笑顔は、ウェルビーイングの基本だと実感
Age-Well Design Conference2024に参加するために、東京の二子玉川駅に向かった。楽天本社がある二子玉川駅は、はじめてウェルビーイングな企業として楽天の小林正忠CWOと対談をさせて頂いた思い出の地だ。
到着すると、赤木さんとスタッフが笑顔で迎えてくれる。赤木さんもwelluluで対談させていただいた。
高齢化率51%の地域におけるシニアの課題と現状、エイジウェルという概念、そしてシニアが挑戦と発見を通じてポジティブに年を重ねる生き方について議論されるカンファレンスだが、この場にいるだけで、自然と笑みが浮かぶ。
Age-Wellの考えは、挑戦と発見を通じてポジティブに年を重ねる生き方を指す。人生100年時代において、シニアが楽しみを持って生きることを目指す。シニアスタイルの方々が明日も楽しみだと思えるような生き方を推進。3600万人のシニアがポジティブに生きることを目標とする。素晴らしい取り組みと考え方だ。
ウェルビーイング学会理事長 前野教授の講演
前野教授が超高齢社会における幸せな生き方について講演があった。ウェルビーイングの概念は1946年のWHOの健康の定義に基づき、健康、幸せ、福祉を含む広い概念である。
幸せな人は視野が広く、不幸せな人は視野が狭いという研究結果があり、視野を広くすることが幸せに繋がる。協調性や思いやり、感謝の気持ち、利他的な行為が幸福感を高める。日本は幸福度が低いが、ウェルビーイングを重視することで国全体の幸福度を向上させる可能性がある。
自分が幸せになってみんなを幸せにする。そういう社会を作っていこうではありませんか。
僕らが考えるまずは本人の幸せがあり、その先に家族や仕事でのコミュニティの幸せがある。ウェルビーイング共創社会は、まずは「自分を好きになる」ところからだと僕は思っている。
視野を広くするためには、いろんな人と話し、いろんな場所に行くことが重要。
多様な人との交わりによって、僕たちはお互いがお互いを慮るところから、ウェルビーイングがはじまるのだろう。「はじめてをはじめる」こともウェルビーイングに繋がるのだろう。
前野先生の幸せの4つの因子の話も詳しく聴けた。「やってみよう」、「ありがとう」、「なんとかなる」、「ありのままに」の4つの因子が幸せの条件となる。
やってみよう:主体的に活動すること。
ありがとう:感謝とつながりを大切にすること。
なんとかなる:チャレンジ精神を持つこと。
ありのままに:自分らしさを尊重すること。
コミュニケーションの重要性もあった。例えば、70-80のシニア年代が「外に出かけることにためらい」が出てきたら、どうやって外出したくなるか尋ねたら、その方のやりたいことを尊重し、時間をかけてコミュニケーションを取ることが大切である、とのこと。命令ではなく共感を増やす。心のこもった会話を心がける。
そこには、笑顔の効果にも触れた。笑顔が他人にも伝わり、ポジティブな影響を与える。口角を上げることで幸福感が増す。無理やりの笑顔でも幸福度が高まるが、本当の笑顔の方が効果が高い。「ありがとう」と言われても言っても口角は上がる。
10社のAge-Wellなスタートアップがプレゼン。
そして、楽しみにしていたのがスタートアッププレゼンだ。僕は審査員をさせていただいた。10社とも素晴らしいプレゼンが続いた。
地域のモビリティ(移動サービス)から、コミュニティ、宅配サービスなど、シニア世代がイキイキと生きられるための技術やサービスがどんどん開発されている。全部、僕の中では、ウェルビーイングテクノロジーとウェルビーイングサービスだ。
僕は、街の毛細血管になろうとしている「移動スーパー『とくし丸』」にWellulu賞をプレゼントした。地域の地元のおじいちゃんおばあちゃんに会いにいくサービスだ。お客さんだけれども、家族のような、そして、友だちが会いにきてくれるようなサービスで、とくし丸が来ることで、笑顔とコミュニケーションが生まれる。素晴らしいサービスだ。
これらが、今は「あったらいいな」のレベルだが、「なくてはならないもの」にしてビジネスに繋げることで、ウェルビーイング共創社会を実現させることが僕らの創っていきたい未来だ。
「今日、紹介されたサービス、全部使いたい。」
シニア審査員の言葉が会場のボルテージを最高潮に持っていった。僕らは、子どもも大人もシニアも関係ない。生きるを楽しむことができる環境をつくるだけだ。
AgeWellJapanの赤木さんをはじめ、スタッフのみなさま、素晴らしい会にお招き頂きありがとうございます。
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堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー