
寝たはずなのに疲れが抜けない…などといった朝の不調は、睡眠時間だけでなく、日中の過ごし方や生活習慣、就寝前の行動などが関係していることも。本記事では、朝起きたときに疲れを感じてしまう原因と対策法を詳しく紹介。「朝がつらい」と感じている人は、ぜひ参考にしてみよう。
この記事の監修者

片野 秀樹 博士(医学)
一般社団法人日本リカバリー協会代表理事/株式会社ベネクス執行役員
朝起きたときが一番疲れている原因は?
朝は、1日をスタートさせる重要な時間。起きたときにすでに疲れを感じたまま活動をはじめると、さらに疲労が重なり、また翌朝もぐったりすることに。このくり返しが、慢性的な疲労につながってしまう。
なぜ朝から疲れてしまうのか、疲れの仕組みをみていこう。
- 睡眠だけで疲れを取ろうとしている
- 「オフの時間」で活力を高められていない
睡眠だけで疲れを取ろうとしている
多くの人が「休養=睡眠」と考えがちだが、睡眠だけですべての疲れを取ることは難しい。
「活動→疲労→休養(=睡眠)」という三角形の流れでは疲労がたまりやすく、疲れを溜め込まないためには、「活動→疲労→休養(睡眠)→活力」の四角形サイクルを目指すのが理想的。
疲労の対義語は「活力」。活力は身体の資本であり、活動をおこなうために欠かせないもの。
ただ睡眠を取るだけでなく、「活力をチャージする時間」 を日々の中につくることで、疲れを打ち消すことを意識しよう。

若いころは体力もあり、眠るだけで疲れが取れることも多かったと思います。しかし、20代を過ぎると、年齢とともに体力や代謝、免疫力など、少しずつ身体の機能が低下しはじめます。「昔は寝れば元気になっていたから、今も大丈夫」と思っていると、知らないうちに疲れが積み重なってしまうことも。年齢や生活の変化に合わせたケアを意識することが、これからの元気を保つ秘訣です。
「オフの時間」で活力を高められていない
疲れをしっかり回復させるためには、睡眠だけでなく、「活力をチャージすること」が大切。そこで重要となるのが、オフの時間をどう過ごすかという視点。
オフの時間を有効活用するために、仕事の終了時間を1日のスタート地点と考え、そこから翌朝までのオフの時間を優先して確保するようにしよう。
仕事終わりの夕方から寝るまでの時間で、十分に身体を休めリフレッシュすることで、翌日の活動に向けた活力が養われる。

疲れをためこまないためには、オフの時間をどう過ごすかがとても大切です。たとえば、軽い運動やストレッチでからだをほぐす、食事は腹八分目に抑える、胃腸にやさしい食事を摂る、ペットと触れ合うなど、心と身体を休めることができるような過ごし方を取り入れてみましょう。
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忙しい毎日に「アミノ酸」
仕事に家事に、気づけば1日があっという間。忙しく身体を動かした日や、栄養バランスが乱れがちな日が続くと、なんとなく寝つきが悪かったり、疲れが取れにくかったりすることも。そんなふうに自分のリズムを整えたくなるとき、生活の中で少し意識してみたくなる存在の1つが「アミノ酸」。
アミノ酸は、筋肉や内臓、皮膚、髪など、私たちの身体を構成する「たんぱく質」の材料となる重要な成分。たんぱく質は一度つくられて終わりではなく、体内で日々分解と合成を繰り返し、必要に応じて新しく生まれ変わる。このサイクルを支えているのが20種類のアミノ酸で、私たちが生命を維持するうえで欠かせない役割を果たしている。アミノ酸は、身体の組織をつくるだけでなく、酵素やホルモン、免疫細胞などの材料にもなり、体内の機能を正常に保つためにも重要。なかには体内でつくることができない「必須アミノ酸」もあり、食事から摂ることが大切。
身体を動かす日も、食生活が気になるときも、夜ゆっくり休みたいときも。アミノ酸は、そんな毎日を陰ながら支えている成分の1つ。毎日を自分らしく過ごすためのひとつの工夫として、生活の中に取り入れてみては。
【起床時】朝起きたときの疲れを解消する方法
朝起きたときの疲れを解消し、すっきりと目覚めるためには、生活習慣にちょっとした工夫を取り入れることが大切。
朝に身体のスイッチを自然と入れられる、起床後の対策法を見てみよう。
- 毎日同じ時間に起きて太陽の光を浴びる
- 起床後1時間以内に朝食を摂る
- シャワーやストレッチで血行を促進する
- サマータイムのような生き方をする
毎日同じ時間に起きて太陽の光を浴びる
毎朝、決まった時間に起きて太陽の光を浴びることが、体内リズムを整える基本。
起きる時間を一定にすることで、体内リズムが安定し、睡眠の質も自然とととのいやすくなる。さらに、太陽の光を浴びることで、脳の奥にある「視床下部」に刺激が届き、体内時計がリセットされる。
これにより、自然と身体が活動モードに切り替わり、スムーズに1日を始めやすくなる。
起床後1時間以内に朝食を摂る
朝食を食べることも、身体を目覚めさせる大事なきっかけ。とくに、起きてから1時間以内に朝食をとることで、インスリンの働きが高まり、体内時計の調整にもつながる。
朝食には、パンやごはんなどの糖質に加えて、卵や肉などのたんぱく質を組み合わせてバランスよく食べるのが理想的。
シャワーやストレッチで血行を促進する
朝は、身体を活動モードにするために、「交感神経」を高めるべき。
起きたばかりの身体はまだ「副交感神経」が優位で、体温も低めの状態のため、熱めのシャワーをさっと浴びたり、朝風呂で体温を上げるのがおすすめ。
また、軽い運動やストレッチも、交感神経を刺激する効果があり、身体と頭が少しずつ目覚めていく。
サマータイムのような生き方をする
海外の「サマータイム」のように、朝は普段の生活リズムを30分〜1時間ほど前倒ししてみるのもひとつの工夫。
具体的には、朝1時間早く起きて活動を開始し、夜は1時間早く帰宅するような生活スタイルがおすすめ。前倒しのスケジュールでオフの時間をゆったり確保できれば、1日の時間を有効活用できる。
【就寝前】朝に疲れを残さない方法
朝に疲れを残さないためには、前日のオフの過ごし方を見直すことが大切。就寝前に取り入れたい対策法を確認しよう。
- 仕事モードから切り替える
- 余白の時間をつくる
- 睡眠の質を下げる行為を避ける
仕事モードから切り替える
疲れを翌日に持ち越さないためには、オフの時間で「自分のペース」に切り替えることがとても重要。
仕事中は職場のリズムで過ごしているため、オフの時間で「自分のペース」を取り戻すことを意識しよう。
たとえば、職場を出たらオフモードに切り替えて歩くスピードを遅くする、喫茶店に寄ってひと息ついてみるなども効果的。
余白の時間をつくる
在宅ワークなどで、仕事とプライベートの切り替えが難しいと感じる場合は、意識して「余白の時間」をつくることが大切。スケジュールの中に、あらかじめ何も予定を入れない余白の時間を確保し、「自分の時間」と決めて過ごしてみよう。
たとえ10分、15分でも、積極的に自分のための時間を持つことで、心に余裕が生まれる。
睡眠の質を下げる行為を避ける
就寝前は、できるだけ睡眠の質を下げてしまう行動を避ける。とくに注意したいのが、大量の飲酒や寝る直前の激しい運動、熱すぎるお風呂。これらは体温の調整を乱してしまい、寝つきが悪くなる原因になりやすい。
また、就寝直前の食事も胃腸を活発にしてしまうため、できるだけ早めに済ませておきたい。スマホの使用は、ブルーライトよりも、メールやSNSで届く情報の刺激が、脳を興奮させて眠りを浅くしてしまうこともある。
夕食や入浴はゆったりと早めに済ませ、寝る前は静かで落ち着いた時間を過ごすことで、質のよい眠りと、朝のすっきり感につながっていく。
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睡眠リズムを整えたいときに「アミノ酸」
仕事・家事・育児…。やることが多く、気がつけば寝るのが遅くなってしまう。そんな日々が続くと、寝つきが悪い、朝起きてもすっきりしないといった感覚に悩むことも。そんな毎日を見直す方法として、「アミノ酸」を意識してみるのも1つの選択肢。
アミノ酸は、筋肉や内臓、皮膚、髪など、私たちの身体を構成する「たんぱく質」の材料となる重要な成分。たんぱく質は一度つくられて終わりではなく、体内で日々分解と合成を繰り返し、必要に応じて新しく生まれ変わる。このサイクルを支えているのが20種類のアミノ酸で、私たちが生命を維持するうえで欠かせない役割を果たしている。アミノ酸は、身体の組織をつくるだけでなく、酵素やホルモン、免疫細胞などの材料にもなり、体内の機能を正常に保つためにも重要。なかには体内でつくることができない「必須アミノ酸」もあり、食事から摂ることが大切。
「最近よく眠れない」「なんとなく朝がだるい」そんなときは、1日の終わりにリセットする時間を意識的に持ってみるのもひとつの方法。毎日を忙しく駆け抜けるからこそ、1日の終わりに自分のリズムを整えるきっかけとして、アミノ酸を味方にしてみては。
以下の特集では、熟眠するためのコツや眠りのヒントとなる情報を発信中。「最近あまり眠れていない」などの睡眠悩みを抱えている人は、是非見てみよう。
【専門家おすすめ】疲れを取るためのルーティン
毎日の疲れをためこまないためには、自分に合った「休み方」を見つけることも大切。
休養のかたちは1つではなく、たとえば、環境を少し変えて気分をリセットする「転換タイプ」、自然や動物とのふれあいで癒やされる「親交タイプ」、頭のスイッチを意識して切り替える「造形・創造タイプ」など、いろいろな方法がある。
そのときの自分の状況や気分に合った休養タイプを組み合わせることで、より深いリフレッシュ効果を得られる。
片野先生が実際に取り入れている、疲れを取るための休養のルーティンも伺った。

意識して休養を取るときは、温泉旅行(転換タイプ)をするのが好きです。遠出して温泉に入り、景色を眺めながらぼんやりと過ごす時間は、個人的にとっておきの休養方法のひとつです。
在宅ワークの日は、作業場所をデスクからベランダに変えて(転換タイプ)、愛犬と一緒に過ごす(親交タイプ)ことがあります。場所や環境が少しが変わるだけでも、気持ちが切り替わってリセットされる感覚がありますね。
また、Zoom会議の合間には、意識的に余白の時間を作って切り替えることを意識しています(造形・創造タイプ)。空を見上げて雲のかたちをぼんやり眺めたり、自然の移り変わりに目を向けてみたり。ずっと集中し続けていると、どうしても脳が疲れてしまい、100%のパフォーマンスを出しづらくなってしまいます。だからこそ、こまめに“切り替える時間”をはさむことが、長く働きつづけるためにも大切だと感じています。
休養学の第一人者として休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動にも取り組んでいる。著書「あなたを疲れから救う 休養学」(東洋経済新報社)」は現在16万部を超えるベストセラー。そのほかに編著書「休養学基礎」(メディカ出版)、著書『マンガでわかる休養学』(KADOKAWA)などがある。