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豊富な食物繊維に低脂質・高タンパク質食材「黄えんどう豆」と「まるごと野菜」の楽しみ方【ZENB】

低脂質・高タンパク質で、食物繊維や鉄分、ビタミンB1などの栄養素が豊富に含まれている「黄えんどう豆」。その栄養価の高さに注目し、豆や野菜のまるごと食体験を提供する「ZENB」では、黄えんどう豆を使ったさまざまな製品を展開している。日本ではまだ認知度が低いものの、海外では伝統的な料理にも取り入れられており、グルテンフリーや低糖質を意識する方にとっても理想的な食材。そこで今回は、ZENBの佐藤さんに黄えんどう豆、まるごと食体験について詳しくお話を伺った。

佐藤さん

株式会社MizkanHoldings執行役員
ZENB事業マーケティング&ダイレクトグループリーダー

1999年入社。家庭用商品を中心にセールス、マーケター及び両部門のマネジメント職としての経験を積み2017年より執行役員役員室長、営業本部長、MD(現マーケティング)本部長、仕入統括部長を歴任。 2022年10月より新規事業であるZENB事業のマーケティング管掌。24年7月より現職。

本記事のリリース情報

ウェルビーイングに特化した「Wellulu」で、ZENBが紹介されました。

目次

黄えんどう豆とは?豆のもつ栄養とそのはたらき

──まずはじめに、黄えんどう豆について教えていただけますか?

佐藤さん:黄えんどう豆は主要産地であるアメリカではペットフードとしての用途が最も多い雑豆(パルス)の1つです。乾燥に強いなど、栽培のしやすさもあって、遺伝子組み換え(GMO)が存在しない品種でもあります。

海外では、北欧や中東などで昔から豆料理として食べられていて、スウェーデンの煮込み料理「アートソッパ」や、インドの豆カレー「ダルカレー」などが親しまれていますね。

──海外では実際に料理としても親しまれているんですね。日本では、まだ豆料理としての認知度は低いのでしょうか?

佐藤さん:そうですね、料理としての認知度はまだまだ低いと思います。恐らくピープロテインの原料と言えば、何となくわかる方がいるかなというレベルではないでしょうか。

黄えんどう豆の産地は、アメリカ、カナダが多く、栽培工程で水をあまり使わなくていいことから、乾燥地帯でも育てやすい作物です。また、マメ科植物の根に住み着く根粒菌(土壌微生物)が、窒素固定という植物の生育に必要な窒素を豆に供給するはたらきをしてくれるため、化学肥料も使用しなくていい点からも、栽培しやすいといわれています。

──栄養素の特徴はいかがですか?

佐藤さん:タンパク質や食物繊維が非常に多く、そのほかにも鉄分といったミネラル、ビタミンB1など栄養素がバランスよく含まれていますよ。また大豆のように油分が多い豆ではないことが雑豆の特徴でもありますので、脂質も低いですね。

グルテンフリー・高タンパク質食におすすめ!

──低脂質・高タンパクで、栄養価の高い食材なんですね。

佐藤さん:黄えんどう豆は、低脂質・高タンパク質で食物繊維を多く含むうえに、小麦やお米に比べて糖質も控えられるという特徴もあります。そのため、主菜・副菜として食べるというよりは、いわゆる主食としてパンやお米と置き換えて食べていただくことで、低糖質やグルテンフリーといったメリットを感じていただけます。

また、グルテンフリー食やダイエットをおこなっている人、高タンパク質食を意識している人では、食物繊維や鉄分が不足しがちなのですが、栄養バランスのよい黄えんどう豆を使用した食材を食べていただくことで、それらの栄養素も補えます。

──グルテンフリーの食材でありながら、通常不足しがちな栄養素も補えるのは、黄えんどう豆ならではの強みですね!

佐藤さん:とくに鉄分を多く含む食材は、ひじきやレバーなど、癖があってなかなか食べづらさを感じやすい食材も多く、鉄分はサプリメントで補っているという方も少なくありません。黄えんどう豆を使用した食材を食べることで、不足しがちな栄養素を補えるのは、とても大きな強みであると感じています。

豆臭さがを抑えながら、風味やおいしさはちゃんと生かしつつ、豆に対してプラスのイメージを持っていただけるような商品開発、メニュー提案を常に意識して取り組んでいます。

豆を「健康のために食べる」という以前に、食の基本でもある「おいしいから食べる」というポジティブなモチベーションを増やすこと。その結果として、意識せずとも自然に健康を維持できているような世の中の姿を、私たちZENBでは目指しています。

──「我慢して食べる」ではなく、「おいしいから食べる!」方が、断然食生活も豊かになりそうです!

身体にも地球にもやさしい!“まるごと食べる”という食生活

──ただ栄養のためにと考えるだけでなく、おいしく食事を摂って自然と栄養が取れるのは嬉しいです!

佐藤さん:はい、おっしゃるとおりです。弊社のZENBブランドのコンセプトとして、単なるプラントベースではなく、「野菜の普段捨ててしまっている皮や芯、種なども可能な限りまるごと使う」ことを掲げています。

低糖質ダイエットやグルテンフリーを目的にご愛用いただくのももちろんありがたいのですが「素材をまるごと食べることのすばらしさ」も、もっと伝えていきたいですね。まさにそれこそ、地球にも身体にもやさしい、ウェルビーイングにつながる食卓だと考えています。

──「素材をまるごと食べる」ことについて、あまり意識したことがありませんでしたが、たしかに、日々食べる野菜を振り返ってみても、皮を剥いたり、芯を取ったり…。まるごと食べる機会が少ないかもしれません。

佐藤さん:黄えんどう豆に限らず、皮には多くの食物繊維が含まれています。ただし、食物繊維は切りづらさやボソボソした食感などの要因となり、製造の観点からみると、食物繊維が多いということは、加工が非常に難しいということでもあります。

加工工程を考えると、薄皮を使用しないほうが楽なのですが、やはり私たちとしては「まるごと野菜」の考えを大切にしたかったんです。薄皮も使った製麺を作り上げるまで、開発期間はとても長かったですね。

──薄皮まで全部使ってこその「まるごと野菜」なんですね!

──一般の家庭でも、野菜の皮や種などの多くは捨てられてしまっていますよね。

佐藤さん:そうですよね。たとえば、とうもろこしの芯、ビーツの皮、カボチャの種などはほとんどのご家庭で捨てられてしまっているかと思います。ですが、とうもろこしの芯は食物繊維が豊富だったり、ビーツの皮にはポリフェノールが多く含まれていたりします。とうもろこしの芯を炊飯器のジャーに一緒に入れてご飯を炊くと、甘くなったりするんですよ。

野菜の種類によって、茹でたほうがいいもの、蒸したほうがいいものなど、それぞれにあった調理法が異なるのですが、ご家庭でも工夫できることはたくさんあると思います。

──とうもろこしの芯と一緒にお米を炊くんですか! 知識がないだけで、栄養とおいしさを無駄にしてしまっているのは、もったいないですね。

佐藤さん:植物も生きるために栄養素を貯めたり、外的要因から身を守るために抗酸化物質を蓄えたりしているんです。おいしく食べるための技術がないため、捨てられてしまっている部分があることは、非常に悲しいですよね。

「まるごと野菜」は、サスティナブルでありながら、栄養素も甘みも苦味も、素材の特徴を余すところなく取り入れられる方法です。家庭で実践するにはまだまだ難しいところもありますが、まるごと野菜を食べられるようにする技術は、これからも世の中にどんどん広がっていくべきだと思います。

── ほぼ毎日、毎食食べる主食自体に、素材の栄養素がまるごと詰まっているなんて…! 私たちの健康も大きく改善していきそうですね。それでいてサスティナブルで地球に優しく、すばらしい考え方ですね。

佐藤さん:ありがとうございます。ただ、私たちZENBは「サスティナブルです」というメッセージを強く前面に押し出すことは敢えてしていないんですよ。

たとえば「豆を使った麺やパンを紹介してもらって食べてみたらおいしかった」となれば、興味を持って、商品について調べてみたりするじゃないですか。最初から「地球に優しいものです」と押し付けるのではなく「おいしかったから調べてみたら、実は地球環境にもいいらしい」というような出会いを大切にしたいなと思っています。

「食生活を変えましょう」「地球環境にいいものを食べましょう」と呼びかけるのではなく、おいしくて食べていたら、結果的に食生活も健康的になり、地球環境にもよいことをしている…というのが少しずつ広がっていけば、私たちが目標にしている「人と地球にやさしい食生活」というのが世界に浸透していくのではと考えています。

まずは気軽に始めよう!グルテンフリーライフのすすめ

──黄えんどう豆を家庭で取り入れるおすすめの方法はありますか?

佐藤さん:先ほどお話したとおり、そもそも日本では文化的に黄えんどう豆を食べる習慣がないので、家庭で取り入れようと思うと結構大変だと思います。

弊社のZENB NOODLEは1食80gとなっていますが、これを煮豆にすると約200gの豆が必要となり、お茶碗1杯半〜2杯も食べなければなりません。あまり現実的ではないですよね。

そこで、手軽かつストレスなく、黄えんどう豆やグルテンフリーを生活に取り入れられる「ZENB」の商品を手に取っていただくのも1つの方法かなと思います。「普通のパスタと思って食べたらグルテンフリーだった」「毎日でも食べたいおいしいグルテンフリーのパンがある」といった感じで、ポジティブに続けていただけると嬉しいですね。

── 手軽にグルテンフリーを生活に取り入れることができるのはありがたいです。

佐藤さん:ありがとうございます。グルテンフリーを生活に取り入れるおすすめの方法は、目的にもよるかなと思ってます。

「なんとなく小麦を減らしたい」時に、今はお米やとうもろこし、ひよこ豆、もちろんZENBも含め、パスタやパンなど、幅広くグルテンフリーに置き換えられる選択肢があります。まずは取り入れやすいメニューから試していただくのが良いと思います。

また、麺は健康を意識してグルテンフリーにするけれど、かけるソースはグルテンフリーにこだわらず、濃厚なものを使っておいしさを重視する…という方法でも、1食あたりのグルテン量は減らすことができます。

全部を完璧にグルテンフリーにしようとして、金額も高く、おいしさも損なわれ、結局続かないとなってしまったら非常にもったいないと思うんです。無理なく続ける方法を選ぶことが重要だと思います。

── 無理なく取り入れるという点でも、おいしく食べられるZENBさんの商品は魅力的ですね。

佐藤さん:ZENB NOODLEにも、パスタやラーメン、焼きそばに向いているもちもち食感の丸麺と、そうめんやまぜ麺、ビーフンにおすすめのつるっと食感の細麺があります。ゆで時間4分で作ることができるラーメン用の麺、グラタン、サラダに便利なマカロニタイプのものも出ていますよ。

── そんなにたくさんバリエーションがあるんですね! おすすめの食べ方があれば、ぜひ教えていただきたいです。

佐藤さん:丸麺を茹でて、オリーブオイルとツナ、玉ねぎで炒めて食べるとおいしくて、週1度は食べるほどはまっています。

弊社でもグルテンフリー&プラントベースのパスタソースを数種類販売しておりまして、とくにはじめて豆の麺を食べられる方は、「トマトの無水ソース」や「香味野菜のベジボロネーゼ」などのトマトソース系からはじめてみるのがおすすめです。

クリーム系のソースも濃厚で食べやすいですよ。弊社の商品も含め、いろいろ活用しながら、お好きな食べ方を見つけていっていただければと思います。

──アレンジもおいしそうです!食事をおいしく楽しみながら、栄養バランスを整えていけそうですね。

佐藤さん:ありがとうございます。実は、私はもともと豆があまり好きではなかったんですが、ZENBを食べ続けているうちに、豆の旨み、風味がクセになるくらい好きになりました。

また、ZENBヌードルを食べるようになってから、カップ麺をほぼ食べなくなったんですが、高校生の息子が家でよく食べているのでこの前一口もらったら、感動的なおいしさだったんです。「小麦のおいしさ」を再認識できた瞬間でした。

こういった視点からも、グルテンフリーの生活をベースにしなくても、たまにグルテンフリーを挟むだけで食生活がすごく豊かになるなと感じます。

──最後に、ZENBさんが目指されていた「人と社会と地球の健康」について、日ごろから私たちが実践できることがあれば教えていただけますか?

佐藤さん:野菜でも果物でもいいので「どうやって作られているか?」という点に興味を持つことが大切かなと思います。食卓に行き着くまでの工程の難しさであったり、劣化させないためにこんなものを使ってるんだというネガティブな情報も含めて、まず「知る」ことが大事ですよね。

その一環として、私たち食品メーカーや農家、酪農家の方々など「生産者」に興味を持って、ニュースなどみていただけると嬉しいなと思います。

Wellulu編集後記:
今回の取材を通じて、黄えんどう豆の魅力を改めて認識することができました。栄養価が高く、健康的な食生活を支えるこの豆は、グルテンフリーや低糖質を意識する方にとってもおすすめ。ZENBのように「おいしくて結果的に健康に良い」というアプローチで、黄えんどう豆の普及が進むことを期待しています。また、「まるごと野菜」の考え方も、環境にやさしく、栄養を無駄にしない素晴らしい提案です。食卓に自然の恵みを取り入れ、サスティナブルな生活を実現するために、黄えんどう豆を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。何よりも「おいしく楽しむ!」ことがポイントです。

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