
腹筋を鍛えることで、くびれのあるウエストや姿勢の改善や冷え性の改善など、実は女性にとって嬉しい効果がたくさんある。この記事では、女性の腹筋トレーニングについて、その効果や悩み別のおすすめメニューなどを紹介。自分の目標や悩みにあった腹筋の鍛え方を知ろう。
この記事の監修者

つむら みおさん
パーソナルトレーナー
この記事の検証者

山田 しおりさん
フィットネスクラブで身体を動かす習慣はあったものの、きちんと身体に合った方法で運動できているか不安になり、2023年からパーソナルトレーニングに定期的に通い始める。 仕事が忙しい時期はとくに運動不足気味のため、歩いて移動できる場所は電車やバスは使わないように心がけている。
女性が腹筋を鍛える前に知りたい4つのこと
効果的に腹筋トレーニングするためには、女性特有の身体の特徴や体調に合わせたアプローチが大切。ぽっこりお腹を解消し、ウエストを引き締めるために知っておきたい4つのポイントを紹介。
- ぽっこりお腹の解消は「下腹部」「アウターマッスル」「インナーマッスル」を鍛える
- 女性は腰まわりが柔らかく、お腹の力が抜けやすい
- 自分の体調に合わせたトレーニングが大切
- 初心者は小さな動きから始めるのがおすすめ
ぽっこりお腹の解消は「下腹部」「アウターマッスル」「インナーマッスル」を鍛える
ぽっこりお腹を解消したい場合は、「下腹部」「アウターマッスル」「インナーマッスル」をバランスよく鍛えることが大切。
筋肉 | 効果 |
下腹部 | 見た目のぽっこり感を軽減 |
アウターマッスル | お腹全体が引き締まる |
インナーマッスル | 内臓が適切な位置に収まり、自然にお腹が引き締まる |
女性は腰まわりが柔らかく、お腹の力が抜けやすい
ポイント | 対策 |
骨盤が広くて柔軟性がある (腹筋にしっかり力を入れ続けられない) |
|
骨盤が前傾しやすく反り腰になりやすい |
|
自分の体調に合わせたトレーニングが大切
トレーニングをおこなう時は自分の体調に合わせてトレーニングをおこなうことが大切。とくに女性の場合、生理前後や更年期の症状は人それぞれ違う。
トレーニングをすることで気持ちや身体が楽になる場合は、自分に合う範囲でおこなおう。
生理前後 | 腹の痛みがある場合、基本的には腹筋トレーニングを避ける。 |
更年期 | 全身の倦怠感、頭痛、めまい、ホットフラッシュなどが現れる場合がある。体調不良時はトレーニング強度を調整する。 |

監修者:つむら
妊娠中にトレーニングをおこなう場合は、必ず担当医師に相談してから実施しましょう。
医師からOKをもらった場合でも自己判断でのトレーニング実施は避け、専門医の指導のもとで軽めの負荷でおこなうことがおすすめです。
初心者は小さな動きから始めるのがおすすめ
運動に慣れていない人や、長い間トレーニングから離れていた人は、「しっかり動かないと効果がない」と思い込まないことが大切。
まずは、自分の身体が動かせる範囲で、小さな動きから丁寧に始めるのがおすすめ。トレーニング効果をしっかり得るためにも、「自分に合った強度とフォームで、無理せず継続すること」を意識しよう。
女性が腹筋を鍛えるメリット・効果
ウエストの引き締めだけでなく、腹筋には女性がうれしいさまざまなメリットがある。
女性が腹筋を鍛えるメリット・効果一覧
ウエストのくびれ | 腹部全体が引き締まるとくびれのあるうつしいウエストラインが見えやすくなる。 |
姿勢改善 | 腹筋を鍛えることで体幹が安定し、姿勢をキープしやすくなる。「スマホ首」の改善にもつながる。 |
冷え性改善 | 腹部の筋肉を動かすことでお腹周りの血行が促進され、冷えによる不調を改善できる。内臓の血行も促進され、代謝機能の正常化なども期待できる。 |
骨盤のゆがみ矯正 | インナーマッスルを鍛えることで骨盤底筋群が強化され、産後の気になる体型のケアをサポートしてくれる。 |
【ぽっこりお腹解消】女性におすすめの腹筋メニュー3選
- ドローイン
- プランク
- レッグレイズ
ドローイン
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★★★ |
トレーニング効率(※2) |
★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 身体の力を抜き、リラックスした状態になる
- 鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹を膨らませる
- 口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませる
- お腹をへこませた状態を10秒キープする
バリエーション | 約4種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 椅子 |
鍛えられる部位 | 腹横筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 背中をまっすぐにする
- 肩に力を入れない
背中をまっすぐにする
肩に力を入れない
ドローインの種類
仰向けドローイン |
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立位ドローイン |
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四つん這いドローイン |
|

検証者:山田
背中が丸まっている・身体に力が入っている状態だと、うまくお腹を動かすことができませんでした。
ただ息を吐いて吸うだけなのですが、腹筋がしっかり動いているか意識することでトレーニング効率が高くなると感じました。
プランク
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★★★ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- うつぶせになり、ひじを肩幅に開く
- つま先を立て、身体を持ち上げる
- 頭から足先まで一直線になるように、お腹に力を入れて姿勢をキープする
バリエーション | 約7種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹直筋・腹斜筋・脊柱起立筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 頭から足先までを一直線に保つ
- 目線は床の1m先に向ける
頭から足先までを一直線に保つ
目線は床の1m先に向ける
プランクの種類
ひざつきプランク |
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プランクツイスト |
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サイドプランク |
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シングルレッグプランク |
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ニーインプランク |
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バランスボールプランク |
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検証者:山田
フォームを意識していない状態で取り組むと、腰が落ちたり、お尻が上がったりしていました。初心者はスマホでフォームをチェックするなどした方がよいかもしれません。
レッグレイズ
難易度 | ★★★★★ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 床に仰向けになり、ひざを伸ばして脚を揃える
- 腕は身体の横で軽く開いて伸ばし、手のひらを床に向ける
- 息を吐きながら、両脚をゆっくりと床から離し、垂直になるまで上げる
- 上げた状態を数秒キープする
- 息を吸いながら、ゆっくりと足を床に戻す
バリエーション | 約5種類 |
ケガのリスク | 高い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹直筋・腸腰筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざは完全に伸ばさない
ひざは完全に伸ばさない
レッグレイズの種類
ベンチレッグレイズ |
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マシンレッグレイズ |
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ハンギングレッグレイズ |
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ツイストレッグレイズ |
|

検証者:山田
勢いよく脚を動かすと腰を痛めてしまいそうになったので、ゆっくり動かすことを意識しておこないたいです。
【産後の引き締め】女性におすすめの腹筋メニュー3選
- キャット&カウストレッチ
- デッドバグ
- サイドプランク
キャット&カウストレッチ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 四つん這いになり、肩の真下に手、股関節の真下にひざがくるようにする
- 息を吐きながら、背中を丸めておへそを覗き込むようにする
- 息を吸いながら、お腹を床に近づけるように背中を反らせる
バリエーション | 約3種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹直筋・腸腰筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひじを曲げない
ひじを曲げない
キャット&カウストレッチの種類
シーテッドキャット&カウ |
|
スタンディングキャット&カウ |
|

検証者:山田
最初は背中の動作に意識が集中しすぎて、ひじが無意識に曲がっていました。ひじが曲がると、背骨の動きが小さくなって、ストレッチ感も感じられませんでした。
初心者の人は、ゆっくりとした動作でおこなった方がよさそうです。
デッドバグ
難易度 | ★☆☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 仰向けに寝てひざを90度に曲げ、股関節も90度になるように持ち上げる
- 腕を天井に向かってまっすぐ伸ばす
- 右腕と左足を同時にゆっくりと床に近づける
- 元の位置に戻す
バリエーション | 約2種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹横筋・腹直筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 腕をしっかり伸ばす
腕をしっかり伸ばす
デッドバグの種類
ダブルアーム・ダブルレッグデッドバグ |
|

検証者:山田
腕が伸びきっている時は、腹筋が使われているような感じがしました。
仰向けになった時に最初腰が反り気味になってしまったので、意識しておこないたいです。
サイドプランク
難易度 | ★★★★★ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 横向きに寝て、ひじを肩の下に置く
- 下の脚は床につけ、上の脚をまっすぐ伸ばす
- 腰を上げて、身体を一直線に保つ
バリエーション | 約3種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹斜筋・中臀筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざを曲げない
- 身体を一直線にする
ひざを曲げない
身体を一直線にする
サイドプランクの種類
ひざつきサイドプランク |
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サイドプランクの状態からヒップレイズ |
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検証者:山田
ひざが曲がってしまうと身体が安定しにくくなったように感じました。
本来鍛えたい場所へ負荷がかからないだけでなく、姿勢が崩れて腰など他の部位に負担がかかるリスクがあると感じました。
【便秘・むくみ解消】女性におすすめ腹筋メニュー3選
- レッグスイッチ
- バイシクルクランチ
- ひざぱか
レッグスイッチ
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 仰向けに寝て、両手はお尻の下に置くか、身体の横に置く
- 両脚を揃えて天井に向かって持ち上げる
- 片方の脚を床につく直前まで下ろし、もう片方の脚は天井に伸ばしたままキープする
- 下ろした足を元に戻すと同時に、もう片方の足をゆっくりと下ろす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹直筋の下部・腸腰筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 脚をまっすぐにする
脚をまっすぐにする

検証者:山田
脚を動かす際に腰が浮きそうになったら、脚を床ぎりぎりまで下げるのではなく、お腹をへこませて腰を床に押しつけるように意識しました。
バイシクルクランチ
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- 仰向けに寝て、両手を頭の後ろに軽く添える
- ひざを90度に曲げ、脚を床から持ち上げる
- 右ひじと左ひざを近づけるように体をひねり、左足は同時に伸ばす
- 元に戻し、次に左ひじと右ひざを近づけるように体をひねり、右足を伸ばす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 腹斜筋・腹直筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 上半身をしっかり上げる
上半身をしっかり上げる

検証者:山田
上体を斜めにしてキープしようとすると、腰が痛くなってしまいました。ケガを避けるためにも、意識して上体をおこしていこうと思います。
ひざぱか
難易度 | ★☆☆☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) |
★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
- あおむけになって足の裏をそろえる
- ゆっくりとひざを開く
バリエーション | 約2種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | 自宅・ジム |
器具・設備 | 床マット |
鍛えられる部位 | 中臀筋・小臀筋・内転筋の一部 |
負荷の調整 | 可能 |
- 左右均等にひざを開く
左右均等にひざを開く
ひざぱかの種類
脚上げひざぱか |
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検証者:山田
ひざを開く際は、お腹を軽く引き締めて身体がぶれないように意識しました。
また、反動を使わないよう意識しながらおこなうと、筋肉にしっかり負荷がかかっているように感じました。
【運動不足解消】女性向け腹筋エクササイズ
忙しい生活の中でも、腹筋を鍛えられる腹筋エクササイズ! ストレッチも取り入れた4分間のトレーニングで、運動不足や冷え性を改善しよう。腹筋に自信のない人にもおすすめ。
女性の腹筋トレーニングに関するQ&A
どのくらいで身体に変化がみられるようになる?
A:約1週間で腹筋に力が入る感覚を実感できる

一般的に約1週間で腹筋に力が入る感覚を実感でき、約3ヶ月でお腹周りがすっきりとした印象に変化します。腹筋の見た目の変化は、目指すべき理想の体型によって大きく異なります。
分厚い腹筋がいいのか、薄く引き締まった腹筋がいいのかで、トレーニング内容や必要期間が変わってきます。
生理中は腹筋運動を避けるべき?
A:できれば避けた方がいい

生理中の運動は体調や体力に余裕があっても、お腹周りに負荷がかかる腹筋運動は避けることをおすすめします。完全に禁止というわけではありませんが、体調管理を最優先に考えましょう。負荷のかかる動作や力む動作を控えめにすることで、安全に運動を続けられます。
産後どのくらいから腹筋トレーニングしても大丈夫?
A:最低でも出産から2ヶ月以降

産後の腹筋トレーニングは、早くても出産から2ヶ月以降に開始することをおすすめします。ただし、これはあくまでも目安であり、個人の回復状態によって開始時期は異なります。必ず医師に相談し、体調を見ながら慎重に始めることが大切です。
脂肪がつきやすい40~50代女性のトレーニングで大事なことは?
A:インナーマッスルから鍛える

40〜50代は更年期の影響で内臓脂肪が蓄積されやすい時期です。腹筋トレーニングだけでなく有酸素運動と食事管理を組み合わせることで、より効果的な体型改善が期待できます。また、インナーマッスルを優先的に鍛えることで、運動効果を高めながらケガのリスクを軽減できます。
女性が腹筋ローラーを使う時の注意点は?
A:女性は一般的に握力が弱い傾向にあるため適切な握り方が重要

女性は男性に比べて握力が弱い傾向にあるため、腹筋ローラーを使用する際はとくに注意が必要です。握力不足による怪我を防ぐためハンドルの握り方をしっかり確認し、無理のない範囲での反復運動を心がけましょう。
ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。
2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