いのちの尊さに触れる日。
WelluluTalkでお話しさせていただいた方たちとの出会いは、さらなる出会いを生み、たくさんの「ウェルビーイングなつながり」をつくれている。そして、毎回「学び」と「気づき」の連続で、この時間こそが僕自身のウェルビーイングになっている。
今日は、大阪で出会ったひとりの女性起業家の「岸畑聖月(みづき)」さんと対談をさせていただいた。彼女との対話は、僕たちWelluluのスタッフも虜にするくらい楽しく、学びと気づきがたくさんあった。彼女の強い「意志」と「行動力」は、尊敬と憧れが入り混じる形で、トークが進んでいった。
彼女は助産師であり、産後のケアから墓場まで、人の「生きる」に向き合うための法人、株式会社With Midwifeを立ち上げた。ウェルビーイングな状態をつくるために、看護師が人々の生活に寄り添うことをビジネスにしている。幼少期の闘病の経験から「いのち」について深く考えるようになり、退院後、であったのが両親に無視された幼い子ども「ネグレクト」を目にしたことにより、助産師を志したそう。人間が生きているうえで、様々な課題に直面し、そこに対峙することで、一人でも多くの人を救いたいという気持ちではじめた事業ということだった。
今日、はじめて知ったのは、妊産婦の死因の第1位は”自死”だということ。日本は自殺率が多い国だというのはよく聞いていた。厚生労働省のレポートによると、日本人の死因における20歳~39歳の死亡要因の1位は「自殺」になっている。40歳~49歳の死亡要因の2位が「自殺」(1位は「悪性新生物」)となっている。医療の進歩で健康寿命が延伸している時代に、「赤ちゃん」が生まれたことで、産後うつや産後自殺といったことが起こっている現実に今まで無関心だった。産後うつの割合が女性よりも男性の方が多くなっているという事実はじめて聞いた。
彼女の想いをここで紹介させていただきたい。Welluluの立ち上げ当時の想いと同じ気持ちであり共感しかない。
誰も孤独にならない、悲しいいのちを作らない、消えていったいのちまで大切に抱きしめられる。私たちWith Midwifeという新しい助産師のあり方が、現代を生きる個人や家族が抱えるさまざまな社会課題を、解決に導けると信じています。
ぜひ、私たちと共に100年、200年先の未来を明るくするため、一緒にこの課題に取り組んでいただけますと幸いです。
今回、僕自身、少しはじめての経験をした。それは、取材ということで僕が聴くのが日常だったのだけれども、聖月さんから「逆質問」をいただいたのだ。僕は、ちょっとドギマギした。
「堂上さんの奥様にとってのウェルビーイングってなんなんでしょうか?」僕は、ちょっと悩みながら「部屋をきれいに保つこと」と「子どもとの食事のときにスマホを見ないこと」と僕が普段できていないでいることを伝えた。これを読んで、妻は「違う」と思うかもしれないし、「そうそう」と思うかもしれない。すると、聖月さんから「その根っこのところに何があるのでしょうか?」と聴かれた。僕は「家族との時間を大切にしてほしい。」ということだと思う。と答えた。
この対話が必要なんだということだ。どんな夫婦にもすれ違いや、価値観のギャップが生まれてしまう。そこに、ウェルビーイングな生活とは程遠くなることは誰でも分かる。僕らは、家族間でも、仕事間でも、相手の気持ちが理解できなかったら、なんでそういう発言をしたのか、なんでそういう行動をしたのか、きちんとコミュニケーションをとる必要がある。
けれども、親しい関係であってもなかなか相談できないこともある。性的な悩みだったり、コンプレックス的な悩みだったり。そんなものもすべて「母性」のような感じで包み込むサービスを考え出したのが彼女の起業した「With Midwife」だ。
心地よい相談相手が近くにいるだけで、人間は「心」が落ち着くのだろう。自分の居場所と、褒められる環境があるだけで、人間は「自信」をつけて、前を向いて生きる勇気をもらうのだろう。彼女と話していると、そんな気分になる時間を過ごした。
僕たちは、Welluluを通して、こういった人間の「母性」、「優しさ」、「愛情」にも触れていきたいと思う。今日は、家に帰って、部屋の掃除をして、料理をして、みんなでいっしょにスマホを見ないでご飯を食べよう。ちょっとずつ、これを習慣化することからウェルビーイングな生活をつくっていこう。助産師の仕事を超えて、あらゆる人の「生きる」を伴走する聖月さんにお会いして、Welluluスタッフ一同、とても素敵な時間になりました。ありがとうございました。
堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー