
腕は見た目の印象を大きく変える重要な部位。腕を鍛える際に「どんなメニューから始めればいいかわからない」「正しいフォームがわからない」と悩む人も多い。
この記事では、腕の筋トレ効果や部位別でのおすすめ筋トレメニュー、自宅でできる簡単筋トレメニューなどを紹介。目的にあわせた負荷・回数の目安、筋トレ時のコツ・注意点も解説。
この記事の監修者

町田 洋祐さん
パーソナルトレーニング スタジオZilchオーナー
腕を構成する筋肉
- 上腕二頭筋
- 上腕三頭筋
- 前腕筋群
- 上腕筋
上腕二頭筋
上腕二頭筋は腕の前面にあり、長頭と短頭という2つの部位で構成されている。おもにひじを曲げる動作で使われ、物を持ったり引っ張ったりと日常生活には欠かせない。
上腕二頭筋の筋トレではダンベルカールやハンマーカールなどさまざまなトレーニングを組み合わせると、より立体的な美しい腕を作りやすくなる。太くたくましい腕を目指す人はもちろん、腕のラインをすっきりと細く見せたいときも意識して鍛えよう。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は腕の裏側にあり、ひじを伸ばすのに必要。長頭、外側頭、内側頭の3つの部分から成り立っていて、上腕の約60%を占める。おもに、物を押す動作に関わっていて、腕立て伏せやベンチプレスのような筋トレではとくに重要な役割を果たす。
たくましく力強い腕を目指すためには、上腕三頭筋をしっかり鍛えることが大切。ナロープッシュアップやスカルクラッシャーなどいろんな角度からトレーニングすると、バランスよく刺激を与えられる。
前腕筋群
前腕筋群は、手首からひじまでのエリアにあるいくつかの筋肉をまとめた呼び方。握力や手首の動きを調整する大事な役割を果たしていて、日常生活のさまざまな動作に関わっている。
なお、前腕が発達すると筋トレの効果も高まりやすい傾向が。また、握力が強くなることでより重いウエイトでのトレーニングができるようになり、上腕全体の筋力もアップしやすくなる。ダンベルカールなど、カール系の筋トレを上手に組み合わせて上腕部全体の筋力アップを目指そう。
上腕筋
上腕二頭筋の下に位置する筋肉である上腕筋は、腕を曲げる動作で使われる。とくに、野球やテニスのように腕の力や柔軟性が求められるスポーツでは、上腕筋をしっかりと鍛えることでスイングやサーブの力強さや精度が高まるといわれている。
上腕筋の筋トレは腕全体のバランスを整えることにもつながるので、より太い腕を作るためには意識して鍛えてみよう。
腕の筋トレで得られる効果
- 姿勢が改善され肩こりや腰痛が軽減する
- 日常動作が楽になり生活の質が向上する
- 運動能力が向上してスポーツのパフォーマンスが上がる
- 見た目の印象がよくなる
姿勢が改善され肩こりや腰痛が軽減する
腕の筋力が高まると上半身全体の支える力が強くなり、正しい姿勢を保ちやすくなる。さらに、肩甲骨も安定して猫背や巻き肩といった姿勢の乱れを防ぎやすくなる。
さらに、肩まわりの筋肉を動かすと血行が促進され、肩こりの原因になる疲労物質が溜まりにくくなる。また、腕に筋肉がつくと体幹全体のバランスが整いやすくなり、腰痛予防にもつながるほか、身体にかかる負担を軽減する効果が期待できる。

日常動作が楽になり生活の質が向上する
腕の筋力が高まると、買い物袋を持つ、荷物を持ち上げる、掃除をするなどの動作が楽になる。また、力仕事をしたときの疲労感も軽減されるため、日々をよりアクティブに過ごしやすくなる。
さらに、腕の筋トレは関節の安定性を高め、ひじや手首のケガを防ぐのにも役立つ。長時間の作業や細かい作業もしやすくなり、加齢による筋力低下の予防にもおすすめ。
運動能力が向上してスポーツのパフォーマンスが上がる
腕の筋力を鍛えることで、投げたり打ったり押したりする力が強くなる。その結果、球技やラケットスポーツなどさまざまな運動のパフォーマンスアップが期待できる。
たとえば、テニスやゴルフのように腕をよく使うスポーツでは、腕を鍛えることで長時間安定したフォームを保ちやすくなる。サッカーなどおもに下半身を使うスポーツでも腕と脚は連動するため、腕の筋肉を高めておくとパフォーマンスアップに役立つ。
見た目の印象がよくなる
腕の筋肉が適度に発達していると、力強く健康的な印象を与えられる。自信を持って腕を見せられるようになるため、半袖や七分袖など腕が隠れないファッションもストレスなく楽しめる。なお、二の腕のたるみや「ふりそで肉」には上腕三頭筋を鍛えるのがおすすめ。
【上腕二頭筋】ダンベルを使う腕を太くする筋トレメニュー5選
- アームカール
- ハンマーカール
- インクラインカール
- コンセントレーションカール
- スクリューカール
アームカール
「アームカール」は、上腕二頭筋を鍛えるための基本的な筋トレ。両手に持ったダンベルを上げ下げするシンプルな動作で、初心者でも取り組みやすいのが魅力。
ポイントはひじを動かさずにおこなうこと。ひじを固定すると筋肉にしっかりと負荷がかかり、効率的な筋力アップが期待できる。ダンベルがないときは代わりにペットボトルを使うなどして、普段の生活に気軽に取り入れてみて。
<やり方>
- 足を肩幅に開いて立ち、膝を少し曲げる
- 両手でダンベルを持ち、腕を身体の横に下ろす
- ひじを固定したまま、右手のダンベルを肩まで持ち上げたら、数秒間静止する
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 反対側も同様におこなう
ハンマーカール
「ハンマーカール」は、ダンベルを縦に持つことで上腕筋と上腕二頭筋を効果的に鍛えるトレーニング。腕を自然に下ろした状態からひじを曲げてダンベルを持ち上げもとの位置に戻すことで、筋肉にしっかり刺激を与えられる。
腕を太く見せたいときはもちろん、全身のバランスを整えたいときや握力を上げたいときにもおすすめ。腕や肩が正しい位置に整えられ、猫背や巻き肩など姿勢の改善にも役立つ。
<やり方>
- ダンベルを両手に1つずつ持ち、手のひらが内側を向くように握る
- 足を肩幅に開いて立ち膝を少し曲げ、腰に力を入れて背筋を伸ばす
- ひじを固定したまま、息を吸いながらダンベルを肩の方へ引き上げる
- 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻す
インクラインカール
「インクラインカール」は、座面と背もたれの角度を調整できるトレーニングベンチ「インクラインベンチ」を使うトレーニング。上半身を後ろに傾けながらおこなうことで上腕二頭筋の長頭がしっかりとストレッチされ、全体に強い負荷をかけられるのが特徴。
上腕二頭筋をピンポイントで鍛えられるため、より効率的に二の腕の筋力を高められる。筋トレ中は肩を安定させてひじを動かさないように意識するとより成果が出やすい。
<やり方>
- ダンベルを両手に1つずつ持ちベンチに腰掛け、足をしっかりと固定する
- 背もたれに身体を預け胸を張り、肩甲骨を寄せる
- ひじを固定したまま、息を吸いながらダンベルを肩の方へ引き上げる
- 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻す
コンセントレーションカール
「コンセントレーションカール」は、上腕二頭筋の長頭をメインに鍛えるトレーニング。ベンチやイスに座って片手にダンベルを持ち、片ひじを内ももに固定しながらダンベルを持ち上げる。
大きな動作がないぶん筋肉に集中して取り組めるため、筋トレ初心者でも取り組みやすい。効果をしっかりと引き出すためにも、ひじを動かさないことを意識して。
<やり方>
- ベンチかイスに座り、片方の足を広げて安定させる
- 鍛えたい側のひじを太ももにしっかりと固定する
- ダンベルをもう一方の手で持ち、ひじを固定したまま身体の側面に沿わせる
- ひじを固定したまま、息を吸いながらダンベルを肩の方へ引き上げる
- 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻す
スクリューカール
「スクリューカール」は、上腕二頭筋の長頭と短頭の両方をしっかり鍛えられるトレーニング。
腕をねじりながらダンベルを上げる動作が特徴で、筋肉が十分伸びている状態から縮む動きを作ることで、筋肉に多角的な負荷をかけられる。二の腕の筋トレの中では比較的強度が高いため、無理のない範囲でおこなおう。
<やり方>
- ダンベルを両手に1つずつ持ち、手のひらを向き合わせ軽く曲げる
- 足を肩幅に開いて立ち、体幹を安定させる
- 息を吸いながら体幹に力を入れて、吐きながら両ヒジを曲げる
- 前腕が床に対して平行に近づいてきたら手のひらを上に向ける
- 手のひらを下に向けながら、ゆっくりと元の位置に戻す
【上腕三頭筋】自重・ダンベルを使う筋トレメニュー5選
- スカルクラッシャー
- ナロープッシュアップ
- ディップス
- フレンチプレス
- キックバック
スカルクラッシャー
「スカルクラッシャー」は上腕三頭筋をしっかり鍛えるための筋トレ。
特徴は仰向けに寝た状態でひじを曲げ伸ばしすることで「長頭」、「外側頭」、「内側頭」の3つの部分を刺激できること。腕に意識を集中しやすいぶん、効果的にトレーニングを進められるのも魅力の1つ。他の筋トレとも組み合わせて、さらなる筋力アップを目指そう。
<やり方>
- ベンチかイスに座り、片方の足を広げて安定させる
- ダンベルを両手で握り、手のひらを下に向けて膝の上に置く
- ダンベルを握りしめ、息を吸いながら手首を反り返らせる
- 息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻す

