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目的に合わせてナッツで手軽に栄養補給しよう!【小島屋】

健康意識が高まる中で注目を集めるナッツやドライフルーツ。しかし、同じナッツでも種類や焙煎や燻製の方法で味わいは大きく異なるんだとか。そこで今回は、ナッツ・ドライフルーツ専門店「小島屋」さんに、その魅力や楽しみ方について詳しく伺いました。健康志向の方も、味にこだわる方も、自分にぴったりのナッツ・ドライフルーツの選び方を見つけてみませんか?

小島 靖久さん

ドライフルーツとナッツの専門店・小島屋三代目店主 / 株式会社小島屋代表取締役

ドライフルーツとナッツの上位探究者。2021年時点で、世界中の1500以上のドライフルーツ、1000以上のナッツを食べておりまして、そのおかげで2019年にはTBS系「マツコの知らない世界」に出演させていただき、恐れ多くもドライフルーツ王子なる呼び名でご紹介いただいたりもしました^^;

 

本記事のリリース情報

健康系WEBマガジン『Wellulu』で店主小島のインタビューが掲載されました!

目次

種類が豊富なナッツ・ドライフルーツ

──小島屋さんでは、ナッツをどのように取り扱っているのでしょうか? 仕入れから加工までの流れを教えてください。

小島さん:当社は、ナッツ・ドライフルーツ専門店で、ナッツの仕入れから販売までの幅広いプロセスをおこなっています。

まず、仕入れについては、生のナッツを輸入して販売する、つまり大きな袋で仕入れて、小分けして販売するような方法もあれば、パッケージングして商品化しているナッツを仕入れて販売することもあります。

また、仕入れたナッツをどこで焙煎するかによっても商品の特徴が異なります。たとえば、弊社が焙煎する工場を選んで作っている商品は、仕入れでありながらもオリジナルの味に近づきますね。

── とくにこだわって加工している商品があれば教えていただけますか?

小島さん:当社でとくに力を入れているのは燻製ナッツです。一度ローストしたナッツを、シェフが卵白を使って作った特製の調味液に絡めてから、再度焼き上げます。そのあと、乾燥させ、燻製するという、一手間かけたプロセスで作っています。燻製する際に卵白を使用するのは非常に珍しく、ほかでもあまり見ない商品だと思います。

── そのままでも十分においしいナッツですが、さらにおいしく楽しめるんですね。

小島さん:弊社のお客様は、健康志向でナッツを食べている方も多いですが、味にこだわる方も多いんです。素焼きのナッツを好む方は、焙煎の仕方に非常に敏感で、焼き加減や火の入れ方によって好みが分かれます。ステーキの焼き加減の好みと同じように、ナッツの焙煎でもウェルダンやレアのような好みがあるんです。また、味付けナッツについても、さまざまなバリエーションのものが販売されていますよ。

──ナッツにも多くの種類があると思いますが、代表的なものとして、どのようなものがあるのでしょうか?

小島さん:そうですね、ナッツの種類は非常に多いです。

ただし、詳しくお話しすると、一般的にナッツとして売られているものでも、植物学的にはナッツでないものもあるんです。たとえば、ピーナッツはナッツではなく豆類ですし、かぼちゃの種などの野菜もナッツとして扱われることがあります。

一般的にナッツとして販売されているものの中で、代表的なものですと、アーモンド、カシューナッツ、くるみ、ピスタチオ、松の実、ピーナッツ、マカダミアナッツなどでしょうか。身近な食品に使われているようなものを挙げても、かなりの数があると思います。

── ナッツの中でも、とくに人気のあるものはどれでしょうか?

小島さん:とくに人気のあるナッツは、アーモンド、カシューナッツ、くるみの3つですね。この3つは料理にもよく使われています。アーモンドはアーモンドプードルとして洋菓子に、カシューナッツはペーストにしてインド料理や中華料理に、くるみはパンやお菓子に使われます。

ナッツの味は、大きく3つのカテゴリに分かれます。まず、香ばしさが特徴のものには、アーモンドやヘーゼルナッツがあります。甘みがあってコクがあるナッツは、カシューナッツやマカダミアナッツ、くるみやピーカンナッツは少し苦味があるのが特徴です。それぞれの風味の特徴にあった用途で利用されていますね。

甘みが凝縮されたドライフルーツ

── 小島屋さんではナッツのほかにドライフルーツも扱われていますが、ドライフルーツとフルーツの違いについて教えていただけますか?

小島さん:ドライフルーツは、乾燥させることで味や香りがぎゅっと凝縮されているのが特徴です。たとえば、鰹節は、干すことで旨味や香りが強くなっていますよね。ドライフルーツも同様に、乾燥させることで、それぞれの酸味や甘み、苦味などが強くなるんです。レモンの場合は、酸味や皮の苦味が強調されますし、いちじくの場合は甘さが凝縮されます。

── フルーツを干すことによって、栄養成分に影響はあるのでしょうか?

小島さん:はい、ドライフルーツにすることで栄養成分にも変化があります。ただ、影響の仕方については、製品や加工方法によって異なります。熱処理によってビタミンCが抜けることもありますが、一部のドライマンゴーなどは、ビタミンCが凝縮して残っている場合もあります。一般的には、干すことで何かしらの味や栄養成分が特化されるので、ドライフルーツにはフレッシュフルーツにはない、独自の価値があります。

── フレッシュフルーツとドライフルーツには、異なる魅力があるんですね。それぞれの使い分けについて教えてください。

小島さん:フレッシュフルーツは、旬の時期に新鮮な状態で食べるのが一番おいしいです。ただし、フレッシュフルーツはみずみずしさがある反面、甘みが薄いこともあります。その点、ドライフルーツは甘みが凝縮されているため、満足感が高いというのは1つの利点です。

手軽に栄養補給!ナッツ・ドライフルーツの魅力

── 健康のためにナッツを食べている人も多いと思います。どのような成分が含まれているのでしょうか?

小島さん:ナッツの種類によっても成分がそれぞれ異なります。たとえば、アーモンドはビタミンE、くるみはオメガ3脂肪酸が豊富です。ピスタチオは食物繊維が多く、カシューナッツはマグネシウムが豊富に含まれています。自分の健康ニーズに合わせて選ぶのがおすすめです。

ナッツ全般的にいえることは、良質な脂質とタンパク質、そして食物繊維が多く含まれていることです。

── 良質な脂質とは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

小島さん:良質な脂質とは、酸化しにくい脂質を指します。健康にいい影響を与える効果があることで知られる「オレイン酸」や「オメガ脂肪酸」などが含まれる植物性の脂質です。

タンパク質や脂質の摂取を、動物性の肉からナッツに置き換えたことで、スポーツ選手の体脂肪率や体幹力が改善されたというデータも出ており、実際にプロサッカーチームの「ジェフユナイテッド市原・千葉」では、選手の食事改善にナッツを取り入れています。日ごろ摂取している動物性のタンパク質・脂質を、ナッツを食べることで植物性のタンパク質や脂質に置き換えることもおすすめですよ。

──おいしく食べることができ、栄養補給にも健康維持にもなるのは嬉しいですね。

小島さん:そうですね。ナッツの大きなメリットは、いつでもどこでも手軽に食べられることです。オフィスなどでも、少量のナッツを食べることで、手軽に栄養補給ができます。食物繊維や鉄分はほかの食材から摂取するのはなかなか難しいこともありますが、ナッツは簡単に食べられるため、非常に便利です。

── ナッツの摂取の目安について教えていただけますか?

小島さん:ナッツの摂取量は、1日200キロカロリー程度が推奨されています。これは手のひら一杯分くらいの量です。ナッツはカロリーが高いため、食べ過ぎないように注意が必要です。袋から直接食べるとついつい食べすぎてしまうので、食べる分だけお皿に出すことで、食べ過ぎを防ぐことができます。

── 1食ごとに分けられた小袋タイプもありますよね。

小島さん:はい、ですが実は、小袋のナッツはあまりおすすめしていません。ナッツをよく食べる人に「おいしいですか?」と聞くと、皆さん「そんなにおいしいとは思わない」とおっしゃいます。その原因の1つが空気量だと思っています。大きい袋では、空気を抜いてパッキングするため、ナッツの酸化を防ぎやすいです。しかし、小袋は機械で詰めるため、空気を抜く工程がありません。そのため、小袋内のナッツは空気に触れる量が多くなり、風味が落ちやすいんです。

── 空気に触れることで風味が落ちてしまうんですね。大袋で保管する際にも気をつけたほうがいいでしょうか?

小島さん:大きい袋でナッツを購入した場合、先に4つ程度に小分けすることをおすすめしています。1キロの袋を30回も開けると、そのたびに新鮮な空気が入ってしまいますが、最初に小分けしておくことで、開ける回数を減らし、風味を保ちやすくなります。ジップロックのような密閉できる袋を使って、小分けにするといいですよ。

空気に触れさせないことと、できるだけ早く食べること、この2つが重要です。作られてから早く消費することで、ナッツの新鮮な風味を楽しむことができます。保管場所は涼しく乾燥した場所が適しています。

目的に合わせてナッツ・ドライフルーツを選ぼう

──他にナッツのおすすめの選び方・楽しみ方があれば、アドバイスをいただけますか?

小島さん:そうですね、ナッツの選び方は大きく分けて3つの視点があります。料理に使う場合、お酒のおつまみにする場合、そして健康のために食べる場合です。この3つの視点から選ぶことで、自分に合ったナッツを見つけることができます。

料理で楽しむ

──  ナッツを取り入れる目的に合わせておすすめが異なるんですね。まず、料理に使う場合について教えてください

小島さん:料理に使う場合、ナッツの種類によって風味や食感が異なるので、料理の目的に応じて選んでください。

アーモンドやヘーゼルナッツは香ばしさが特徴なので、サラダやパスタのトッピングとして使うと風味が増します。カシューナッツやマカダミアナッツは甘みとコクがあるので、デザートや煮込み料理に適しています。くるみやピーカンナッツは少し苦味があるので、和え物やパンに入れるとアクセントになりますね。

たとえば、サラダにはアーモンドやヘーゼルナッツ、カレーや煮込み料理にはカシューナッツがよく合います。くるみを白和えに使ったり、落花生をペースト状にして和え物に使ったりする方も多いですよ。

弊社のサイトでは「GOOD NUTS GOOD SALAD」というサラダ専用のナッツミックスも提供しています。1つは一般的なナッツだけを混ぜたもの、もう1つはスパイスも一緒に混ぜたものです。油とお酢をかけるだけで簡単においしいサラダが完成します。野菜だけのサラダよりも、ナッツを加えることで食感と風味が増し、よりおいしく仕上がりますよ。

──  さまざまな取り入れ方があるんですね。サラダにかけるだけなら、初心者でも簡単に取り入れられそうです!

お酒のおつまみとして楽しむ

── それではお酒のおつまみにする場合のおすすめも教えていただけますか?

小島さん:お酒のおつまみにする場合は、ナッツの味付けやスパイスの有無によって選ぶのがおすすめです。ワインに合わせるなら、スパイスの効いたナッツが合いますし、ビールには塩味のナッツがよく合います。

日本酒に合うのは、一般的にドライフルーツのほうが多いですね。とくにコクのある日本酒にはデーツがよく合います。最初は冗談でデーツを日本酒と一緒に試したのですが、驚くほど相性が良く、その後は日本酒の専門家からも好評をいただきました。

デーツは干し柿に似た風味と食感があるので、干し柿が日本酒とよく合うのと同じように、デーツもその甘さとコクが日本酒にぴったりなんです。秋田の日本酒協会からもデーツを試飲会に使いたいとの依頼があり、プロの方々にも相性の良さが認められています。

── デーツと日本酒、新鮮な組み合わせですが、理由を聞くと納得です。ドライフルーツは、ワインとの相性もよさそうですね。

小島さん:そうですね。ワインにもドライフルーツがよく合い、とくにマンゴーなどは白ワインにぴったりです。ただし、ドライフルーツはそのまま食べると甘すぎることがあるので、小さく切って少量ずつ食べるのがポイントです。たとえば、マンゴーですと、5ミリぐらいの幅に切ると、ワインと一緒に食べても甘すぎず、程よい甘みが加わっておいしくなります。

健康的を意識して楽しむ

── それでは最後に、健康のために食べる場合の選び方を教えていただけますか?

小島さん:健康のために食べる場合も、自分が求める効果に合ったナッツを選ぶことが重要です。

素焼きナッツは低糖質で塩分が少ないのが特徴ですので、ダイエット中の方や血圧が高い方に向いています。タンパク質を補いたい場合は、タンパク質が多いアーモンドやピスタチオがいいですね。寝付きが悪い人には、マグネシウムが豊富なアーモンドやカシューナッツがいいでしょう。

── ダイエットにいいナッツの使い方を教えていただけますか?

小島さん:ダイエット中の方は、ナッツを炭水化物の代わりに取り入れることもおすすめです。たとえば、お肉をよく食べる方は、動物性タンパク質と油脂を植物性のナッツに置き換えることで、健康的な食事になります。弊社では、タンパク質が多めに配合されたミックスナッツも提供していますよ。

── 目的に合わせたいろいろな商品も展開されているんですね。おやつとしてのおすすめの食べ方はありますか?

小島さん:ナッツをそのまま食べるのも良いですが、ヨーグルトに混ぜたり、チョコレートでコーティングしたりするのもおいしいです。おやつには、アーモンドやくるみが人気があります。

そのまま食べるのが苦手な方は、自分の好きな飲み物や食べ物と組み合わせて食べるのがおすすめです。たとえば、ビールが好きならおつまみにしてみたり、紅茶やコーヒーが好きならそれに合わせてみるといいですね。

とくにコーヒーや紅茶にはキャラメリゼナッツやドライフルーツのイチジク、デーツがよく合います。デーツはとくにコーヒーとの相性が良く、アラビアではアラビックコーヒーと一緒に提供されることが多いです。紅茶にはオレンジやリンゴなどの柑橘系のドライフルーツもおすすめです。

── キャラメリゼナッツとは、どんなナッツでしょうか?

小島さん:キャラメリゼナッツは、砂糖や糖蜜をナッツにコーティングして火を入れ、軽く焦がしたものです。キャラメル味とは少し異なり、薄く砂糖がコーティングされていて、風味はプリンの上の部分のような感じです。コーヒーや紅茶に合わせると、ナッツの甘みが引き立ち、おいしく食べられますよ。

── 普段のおやつをナッツやドライフルーツに置き換えるのもおしゃれで健康的ですね。ナッツやドライフルーツのおいしい取り入れ方をたくさんご紹介いただき、ありがとうございました!

編集後期:
ナッツやドライフルーツは、日々の食生活に手軽に取り入れられる魅力的な食品です。今回の取材を通して、ナッツが持つ多様な風味や食感の違い、ドライフルーツの濃厚な甘みの秘密に触れることができました。健康を意識した選び方や、お酒のおつまみとしての楽しみ方、料理に取り入れるコツなど、使い方も実にさまざまです。特に印象的だったのは、ナッツやドライフルーツがただの「おやつ」ではなく、日常のあらゆるシーンに応じた多彩な利用法があるということ。普段の生活に少しずつ取り入れて、自分好みの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか

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