「気づいたらより多くの人が、もっとウェルビーイングになっている」。そんなコミュニティを目指し、3月28日(火)にオープンした「Wellulu Club」。
毎週金曜日には、共創コミュニティプラットフォーム「Tailor Works」にて、「ランチタイム雑談会」を開催し、コミュニティメンバーとWellulu編集部メンバーが自由に集い、語り合っている。話のテーマは月ごとに設定され、4月は「適度な運動」について。7日の「日常の運動習慣を語ろう!」、14日は「運動を習慣化して良かったことを語ろう!」、そして21日は「運動習慣化のために気をつけていることを語ろう!」と3回の雑談会が重ねられてきた。雑談会の中では、多様なコミュニティメンバーから、「一人ではなく、仲間と取り組むことで自分自身を奮い立たせる」「ChatGPTにマラソンの練習計画を立ててもらう」「帰り道など、日常のルーティーンに組み込める運動が重要」「追い込みすぎず週に1日チートデーを設けて、好きなものを食べる。」「習慣化のためのマジックナンバー 3日、3週間、30日」等、運動の習慣化に向けた気づきを共有していった。
4月28日(金)に行われた第4回の雑談会では、スペシャルゲストに「議論メシ」代表兼コミュニティデザイナーの黒田悠介氏を招き、「三日坊主を乗り越える、運動の習慣化のためのポイントを語ろう!」をテーマにトークが繰り広げられた。
運動の習慣化に向けて。誰にでも経験がある「三日坊主」の要因
左(Wellulu編集部):「Wellulu Club」は、メンバーの経験を「ゆるくつないでいきたい」というのをコンセプトにしています。今回は「三日坊主にならない運動習慣」をテーマに、自由に語っていただければと思います!
堂上(Wellulu編集部):ちなみに習慣化の専門家が、こんな話をしています。「3週間続けると、脳の変化があらわれる。3ヶ月間続けると、身体に変化があらわれる。6ヶ月間続けると、やらないと脳が嫌な気持ちになる」 。
6ヶ月継続できれば、その後は自然に続けていけるということ。なかなか面白いですよね。重家さんは三日坊主にならないために、気をつけていることはありますか?
重家:私は山でマウンテンバイクに乗るのが趣味なんですが、習慣化で大事だと思うのはコミュニティの中で仲間と一緒にやることだと思っています。1人で山に行って、自転車に乗るのもそれなりに楽しいのですが、やはり仲間とのコミュニケーションや、終わった後のご飯やお風呂など、身体の運動だけではなく、心のつながりが継続していく上でのカギになるのではないでしょうか。
堂上:なるほど!庄子さんはいかがですか?
庄子:懐かしいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は、10年以上前に「ビリーズブートキャンプ」を6ヶ月以上続けていた経験があります。あの運動が自分には合っているのか、運動不足を感じたときは、いまだにDVDを引っ張り出してトレーニングすることがあります。
堂上:動画とかではなくて、DVDですか!
宇都宮:うちの実家にビリーのDVDがほこりをかぶって眠っています……(笑)。私の母が「箱から出すのが、めんどくさい」と、まさに三日坊主になってしまっていたのを思い出しました。
左:買った時点で満足してしまうパターンは、かなり多そうです……。
宇都宮:実際にやってみて、気持ちよさとか効果を実感するまでたどり着かないと、次には進めないですよね。
黒田:そこに、三日坊主に陥ってしまう要因がありそうですね。
仲間の存在が習慣化を促進する。2つの「きょうそう」とは
堂上:ここからの進行は、ファシリテーションのプロである黒田さんにお願いしたいと思います!
黒田:よろしくお願いいたします。重家さんのマウンテンバイクの話では、「仲間と一緒にやることが大事」とのことでしたが、実際に続ける要因になったエピソードがあったのでしょうか?
重家:まず自転車で山の中を走るスポーツなので、1人だと危ないというのはありますね。あとは、様々なレベルの方と一緒にやることで、「あの人を目指したい!」とか、「あの人がここまで行ったから、自分も頑張らなきゃ!」とか、「新しく仲間に入った人にこれを教えてあげよう」とか、次から次へと目標が生まれてくるのが大きいと思います。
黒田:仲間であると同時に、ライバルでもあるんですね。他の方には「仲間がいたから続いた」という経験はありますか?
堂上:うちの子どもがサッカーをやっていて、あるとき朝に練習がしたいと言い出したんです。でも実際には、早朝から起きるのは大変だったみたいで。そこで、子どものチームの仲間たちを巻き込んで、一緒に朝練することになりました。友達が待っているので、ずっと寝ているわけにはいかない状況になり、朝練が3年半ずっと続いている習慣になっています。
黒田:いい意味でのピアプレッシャー(同調圧力)が続くのは、習慣化においては理想かもしれませんね。
久保:私はガジェットを活用して運動をしているんですが、使っているスマートウォッチに「知り合いがどこからどこまでランニングした」というニュースフィードが出てくるんです。それが、いいピアプレッシャーになっています。
黒田:知り合いが何キロも走っているという情報共有は、自分へのプレッシャーにもなるんですね。
久保:「昨日、一緒に飲んだはずなのに!こいつ走っている!」と、急に焦ってきて、「少しでも走らなきゃ」というモードに切り替わるんですよ(笑)。
宇都宮:私も似た経験があります!「Nike Run Club」というアプリを使っていて、そこでは友人グループで目標を設定できるんです。何日間で何キロ走ると設定して、誰がどれだけその目標に近づけているのかを共有したことで、途中から自分の負けず嫌いな部分が出てきて「走らなきゃ!」というモードになっていきました。
黒田:「きょうそう」という言葉が、2つの意味で関わってきている気がします。1つは「競争」。ライバルの存在が運動に対するモチベーションを高めてくれるパターン。もう1つは「共創」。いい意味でのピアプレッシャーや、共にやり遂げる楽しさで運動を習慣化させるパターン。この2パターンについて、もう少し掘り下げていきましょう!
「バトル」と「コラボレーション」が新たな運動コンテンツを生み出す
黒田:「競争」と「共創」。「バトル」と「コラボレーション」が三日坊主を乗り越えるキーワードとして浮かび上がってきました。この話から思い出したのが、昨年フランスで行われた1つのプロジェクトです。GPSを使って、地図上にヴェロキラプトルという恐竜の地上絵を描くという企画。4人がかりでロードバイクに乗り、6日間かけて合計1,000キロ以上を走ってGPSアートを完成させ、ギネス記録に認定されました。
このように共通の大きな目標に向かうのも、「コラボレーション」の例ですね。
左:「競争」と「共創」の両方に当てはまりそうなのは、例えば万歩計を使って、会社の中でチームに分かれ、チームごとの合計の歩数を競うというケースですね。そういうのは、「バトル」と「コラボレーション」を組み合わせた取り組みだと思います。
黒田:それは面白いですね!チームの内部では共に創る「コラボレーション」で、他のチームとは競い合う「バトル」なんですね。そういえば、庄子さんのやっていた「ビリーズブートキャンプ」には、この2つの要素はあるんでしょうか?
庄子:DVDや動画を見て、動きをまねて身体を動かすというコンテンツなので、一見「バトル」や「コラボレーション」の要素はないようにも思えるのですが、あらためて考えてみると、疑似的に「コラボレーション」を取り入れているのかもしれませんね。
画面の向こうに、同じトレーニングをする人たちがたくさんいて、その一員として参加しているような気持ちになっていくんです。そして、トレーニングが終わるとみんなで手を上げて「ビクトリー!」と合唱するという(笑)。
黒田:なるほど!そもそも「ビリーズブートキャンプ」というコンテンツの中に、そういった仕掛けがされているんですね。面白いです!
三日坊主にならないコンテンツをつくるときには、この「バトル」や「コラボレーション」のフレームワークを当てはめるのがいいのかもしれません。
堂上:今の話で思ったのですが、みんなで一緒にするエクササイズとか、実際には苦手な人もいますよね。私もそこが苦手で……。ヴァーチャルだから続けられることもあるかもしれません。
ジムに行くと、プログラムとしてエアロビなどがあったりもしますが、ああいう場所に入っていくことができないんですよね。結局、1人きりでトレーニングして、つまらなくなって三日坊主というパターンも。みなさんはどうしているんでしょうか?
黒田:私も同じタイプなので、よくわかります!次は、三日坊主を乗り越えるためにどうすればいいのか、具体的に考えていきましょう!
運動を楽しく続け、三日坊主を乗り越える3つのポイント
堂上:村山さんは、なぜ三日坊主にならずにジム通いが続いているんですか?
村山:私の場合は、コミュニケーションを求めてはいないんですが、とにかく突入していってしまうタイプなんですよね(笑)。飛び込んでみて、自分に合ったトレーニングなのかを判断しています。
堂上:自分に合う、合わないは、どの段階で判断するんですか?
村山:自然淘汰なのかもしれないです。いくつもやってみて、三日坊主もたくさんあった上で、自分に合ったものが残って、続いていると思います!
黒田:私も水泳やエアロビなど、いろいろやってみたのですが、結局続かなくて。最終的に残ったのが散歩なんです。散歩なら30分でも1時間でも、何か考えながら歩けるので、自分に合っているんでしょうね。
村山:今のお話のように、「散歩」と「考え事」の2つができるというのは大きいかもしれないですね!私はヨガを続けていますが、ヨガをすることが好きですし、ヨガの哲学とか思想も好きです。好きなことが重なると続きやすいのかもしれません。
黒田:なるほど!確かに好きが1つだと、強度が弱い。そこに「こういった面でも好き」が加わることで、より強くつながることができますね。
歩くことでゲームが進行する「位置情報ゲーム」も、「歩くのが好き」で「ゲームも好き」が重なっています。だからこそ人気が高く、続けている人が多い。趣味と実益を兼ねていて、「散歩がもっと楽しくなる」と話している方も知り合いにいます。村山さんの仮説は、的を射ているかもしれません。
堂上:今の話だと、重家さんも運動と自然という2つの要素が重なっているかもしれないですね。
重家:確かにそうですね!もともと自然の中にいるのが大好きなので、運動との掛け算でより楽しめています。
黒田:「自分に合ったものを見つける」と「好きなものを掛け合わせる」。運動の習慣化のために、他にはどんなことが考えられるでしょうか?
