givという生き方

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

インドに旅立つ西山さんの送別会

Welluluではじめての取材は西山さんだった。ちょうど1年前、僕は西山さんが出したgivの本を読んで感動した。その後、西山さんとお話しさせて頂き、僕が勝手に西山さんに惚れてしまったのだ。

https://wellulu.com/meeting-people/matching-service/223/

僕自身が、ミライの事業室で創りたいと心から思ったのがウェルビーイングな事業。人に優しく、毎日楽しくイキイキとさせる事業。けれども、周りの人たちと話をしていると、ウェルビーイングはよく分からない。ウェルビーイングって儲からない、と言われ続けていたときだった。

givの事業コミュニティ創業メンバーの松田さんと出会い、このコミュニティに参加しないか、お声がけを頂いたのだ。コンセプト共有会というある一種のイニシエーションを開催し、お互いの共感を得られるかどうかが鍵になる。

今でも覚えているのが、西山さんと松田さんとコロナ禍にオンラインでコンセプト共有会を開いて頂いたときに、「これ、僕が描きたかった社会だ。すげえぞ。この人たち。本気で世界を変えようとしている。」という印象だ。

けれども、もうひとつ「これ儲からないけれども、どうやって生計を立ててるんだろう?」という気持ちだった。ビジネスではないと割り切っていた。

早速、入会させていただき、アプリ内で自分たちがgivできるスキルを登録する。そして、あとはgivを受けたり、givを渡したりするのを日常で行うのだ。ここで僕は、たくさんのgivコミュニティメンバーと出会った。

そんな創業者の西山さんが、インドで事業を展開するために、自ら送別会を開いて、givコミュニティメンバーとインド料理を食べる機会を創ってくださった。

このコミュニティは、本当に笑いが絶えないみんな楽しそうにしている方たちばかりだ。書道家、四柱推命士、石鹸づくり、デザイン、パーソルトレーナー、農業体験などなど、自分たちがお金をもらってやっている専門のスキルを持った方たちが、givを送っている。

僕は忙しすぎるときは、givができないし、givを受け取ることもできなくなっている。これはひとつの自分に時間的余裕を持たせるためのコミュニティだと気がついた。ミヒャエルエンデの「モモ」に出てくる時間どろぼうから、時間を取り戻すことを教えてくれる「モモ」の存在がgivコミュニティのような気がする。

西山さんの送別会も、お互いがお互いをリスペクトし合うコミュニティメンバーが17人集まった。全国に支部が立ち上がりコミュニティは拡大していってる。

西山さんと松田さんという2人の出会いが、本気で世界を変えていこうと行動をおこした。そして、実際このアクションには、共感した人たちが輪を拡げていく。

隣では、日本に旅行に来ているインド人の団体が食事をしている。西山さんが最初に教えてくださった。

「世界のカンファレンスで、ふたつの難しいことがある。ひとつは、インド人を黙らせることだ。もうひとつは、日本人に発言させることだ。でも、このテーブルでは逆転が起こっている。」そこは、インドに旅した気分になる場だった。そして、このコミュニティは、みんな利他の心を持ち、お互いにgivを贈りあえる居心地よい仲間との時間は最高だ。ゆるいつながりあるコミュニティは、ウェルビーイングな時間には必要だろう。

西山さんは、givとインドの関係もお話ししてくださった。

シンガポールに住んでいた頃に、インドに毎月行っていた。都市的に発展したいわゆる恵まれた環境にあるシンガポールと、まだまだ発展していく余地のあるインドと、それぞれの違うアイデンティティに出会う機会があった。

そのときに、インドはスラムとか貧しい人も多い。けれども、そこには楽しそうな生活をしている豊かさがあった。豊かさとはなんだ、というのを感じた。お話しを聴いても、自殺なんてものは聞いたことがない。スラムの中でも、小さなところに集まって、みんながみんな融通し合い、支え合っている世界があった。

一方、日本は隣にいる人が誰かも分からない、関わりもないという中で、お金があっても心が荒んでいる人もいる。本当の豊かさはなんだ、と考えさせてくれたのもインド。

今、givのシステムを創ってくださっているのもインドの方で、givとインドは関わりが深いのです。

僕はインドで事業をやっている。givとかをやっていると、資本主義を否定しているように思われがちだが、そうではなく、お金の世界もあるし、お金だけじゃない世界もあるよね、と思っている。これが二項対立になっているのではなくて、共存する社会だと思っているのです。僕は両方の世界で頑張りたいと思っている。

インドは、経済的にもポテンシャルがあって、出張者という立場でなく、インドに住んで、インドの人たちと一緒に過ごして、インドのものものを食べて、そこで事業をやっていきたいのです。やるからにはコミットしたいのです。

givもそうですが、真っ暗なトンネルをくぐり抜けて、みなさまのような方と巡り会えた。インドで事業もやるし、インドでもgivをやりたい。そこを両立させていきたい。

両方の根本にあるのは、誰もが最高に輝ける機会、社会を創っていきたいというものがある。それぞれアプローチの仕方が違うだけで、本質は同じである。引き続き、この想いを大事にしながらやっていきたい。

なんて、素晴らしいお話しなんだろう。僕が松田さんと出会い、西山さんと出会い、そしてここのコミュニティメンバーと出会ったそのときから、僕のウェルビーイング産業共創事業の考えが固まっていった。

つながりの中で、ウェルビーイング共創社会をつくる

Welluluは、共感してもらえる記事をどんどん書いていく。その上で、よりお互いをオープンに笑い合える共生できる社会が生まれていくだろう。僕は、このコミュニティをビジネスとも繋げる社会実験をし続けようと思う。このトンネルは、すでに明るい光が差し込んでいる。

西山さん、松田さん、この出会いに感謝です。西山さん、インドでも熱い想いをぶつけてきてください。インド行きたいなあ。

 

 

 

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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