
日々洋服を着るときにどうしても気になってしまうお尻のライン。お尻の脂肪や大きさ、たるみが気になっている人も多い。この記事では、お尻痩せにおすすめの筋トレやストレッチ、マッサージを紹介。キュッと引き締まったお尻をゲットするために、日々の生活からできることをチェックしよう。
この記事の監修者

おぜき としあきさん
パーソナルトレーナー
お尻を構成する筋肉
お尻を痩せるためにまずはお尻を構成する筋肉を理解しよう。
- 大臀筋
- 中臀筋
- 小臀筋

筋力バランスが悪いとお尻が垂れた印象になりやすいので、可動域を意識したトレーニングを取り入れるのがおすすめです。例えばスクワットを可動域が狭い状態で負荷をかけると大殿筋の下部ばかりが鍛えられ、全体のバランスが崩れることも。
その結果、お尻が垂れてしまったり、足が短く見えるなどの印象につながることがあります。筋力バランスが崩れると骨盤の角度にも影響を与えるため、1つの部位だけを鍛えすぎないよう注意しましょう。
大臀筋
大臀筋はお尻の表面に位置している大きな筋肉。大臀筋を鍛えることでお尻全体が鍛えられ、とくに上部を鍛えるとヒップアップが期待できる。 また、胴体を真っすぐに保つ役割もあり、立つ、歩く、姿勢を維持するといったときに使われる。「スクワット」や「ヒップリフト」など、上下の動きをともなう運動で効果的にトレーニングできる。
中臀筋
中臀筋(ちゅうでんきん)は大殿筋の上部に位置し、後部は大殿筋に覆われている筋肉。鍛えることで骨盤の安定性が高まるため、猫背や反り腰の改善に役立つ。また、姿勢がよくなることで脚のラインやヒップラインがきれいに見えやすくなる。
「サイドレッグレイズ」や「クラムシェル」など、横への動きをともなう運動で効果的に鍛えられる。
小臀筋
小臀筋(しょうでんきん)は股関節の外側(お尻の外側)に位置し、中殿筋の奥についている筋肉。中臀筋と同様に小臀筋を鍛えることで骨盤の安定性を高められる。また、股関節が安定するため、姿勢の改善やバランス能力の改善にもつながる。
小臀筋は「サイドステップ」や「ヒップバンドウォーク」など、横方向の抵抗運動が効果的。

小殿筋は鍛えることで姿勢の安定にもつながります。小殿筋が弱いと骨盤が安定せず、猫背や巻き肩の原因になることもあるので注意が必要です。
とくに、小殿筋は内腿(内転筋)と連動して働くため、内腿をしっかり鍛えると身体全体が開くような動きにつながります。肩や腕も自然と開くので、巻き肩や前かがみの姿勢が改善されやすいです。巻き肩の人はこれらの筋肉を鍛えると身体が開き、姿勢が整いやすくなるので意識して鍛えましょう。
どうして脂肪がつく?お尻が大きくなる原因
- 運動不足による筋力の低下
- 加齢やむくみ、冷えによる基礎代謝の低下
- 骨盤の歪みと姿勢の乱れ
- 脂肪やセルライトの蓄積

筋力が弱り前後左右に骨盤が動かしにくくなると、筋肉が偏った位置に固定される可能性があります。とくに骨盤が前傾位置で固定されると、お尻が大きく見える原因に。まずは骨盤の可動域を広げることが、理想的なお尻の形づくりを目指すためのポイントになります。
運動不足による筋力の低下
運動不足により筋肉量が減少すると基礎代謝が下がり、消費カロリーが減少する。また、筋肉のバランスが崩れたり、偏った部位に脂肪がつきやすくなる原因にも。
運動不足が原因の場合、お尻の部分を脂肪が占めている割合が多いため筋トレで筋肉量を増やす方法が効率的に脂肪を落とせる。しかし、本格的な筋トレが難しいと感じる人は、有酸素運動など全身をつかった運動から取り入れてみよう。
とくに筋肉に負荷をかけて動くことでよりエネルギーを消費しやすくなるので、速歩きや筋トレ要素を取り入れた有酸素運動もおすすめ。
加齢やむくみ、冷えによる基礎代謝の低下
年齢を重ねるごとに身体の筋肉量と基礎代謝は徐々に減少する傾向がある。そのため、同じ食事量でも年齢を重ねた方が脂肪が蓄積されやすく、ダイエット効果が得られにくいことも。日常的に筋トレを取り入れ、基礎代謝の低下を最小限に抑えよう。
また、冷えによりリンパや血行が悪くなると、老廃物が溜まることでむくみが気になったり脂肪がつきやすくなる。血行不良を防ぐために適度に姿勢を変えたりマッサージをおこなうのがおすすめ。

