレーニングの効果を高める理由なのでしょうか?
具志堅さん:その通りです。通常のストレッチやトレーニングでは、意識的に筋肉を動かすことで効果を得ますが、パワープレートでは振動により無意識に筋肉のスイッチがオンになることで効果が高まります。そのスイッチを入れるために、受容器となるセンサーへの刺激が必要であり、パワープレートは刺激となる細かい振動を再現できるというわけです。
なお、普段から運動習慣のある方は、刺激に対してセンサー感度が高く、受け取れる情報も多いため、同じ30秒でもより大きな効果を期待できます。一方、運動習慣がない方や高齢者の場合は、センサー感度が低いため、最初は刺激を感じにくいことがあります。しかし、振動を継続的に受けることでセンサーが活性化し、徐々に体が反応しやすくなりますよ。
── センサー感度がトレーニングの効果を左右するんですね。
全身振動刺激で筋肉・関節・筋膜をトレーニング
具志堅さん:また、パワープレートの特徴として、特定の筋肉だけでなく、全身に振動を伝える「全身振動刺激」があります。たとえば、スクワットのポーズにしても、関与する筋肉だけでなく、関節や筋膜を含めた身体全体に振動が伝わります。この全身刺激によって、身体が活性化し、ナチュラルな動きや本来のバランスが整えられます。アスリートにとっては竸技パフォーマンス向上、ご年配の方にとっては自分の力でしっかり歩けることなど、幅広い人にとって重要なことです。
近年スポーツ庁では、多様な人々の“スポーツを通じたライフパフォーマンスの向上”に向け、「目的を持った運動・スポーツ」を推進しています。競技だけでなく、日常生活のあらゆるシーンで、国民一人ひとりが自分の身体のパフォーマンスを上げていく。そのための「全身を整えるコンディショニングツール」として、パワープレートは効果的です。
体験セッションで振動にもだいぶ慣れてきたところで、いくつか筋トレ種目にも挑戦してみることに。身体も温まりコンディションも整ってきたので、いつも以上のパフォーマンスができることを期待!まずは、足を鍛えるべく片足でおこなうランジから。
具志堅さん:ランジでは、片足に体重を乗せることで、とくに片側のお尻や太ももを集中して鍛えられます。しっかりお尻が上がっていて、マシンに乗せている上の足の太ももが床と並行になっていることを意識しましょう。さらに体のひねりを加えることで、体幹などほかの筋肉も刺激できます。振動が刺激を増幅することで、床でおこなうよりもどこの筋肉に効いているかがわかりやすいので、ぜひ実感してみてください。
── 自分はランジの動きで内転筋も使っているんだ!という新しい気づきがありました。
具志堅さん:パワープレートの振動は、普段あまり使われていない筋肉や関節を活性化させる効果が期待できます。ランジの動きにも、本来なら内転筋や外転筋が正しく働くべきなのに、日常生活であまり使われていないと身体がグラつきやすくなります。このグラつきを防ぐために、振動が「使うべき筋肉」にしっかりと刺激を与え、役割を果たすべき筋肉を目覚めさせるんです。パワープレートを使ったトレーニングにより、筋肉のスイッチをオンにして働くべき内転筋がしっかり働けば、動作が安定してスムーズになります。この「正しい筋肉の使い方」を繰り返し練習し、身体が覚えていくことで、振動がない日常生活の中でも自然とその動きを再現できるようになるんです。
── 身体が正しい姿勢を学習し、覚え、無意識のうちにできるようになるんですね。
具志堅さん:はい、「運動学習」とも呼ばれています。パワープレートでは、1秒間に30回の振動を身体に与えることで、短時間でも大量の情報を身体にインプットできます。この「情報量」が多いほど、運動学習が進みやすくなり、アウトプットされる動作もスムーズになります。本来使うべき筋肉が振動でしっかり刺激されることが、結果として関節や体幹などの身体の安定性につながっていきます。
パワープレートでインナーマッスルのトレーニング
ここまでの振動トレーニングにより、すでに多くの筋肉や神経が刺激を受けている状態。次はインナーマッスルである体幹を鍛えるべく、プランクに挑戦。
具志堅さん:ここで、パワープレートの振動の大きな特徴である、独自テクノロジーによる「3次元ハーモニック振動」についてお話しします。
まず、「3次元」とは、上下・前後・左右の3方向に働きかける振動のこと。その中でも上下の振動が大きく設定されており、その理由は人間が地球上で常に重力の影響を受けているからです。この重力に抗う形で動作を支えている「抗重力筋」と呼ばれる筋肉を鍛え、さらに3次元での動きに慣れることで、パフォーマンスの向上や日常生活動作の動きをスムーズにする効果が期待できるんです。
そして、「ハーモニック」とは、振動の種類のことで、波形で表した際に規則正しく常に一定のリズムで起こる振動のこと。反対に「ノンハーモニック」は、ランダムでガタガタした波形の振動をいいます。パワープレートは、人の適応能力をどれだけ早く引き出せるかを目的としています。人の身体は一定の刺激に反応しやすいため、反射神経を早く引き出すべく「ハーモニック」になっています。
── 無意識の身体の反射を早く引き出すための「3次元ハーモニック振動」なんですね。
さらに、振動は筋肉だけでなく、神経回路にも働きかけることもポイントです。センサーが受け取った情報は神経を通じて脳や脊髄に伝達されます。この神経回路の「感度」や「反応速度」を鍛えることで、リハビリ患者の回復をサポートしたり、高齢者の転倒リスクを低減する効果が期待できるんですよ。
── 振動は、筋肉と神経の両方にアプローチできるんですね!
具志堅さん:では早速、プランクをやってみましょう!肩から肘までは真っ直ぐにした方が、上下の振動がより入りやすいのでポジションに気をつけてくださいね。
── 30秒でもしっかり疲労感がありますね…。
具志堅さん:普段から数セットやっている方も、パワープレートの30秒で大きな効果を感じられるほど筋肉に刺激が入ります。同じ筋肉の活動量でも大きな時短につながるので、忙しい人や運動が苦手であまり長時間やりたくない人にもおすすめです。
また、全身が振動によって揺れることで、体内の血液や水分などの循環も促進され、冷え性やむくみの解消にもおすすめです。とくに冷え性の方は、短時間で身体がポカポカと温かくなるのを感じられるはずですよ。
さらに、深部筋肉(インナーマッスル)にも振動が届く点もポイントです。骨振動として骨を介して振動が伝わるため、通常のトレーニングでは刺激しにくい深部の筋肉にもアプローチできます。この深部筋肉が活性化すると、姿勢の改善や内臓の働きのサポートにもつながるんです。
クールダウンにもおすすめ!
筋トレを終えた後はクールダウン。心地よい振動を感じながら、お尻のストレッチをしていく。
具志堅さん:振動が入ることで、身体の硬さを感じるときの痛みが気にならなくなりますよね。痛みの感覚を和らげるのも、振動を使ったストレッチの特徴です。リハビリの現場でも活用されており、術後や可動域が制限されている方に対しても、振動を利用して徐々に動きを取り戻すトレーニングが可能になります。痛みが気にならなくなることで、患者さんが無理なくエクササイズを進められるわけです。
振動で痛みが和らいでいるように感じることに加えて、筋肉が活性化されることで通常では難しかったエクササイズもおこなえるようになります。健常者も、日常生活で気づかないうちに身体の一部を使いすぎていたり、逆にあまり使えていなかったりします。振動を取り入れたトレーニングは、「使われていない筋肉」を目覚めさせ、全身の筋肉をバランスよく活用する手助けをしますよ。
ー振動で痛みがごまかされるうえ、ターゲットの筋肉を刺激していることで身体がスムーズに動くんですね。
具志堅さん:普段床でおこなうエクササイズをそのままパワープレートの上でおこなうだけでも、効果が何倍にも高まるといわれています。バンドやダンベルなどのツールを使ったエクササイズもパワープレートの上でならより効果が高まるので、既存のトレーニングの底上げになりますよ。
このように、振動がある中でもトレーニングができる理由は、パワープレートが振動マシンの中でも振幅(振動の幅)が少ない点にあります。ほかの振動マシンでは横揺れが大きく、身体全体が揺さぶられるような振幅が大きいものもあるように見受けられますが、パワープレートは数ミリと細かい揺れで、安定性が高いです。そのため、高齢者やリハビリ中の方でもトレーナーの指導のもと、安心してご利用いただいております。
短い時間といえど、筋肉の疲労感を感じていると思います。最後に、私たちもお気に入りのマッサージで終わりにしましょう!
最後は、短時間でもリラクゼーション効果が感じられるマッサージ。パワープレートに足を乗せ、心地よい振動に身をまかせる。トレーナーさんに上から押してもらうことで振動が深部まで伝わり、より気持ちよさもアップ。
ー気持ちいい・・・!たくさん歩いた日や、疲れて浮腫んでいるときにぴったりですね。
具志堅さん:筋トレからストレッチ、さらにはマッサージまで、パワープレートは運動の効果を高めるだけでなく、全身のケアにも役立つ万能ツール。たとえば、マラソンランナーのような本格的なアスリートがトレーニング後のリカバリーとして活用することもありますし、高齢者の方が日々の体調を整えるために使用することも可能ですよ。
トレーニングの枠を超えた、幅広いパワープレートの活用方法に感動しながら体験は終了。
パワープレートのマスタートレーナー具志堅さんにインタビュー
パワープレートを体験した後は具志堅さんに、改めてパワープレートについて気になる疑問を聞いてみた。
プロスポーツの現場から医療・介護施設まで幅広く活用!全身振動エクササイズ「パワープレート」の魅力とは?
ー本日はありがとうございました。改めて、パワープレートについて教えていただけますか?
具志堅さん:パワープレートは、一言でいえば「振動するエクササイズマシン」。マシンの上で乗り方を変えることにより、身体のさまざまなシステムを刺激して異なる効果を得られることが、パワープレートの大きな特徴です。パワープレートの上でのトレーニングは、床でおこなう通常のトレーニングよりも短時間で高い効果が期待できます。
また、短時間のトレーニングが簡単にできることも強みです。自重だけでも負荷がきちんとかけられるので、運動が苦手な方や体力に自信がない方でも気軽に取り組め、効果を感じていただけます。運動で最も重要なのは「継続すること」ですよね。どれだけ効果的な運動でも、辛くて続けられないのであれば意味がありません。その点、パワープレートは「楽に」「短時間で」効果を感じられるのが大きな魅力です。まずはぜひ乗ってみて、感覚と効果を感じていただきたいです。
ー運動初心者でも楽しくトレーニングできますね!
具志堅さん:もちろん運動が好きな方にも、身体のセルフケアにぜひ試していただきたいです。運動後に身体の不調を感じても、そのままケアせずに蓄積してしまっている方は多いと思います。パワープレートを運動の前後に取り入れることで、身体の準備や回復を効率的にサポートしますよ。
乗ってみて初めて、気づいていなかった蓄積された身体の不調や、うまく使えていなかった筋肉や硬い部位に気づき、身体が変化していくことを感じてみてほしいです。顕在化していなかった問題点にアプローチできるのも大きいポイントですね。
ー運動が苦手な人からフィットネス愛好家まで幅広く活用できますね。そもそも、パワープレートはどのように日本で広まってきたのでしょうか?
具志堅さん:パワープレートはもともとヨーロッパで誕生しましたが、日本では2007年から市場に導入され始めました。当初は、おもにフィットネスやビューティー関連の施設での利用が多かったですが、その後は高齢者やリハビリ患者の方々を対象にした施設や、整形外科などの医療現場で使用されるケースが増加しました。
医療現場での導入が多いことは、海外と比べても日本の市場の大きな特徴です。理由としては、日本の高齢化社会が背景にあると思います。高齢者や疾患を抱える患者さんの中には、筋力やバランス感覚が低下している方が多く、パワープレートのセンサーを刺激する振動トレーニングが効果的です。また、スポーツ整形でも導入が多く、術後アスリートの早期リハビリへの活用から着目されたと考えられます。
現在でもパワープレートが活躍する場としては、リハビリ施設などの医療現場が半分を占めています。そのほか、フィットネスジムやプロスポーツ施設、さらにビューティーサロンなど多岐にわたる施設で利用されています。
──トップアスリートなどの特別な人だけでなく一般の人まで使えるものでありながら、スポーツの現場だけでなく、医療現場など日本社会の課題に寄り添っているんですね。
筋肉だけでなく、神経や骨も刺激する?振動が健康維持に役立つわけ
── 独自テクノロジーの「3次元ハーモニック振動」が、筋肉だけでなく、神経系や循環器系までも刺激するお話しが印象的でした。私たちの健康維持にどのように役立つのか教えていただけますか?
