Earth Companyと考えるリジェネラティブな生き方
今日は10周年を迎えるEarth Companyの「地球に住む私たちのことを考える」イベントに参加した。Welluluに今までに出演いただいた楽天の小林正忠CWO、LIFULLの井上会長が登壇されるからと、地球のウェルビーイングに興味を持った。
Earth Companyは、この10年間で、アジア太平洋8ヶ国430万人に支援を届け、24ヶ国1万人以上に未来人財育成研修を提供し、バリ島のエシカルホテルでは世界54ヶ国のお客様に「リジェネラティブな在り方」を体験を提供している。
リジェネラリティブは、なかなか聞きなれない言葉だが、「次世代につなぐ未来のために、人類と地球が共繁栄する考え」とのこと。「The Earth Company Way」は、枠にはまらない、ワクワクにはまる。「新たなパラダイムへの誘い。」楽しく、あたたかく、格好よく、本質的に、純度の高いものを求めている。
大きな犠牲を生みながら発展する従来の在り方ではなく、地球規模で、地球全体で、丸ごと「共繁栄」を目指していくあり方は、「慈善活動」ではなく、私たち人類の、「生存戦略」である。
僕は、このイベントを通して僕が考える「ウェルビーイング共創社会」に共感してくれる仲間がたくさんいることを感じとった。
企業が取り組むべきウェルビーイング経営
パネルディスカッションでは、企業が持続可能な経営を実現するために必要な変革について議論された。LIFULL井上会長、楽天の正忠CWO、サントリー長政人材戦略本部長が登壇し、SDGsやESG、サステナビリティ経営、パーパス経営について意見を交わす。ひとつひとつのことばに経営視点があり素晴らしい時間だった。
経営者の理解と実践、社員の意識改革、ウェルビーング経営の重要性が強調された。人財をどう育てるかなど様々なテーマで話された。
マズローの欲求で自己実現の上に自己超越が存在する。自己超越は他者と協力して大きな目標を達成することを指す。
個人のウェルビーイングと組織のウェルビーイングが重なる状態をどうつくっていくか、経営と社員が同じ方向を持てるようになると強い。社会課題の解決は時間がかかるけれども、挑戦できる環境をつくる。こんな話はいつ聴いても共感しかない。
途中、会場から質問があって、全部答えてもらいたかったが時間がなかったのは残念だった。
僕があの場にいたらどう答えていただろうか?ひとりでロールプレイングを楽しむことにした。
問い「自己超越どころか自己実現さえ実現してない人が8割を超えていることが問題かと思いますがいかがでしょうか?」
→ 自己超越と自己実現は僕は共存できると思います。自己実現できていないから、自己超越ができないのではなく、個人の利益を求めるのではなく、社会の利益を求める、その先に自己実現(個人の利益)につながるように思います。
問い「環境問題に偏向しすぎることは時に人類の経済活動を阻んだり、不便を受け入れざるを得ずウェルビーイングでない時もある感じているのですが、これについてどのように思いますか?」
→地球がウェルビーイングな状態にならなければ、人間もウェルビーイングにならないと考えると、何かを犠牲にすることや自己犠牲における利他や環境保全ではないと思っています。
問い「日本の総理が先日変わり、地方創生に対する投資が2倍になるという話があります。このばら撒きが、ばら撒きで終わらないためには、何が大事でしょうか?」
→地域それぞれに、自発的に新しいものが生まれる仕組みと、コミュニティをファシリテートするリーダーの育成が大切だと思います。そこで共創する形が生まれ、リジェネラティブな環境が創られることが大切だと思います。
問い「総合商社で新規ソーシャル事業創出に挑戦しています。儲からない事業がどんどん切られている中、ソーシャル事業であっても100億円ビジネスを期待されてます。突破口のヒントをください!!