とくに20代後半からは筋肉を増やすホルモンの分泌が減少していき、それにともなって基礎代謝量も減少してしまいます。基礎代謝の低下を最小限に抑えるためにも、20代から運動習慣をつけていくことが大切です。
骨盤の歪みと姿勢の乱れ
骨盤の歪みはお尻につく筋肉のバランスを崩し、偏った部分に脂肪がつきやすくなることも。脚を組んだり片方の脚に体重をかけて立つといった姿勢の乱れや、デスクワークやスマートフォンの使用による猫背・スウェイバックが骨盤の歪みにつながる。
また、特定の部位に負担がかかり、痛めてしまう原因にもなるので注意が必要。
脂肪やセルライトの蓄積
とくに女性の場合は、女性ホルモンの影響によりお尻周りにも脂肪が蓄積されやすい。食べすぎや運動不足で身体に脂肪が蓄積されると、お肉のたるみやセルライトが目立つ原因に。とくにセルライトは脂肪と老廃物が混ざり合ったもので、毛細血管が通っていないため完全に解消させることが難しい。
毛細血管を広げて老廃物を排出しやすくするためにも、有酸素運動や「フルスクワット」など身体を大きく動かす運動やストレッチを組み合わせるようにしよう。
お尻痩せの効果的な方法
お尻の悩みに合わせて、どのようなアプローチが効果的か確認しよう。
- 脂肪やたるみが気になる場合:筋トレと有酸素運動を組み合わせる
- むくみや張りが気になる場合:マッサージやストレッチを取り入れる
脂肪やたるみが気になる場合:筋トレと有酸素運動を組み合わせる
お尻の脂肪燃焼には筋トレと有酸素運動を組み合わせたアプローチが効果的。筋トレと有酸素運動の順番にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、目的に応じて調整することが大切。どちらを優先するかは個人の目的次第なので、特徴を理解して自分に合ったやり方でおこなおう。
筋トレの場合は「スクワット」や「ヒップリフト」などの筋トレを10〜15回を1セットとし、3セットおこなうのがおすすめ。
おすすめ筋トレメニュー

お尻を引き締めるためには、大殿筋だけでなく、中殿筋・小殿筋・梨状筋も意識的に鍛えることがポイントです。とくに前傾タイプの人は大殿筋が発達しやすいため、クラムシェルやヒップスクイーズやような種目で中殿筋や梨状筋を強化しましょう。適切なトレーニングを組み合わせることで、サイズダウンしながらも美しい形を作ることにつながります。
むくみや張りが気になる場合:マッサージやストレッチを取り入れる
体内の塩分比率は一定に保たれるよう調整されており、塩分が多くなると身体は水分を溜め込み塩分比率が下がると水分を排出する。
病気によるものを除いた一般的なむくみはこのバランスの影響を受けるため、むくみの解消にはリンパの流れを促進するマッサージやストレッチが効果的。ストレッチをおこなうことで筋肉の緊張を和らげるだけでなく、血液やリンパ液の循環を促してくれる。
むくみや張りを解消するためのストレッチでは、末端部位から順におこなうのがおすすめ。いきなりハムストリングや大臀筋などの大きな筋肉をストレッチするのではなく、ふくらはぎや内転筋をほぐしてから進めよう。
おすすめストレッチメニュー

マッサージやストレッチは一時的なむくみの改善には効果的ですが、むくみにくい体質になるためには、筋トレと有酸素運動の組み合わせて筋肉量を増やすことや塩分と水分量のバランスを意識することが不可欠です。運動による対策を基本として、マッサージやストレッチは補助的な手段として活用することをおすすめします。
静的と動的を踏まえたふくらはぎストレッチのやり方(動画)
【お尻タイプ診断】お尻が痩せない原因がわからない時に!
むくみ、脂肪、骨盤のゆがみなど、お尻が大きくなる要因はさまざま。原因によって適切なアプローチは異なるが、自分が当てはまるのはどれか分からないという人もいるはず。
また、よいと言われるトレーニングでもお尻のタイプに合っていないものは効果がないばかりか、かえってお尻が大きくみえてしまう可能性もある。実際に行動する前にお尻タイプをチェックしよう。

とくにヒールをよく履く人は、大殿筋の下部ばかりを使うクセがつきやすく、歩き方も偏りがちであるので注意が必要です。ヒールを履いた結果お尻の形が変わらず、バランスが悪くなってしまいます。使われていない筋肉を鍛え、歩行時の重心を意識的に変えてみましょう。
アヒルタイプ
アヒルタイプは骨盤が前傾し、大殿筋の下部が発達しやすい傾向にある。ヒップトレーニングをするとさらにボリュームが増してしまうことがあるので注意が必要。
アヒルタイプにおすすめのトレーニングは、大殿筋上部を意識的に鍛えるトレーニング。スクワットをおこなう際はなるべく深くしゃがみこむのがポイント。

大切なことは、「使われていない筋肉をしっかり働かせること」です。前傾タイプの人は、とくに大殿筋の上部や中殿筋・梨状筋が弱くなりがちなので、「ヒップスクイーズ」や「クラムシェル」などのトレーニングを取り入れてバランスをとるのがおすすめです。
洋ナシタイプ
洋ナシタイプは、肩とお尻が壁にくっつく人に当てはまる。背中が丸まり反り腰になっている場合が多く、アヒルタイプと同様、骨盤が前傾している。大殿筋の下部も発達しやすいため、さらにヒップトレーニングをおこなうとお尻が大きくなりすぎる可能性も。
おすすめのトレーニングとしては、アヒルタイプ同様、上部を意識的に鍛えるのが効果的。スクワットやヒップリフトなどのトレーニングでは骨盤の角度を意識し、上部にも負荷がかかるようにフォームを調整しよう。
扁平(へんぺい)タイプ
扁平タイプは、カラダの後ろ側である肩、背中、お尻、ふくらはぎなどが、ほぼ壁にくっついてしまう人に当てはまる。骨盤後傾が原因である場合が多く、背中も丸まっている人に多い。
骨盤が後傾タイプの人は、スクワットをすると背中が丸まりやすく、正しく負荷をかけられないことが多い。背中が曲がるとお尻の筋肉が使われず効果的なトレーニングができなくなるため、とくに姿勢を意識してトレーニングしよう。
崩落(なだれ)タイプ
崩落タイプは、肩だけが壁につく人に当てはまる。この場合扁平タイプ以上に骨盤が後ろへ大きく傾いている場合が多い。後傾の人は大殿筋が発達しにくくお尻が平坦に見えがちでもあるため、意識して適切なトレーニングを取り入れよう。
【器具不要で簡単】お尻痩せのおすすめの筋トレ6選
- スクワット
- ヒップリフト
- ヒップヒンジ
- クラムシェル
- バックキック
- ヒップスクイーズ