具志堅さん:健康というと、どうしても「トレーニング」や「運動」のイメージが強いですが、反射神経や神経伝達は日常生活の中で欠かせない要素です。たとえば、高齢者が車の接近に気づいて素早く避ける、転倒しそうになったときにとっさに身体を支えるなどの動きは、神経の感度や反射が重要ですよね。
パワープレートは年齢や体力に関係なく、どなたでもご利用いただけます。高齢者やリハビリ中の方にも、負担が少なく安心して使っていただけますし、忙しい現代人にとっても短時間で効果を感じられる点は大きな魅力です。最近では脊髄損傷などの専門施設にも利用されるなど、医療分野からスポーツ、日常生活まで、幅広い可能性を持っています。ただのトレーニングマシンやダイエットマシンという概念を超え、多くの人々の健康をサポートするマシンとして捉えていただけると嬉しいですね。
── パワープレートによるトレーニングで、骨密度も上がるんだとか・・・?
具志堅さん:そもそも骨は、外部からの適切な刺激を受けることで密度を高める性質を持っています。たとえば、運動をまったくしていない人よりも、ランニングやウォーキングなど積極的に身体を動かしている方々が高い骨密度を保っているといわれているのは、動作の際に足が地面に接触するたび、「床反力」という力を受けるためです。この力が骨に刺激を与え、骨密度を維持・向上させる効果を生みます。パワープレートに乗ることで振動を通じて骨に繰り返し刺激を与え、この刺激が骨形成を促進し、骨密度を高めるといわれています。
また、筋肉は腱を通して骨についていることから、骨振動として刺激が伝わります。これら2つの理由から、パワープレートによるトレーニングは骨密度の向上に有効であると考えられます。
また、骨密度に関しては過去にさまざまな研究もされています。何も運動しなかった人は加齢とともに骨密度が減少、通常の運動をした人は減少は食い止められたのに対し、パワープレートに乗ってトレーニングした人は骨密度が上がったという結果もありました。
ただし、骨は過負荷を与えすぎると壊れてしまうため、適切な負荷を与えることが大切です。パワープレートの振動の周波数や振幅が、骨や筋肉にちょうどいい刺激を与え、バランス能力にも寄与することがリサーチデータからも証明されています。これが、パワープレートが医療現場やリハビリ、そしてアスリートのトレーニングで広く活用されている理由です。
── 適切な負荷が骨や筋肉を強化するだけでなく、リハビリにも役立つんですね。
国民全員アスリート!パワープレートのあるこれからの運動のありかた
── これまでたくさんパワープレートについてお伺いしてきましたが、とくにどういった方に利用していただきたいと思いますか?
具志堅さん:とくに東京オリンピック以降、スポーツ庁は「ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進」の実施に向けた取組を進めています。アスリートのパフォーマンス向上のためのノウハウを、国民のライフパフォーマンスを上げるために適応していく。その中で、コンディショニングの重要性がますます注目されています。身体を動かす人は、コンディショニングで整えていかないと、どこかでパフォーマンスが悪くなったり痛みがでたりします。ランナーであればレースかもしれないし、高齢者の方であれば歩くことかもしれないし、働き盛りの年代であれば元気で働き遊べる身体かもしません。すべての人にとってのよりよいパフォーマンスを支えるためのコンディショニングツールとして、適応性の高いパワープレートをぜひご利用していただきたいです。
── まさに国民全員アスリート!やって終わりではなく、身体を整えるまでがセットですね。
具志堅さん:なおかつ、パワープレートなら短時間で簡単に効果が得られます。「健康は気になるけど忙しくてなかなか時間がつくれない、でも身体の不調の悩みを抱えている」と悩んでいる人にはとくにおすすめしたいですね。なんともいえぬ身体の不調を感じている人に、コンディショニングの重要性と、パワープレートを通じた身体の整え方を伝えていきたいです。自重で30秒間スクワットしただけで、身体も生活の質も変わる感覚を味わってほしいですね。
見せるためだけの筋肉ではなく、本質的に使える身体づくりのために。パワープレートが、多くの人々の毎日に寄り添える存在であれたらいいなと願っています。
── 毎日どことなく感じる身体の不調や悩みを解決する。それこそ健康への大きな第一歩ですよね。この先の目標や理想などはありますか?
具志堅さん:パワープレートが、人々によってより身近な存在になることを目指しています。現在は、病院やプロのスポーツ現場など特定の場所での利用が中心ですが、医療現場や高級ジムだけでなく、その間にいる「中間層」の方々にこそ届けたいです。そのためにも、健康な方や運動が苦手な方に、もっと気軽に利用していただけるような環境を広げていくことが目標です。
たとえば、薬局や学校など、まちづくりの1つとして身近に触れられるところにパワープレートが置かれているのが理想ですね。中学生や高校生など、学校生活のうちに部活などでパワープレートに触れ、コンディショニングの重要性を理解する。そして、卒業後も地域の施設や身近な場所で引き続きパワープレートを利用できるような仕組みをつくりたいです。
ドバイの空港にはパワープレートが設置されており、有料で短時間利用ができるスペースが用意されているんだとか。海外旅行などで長時間飛行機に乗った後やエコノミー症候群の予防にいいですよね。誰でも利用できる環境で簡単に身体のコンディションを整えられる、素晴らしい取り組みだと思います。
── 国民1人1人の30秒の振動が積み重なって、国全体の健康レベルや幸福度を上がりそうですね!まずは1人でも多くの人にパワープレートに乗っていただきたいですが、気軽に利用できる施設も増えてきているのでしょうか?
具志堅さん:はい、全国のフィットネスクラブやメディカル施設でもパワープレートを導入しているところが増えています。たとえば、「ティップネス丸の内スタイル」では、コンディショニングをテーマにしたトレーニングプログラムを展開しており、10年以上にわたりパワープレートを主力マシンの一つとして活用しています。また、地域の施設や専門的なコンディショニングスタジオなどでも利用可能です。この記事を読んで興味を持っていただいた方は、ぜひお近くの施設で体験してみてくださいね!
── 本日はありがとうございました。
Wellulu編集後記:
初めての振動マシン体験。実際に乗ってみて体感するのがなによりわかりやすいと思うほどに、今まで感じたことのない感覚や効果がたくさんありました。身体が整っていくと、心も整う。全身が揺れることで、心も揺れて気持ちも前向きになるような感覚さえ味わえました。まさに健康とは、心身ともによい状態であることを取材しながら再認識できた時間でした。スポーツの現場だけでなく医療の場でも活躍するパワープレートは、これからの健康を支えるうえで欠かせないものだと思います。健康維持のために、パワープレートとともに、コンディショニングの大切さもあわせて広がっていってほしいなと思いました。
<パワープレートを体験できる施設例>
・R-Body
https://r-body.com/
・ティップネス丸の内スタイル(会員制/日曜日のみビジター利用受付中)
https://marunouchistyle.tipness.co.jp/
・PLAYLON woman
https://playlon-woman-operacity.com/
・J-Workout
https://j-workout.com/
・Medical fitness Re-Birth
https://rebirth-fitness.com/
・Fujiya RELIFE
https://fujiyarelife.com/
<パワープレート公式HP>
https://power-plate.co.jp/
米国イースタンミシガン州立大学にてスポーツ医学を勉強、2004年に米国アスレチックトレーナー協会認定資格を取得。卒業後、米国内にてアスレチックトレーナーとして様々な大学スポーツチームに帯同し、選手の障害予防、リハビリ、コンディショニングなど健康管理全般を行う。帰国後2014年よりプロティア・ジャパンにて、パワープレートのマスタートレーナーとして研修会や医療機関・フィットネス施設でのトレーニングを指導。2018年パワープレート本社より、アジアパシフィックでのMaster trainer of the yearとして表彰される。