ナロープッシュアップ
「ナロープッシュアップ」は、自宅でもできる自重トレーニング。通常の「プッシュアップ」よりも手の位置を狭くすることで上腕三頭筋にかかる負荷が増し、腕の筋肉がしっかり鍛えられる。
二の腕を重点的に鍛えるには、とくにひじを伸ばす動作に重点を置くのがコツ。おでこをしっかり下げつつ、腹筋に力を入れておこなおう。
<やり方>
- 腕立て伏せの姿勢で両手の親指と人差し指をくっつけて三角形を作り、肩よりも内側に手をつく
- 息を吐きながら、ひじを曲げて身体をゆっくりと床に近づける
- 胸が床につく直前で止め、ゆっくりと元の位置に戻る
ディップス
「ディップス」は、両腕のみで身体を支えて上下運動をするトレーニング。大胸筋と上腕三頭筋に全体重がかかるため、二の腕はもちろん、胸や肩の筋力アップも期待できる。
「ディップス」にはジムなどでディップスバーと呼ばれる器具を使う方法と自宅でイスやベンチを使う方法の2つがある。イスやベンチを使う場合は足を置く位置で負荷が調整でき、初心者が取り組みやすい。初心者の場合は足を身体から近い位置に置き、負荷を軽くして挑戦してみよう。
<やり方>
- ディップスバーまたは平行棒に両手を肩幅よりやや広めに置き、身体を支える
- 足は床につけ、膝を軽く曲げる
- ひじが90度になるまで曲げながらゆっくり身体を下ろす
- ひじを伸ばしながら、ゆっくりと身体を元の位置に戻す
フレンチプレス
「フレンチプレス」は、ダンベルを頭の後ろで持ち、腕を曲げ伸ばしするトレーニング。両手でダンベルやペットボトルを持って、ひじを固定したまま頭の後ろから上下に動かすことで、上腕三頭筋をしっかり刺激できる。動作中はひじの位置をしっかり安定させて、なるべくブレないように意識しよう。
<やり方>
- ベンチまたはイスに腰かける
- 両手でダンベルを持ち、腕を伸ばして頭上に持ち上げる
- ひじを曲げながら、ダンベルをゆっくりと頭の後ろに下ろす
- ひじを最大まで曲げたら、再びゆっくりとダンベルを元の位置に戻す
キックバック
「キックバック」はたるんだ二の腕を引き締めて、腕全体をすっきり見せるのに役立つトレーニング。ダンベルを持ち、前かがみになって腕を身体の後ろに伸ばすことで、上腕三頭筋に十分な負荷をかけられる。
筋肉にしっかり負荷がかかるよう、動作はゆっくりおこなうのがポイント。脇を締めなかったり、背中を丸めたりすると別の部位に力が入ってしまうため、正しいフォームを心がけて。
<やり方>
- ベンチまたはイスに片手で支え、もう一方の手でダンベルを持つ
- ダンベルを持つ腕のひじは90度に曲げ、体側につける
- ひじを固定したまま、ダンベルを後ろに振り上げる
- ダンベルを最大まで後ろに伸ばし、上腕三頭筋を収縮させる
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 反対側も同様におこなう
【前腕】パフォーマンス向上に役立つ筋トレメニュー2選
トレーニング効率を高めるには、前腕、とくに橈骨筋を鍛える筋トレメニューが効果的。前腕の筋肉を鍛えると腕の太さが引き立ち、理想的なシルエットを維持しやすくなる。握力や腕全体の機能性を高める効果もある。
- リストカール
- 指立て伏せ

リストカール
「リストカール」は、前腕の筋肉をしっかり鍛えるための基本的なトレーニング。リストカールを日々のトレーニングに取り入れると腕の筋肉のバランスがよくなり、手首の動きも安定する。
また、ダンベルを持って腕をひざやテーブルに置き、手首を上下に動かすだけのシンプルな動きなので、初心者でも取り組みやすいのが嬉しい。最初は軽いダンベルから始めて、徐々に負荷を増やすのがおすすめ。
<やり方>
- ベンチまたはイスに腰掛け、片方の腕をベンチに置き、前腕を平行にする
- ダンベルを握り、手のひらを上に向けて固定する
- 手首を曲げ、息を吸いながらダンベルをゆっくりと持ち上げる
- 手首を伸ばし、息を吐きながらゆっくりと元の位置に戻す
指立て伏せ
指立て伏せは、自分の体重を使ったシンプルな前腕のトレーニング。特別な器具なしで気軽にできるので、自宅でトレーニングしたい人にもぴったり。
また、前腕の筋肉だけでなく、腕全体の柔軟性や握力アップ効果が期待できるのも指立て伏せの特徴。指を痛めないように気をつけて、無理のない範囲で取り組もう。
<やり方>
- 床に膝をつき、両手を肩幅に開いて指先を床につける
- 指先はしっかりと開き、体重を均等に分散させる
- 体をまっすぐにして、肩、腰、膝が一直線になるようにする
- ひじを曲げ、息を吸いながら胸を床に近づける
- 息を吐きながらひじを伸ばし、元の姿勢に戻る
【器具なし・女性向け】細い腕をつくる筋トレメニュー3選
太くたくましい腕を目指す筋トレと違い、以下の筋トレは負荷がそれほど大きくないため、体力に自信がない人も取り組みやすい。できそうなものから実践し、すっきり引き締まった二の腕を手に入れよう。
- リバースプッシュアップ
- ひざつきプッシュアップ
- サイドレイズ

リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップは、自宅でできる自重トレーニングの1つ。主に上腕三頭筋や広背筋を狙って鍛えられ、引き締まった上半身を目指している人におすすめ。
また、代謝を上げたり、姿勢をよくしたりなどのメリットも期待できるので、毎日短時間でも続けたい。初めは負荷に慣れることを目標に、体幹を意識して身体をまっすぐに保つよう心がけよう。
<やり方>
- イスやベッドなどの台に手をついて、身体を後ろに倒す
- 足は肩幅程度に開き、かかとを床につけて安定させる
- 肩、腰、膝が一直線にする
- ひじを曲げ、息を吸いながらお尻を床に近づける
- 息を吐きながらひじを伸ばし、元の姿勢に戻す
ひざつきプッシュアップ
ひざつきプッシュアップは上腕三頭筋や大胸筋にしっかり効く、初心者向きの筋トレメニュー。ひざを床につけることで通常のプッシュアップより負荷が軽くなり、女性や運動経験が少ない人でも気軽に始められる。
コツは身体を下げるときにひじを後ろに曲げること。ひじを外側に曲げてしまうと腕の筋肉をきちんと刺激できないので、常に正しいフォームを意識することが大切。
<やり方>
- 膝をついて四つん這いの姿勢をとり、膝は腰幅程度に開く
- 両手を肩幅よりもやや広めに開き、床につき指先は前を向ける
- つま先は床から離し、足首を曲げて、すねを床につける
- 背中が反らないよう、おへそを引き込むようにして、背筋を真っ直ぐに保つ
- ひじを外側に開きすぎないように注意しながら、胸を床に近づけるように床から数センチの位置まで降ろす
- 息を吐きながら、ひじが完全に伸びきらないところまで身体を押し上げる
サイドレイズ
サイドレイズは肩の筋肉である三角筋を鍛えるためのトレーニングだが、腕全体を使うため細い腕を作るのにも役立つ。男性の場合は肩幅を広げ、逆三角形の体型を作るのにもおすすめ。
一方、女性の場合は肩と腕の境目にメリハリをつけ、すっきりと引き締まった腕を作りたいときにも活用できる。姿勢改善や身体機能の向上も期待できるため、ほかのトレーニングと併用しておこなって。
<やり方>
- 足を肩幅に開いて立ち、膝を少し曲げる
- 背中はまっすぐにして、やや前傾姿勢をとる
- ダンベルを両手に持ち、手のひらは身体の前方に向ける
- ひじを少し曲げたまま、ダンベルを真横に持ち上げる
- 肩の高さまで上げたら、ゆっくりと元の位置に戻す
【目的別】腕の筋トレの負荷・回数(目安)
ひとくちに腕の筋トレといっても、「腕をたくましくしたい」「細く引き締めたい」など、目的は人によってさまざま。理想の腕を手に入れるには、目的に合った負荷・回数が必要。
- たくましく太い腕を目指す人:高重量で少ない回数の筋トレ
- 腕を細くしたい人:低重量で多くの回数をこなす筋トレ
たくましく太い腕を目指す人:高重量で少ない回数の筋トレ
筋肉を増やしたいなら、高重量で少ない回数のトレーニングがおすすめ。最大重量の70~80%程度の重さで、1セット8~12回を目安に始めてみよう。
セット数は3~4セットくらいが目安。セットの間には90秒から120秒の休憩を取ると、程よく回復できる。筋肉をしっかり育てるため、週に2~3回の頻度でおこなって。
なお、トレーニングの内容は、ダンベルカールやプレスダウンのような基礎種目を中心に組むとよい。正しいフォームでゆっくりした動作を意識すると、筋肉にしっかり負荷をかけられる。
腕を細くしたい人:低重量で多くの回数をこなす筋トレ
腕を引き締めたいなら、軽い重量で多くの回数をこなすトレーニングがおすすめ。最大重量の40~50%程度の重さで、1セット15~20回を目安に始めてみよう。
セット数は3~4セットが基本で、セットの合間は30秒から60秒ほど休むこと。余裕があれば有酸素運動も組み合わせると、さらなる脂肪燃焼が期待できる。無理のない範囲で週に3~4回を目安に続け、引き締まった腕を手に入れよう。
腕の筋トレ効果を高めるコツ・注意点
腕の筋トレで効果を出すには、いくつかのコツと注意点がある。ポイントを押さえたトレーニングは効率的な筋力アップを図れるだけでなく、ケガや体調不良のリスク軽減にも役立つ。
- 反動を使わず効かせる筋肉に意識を向ける
- 動作の際に呼吸を止めないようにする
- 適切な負荷と回数でおこなう
- 休息期間を設け、適切な頻度でおこなう
- タンパク質を摂取し、バランスのよい食事を心がける
反動を使わず効かせる筋肉に意識を向ける
反動を使ってウエイトを持ち上げると筋肉への負荷が減り、トレーニングの効果が薄れてしまう。そのため、トレーニングはなるべくゆっくりとした動きで、狙った筋肉を意識しながらおこなうのがコツ。上げるときと下げるときにそれぞれ2秒から3秒かけると、筋肉にかかる負荷の時間をしっかり確保できる。
また、フォームや筋肉の動きを確認するためにも、トレーニングは鏡を見ながらおこなうのがおすすめ。正しい動作を身につけることでケガのリスクを減らしつつ、効果的に鍛えよう。

動作の際に呼吸を止めないようにする
トレーニング中に呼吸を止めると、血圧が急に上がって身体に悪影響が出ることも。力を入れるときは息を吐き、戻すときは息を吸うというリズムを意識することで筋肉に酸素がしっかり届き、より効果的なトレーニングができる。
また、呼吸と動作のタイミングを合わせることで体幹の安定性も高まるので、とくに重いウエイトを扱うときは意識して呼吸を整えよう。
適切な負荷と回数でおこなう
筋肉を増やしたい場合は重い重量で8~12回、引き締めたい場合は軽い重量で15~20回を目安にするとよい。大切なのは、フォームが崩れない範囲での重量選び。無理な重さでおこなうとケガのリスクが高まるだけでなく、鍛えたい筋肉に刺激が入りにくくなるので注意が必要。
はじめは軽い重量からスタートして、フォームを習得してから徐々に負荷を上げていこう。
休息期間を設け、適切な頻度でおこなう
筋肉は休んでいる間に成長するため、同じ部位を鍛えるのは週に2~3回程度が理想。やりすぎると筋肉の回復が遅れ、ケガや慢性的な疲れにつながる可能性があるため、少なくとも48時間は間を空けるとよい。その日の体調や疲れ具合に合わせて、トレーニングのプランは柔軟に調整して。
また、休養日には軽いストレッチやマッサージをして、筋肉の回復を助けるのも1つの手。質の高い睡眠をとることも筋肉の回復には欠かせないポイントなので、規則正しい生活習慣も意識してみよう。

タンパク質を摂取し、バランスのよい食事を心がける
筋肉を作るために必要な栄養素・タンパク質は、体重1キロあたり1〜1.6グラムを目安に摂るようにしよう。また、同じタンパク質でも含まれる栄養が異なるため、肉や魚、卵、乳製品などの質の高いタンパク質をバランスよく取り入れよう。
なお、プロテインを活用するのも1つの方法だが、栄養は基本的に普段の食事から摂ることが大切。炭水化物やビタミン、ミネラルも筋肉の成長には欠かせないため、バランスの取れた食事を心がけつつ、必要に応じてサプリメントで補うようにしよう。
腕の筋トレに関するQ&A
効果が出るまでにどのくらいの期間がかかる?
A:筋トレを始めてから、少なくても2ヵ月はかかる。

腕の筋トレだけで十分なダイエット効果は得られる?
A:腕の筋トレだけでは、ダイエット効果はあまり期待できない。

とくに腕の筋肉は他の部位に比べて小さく、変化を感じにくいことも多いため、腕の筋トレだけで十分なダイエット効果を得るのは難しいです。ただし、正しいフォームを意識すると自然に体幹に力が入り、結果的に体幹のトレーニングになるなど他の筋肉も少しずつ鍛えられます。
また、正しい姿勢で過ごす意識を持つと、姿勢を支える部分の筋肉量が増えるため、ダイエット効果も高まり、無理のない減量を目指しやすくなります。
有酸素運動はおこなうべき?
A:やりすぎは筋肉が分解されるので注意だが、ダイエット目的なら積極的におこないたい。

筋肉痛があるときはトレーニングしない方がよい?
A:負荷が少ないものならおこなってもいいが、痛い部分のトレーニングは控える。

マシンとフリーウエイト、どちらが効果的?
A:どちらも特徴が異なるため、正しいフォームでおこなえる方を選ぶとよい。

一般的には、上級者はフリーウエイト、初心者はマシンを使うのがよいといわれています。フリーウエイトは自分で動きの軌道を作る必要があり、マシンよりも多くの筋肉を使います。そのぶんトレーニングの効果も出やすい傾向があります。
一方、マシンは軌道が決まっているため初心者でも正しいフォームでトレーニングしやすくなります。ただし、マシンでも我流でおこなう場合はポジションを間違えたり、フォームが崩れたりすることもよくあるため、セットの位置ややり方をしっかり覚えてからおこないましょう。
フリーウエイトとマシン、どちらを使うにしても、正しいフォームでおこなえる方を選ぶのが大切です。正しいフォームを維持することを最優先に考え、経験に応じて使い分けてください。
大学卒業後、精神科にて精神科ソーシャルワーカーとして勤務。大手ジムに転職しスポーツ整体を学び、整体&パーソナルトレーニング専門店にて経験を積む。スポーツジムメガロス相模大野の場所を借りる形で独立わずか8ヵ月で全国のパーソナルトレーナーの中で月間売上一位を達成し、年間1200セッション行う。2018年10月パーソナルトレーニングスタジオ Zilchを立ち上げ海老名にてオープン。2024年6月には、著書『骨格ポジショニングダイエット』を全国出版。