「スクワット」は大殿筋をメインに鍛えますが、「ヒップスクイーズ」や「ヒップリフト」と組み合わせることでお尻の形を整えられます。また、お尻痩せのトレーニングをおこなう際は大殿筋ばかりを鍛えるのではなく、中殿筋や小殿筋も意識し、バランスの取れたお尻のラインを作ることを意識しましょう。
スクワット
「スクワット」はお尻全体を効率的に引き締めるトレーニング。お尻を意識的に締めながらゆっくりと上下の動作をおこなうことで、より効果的に刺激を与えられる。
<やり方>
- 脚を肩幅に開き、つま先は正面に向ける。
- 背筋をまっすぐ伸ばして胸を張る。その際手は身体の前で組み、バランスをとる
- ひざがつま先より前に出ないように注意し、太ももが床と平行になるか、少し下まで腰を落とす。
- ひざを伸ばしながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る。
ヒップリフト
「ヒップリフト」は仰向けでひざを立てお尻を持ち上げる動作で、大臀筋を集中的に刺激できるトレーニング。
脚の幅を変えることで、刺激する部位を微調整できる。例えば脚幅を少し広げつま先を外にむけることで、中殿筋や小殿筋にも負荷が入りやすくなる。お尻を上げる際は腰が反らないように腹筋に力を入れることがポイント。
<やり方>
- ヨガマットなど、柔らかいものの上で仰向けになる。ひざを立て、足裏を床につける
- 脚は肩幅程度に開く。腕は身体の横につけ、手のひらを下に向ける。
- 息を吐きながらかかとで床を押して、肩からひざまで一直線になるように、お尻をゆっくりと持ち上げる。
- 上げた状態で3秒キープする。
- 息を吸いながら、ゆっくりとお尻を床に戻す。
ヒップヒンジ
「ヒップレンジ」は上半身を前に倒す動作で、お尻の後ろ側の筋肉を効果的に刺激するトレーニング。上体を起こす際に、お尻の筋肉を使って引き上げることを意識するのがポイント。
<やり方>
- 脚を肩幅に開き、ひざをわずかに曲げる。
- 股関節を軸にして、お尻を後ろに突き出すように上体を倒す。このとき、ひざはわずかに曲げた状態をキープし、足裏全体でしっかりと支える。
- お尻の筋肉が最大に伸びるまで、ゆっくりと上体を倒す。
- お尻の筋肉を使って、ゆっくりと上体を起こす。
クラムシェル
「クラムシェル」は横向きで寝た状態で、腹筋に力を入れながら上の脚を開く動作でお尻の横側を引き締めるトレーニング。骨盤が後ろに傾かないよう気をつけ、ひざは90度に曲げた状態にすることがポイント。
<やり方>
- 横向きになり、足を重ねる。
- 骨盤が後ろに傾かないように、お腹に力を入れて体幹を安定させ、上のひざをゆっくり開く。
- 3秒ほどキープしたら元の位置に戻し、繰り返す。
バックキック
「バックキック」は四つん這いの姿勢から片脚を後ろに伸ばす動作で、お尻を集中的に刺激するトレーニング。腰が反らないように注意し、ゆっくりとした動作でおこなおう。
<やり方>
- 手とひざを肩幅に開いて、四つんばいの姿勢になる。この際、手首とひざは垂直になるようにし、視線は床を見るか、少し斜め前を向く。
- 片方の脚を後ろに伸ばし、つま先を天井に向ける。ひざはできるだけ伸ばしたまま、つま先を床と平行に保つ。
- お尻の筋肉を意識しながら、足を高く上げ、1秒ほどキープ。
- ゆっくりと戻す。
ヒップスクイーズ
「ヒップスクイーズ」はバレースクワットのように足を開き、しゃがんだ状態でお尻をギュッと締めるトレーニング。このときお尻をねじり込むような意識でおこなうと、中殿筋・小殿筋、さらには奥にある梨状筋までしっかり刺激が入る。
<やり方>
- 太ももを外側に向けて少しひざをおる。
- ひざを伸ばすタイミングでお尻をしめる。
「ヒップスクイーズ」は立った状態でもできるが、寝転がってひざを立てた状態でもおこなえる。どちらの場合も、お尻を締める意識を強く持つことがポイント。

お尻に力を入れて引き締める「ヒップスクイーズ」は自宅で気軽に始められるおすすめのトレーニングです。シンプルな動作なので初心者の人でも取り組みやすく、場所を取らず手軽に実施できます。お尻に力を入れる感覚がわかるようになるトレーニングでもありますので、生活の中に取り入れてみてください。
【器具・マシン使用】お尻痩せにおすすめの筋トレ3選
ここでは器具やジムのマシンを利用しておこなうお尻痩せのおすすめの筋トレメニューを紹介。
- レッグプレス
- アブダクター
- ブルガリアンスクワット
レッグプレス
「レッグプレス」はお尻全体を効率的に鍛えられるトレーニング。足を置く場所によって刺激される部位が変化し、お尻の各部位にアプローチできる。ひざを完全に伸ばしきらないこと、マシンに深く腰かけ背中全体をシートに密着させた状態を保つことがポイント。
初めは軽い重量で正しいフォームを習得し、徐々に負荷を上げていくようにしよう。
<やり方>
- マシンに座り、背中全体をシートにつける。脚をプレートにしっかりと固定する。
- 脚幅やつま先の角度、座面の角度を調整し、鍛えたい部位に合わせて設定する。
- 息を吐きながら、ゆっくりと脚を伸ばし、ひざを完全に伸ばしきらない程度までプレートを押し出す。
- 最高点で1秒キープする。息を吸いながら、ゆっくりとひざを曲げ、元の位置に戻す。
アブダクター
「アブダクター」は座った状態で脚を開く動作により、お尻の横側と外側をバランスよく鍛えられるトレーニング。重量は軽めに設定し、ゆっくりとした動作で15-20回を目安におこなおう。
<やり方>
- マシンの背もたれにしっかりと背中をつけて足をパッドに乗せ、つま先がまっすぐになるように調整する。
- お尻の筋肉を意識しながら、息を吐いてゆっくりと両脚を外側に開く。
- 脚が最大に開いたところで、1秒ほどキープ。その後、息を吸いながらゆっくりと元の位置に戻す。
ブルガリアンスクワット
「ブルガリアンスクワット」は片脚を台に乗せた状態でおこなうことで、お尻に負荷をかけられるトレーニング。バランス感覚と下半身の筋力が必要となるため、通常のスクワットを習得した上級者向け。最初は軽い重量から始め、正しいフォームでおこなうことを意識しよう。
<やり方>
- ベンチや椅子などの安定した台を用意し、台から60~90cmほど離れて台に背を向けて立つ。
- 片方の足の甲を台に乗せてもう一方の脚は前に出し、つま先をやや外側に向ける。
- 背筋を伸ばし胸を張り、視線を前方に向ける。
- ひざがつま先より前に出ないように注意しつつ、前脚のひざが90度になるまで腰を落とす。

初心者の場合は、15~20回くらいを連続でできる重さを目安におこなうのがおすすめです。自分に合った適切な負荷で、継続的にトレーニングをおこなうことが、効果的に痩せるポイントです。
お尻痩せにおすすめのストレッチ・マッサージ2選
ここでは筋トレとあわせて取り入れたいストレッチやマッサージを紹介。
- 梨状筋のストレッチ
- テニスボールを使った血流改善マッサージ

梨状筋は凝りが生じやすい部位なので、定期的なストレッチやマッサージのケアが大切です。足を組んでお辞儀をするような基本的なストレッチに加えて、ストレッチボールやテニスボールを使用してほぐすの方法もおすすめです。
梨状筋のストレッチ
梨状筋は長時間座ったままの姿勢や、同じ姿勢を繰り返すことで圧迫されやすく、血行が悪くなりやすい部位。骨盤と大腿筋をつなぐ役割がある梨状筋が硬くなってしまうと、骨盤の可動域が狭くなったり、骨盤の歪みにつながったりすることも。
トレーニング前のメンテナンスとして梨状筋を伸ばしておくと、正しい姿勢でトレーニングできるなど効率アップにもなる。
<やり方>
- ベンチに座って片足を膝の上に組む
- 上半身を前に倒す
テニスボールを使った血流改善マッサージ
床に座った状態でテニスボールの上でお尻を転がすことで、筋肉のコリをほぐして血流改善にもつながる。マッサージをおこなう際は、徐々に体重をかけながら気持ちのよい程度の圧でおこなおう。1日5分程度を目安におこなうことで、むくみの解消と脂肪の代謝につながる。
お尻痩せにおすすめの有酸素運動2選
全身の脂肪燃焼促進に効果的な有酸素運動。お尻痩せを目指す場合、有酸素運動のやり方が重要になる。
例えば、「単調な」ウォーキングやジョギングは前傾タイプの人にとってはふくらはぎが太くなりやすく、お尻が発達しやすい人にとっては筋肉が落ちにくくなるなどの可能性も。
脂肪燃焼だけなら有酸素運動でも筋トレでも可能だが、お尻のサイズや形を整えたい場合は筋肉のつき方を考慮しながら運動を選ぶ必要がある。そのため、自分の身体の筋肉のつき方を考慮しながら運動を選ぼう。
- ウォーキング
- ジョギング

お尻痩せを目的とした場合、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を積極的におこなうよりも、バランスのよいトレーニングと適度な活動量を意識することが大切です。例えば、ウインドウショッピングのような軽い散歩も、十分に有酸素運動の効果を持ちます。
「有酸素運動=しっかり走るもの」と考えがちですが、日常の歩行や活動も立派な有酸素運動となるため、ストレスなく取り入れてみましょう。
ウォーキング
ウォーキングは誰でも気軽に日常的におこなえる有酸素運動。腕を大きく振り、かかとから着地してつま先で蹴り出すように歩くことがポイント。姿勢を意識する際、背筋を伸ばしお尻を引き締めながら歩いてみよう。

ウォーキングを取り入れる場合、軽めの散歩程度のペースがおすすめです。例えば、ウインドウショッピングのようなゆったりとした歩き方が、余分な筋肉をつけずにカロリーを消費できるので意識しましょう。
ジョギング
ジョギングはウォーキングよりも高いエネルギー消費が期待できる有酸素運動。腕を後ろに引く動作を意識することで歩幅が大きくなり、より高いエネルギーを消費できる。
しかし、お尻を小さく引き締めたい場合、過度な有酸素運動は逆効果となる可能性も。とくにお尻に筋肉がつきやすい人は、無理なジョギングやウォーキングをするとさらに筋肉がつきやすくなるため注意が必要。

ウォーキングやジョギングを始める際は、まず骨盤の可動域を整えることが大切です。また、下半身だけでなく上半身も積極的に動かすことで、バランスの取れた理想的な体型づくりにつながります。肩周りや肩甲骨も含めた上半身の準備運動もしっかりとおこない、全身運動として意識することを心掛けましょう。
お尻痩せをするために日常生活・食生活で心がけること
- 血行促進のため湯船に浸かる
- できるだけ正しい姿勢をキープする
- 正しい歩き方を意識する
- 質のよい睡眠をとる
- 栄養バランスを意識しながら3食食べる
- 水分をこまめに摂取する
血行促進のため湯船に浸かる
湯船に浸かると身体が温まり、血行やむくみ、冷えの改善などに役立つ。38〜40度のお湯に15〜20分程度湯船に浸かるのがおすすめ。入浴中にお尻周りをマッサージすることで、より血行がよくなる。寝る2時間前までに湯船に浸かることを意識しよう。
できるだけ正しい姿勢をキープする
正しい姿勢をキープすることでお尻の筋肉を筋トレでバランスよく鍛えやすく、視覚的にもすらっとして見えることも。とくにデスクワーク時は背筋をまっすぐに伸ばすことを意識し、長時間の同じ姿勢は避けよう。1時間に1回程度を目安に、立ち上がって軽い運動をおこなうのがおすすめ。
正しい歩き方を意識する
正しい歩き方を意識することでお尻の筋肉を効果的に使うことにつながり、自然な引き締めにつながる。歩くときは腕を大きく振り、背筋は伸ばし、かかとから着地し、つま先でしっかりと地面を蹴り出すように歩くことがポイント。
歩幅を広めにとることで、お尻の筋肉により強い刺激を与えることができるのでおすすめ。
質のよい睡眠をとる
質のよい深い睡眠をとることで脂肪を分解して筋肉の生成を促す「成長ホルモン」が十分に分泌されるようになる。。睡眠をとる際は7〜8時間の十分な睡眠時間を確保することと、できれば毎日同じ時間に寝て起きることを意識しよう。スムーズに眠りに入るために、就寝前のストレッチやマッサージでリラックスするのもおすすめ。
日中に筋トレなどの運動をおこない、適度に身体を疲労させておくのもぐっすり寝られるようになるポイントの1つ。
栄養バランスを意識しながら3食食べる
痩せやすい身体づくりに食事は重要。タンパク質を体重1kgあたり1.2〜1.5g摂取することを目安にしつつ、同じく五大栄養素である「糖質」「脂質」「ビタミン」「ミネラル」をバランスよく摂取しよう。また、朝昼夜しっかり食事をとることも大切。とくに、朝食をしっかりと摂ることで1日の代謝の活性化につながる。
また、塩分の多い食事は血行不良やむくみにつながることも。1日の塩分摂取量は6g未満を目標に、ドレッシングや醤油などの調味料の使用を控えめにし、塩分量の多い加工食品やインスタント食品の摂取も減らす意識をしてみよう。
自炊をする際はだしや香辛料を活用すると、塩分控えめでも食事の満足感を高められる。
水分をこまめに摂取する
こまめに水分を摂取することで血液やリンパ液の巡りが良くなり、老廃物が流れやすくなる。1日1.5〜2リットルを目標に、こまめな水分補給を心がけよう。また、朝一番に温かい白湯を飲むことで体温を上げやすくなり、1日の代謝の活性化にも役立つ。
ただし、「水をしっかりと飲む」ことは「自身が持っているあるべき代謝能力を正常に働かせる」ということと同義。水を増やすだけでは基礎代謝は上がらないため、基礎代謝を増やすためには筋トレなどによって筋肉量を増やすことが大切だということを覚えておこう。
お尻痩せに関するQ&A
どのくらいの期間でお尻痩せの効果を感じられる?
A:個人差はあるが、早い人で2週間を目安に効果を実感できる。

お尻痩せの効果は個人によって大きく異なりますが、姿勢が改善される場合、早い方なら2週間程度で変化を実感することもあります。とくに筋肉のつき方は見た目の印象に大きく影響するので、正しい姿勢でトレーニングを続けることが大切です。
はじめは成果が見えづらくても、筋トレをおこなっていれば筋肉自体は徐々に増えていきます。焦らず自分のペースで継続していれば自然と結果は出てくるはずです。
セルライトが蓄積している場合でも痩せられる?
A:痩せることは可能

セルライトが蓄積して気になる部分は毛細血管を通して老廃物を排出しやすくさせることが大事です。お尻の可動域を大きくする運動(スクワットで深い位置までしゃがみ込むなど)を基本に、有酸素運動を組み合わせることで毛細血管を巡らせられるようにしましょう。
筋トレをしたら、お尻が大きくなる?
A:大きくなるかどうかは場合による

お尻の筋トレで気をつけたいのが可動域の確保です。可動域が狭い状態で負荷をかけ続けると、お尻の筋肉が部分的に太くなってしまう可能性があります。「スクワット」や「ランジ」などの筋トレでは、しっかりと腰を落として可動域を広げ、お尻の筋肉全体をしっかりと使えるよう意識しましょう。
なかなか脂肪が落ちない場合、脂肪吸引は効果的?
A:吸引したら物理的な脂肪はなくなるが、様々なリスクがあるので注意が必要

脂肪吸引は一時的な脂肪の除去にとどまるため、根本的な改善にはつながりません。吸引する際に毛細血管まで失われてしまうため、新たに脂肪が蓄積した場合、脂肪を落とすためには吸引前より多くの時間を要します。また、根本的に解決するためには、運動習慣の確立など痩せやすい身体づくりが大切です。
生まれつきの骨格や遺伝でお尻が大きい場合の対処法はある?
A:姿勢改善や筋肉の使い方を意識してアプローチする

生まれつきお尻が大きい人や、体型に遺伝的な影響を受ける人は確かにいらっしゃいます。一般的に母親と娘で似たような体型になることも多いですが、これは遺伝だけでなく、姿勢や筋肉の使い方のクセも原因の1つです。
前傾・後傾などの骨盤の傾きによるお尻の形の違いなどを含め、大きさは適切なトレーニングや筋肉の使い方を意識することで改善できます。時間はかかりますが、正しくアプローチすれば変化するので意識して取り組みましょう。
青山学院大学在学中の1988年から指導をスタート。指導歴30年で女優、役者、アイドル、女子アナ、ミスワールド日本代表モデル、プロサーファー、新体操選手などのスポーツ選手なども含め20000人超の指導を経験。2003年OZEKIパーソナルトレーナー養成スクール(現Shapesアカデミー)開設。2005年Shapes(現ShapesGirl)を東京渋谷に開設。メディア出演のほか、「腹凹は太もも運動でつくれる 1日3分週3日でOK!」(SBクリエイティブ)「5秒姿勢矯正ダイエット」(マガジンハウス)など多数の著書を執筆。