
ミリタリープレスは、肩の筋肉を効率的に鍛えられる上級者向けの筋トレメニュー。一方で、「フォームが難しく正しいやり方がわからない」「鍛えられる部位を詳しくわかっていない」という声も多い。
この記事では、ミリタリープレスの基本知識、鍛えられる筋肉や効果、正しいフォームとやり方のコツを詳しく解説。適切な重量・回数、おこなう際の注意点も紹介。
この記事の監修者

三矢 紘駆さん
日本体育大学助教 日体大ボディビル部監督
ミリタリープレスで鍛えられるのは「三角筋の前部・中部」
ミリタリープレスはスミスマシンやバーベルを胸から上に持ち上げる動作で、肩の筋肉(三角筋)の中でもとくに前部と中部を鍛えられる。三角筋の前部と中部を鍛えることで、肩に丸みを持たせたり、肩周りをボリュームアップしたりできる。
また、ミリタリープレスは三角筋だけでなく、上腕三頭筋や僧帽筋など他の上半身の筋肉も補助的に鍛えられる。そのため、上半身全体の筋力向上にもつながりやすいというメリットがあり、筋力向上を目指す人や、体型改善・ボディメイクをしたい人にとっても最適。

ミリタリープレスで得られる効果
三角筋を効果的に鍛え、肩幅を広く見せるほか、ミリタリープレスにはさまざまな効果がある。
- 三角筋が鍛えられ丸みのある美しい肩に
- 上半身にメリハリがつき逆三角形の体型に
- 首や背中の負担が分散し肩こりやケガの予防に
- ほかの筋トレのパフォーマンス向上にも役立つ

三角筋が鍛えられ丸みのある美しい肩に
ミリタリープレスは、三角筋の前部・中部を鍛え、立体的な肩を作るのに最適なトレーニング。上腕を頭上に押し上げる動作によって三角筋に負荷がかかり、丸みのある美しい肩を目指せる。
なお、デスクワーク中心など、普段から前かがみの姿勢になりがちな人は、三角筋の前部にばかり負荷が集中しやすく、肩の筋肉が硬くなりやすい。ミリタリープレスをする前に肩を回すウォーミングアップを入れるなどして、しっかりほぐしてあげるのがおすすめ。
上半身にメリハリがつき逆三角形の体型に
ミリタリープレスで三角筋が発達するとウエストとのバランスが取れた逆三角形の体型を作りやすくなる。
また、肩周りががっしりとしたシルエットになると、スーツやシャツを着たときの見栄えがよくなり、たくましいボディラインを維持しやすくなるメリットも。
首や背中の負担が分散し肩こりやケガの予防に
デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けると肩がこりやすくなるが、ミリタリープレスで肩まわりの筋肉が強化されると、日々の姿勢維持が楽になる。その結果、首や背中にかかる負担も減り、肩こりや首こりの辛さも和らぐといわれている。
また、肩関節は腕を動かすために重要な関節だが、不安定になりやすいという特徴も。ミリタリープレスで肩周りの筋肉を鍛えると肩関節が安定し、スポーツなどで急な動きをしてもケガをしにくくなる。肩甲骨は肩の動きに関わる骨で、正しい位置にあることで姿勢がよくなることも。
ほかの筋トレのパフォーマンス向上にも役立つ
ミリタリープレスで肩まわりや上半身全体の筋力を高めると、ベンチプレスや腕立て伏せなど、上半身のトレーニング全体のパフォーマンスが向上しやすくなる。また、肩関節が安定するとより重い重量でのトレーニングができ、筋肥大やボディメイクの効率も高まる。
また、ミリタリープレスは、複数の関節を同時に使う多関節運動であり、他の種目をおこなうためのウォーミングアップにも最適。とくに、大胸筋や上腕三頭筋を鍛えるトレーニングでは、最初にミリタリープレスを取り入れると肩に余計な力を入れずに胸や腕を鍛えやすくなる。
失敗しないミリタリープレスのやり方・フォーム
立った状態でバーベルやダンベルを持ち上げる筋トレメニュー。肩はもちろん、全身の筋肉を使うため、運動効果が高く体幹も鍛えられるのがメリット。難易度が高いぶん、効率的に筋力アップを図れる。
一方で、無理な重量でおこなうとケガのリスクが高まるため、初心者はトレーナーの指導のもとでおこなうのがおすすめ。
- バーベルを肩幅より広めに持ち、胸の前で構える
- 腕力でバーベルを頭上に持ち上げる
- バーベルをゆっくりと肩の位置まで戻す
ミリタリープレスは、正しいフォームでおこなうことで初めて効果を発揮する。手幅や足幅、姿勢など、基本的なフォームから、より効果的な動作のポイントをおさえておこう。
【フォームのポイント】
- 手幅は肩幅より少し広めを意識する
- 下半身で土台を作って支える
- しっかり腹圧をかけて腹筋や背筋にも力を入れる
- ゆっくりした動作を意識する
- ひじは伸ばしきらない
手幅は肩幅より少し広めを意識する
ミリタリープレスのグリップ幅は、肩幅より少し広めが目安。広すぎると肩関節への負担が増え、狭すぎると三角筋への負荷がかかりにくくなることも。
また、バーベルは手のひら全体でしっかり握り、手首を少しだけ寝かせると手首に負担をかけずにトレーニングができる。
下半身で土台を作って支える
下半身がふらつくと、上半身の姿勢が崩れてケガをすることも。足幅は肩幅程度に開き、つま先は少し外側に向けよう。ひざを軽く曲げ、下半身全体で重量を支えることで、上半身の安定性が高まる。
また、腰が反らないようお尻に力を入れて背骨をまっすぐに保ち、腰に負担をかけないことも大切。
しっかり腹圧をかけて腹筋や背筋にも力を入れる
腹圧をかけ続けて、脊柱の保護と姿勢の維持をおこなおう。動作中は背筋にも力を入れ、胸を張った姿勢を保つこと。
ミリタリープレスの重量が上がらない場合、筋力よりも腹圧が足りないことも。腹圧がないとフォームも崩れやすくなるので、必要に応じてトレーニングベルトを使ったり、腹圧自体を高める「プランク」などを取り入れるのもおすすめ。
ゆっくりした動作を意識する
ミリタリープレスでバーベルを上げ下ろしする際は、一定のテンポを維持するのがポイント。反動を使わずにコントロールすると、三角筋により効果的な負荷をかけられる。
とくに下ろす動作では、重力に任せて落とすのではなく、意識的にブレーキをかけるようにしたい。慣れてきたら反動を使ってもよいが、まずは正しいフォームでゆっくり丁寧におこなうことが大切。

ひじは伸ばしきらない
バーベルを押し上げる際にひじを完全に伸ばしてしまうと、バーベルの重さが直接肘関節にかかりやすくなり、靭帯や軟骨を損傷してしまうことも。バーバルを持ち上げたときは、ひじを軽く曲げた状態を保つことで、関節への負担を抑えよう。
また、完全にひじを伸ばすと肩にかかっていた負荷が抜けてしまい、トレーニングの効率が悪くなることも。鏡を見ながらひじの角度を意識して、安全かつ効果的にトレーニングをおこなうようにしよう。
ミリタリープレスの重量設定と回数(目安)
ミリタリープレスをおこなう上で、適切な重量設定と回数設定はとても大切な要素。目標の体型や筋力レベルに合った重量と回数を覚えて、より効率的な筋力アップを目指そう。
- 基本的には8~12回、3~5セットできる重量でおこなう
- 筋肥大目的の場合はギリギリ10回上げられる重量で3~5セット
基本的には8~12回、3~5セットできる重量でおこなう
筋力アップやボディメイクが目標の場合、ミリタリープレスの重量は10回±2回を3~5セットできる重さを目安にしよう。はじめはバーベルのバーだけで正しいフォームを身につけて、フォームが固まったら徐々に重さを増やすと、より安全にトレーニングを進められる。
また、セット間の休憩は90秒程度が目安。肩への負担を考慮して、週に1~2回の頻度でトレーニングするのがおすすめ。

フォームが安定しておこなえることを前提にし、基本は「10回前後を3~5セット」できる重量で設定しましょう。
また、筋肉が疲労してくると重量が上がりにくくなります。
1・2セット目は20kgで10回できていた動作が3セット目では8回しかできなくなることも。そうなったら4セット目は10回できるように重さを15kgで調整するなど、1回のトレーニングでも「10回前後」という範囲内で扱う重量を変えていくのがおすすめです。
筋肥大目的の場合はギリギリ10回上げられる重量で3~5セット
筋肥大を目的とする場合、ミリタリープレスでは1セットにつき10回がギリギリできる重さで追い込むことが重要。たとえば、30キロで12回できる場合は軽すぎるため、35キロに上げて調整するなど、適切な負荷を見つけることが大切。
また、セットごとに同じ重量でも筋疲労で挙げられる回数は減るため、次のセットは少し軽い重量にして10回を目指すなど、その日の体調や疲労度に合わせて細かく調整したい。
セット間の休憩時間は90秒程度取り、筋肉の回復を促すためにも週に2回程度の頻度でおこなうように。

10回ギリギリでこなせる重量が少しずつ更新できているのを把握できると、モチベーションを維持にもつながります。「先週は30kgで3セット、25kgで2セットだったが、今日は35kgで2セット、30kgで3セットできた」などトレーニングの記録を取ってみるのもおすすめです。
目に見えて成長を実感できたり、数字が伸び悩んでフォームの誤りに気づくこともあるので、自己成長を楽しみながら筋トレをやり込んでみてください。
ミリタリープレスは「ショルダープレス」の一種?類似筋トレメニュー3選
「ショルダープレス」と同様に、上へ押し上げる動作がメインの「ミリタリープレス」。実は「ミリタリープレス」は「ショルダープレス」を立っておこなう種目のことを指し、座ったままおこなう場合は「シーテッドミリタリープレス」になる。
ここでは「ミリタリープレス」と似たような筋トレメニューとそのやり方を紹介。
- ショルダープレス
- シーテッドショルダープレス(シーテッドミリタリープレス)
- アーノルドプレス

ショルダープレス
ショルダープレスは、バーベルやダンベル、マシンを使っておこなう肩のトレーニング。ミリタリープレスと似た種目だが、軌道やフォームが異なる。おもに、三角筋前部を重点的に鍛えられる。
- ダンベルの肩の高さまで持ち上げ、手のひらは前に向ける
- 背中をまっすぐ伸ばし、ダンベルを真上に持ち上げる
- ひじを曲げ、ダンベルをゆっくりと肩の高さまで戻す
シーテッドショルダープレス(シーテッドミリタリープレス)
座った状態でバーベルやダンベルを持ち上げるトレーニング。肩の筋肉に集中して負荷をかけられるため、肩を重点的に大きくしたい人におすすめ。バランス感覚に自信がない人でも実践しやすく、比較的安全に高重量を扱えるのが嬉しい。
なお、「シーテッドショルダープレス」は全身運動としての効果は低め。下半身の筋肉を同時に鍛えることはできないため、慣れてきたら「ミリタリープレス」にも挑戦してみて。
- イスに腰を下ろし、背中を背もたれにつける
- バーベルを肩の高さで持ち、頭上に押し上げる
- バーベルをゆっくりと元の位置まで戻す
アーノルドプレス
「アーノルドプレス」は、ダンベルを使っておこなう肩のトレーニングで、三角筋の前部と中部を効果的に鍛えられる。通常の「ショルダープレス」よりも可動域が広く、より強い刺激を与えられるのが魅力。
- ダンベルを両手で持ち、手のひらは体側に向ける
- ダンベルを頭上に持ち上げながら、手のひらを前方へ向ける
- 手のひらを内側に回しながら、元の位置まで戻す
下記の記事では「ショルダープレス」の効果や種類を詳しく紹介しているので、参考にしてみよう。
「ショルダープレス」の正しいやり方や効果は?ダンベルやマシンの使い方も紹介
「ショルダープレス」で鍛えられるのは「三角筋」!その効果を紹介 「ショルダープレス」は三角筋を中心に、肩周りの筋肉を鍛えるのに効果的。上半身の筋肉群の1つである.....
ミリタリープレスをおこなう際の注意点
ミリタリープレスは肩や腕を効果的に鍛えることができる人気のトレーニング種目だが、ケガを防ぐには適切な頻度と注意点を守ることが大切。ここでは、肩や手首を痛めないために注意すべきポイントや、違和感があるときの対処法を紹介。
- 筋肉は48時間を目安に休める
- 肩や手首が痛いときは無理におこなわない
筋肉は48時間を目安に休める
ミリタリープレスで刺激を受けた三角筋は、48時間程度の休息期間を設けることでしっかりと回復でき、「筋肥大」といわれる筋肉を大きくする効果を発揮する。逆に毎日同じ部位ばかりトレーニングしてしまうと、筋肉の回復を妨げて筋肉が大きくなりにくくなる。
また、48時間しっかりと筋肉を休めることで、ケガのリスクを軽減できる。
肩や手首が痛いときは無理におこなわない
ミリタリープレスで手首や肩が痛い場合は、フォームが間違っている可能性がある。手首のそりすぎ、握る場所のズレ、肩甲骨の位置(胸の張りすぎ、肩のすくみすぎ)などに注意し、フォームを見直そう。
また、無理をして手首や肩を使うとケガやトレーニング効率が下がるリスクがある。肩や手首に痛みが出るときはトレーニングよりも休息を優先させよう。
あると便利!ミリタリープレスのおすすめ補助アイテム2選
ミリタリープレスをより安全に効果的におこなうには、補助アイテムを活用するのもおすすめ。とくにおすすめのアイテムを紹介するので、気になるものがあれば日々のトレーニングに取り入れてみよう。
- 腰を守るトレーニングベルト
- 手首を保護するリストラップ
腰を守るトレーニングベルト
トレーニングベルトは、腹圧を高めて腰椎を安定させるのに役立つアイテム。活用するとより重い重量を扱いやすくなる。
また、腰への負担を軽減にもつながるため、ケガの予防にもおすすめ。とくに高重量を扱う際に活躍するので、筋トレに慣れてきてより重量のあるトレーニングがしたい人はチェックしてみよう。
手首を保護するリストラップ
リストストラップは、トレーニング時の手首の安定性を補助するアイテム。高重量のミリタリープレスをおこなう場合、手首の力が負けてしまい続けられないケースは少なくない。ミリタリープレスの重量の伸び悩みや、不安定さを感じている人は使ってみよう。
ミリタリープレスと一緒にやりたい筋トレメニュー5選
ミリタリープレスの効果を十分引き出すためには、他のトレーニングとの組み合わせも大切。ここでは、ミリタリープレスとの相乗効果が期待できるおすすめの筋トレメニューを紹介。
- 懸垂
- ラットプルダウン
- マシンロウイング(プーリーロウ)
- ベントオーバーロウ
- リアレイズ

懸垂
懸垂はおもに背中の筋肉を鍛えられるが、上腕二頭筋や僧帽筋などを鍛えたいときにもおすすめ。体幹や腕の筋肉を使い、自体重を重力に逆らって持ち上げるという筋トレの中では比較的難易度が高い動作のため、体力や筋力に自信がある人におすすめ。
- バーを肩幅よりやや広めに握り、身体を浮かせる
- ひじを曲げ、顎がバーの高さを超えるまで身体を引き上げる
- ゆっくりと腕を伸ばし、開始位置まで戻る
ラットプルダウン
「ラットプルダウン」は、ラットプルマシンを使っておこなうトレーニング。おもに広背筋を鍛え、逆三角形の体型を作るのに役立つ。懸垂ができない人でも比較的おこないやすい種目なので、筋トレ初心者にもおすすめ。
- シートに座り、バーを肩幅より広めに握る
- 胸を張り、バーを鎖骨の少し下の位置まで下ろす
- ゆっくりとバーを上げ、元の位置まで戻す
マシンロウイング(プーリーロウ)
「マシンロウイング」はロウイングマシンを使っておこなうトレーニングで、「プーリーロウ」は同じ動作をケーブルマシンなどでおこなう種目。ケーブルを引く動作で広背筋をメインで鍛えられる。
- 床やマシンのシートに座り、足をステップに乗せる
- ハンドルを両手で持ち、胸の位置まで引き寄せる
- 腕を伸ばし、ゆっくりと元の位置まで戻す
ベントオーバーロウ
「ベントオーバーロウ」は、バーベルやダンベルを使っておこなうトレーニング。広背筋はもちろん、脊柱起立筋も鍛えられるため、体幹強化にもつながる。
- バーベルを肩幅より広めに握り、上体を前傾させる
- ひざを軽く曲げ、バーベルをお腹の位置まで引き上げる
- 腕を伸ばし、バーベルを開始位置まで戻す
リアレイズ
リアレイズはダンベルを使っておこなう肩のトレーニングで、おもに三角筋後部を鍛えられる。三角筋の後部を鍛えられる種目は少なく、なかでもリアレイズは手軽におこなえて初心者でも鍛えやすい。
- ダンベルを両手に持ち、腰を曲げながら上体を前傾させる
- ひざを軽く曲げ、ダンベルが床と平行になるまで腕を横に開く
- ダンベルをゆっくりと元の位置まで下ろす

ミリタリープレスに関するQ&A
どのくらいで効果を感じられる?
A:2~3ヶ月程度。

肩が痛くなったときは休んだ方がいい?
A:肩に痛みがあるときはトレーニングを休み、フォームを見直そう。

肩に痛みを感じた場合は、トレーニングを休みましょう。無理なトレーニングは症状を悪化させるだけでなく、さらなるケガにもつながります。痛みが続く場合は整形外科を受診し、適切な処置を受けてください。
また、痛みがある場合はフォームが間違っている可能性が高いです。もし繰り返し同じ部位が痛む場合は専門のトレーナーに相談し、フォームをチェックしてもらうのがおすすめです。
肩だけ鍛えるとバランスが悪くなる?
A.理想の体型は人によって違うので、一概にバランスが悪くなるとはいえない。

肩だけを鍛えたからといって、必ずしも体型のバランスが悪くなるとは限りません。目指す体型は人によって違うため、自分がよいと思う体型に合わせたトレーニング計画を立てることが大切です。
たとえば、逆三角形のシルエットを目指すのであれば、肩だけでなく、広背筋も一緒に鍛えると、より理想の体型に近づきやすくなります。また、ボディビルのような体型を目指す際は全身の筋肉をバランスよく鍛える、モデル体型が理想なら上半身を引き締めつつ、腹筋を目立たせるために「プランク」など腹筋を鍛えるトレーニングをおこないましょう。
ミリタリープレスでなで肩の改善も期待できる?
A.完全な改善は難しいが、ある程度の効果は期待できる。

なで肩は肩甲骨の位置や鎖骨の長さなど骨格的な要因が大きく影響するため、ミリタリープレスだけで完全に改善するのは難しいです。ただ、肩甲骨周りの筋肉(僧帽筋、前鋸筋、肩甲挙筋など)をバランスよく鍛えると、肩周りの形や姿勢が整い、「肩がきれいに見える」という状態になりやすいです。
ミリタリープレスとショルダープレスの違いって?
A.ミリタリープレスはショルダープレスの一種。

「ショルダープレス」は、肩のトレーニング全般を指す言葉です。「ショルダープレス」には、座っておこなう「シーテッドショルダープレス」や、ダンベルを使う「ダンベルショルダープレス」などさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。
なかでも、「ミリタリープレス」は立ち姿勢でおこなう「ショルダープレス」の一種です。立った状態でおこなうことで全身の筋肉が刺激され、バランス感覚を養えるのも特徴の1つになります。
狙った部位に筋肉をつけるために大切なことは?
A.正しいフォームで筋肉を意識してトレーニングをする。必要に応じて予備疲労法もおこなうとよい。

狙った部位に筋肉を効果的につけるには、正しいフォームでトレーニングをおこなうことが重要です。腰が反りすぎたり、丸まりすぎたりすると、肩の筋肉に負荷がかかりにくくなるため、注意しましょう。また、ミリタリープレスのように腕や胸など全身の力をつかう種目は利き腕や強い筋肉ばかり使われてうまく肩に刺激が入らないことも。
ミリタリープレスをおこなう前に、フロントレイズやサイドレイズなど肩に特化した種目をおこない、あらかじめ肩の筋肉を使って疲労させておく予備疲労法もおすすめです。
2024年日本体育大学大学院体育科学研究科博士課程修了。博士(体育科学)。日本体育大学体育研究所助教であり、同学のボディビル部にて監督およびボディビルクラブ代表を務める。2024年におこなわれた第38回東京クラス別ボディビル選手権大会では、ミスター75kg以下級にて優勝。
【資格】
NSCA-CSCS