→ウェルビーイングやソーシャルが儲からないではなく、ビジネスとしてnice to haveをmust have(ビジネスクリエイティブ)に変化させることが大切だと思っています。あと、時間軸の切り方を50年後とするくらいで挑戦できる環境をつくりたいですね。
問い「自社の利益だけを考える時代は終わった。は、ここに集まる一部の人には常識でも、特に上場企業は株主から利益を求められ、株主へ約束したの責任がある仕組みの中、難しいのが現実。その根本シフトはどう社長に説得できますか?」
→私たちはなぜ働くのか!? それは、私たちのサービスや商品を受けてくれている顧客のウェルビーイングをつくるためである。その対価がお金で払われているだけと考えるようにしています。今、いろいろな企業の課題は、顧客が株主になったり社内の役員と勘違いしていることだと思います。顧客の満足度をあげることという原点に戻る経営者であって欲しいですね。
問い「社員のウェルビーイングを高めるには会社を超えた適材適所が大事だと思います。そのような社会になるには何をしていくことが大事だと考えられますか?」
→越境人材が増えることが大切だと思います。副業を解禁し、仕事をする場所、住む場所も自由にしてあげる環境を整えるだけで大きな変化があると思います。
問い「皆さんのようなリジェネラティブな視点を持っている経営層でない場合、本質的な課題解決をする企業になるために従業員が働きかけられることはなんだと思いますか?」
→経営者に言い続けるか、それでも変わらなければ、一緒に働く経営者を選ぶために転職することだと思っています。リジェネラティブやウェルビーイングなことを理解していない経営者のもとで働くことがナンセンスという時代が来ると思います。
問い「全社員が共繁栄な価値観を『自分ごと』にしていくために、組織マネジメントとして、日常的にどんなコミュニケーションやリレーションに取り組んでいらっしゃいますか?
→大きく3つあると思います。まずは、「相互協力」分からないことは分からない伝え、得意な人にお願いする。すると、そこに必ず「ありがとう」が生まれます。次に「権限移譲」自分で責任もってやれる範囲を早いタイミングで増やしていく。最後に、「越境と多様性」全く違う業種や部門外の人との交流があったり、副業を解禁してるところはウェルビーイングだと思っています。
問い「well-being のコンセプトが精緻に伝わらず、成果ではなく権利ばかり主張するチームを何度か見ました。このようなチームが負のループから脱するためにはどんな一歩が必要でしょうか。」
→ウェルビーイングは、そもそもひとりひとりで考え方が異なり、お互いがお互いをリスペクトして接する環境が必要だと思います。そのためには、組織の決定に透明性をもって、お互いが腹を割って話し合うことが大切だと思います。権利を主張する人にも、自分たちの価値観や個人の欲に依存せず、対話からはじめるしかないと思います。
問い「事業継続のためのハードワークと、ウィルビーイングの両立のために気をつけていることあれば知りたいたいです。」
→ウェルビーイングな状態のためには、ある程度のゆとりは必要ですが、同時にある程度のストレッチ(緊張した状態)が必要だと思います。余裕で達成できる目標ではなく、ギリギリ達成できるか否かくらいの目標を設定することをお勧めします。
問い「皆さんがリジェネラティブを表現するために、企業や個人で行っていることはありますか?」
→小さなところからで良いと思います。例えば、地域のゴミ拾い活動に参加すること、ゴミの分別をすること、ものを大切にする、など丁寧な暮らしで良いかと思います。
問い「Well-beingやESGに関するKPIは本質とはかけ離れた設定をされ、表層的にクリアして思考停止になる企業が多いと感じます。どのように評価していますか?」
→それぞれの企業が、どういう経営をするかで、なんのためのKPI、誰のためのKPIか考える必要があると思います。思考停止はよくないですが、目標に対して、自分たちが本当にそのアクションが意味あるものか考えるタイミングかと思います。
問い「社会的企業の支援は世間的には必要だと言われつつ、実際企業利益を考えるとなかなか投資しづらい領域だと思います。どのような文脈だと企業として投資しやすいと思われますか?」
→ここが二律背反と考えているとなかなか進まないと考えています。社会共創と企業利益を両方やれている会社もたくさん存在しています。時間がかかるというのは、どうしても改善できていないので、その企業の応援の仕方だと思います。(例えば、人材無料派遣とか、ベンチャークライアントの仕組み導入とか?
問い「皆さんにとって”リジェネレーション”とはなんですか?」
→ウェルビーイング共創社会であり、自然との共生であり、地球中心の生活であるかと。
とこんな感じで答えてみたが、正直僕にも分からないことだらけ。登壇者の3人なら、もっと良いことを答えてくださるだろう。僕の頭の整理になった。
この後の、ウェルビーイング学会の理事、石川善樹さんの講演も素晴らしかった。次の15年、SWGs(sustainable wellbeing goals)になるだろう。
素敵な時間を楽しんだ。共繁栄させる🟰ウェルビーイング共創社会の実現だと思っている。
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー