誰もが一度くらいは、お腹は空いているけど、食事をするのは面倒と感じた経験があるはず。食事を面倒だと感じる日々が続いてしまうと、食事が不規則になってしまったり、栄養バランスが崩れてしまうことも。
本記事では、そんな「ごはんを食べるのがめんどくさい」と感じる原因や対策方法をご紹介。簡単に栄養がとれるメニューも紹介しているので、ぜひ参考にしてみて。
この記事の監修者
高瀬 友理亜さん
栄養クリニック表参道院/宮古島本院 総院長
みぞぐちクリニック 勤務医
お腹空いているけど食べるのがめんどくさい時の原因や心理は?
食事をするのがめんどくさいと感じる理由は人それぞれ。まずは原因や心理について詳しく見ていこう。
- 1人暮らしで料理するモチベーションが上がらない
- 仕事や勉強で忙しい
- うつ症状により食欲が低下している可能性がある
- 食事より優先順位が高いことがある
- 買い物やメニューを考えるのが面倒
- ストレスで食べる気が起きない
1人暮らしで料理するモチベーションが上がらない
1人暮らしの場合、自分のためだけに料理をするモチベーションがなかなか上がらないことも多い。食事を作る手間や後片付けを考えるとめんどくさいと感じたり、1人分の料理だと食材が余りがちになるため、食材がもったいないと感じたり、さまざまな理由から料理に手を付けられなくなってしまう。
自炊に時間をかけるより外食やコンビニ食で済ませたいと思うのは、自然な心理。
仕事や勉強で忙しい
1日の時間は限られているので、仕事や勉強など、やるべきことに追われていると、食事の優先順位が下がってしまうことがある。空腹を感じていたとしても、食事の準備に時間を割くことが難しかったり、食べるよりも先にやるべきことを片付けようという意識がはたらき、食事が後回しになりがち。
そもそも忙しい時期は、食事を食べていてもゆっくり楽しむ余裕を持てないので、食事を面倒に感じてしまう場合が多い。
忙しくてコンビニで食事を買う場合は、カップ麺やお弁当よりも、ゆで卵やサラダチキンのようなたんぱく質を多く含む食材を選びましょう。栄養バランスを崩さず、手軽に食事を済ませることができます。
うつ症状により食欲が低下している可能性がある
うつ症状のひとつに食欲不振があり、食べる気力が湧かない状態が続くことがある。
うつ状態では、美味しいと感じる感覚が鈍くなるため、食事への興味が薄れてしまったり、自己肯定感の低下から自分のことを大切にできなくなり、食事への意欲が失われることも。
うつ症状による食欲不振が考えられる場合や、固形物を食べられなくなるなどの症状が見られたら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。たんぱく質不足もメンタルヘルスに影響を及ぼすので、日頃からできるだけ食事内容にたんぱく質を入れるように心がけましょう。
食事より優先順位が高いことがある
食事よりも優先したいことがあると、食べるのが面倒に感じることがある。趣味に没頭していたり、人と会う約束があったりして、食事の優先順位が下がってしまうことも。
疲れているときは食事の支度をするよりも、早く寝ることを優先したくなるかもしれない。自分にとって大切なことを優先するのは悪くないが、食事は健康の基本なので、できるだけ規則正しく取るよう心がけたい。
買い物やメニューを考えるのが面倒
毎日の食事のメニューを考えたり、必要な食材を買い物したりするのは意外と大変。メニューを考える際にさらにバランスの取れた食事を心がけようとすると、カロリーや栄養素まで意識しなければならず、なおさら面倒に感じてしまう。
また、食材の買い出しも仕事帰りにスーパーに立ち寄り、重たい荷物を持って帰るのは労力が必要。食材を余らせないためには、冷蔵庫にあるものを把握しておかなければならず、なかなか頭も使う作業。
メニュー決めや買い物の面倒くささを解消するには、メニューの決め方をシンプルにしたり、まとめ買いするのも一つの手。
ストレスで食べる気が起きない
ストレスで気持ちが落ち込んでいると、美味しいと感じる感覚が鈍くなり、食事への意欲が失われやすい。食欲も湧かず、食べるのが面倒になってしまうことがある。
食欲が落ちてしまうほどストレスを溜め込みすぎないよう、自分なりのストレス解消法を見つけることが大切。
「食事がめんどくさい」が続くと起きてしまうこと
- 栄養バランスが崩れ、体調不良を引き起こす
- 代謝が低下し、痩せにくい体質になるリスク
- 食べないストレスにより、かえって太る可能性も
- 体力が低下して、気力や活動力がなくなる
栄養バランスが崩れ、体調不良を引き起こす
食事をしっかり摂れていないと、身体に必要な栄養素が不足して、栄養バランスが崩れてしまう。たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が足りなくなると、身体の機能が正常に働かなくなる。
その結果、体調不良を引き起こしやすくなり、免疫力の低下、疲労感、頭痛、肌荒れなど様々な症状が現れることも。栄養バランスの取れた食事を心がけることで、身体の健康を維持し、病気のリスクを減らすことができる。
日々バランスの良い食事をとることが難しかったり、食欲不振が続いている場合でも、最低限の栄養補給として1日1個、卵を摂ることがおすすめです。鉄分不足などの理由で飲み込むのが難しい場合は、温泉卵にすると飲み込みやすいです。
普通に食事を食べられる状態であれば、鉄分補給のためにも赤身の肉を積極的にとるようにしましょう。
代謝が低下し、痩せにくい体質になるリスク
食事を抜くと、身体が飢餓状態に陥ったと判断しエネルギーを蓄えようとする。その結果、人によっては基礎代謝が低下して、カロリーの消費が抑えられてしまうので、痩せにくい体質になってしまうことがある。
また、身体を作るために必要な栄養素も不足してしまうため、筋肉量が減少し、代謝をさらに低下させるという悪循環に。健康的に痩せるためには、栄養バランスの取れた食事と適度な運動を組み合わせることが大切。
身体の状態に合わない食事制限は逆効果になることを理解しておこう。
とくに代謝をアップさせるためには、動物性のたんぱく質を意識することが効果的。身体の代謝を助けてくれるビタミンB群が豊富に含まれており、バランスよく栄養を摂取することができる。
食べないストレスにより、かえって太る可能性も
無理に食事を我慢すると、心理的なストレスが溜まり、かえって食べ過ぎてしまうことがある。ストレス解消のために高カロリーな食べ物を欲してしまったり、一度に大量に食べてしまったり、暴飲暴食につながるリスクが。
また、ストレスを抱えるとコルチゾールなどのホルモンが分泌され、身体が脂肪を蓄積しやすい状態になってしまうこともある。食事を抜くことによって身体に不要なストレスをかけてしまわないよう、適度に満足感を得られる食事を心がけることがおすすめ。
ストレスで食べすぎてしまう傾向がある場合、原因のひとつとして日々の栄養不足が考えられます。とくに鉄分や亜鉛の不足は血液検査でも明らかにすることができるので、ストレスと過食で悩んでいる人は、早めに医療機関に相談しましょう。
体力が低下して、気力や活動力がなくなる
食事は身体のエネルギー源。十分な栄養を摂取できないと、体力が低下して、日常生活に支障をきたしてしまう。たんぱく質不足は、筋肉量の減少につながり、疲労感や倦怠感を引き起こす。
カロリー不足になると脳のエネルギーが足りなくなり、集中力や思考力の低下を招いてしまう。体力が低下すると、仕事や勉強の効率が下がるだけでなく、運動する気力もなくなり、健康維持も難しくなってしまうため、面倒だと感じても、身体のエネルギー補給である食事は欠かさないようにしよう。
効果的にエネルギーを摂るためには、とくに脂質の摂取がおすすめです。脂質が多く含まれるアーモンドやそのほかのナッツ類は、わずか数粒で長時間エネルギーを保つことができます。
一方で、飴のような糖質が多いものを摂取すると血糖値が急上昇し、効果も約2時間ほどで持続しないので避けるようにしましょう。
食べるのがめんどくさい時の対策方法
食事を怠ってしまうと、さまざまな体調不良を引き起こす可能性があるため、食べるのがめんどくさいと感じる場合でも、できるだけ健康的な食事を心がけることが大切。
食事面でできる工夫、食事以外での工夫をそれぞれを紹介。
- コンビニやスーパーの惣菜を上手に活用する
- 作り置きおかずを週末にまとめて準備しておく
- 食材宅配サービスを利用して買い物の手間を省く
- 適度に外食をする
- 作れる時短メニューを増やす
- ミールキットなどのサービスを活用する
- 友人や家族を呼んで複数人で食事をする
- 他のことは気にせず、食事だけに集中する
- 軽めの運動をして身体のコンディションを上げる
【食事面】コンビニやスーパーの惣菜を上手に活用する
コンビニやスーパーの惣菜は、バラエティ豊かで手軽に食べられるのが魅力。野菜や肉、魚など、健康的なメニューを選べば、栄養バランスの良い食事になる。
惣菜を主食と組み合わせれば、簡単に栄養バランスの摂れた一食が完成するので、忙しい日や疲れているときに活用するのがおすすめ。
【食事面】作り置きおかずを週末にまとめて準備しておく
食事の準備にかかる時間と労力を節約するために、週末に時間を取って、作り置きおかずを準備しておくのもおすすめ。一度にたくさん作ることで、食費も節約でき、食材が余ってしまうのを防ぐこともできる。
煮物、焼き物、和え物など、日持ちするおかずを作っておけば、平日の食事の支度が楽に。平日は作り置きおかずに、主食とみそ汁を合わせるだけで、毎日バランスのよいごはんを食べることができ、健康的な食生活を送れる。
自動調理器を活用すれば、作り置きの手間もさらに減らすことができる。
【食事面】食材宅配サービスを利用して買い物の手間を省く
食材宅配サービスを使えば、届いた食材をレシピ通りに調理するだけで、健康的な食事を用意することができる。メニューを決めたり、食材を買い出しに行ったりする手間を省くことができるので、自炊はしたいけれど、準備が面倒という人におすすめ。
食材宅配サービスによって提供されているプランはさまざま。1人暮らし向けのプランもあるので、自分に合ったものを選んでみよう。
【食事面】適度に外食をする
自炊が面倒な時は、外食するのも一つの手。たまには外食を楽しむことで、良い気分転換にもなる。
1人でも入りやすいファミリーレストランや定食屋なら、バランスの取れた食事も揃っている。より健康的な食事を意識するなら、洋食より和食の方が栄養バランスが摂れたものが多いため、食事の質を落とさずに外食を楽しむことができる。
魚を含む和食メニューがおすすめで、とくに鯖のような青魚は健康的。ただし、洋食や中華でも選び方次第で健康な食事をとることができる。メニュー表の糖質量や主菜・副菜・主食がそろっているかなどをチェックしてみよう。
【食事面】作れる時短メニューを増やす
料理に自信がなく、自炊する気になれないという場合は、すぐにマスターしやすい時短メニューに挑戦するのがおすすめ。たとえば、納豆ご飯、卵かけご飯、ツナサラダ、豆腐ステーキなどは、材料を混ぜたり焼いたりするだけで簡単に作れる。
自分の得意な時短メニューを増やせば、食事の準備も苦にならない。
時短メニューとしておすすめなのが、鶏肉のチーズ焼きです。鶏肉にココナッツチーズや豆乳チーズを乗せ、オーブンで焼くだけなので、調理も簡単で、栄養バランスも抜群。
醤油を少量加えるだけで味が引き立ち、冷凍のブロッコリーを添えることでさらに栄養価が高まります。
【食事面】ミールキットなどのサービスを活用する
自炊をしたいけど、準備時間を減らしたいという人は、調理に必要な分量の食材が届くミールキットもおすすめ。
日々のメニューを考える必要がないことはもちろん、カット済み・下ごしらえ済みのキットも多いので、料理が苦手な人でも、レシピ通りに焼いたり混ぜたりするだけで、失敗知らずで料理を楽しめる。
栄養バランスを意識した、健康的なメニューが豊富なのも魅力。
【食事以外】友人や家族を呼んで複数人で食事をする
友人や家族を呼んで、複数人で食事をすれば、会話も弾み、食べる意欲が湧いてくる。1人ではめんどくさいと感じる料理も、誰かのためであれば張り切って作れる場合も。
料理が苦手な人は、友達や家族と一緒に作ることで、料理を楽しむきっかけにもなる。誰かと一緒に食事をすることは、食事の時間をより楽しいものに変え、日々の生活に彩りを加えるのに効果的。
【食事以外】他のことは気にせず、食事だけに集中する
仕事や勉強をしながら食事を摂る人もいるが、食事中は、なるべく別のことを考えず、食べることだけに集中するようにしよう。食事に集中することで、満足感が得られ、次の食事への意欲にもつながる。
また、ゆっくり噛んで食べることで、消化にも良い影響を与える。他人と一緒に食事を摂ることも、1人で食べる場合に比べ、食事に集中できるという大きなメリットがある。
会話を楽しみながらゆっくり食事をすることは、ながら食べの癖を防ぎ、消化にもよい。
【食事以外】軽めの運動をして身体のコンディションを上げる
適度な運動は、食欲を増進させる効果がある。なかなか食欲が湧かなかったり、運動不足を感じている人は、散歩やストレッチなど、軽めの運動を食事後に取り入れるのがおすすめ。
身体を動かすことで、代謝が上がり、食べる意欲が湧いてくる。適度な運動としては、緑豊かな公園で週に2〜3回散歩をしたり、自宅で簡単なスクワットをおこなったりするのがおすすめ。
筋肉量を増やすためにも、筋トレは効果的。週に何キロも走るような難易度の高い目標設定は避け、無理なく継続できる目標を立てることが大切。
食べるのがめんどくさいときにに役立つ食品や代替案
料理をしたくないけれど、できるだけ健康に気をつけた食事をしたい場合に知っておきたい情報をご紹介。スーパーやコンビニで手軽に購入することができる、食事の代替となる食品についてみていこう。
- 食欲増進効果のあるビタミンBやバランス栄養食品
- おやつ感覚で食べられるナッツ類
食欲増進効果のあるビタミンBやバランス栄養食品
食欲がない時は、食欲増進効果のあるビタミンBを意識的に摂取してみよう。ビタミンB1、B2、B6などは、エネルギー代謝を助け、神経を整える働きがある。豚肉、レバー、卵黄、緑黄色野菜などに多く含まれている。
調理をするのが難しい場合は、ビタミンBが多く含まれているバーやゼリー飲料などのバランス栄養食などを摂取するのもいい。日頃から具だくさんの味噌汁、野菜たっぷりの鍋物など、バランスの取れた食事を心がけよう。
おやつ感覚で食べられるナッツ類
食事とは別に、おやつ感覚で食べられるナッツ類や果物を常備しておくのもおすすめ。ナッツ類は、不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富。アーモンド、クルミ、マカダミアナッツなど、種類も豊富なので飽きずに食べられる。
小腹が空いた時や、食事の量が少なめのときに、手軽に栄養を補給できる心強い味方。
果物は果糖が多く含まれていて、摂取することで血糖値が急激に上がる可能性があります。朝食にフルーツだけを食べるのは避け、食事の後にデザートとして果物を取るようにしたり、アボカドのように果糖が少ない果物を選ぶことで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。
糖の摂りすぎは、血液中の余分な糖分が、体内のたんぱく質や脂質と結びついて老化促進物質を作り出す「糖化」を促してしまうために注意しましょう。
食べるのがめんどくさい時に栄養バランスをどう整える?おすすめの食材の選び方
栄養バランスを意識して日々のメニューを考えるのは、意外と頭と労力を使い、日に日に面倒に感じてしまうもの。
忙しいときでも栄養バランスの摂れた食生活を続けるために、押さえておきたいポイントをご紹介。
- 主食・主菜・副菜のバランスを考えた食事を心がける
- 不足しがちな野菜は冷凍野菜を活用して補う
- たんぱく質は肉・魚・大豆製品から効率的に摂取
主食・主菜・副菜のバランスを考えた食事を心がける
食事の栄養バランスを整えるために、主食・主菜・副菜の組み合わせを意識することが大切。
主食は炭水化物、主菜はたんぱく質、副菜はビタミン・ミネラル・食物繊維の供給源になる。炭水化物は脳のエネルギー源、たんぱく質は筋肉や臓器の材料、ビタミン・ミネラルは身体の調子を整える働きがあるので、この3つの栄養素をそろえることを心がけよう。
簡単な例として、主食にご飯やパン、主菜に肉や魚、副菜に野菜を組み合わせると、バランスの取れた食事になる。食べるのがめんどくさい時は、主食と主菜だけでも摂れるように工夫するといい。
たとえば、パンにチーズを挟んだサンドイッチ、丼物、パスタなどは、手軽に主食とたんぱく質が摂れるメニュー。副菜の野菜は、スープや味噌汁に入れたり、漬物やサラダで摂ったりすると、食事のバランスがさらによくなる。
たんぱく質は体の疲労回復に役立ち、エネルギーの持続にも影響するため、疲れにくい身体を作る上で欠かせない栄養素。外食やコンビニ食を利用する際は、糖質が多い丼ものや具の少ないうどんのような食事ではなく、たんぱく質が豊富な食事を選ぶように。
不足しがちな野菜は冷凍野菜を活用して補う
食事の準備がめんどくさい時は、生の野菜を洗ったり切ったりする作業も面倒に感じることも。そんな時は、下処理が済んでいる冷凍野菜を活用するのがおすすめ。
冷凍野菜は、摂りたい分だけ使えることに加え、収穫後すぐに加工・冷凍されるため、鮮度と栄養価が高いのが特徴。冷凍野菜をストックしておけば、いつでも手軽に野菜を食事に取り入れられる。
冷凍野菜の中でも、栄養価が高く、簡単に調理ができるブロッコリーやほうれん草はとくにおすすめ。とうもろこしは糖質が多めなので、摂取量に注意して。
スープや味噌汁、シチューやカレーの具材として活用するのが、冷凍野菜の手軽な使い方。解凍せずにそのまま使えるので、調理時間も短縮できる。また、炒め物や煮物に加えるなど、普段の料理に少し足すだけで、野菜不足を補える。
たんぱく質は肉・魚・大豆製品から効率的に摂取
筋肉や臓器の材料となるたんぱく質は、肉・魚・卵・大豆製品から効率的に摂取できる。中でも、植物性たんぱく質の代表格である、豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品は、調理が簡単なものが多い点が魅力。
豆腐は、冷奴やサラダに活用でき、納豆はご飯やトーストに乗せるだけで食べられる。豆乳は飲むだけでなく、料理の材料としても重宝する。肉や魚も、焼くだけ、炒めるだけで、メインのおかずに。
調理が苦手な人は、レンジで加熱できる蒸し鶏や、焼くだけでOKな魚の切り身を選ぶのがおすすめ。手軽に調理できるゆで卵や、ツナ缶などの加工品も常備しておくと、手軽においしくたんぱく質が摂れる。
食事の準備が面倒だと感じる人には、蒸し料理がおすすめ。調理も簡単で、栄養素の損失も少なく健康的。また、調理の手間がかからないしゃぶしゃぶも、美味しく栄養バランスの良い食事としておすすめ。
【Q&A】食べるのがめんどくさい人の疑問に医師がお答え!
食事を抜くと本当に太るのですか?
A:食事を抜くと一時的に体重が減ることがありますが、長期的に見ると太りやすい体質になってしまう可能性がある。
食事を抜くことで身体が飢餓状態になると、身体がエネルギーを蓄えようとして基礎代謝が低下し、エネルギー消費量が減ってしまいます。そのため、次に食事を摂った時に太りやすくなる人もいるのです。
また、食事を抜くと身体が必要な栄養素を摂取できず、筋肉量が減少する可能性もあります。筋肉量が減ると基礎代謝がさらに低下し、太りやすい体質になってしまうでしょう。
健康的に痩せるためには、食事を抜くのではなく、バランスの取れた食事を規則正しく摂るのが大切です。肉はたんぱく質を効率良く摂取できるので、毎日の食事で少なくとも2食は肉を取り入れるのがおすすめです。
肉を食べることで太る心配は少ないですが、カロリーが気になる場合は、一緒に摂る炭水化物の量に注意するようにしましょう。
食事を怠ると、どのような病気になるリスクがありますか?
A:さまざまな病気のリスクが高まる。
栄養不足によって免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。また、がん、心臓病、脳卒中などの生活習慣病のリスクも高まり、骨粗鬆症や貧血、低血圧など、身体の機能が低下することで発症する病気も起こりやすくなります。
とくにたんぱく質が不足すると、乾燥したり、ハリが失われたりと肌トラブルを引き起こす可能性も。たんぱく質は、毎日適切な量をしっかり摂取することがおすすめです。
また、定期的に食事を摂ることは、血糖値を安定させるためにも重要です。血糖値が低くなりすぎると、情緒不安定に陥ってしまい、人間関係にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。ダイエット中の方は、1日1食などの食事制限がリバウンドのリスクを高めてしまうこともあるので注意しましょう。
食事は、身体の健康を維持するために欠かせないもの。毎日の食事を大切にして、必要な栄養素を十分に摂取するように心がけましょう。
食欲不振が続く場合は病院に行くべきですか?
A:食欲不振が長く続く場合は、病院で診察を受けることをおすすめする。
食欲不振の原因には、ストレス、睡眠不足、体の病気など、さまざまなものがあります。自分では原因がわからない場合は、医師に相談するのが賢明です。とくに、以下のような症状がある場合は要注意。
- 急激な体重減少
- 高熱が続く
- 強い倦怠感や脱力感がある
- 吐き気や嘔吐が継続する
これらの症状を伴う食欲不振は、重大な病気のサインかもしれません。早めに病院で診察を受け、適切な治療を受けることが大切です。
また、睡眠不足は栄養不足とも関連が高いことが知られています。連日、睡眠が取れなかったり、十分な時間を寝ても疲れが取れない場合は、医師の診察を受けることがおすすめです。
幼少期をザンビア、ノルウェー、ナイジェリアで過ごす。ジュニアアスリート、ノルウェーテニス全国大会12歳以下女子シングルス優勝。
帰国後、日本医科大学卒業。日本大学形成外科入局(研究員)と同時に、ドクターズコスメ併設の有名美容皮膚科へ勤務。その後、オーソモレキュラー栄養療法と腸内フローラ・口腔フローラ療法を学び、診療に取り入れる。理想の診療実現のため、2022年栄養クリニック宮古島本院を開院、2024年表参道院を開院。美容診療から難病治療まで幅広く診療している。