宇都宮:わかりやすく成果が見えることは大事だと思います。暗闇でのボクシング・フィットネスに通っていたことがあるんですが、45分間動き続けて、身体を酷使するんです。初日の翌日は歩けないくらい。でも1週間続けていくと、身体が慣れてきて、筋肉痛は消えていきます。
わかりやすく身体が変わったことを知って、その後は中断するのが少し怖くなっていくんです。やめたらすぐ元に戻ってしまうかもと。
久保:私は「Ouraリング」(心拍数・睡眠時の状態など、身体活動を計測できるスマートリング)を使っていて、例えば「お酒を飲んだ翌日のパフォーマンス」が数値化されるんです。だからこそ、ちょっとお酒の量を控えようとか、今日は運動しようとか、その日の行動にもつながって好循環を生んでいると思います。
黒田:主観やデータで「運動の成果を実感する」ことも、自分のモチベーションを上げるということですね!
多くの気づきを与える充実の「ランチタイム雑談会」
黒田:今日の雑談会の中で、運動の習慣化のためには仲間との「競争」と「共創」を感じるコンテンツが必要であり、三日坊主を乗り越えるためには、「自分に合った運動」と「好きなもの同士を掛け合わせること」、そして「運動の成果を実感すること」が大切だとわかってきました。
では最後に、それぞれ今日の雑談会で気づいたことや感想を1人ずつお願いします。
重家:運動というものには、みなさん様々なアプローチがあるんですね。仲間とやることをモチベーションにする人もいれば、1人で黙々とやることが大事な人もいる。「今までできなかったことが、できるようになる」というシンプルな喜びを感じられる仕組みがあると、運動を続けるモチベーションになるのかなと思いました。
左:私は生活のリズムをどう作るか、というのが大事だと感じました。「食べる」「起きる」「寝る」、また「運動」や「学習」も、生活のリズムがウェルビーイングな生活に直結しています。中でも、適度な運動はリズムの軸になると感じています。
村山:私は1人で黙々と運動することが多かったのですが、ピアプレッシャーの話や、コラボレーションの話なども聞いて、もっと他の人とつながりながらの運動にも挑戦していこうと思いました。食と運動と睡眠は、どこかが崩れると、全てがうまくいかなくなるというのは、私の経験上も思っているところですね。
宇都宮:運動を続けていく上で、「自分を許してあげる」という気持ちは大事かもしれないですね!ストイックにやっているときは、1度ジムに行けないことがあると「もう、このままやっていてもしょうがないや」と諦めてしまうこともありました。でも今は「明日行けば、オールリセット!」と考えられるようになり、気持ちがとても楽になっています。
庄子:特に食事は、「体重」という点で運動の成果と直結していますよね。毎日何を食べるかを含めて、運動とバランスを取っていかなければいけないというのを、あらためて感じました。今回をきっかけに運動を習慣化できるように、がんばろうと思います!
久保:私は今、66日間、毎日走り続けるチャレンジをしていて、今日で22日目なんです。今日のみなさんのお話に刺激をいただいたので、残りの2/3を走り続けていこうと思います!ヨガもやってみたいので、ぜひ「Wellulu Club」でオンライン企画をやってください(笑)。
堂上:本日はありがとうございました!ランチタイム雑談会は、9月末まで予定が決まっています。黒田さんは毎月末に参加いただくようお願いしていますので、ぜひお友達と一緒に参加してくださいね!
Wellulu編集部より
自分自身のウェルビーイング体験を語り、共有することは日常生活であまりない体験かもしれません。編集部メンバーにとっても初めての体験でした。自身のウェルビーイングをと共有することで、自らを振り返ることになるだけではなく、雑談を通じて「三日坊主対策には競争と共創を感じることの大切さ」等、新しい気づきを得られることは改めて発見でした。WelluluClubは、みなさんと一緒にウェルビーイングを考え、ひとりひとりの幸せの実現を応援するコミュニティです。WelluluClubがみなさんにとってウェルビーイングを感じていただけるような場所になるために、互いのウェルビーイング体験に関する気づきを気軽に共有いただけるように、ランチタイム雑談会(オンライン開催)を毎週金曜日の12:00-13:00に実施しています。5月のテーマは「おいしい食事/バランスの良い食事」です。詳細はこちらから、ご確認ください。https://wellulu.com/series/wellulu-club/