「幸共」(さちとも)

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

ウェルビーイングなイベント

昨日は、ふたつのイベントに参加させていただいた。ひとつは、スクラムスタジオが行った「Scrum Open Innovation Day 2023【事業共創プログラム成果発表会】」だ。そして、もうひとつは、「ウェルエイジング経済フォーラム Well-being & Age-tech 2023 Award」だ。

スクラムスタジオが運営するグローバル事業共創プログラム『SmartCityX』『Well-BeingX』の2023年度の取り組みについて成果発表を行うのだ。僕らは、3年前から本プログラムに参加させていただき、事業共創を模索してきた。Smartcityも、Foodtechも、GreenもすべてWellbeingで語れるのではないかと思うくらい、すべての発表はウェルビーイングを追求していた。

事業共創においての重要なキーワードは、「Open」と「Respect」だと思っている。自分たちの強みも弱みもオープンにして、お互いがお互いを認め合う関係の中で、事業共創ができる。僕は、新規事業家の守屋実さんと対談をさせていただいた。20分しかなかったので、話したい内容の1割くらいしか話せなかったが、オープンイノベーションの根っこの部分は語ることができたかと思う。

守屋さんとの対談はいつも楽しい。僕からしたら、新規事業開発の先生だ。守屋さんが話してくれた「やるやる詐欺と出来る出来る詐欺」「舞い上がるカタカナ」は、僕が守屋さんからずっと聞いていた話だ。新規事業や事業共創を進めていくと、必ず出てくる「主体性の欠如」と「解像度の低さ」。僕らも同じ失敗をよく繰り返した。

ウェルビーイング自体がカタカナで抽象的すぎるので、新規事業家からしたら、「日本語にせい!」というところだろうか?何度も、ウェルビーイングを日本語にしようと試みたことがあった。これが、難しい。あえてひとことで言うと「幸共」(さちとも、と呼ぶことにしよう)という感じだろうか。「生きるをつなげる。生きるが輝く。」この辺のしっくり来る日本語を思いついた人は、ぜひ連絡が欲しい。

夜、もうひとつのイベントに参加させていただいた。ウェルエイジング経済フォーラム Well-being & Age-tech 2023 Award」だ。こちらは大臣やら省庁の方も参加されていて、まさにウェルビーイング・テクノロジーの祭典だった。

キーノートスピーチは、ノーベル賞にノミネートされている睡眠の世界最先端研究者、筑波大学教授 柳沢正史先生だった。先日、僕が実験させていただい脳波をはかってアドバイスしてくれるS’UIMINの代表取締役でもある。お話は、とても興味深かった。僕らは睡眠を勘違いしている。もっともっと睡眠を知りたいと思ったし、自分自身がどういう睡眠があっているか確認するべきだと感じた。

そして、ウェルエイジングな商品やサービス、ウェルビーイングテックな企業が表彰された。そして各界の代表がずらりと並んで討論会が行われた。この討論会もめちゃくちゃ面白かった。みんなウェルビーイングな社会をつくっていくために、第一線で活躍している方たちだ。しかも産官学が入り混じった本音トークが最高だった。取り仕切っている佐藤ゆみさんの人徳がなせる技だ。

みんなが共通していることは、ウェルビーイング共創社会をつくろうとしていることだ。https://www.wellaging-forum.org/

ふたつのイベントを終えて、夜風に吹かれながら帰路についた。たくさんの方とここでも出会い、そしてウェルビーイングなゆるい関係ができている。みんなが共に幸をかんじるような生き方をしていきたい、とあらためて考える一日だった。

教育とウェルビーイングの未来・第16回

今日は、⽇本の教育とウェルビーイングの未来を考えるシンポジウムシリーズ第16回にオンライン参加させていただいた。講演いただいたのは、太⽥雄介さんというFacebookのウェルビーイングコミュニティを事務局として管理してくれている方で、僕は彼のことを「ウェルビーイングの百科事典」と思っている。

彼の話は2時間ずっと面白かった。ワクワクした。学校の先生がウェルビーイングじゃないと、生徒もウェルビーイングじゃなくなる。本当にそう思う。ICU(国際基督教大学)の先生が、とったイグノーベル賞の話も「退屈」についての論文だった。教師⾃⾝が退屈だと、⽣徒も退屈になる。そして、学習意欲が落ちる。

僕にも覚えがある。なんでこの先生は授業をもっと楽しそうにやらないんだろうなあ、と。教えることよりも研究をしたくて、教えることはバイトなのかもしれない、と思ったほどだ。本当にそういう授業はつまらなかった。そして、何の学びたい欲求にかられなかった。今、思えば、それでも「面白がる」能力をつけたり、「どうして、先生はそんなにつまらなさそうに教えているんでしょうか?」と問いを立てる勇気を持っていたら良かった、と思う。

フリーザチルドレンジャパンの⼦供のウェルビーイングの「ウェルビーイングな暮らしをおくるためのヒント集」の無料DLも教えて頂いた。この本がまた最高だった。ウェルビーイングな生活へ導くために、ひとつひとつの問いを考えていると、自然とウェルビーイング度が上がる感じだ。215ページもある大作だ。

FTCJ編ウェルビーイングな暮らしをおくるためのヒント集

僕は、太田さんからたくさんのことを学んだ。このセミナーにも参加させていただいて良かった。全国の先生や教育委員会の方とお話をさせていただいた。先生自らが「ウェルビーイング」を学び、そして、子どもたちや親にも派生していく。ウェルビーイングは伝染する良い気だ。こんなにも多くの人が、日本の教育を変えていこうとしている。未来の子どもたちにウェルビーイングな環境をつくろうとしている。太田さん、事務局のみなさま、素敵な時間をありがとうございました。

この2日間、ウェルビーイングな人にたくさん出会った。そして、ウェルビーイングをいろいろと学べた。太田さんが最後に我々にメッセージをくださった。

「やる。」

そうだ、「やる。」人は、ウェルビーイングだ。新規事業も動いて、顧客の声を聴いて、動いて、動いて、を繰り返す。「やる。」そして、「やり切る。」そんな自分でありたい。

「幸共」(さちとも)、誰も共感してくれなそうだ。。。。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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