
筋トレメニューの中でも、下半身を効率よく鍛えることができる「レッグプレス」。多くのジムに導入されている定番マシンで、筋トレ初心者でも取り組みやすい種目の一つ。
本記事では「レッグプレス」で鍛えられる筋肉や効果、効かせたい部位別のやり方、動作のコツなどを詳しくご紹介。正しいやり方と注意点をおさえて、安全かつ効率よくトレーニングに取り組もう。
この記事の監修者
つむら みおさん
パーソナルトレーナー
この記事の検証者

兵藤 俊太さん
Wellulu編集部|筋トレ経験3か月
学生時代運動部に所属していたが、社会人になってから運動不足に。最近少しジムに通い始めたが、トレーニングに苦手意識がある。だからこそ初心者の気持ちに寄り添った検証ができるはず。
レッグプレスの検証ポイント
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【難易度】
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【継続性】
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【負荷】
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レッグプレスで鍛えられるおもな筋肉
部位 | 負荷の強度(※) |
大腿四頭筋 | ★★★★★ |
ハムストリングス | ★★☆☆☆ |
大臀筋 | ★★☆☆☆ |
内転筋 | ★☆☆☆☆ |
※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差

監修者:つむら
レッグプレスは大腿四頭筋に一番効果のある種目です。脚の幅やひざの角度によってそれぞれへの負荷レベルは変わります。
大腿四頭筋
主な役割 | 歩く、走る、立つなど、下半身のほぼすべての動作に関係する。スポーツのパフォーマンス向上や転倒防止、立つ座るといった日常の動作がスムーズになる。 |
位置 | 太ももの前面 |
構成筋肉 | 大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋 |

監修者:つむら
大腿四頭筋は「スクワット」や「レッグエクステンション」などの種目でも鍛えられます。とくに「レッグエクステンション」は、大腿四頭筋をピンポイントで追い込めるトレーニングです。
ハムストリングス
主な役割 | ひざを曲げたり、股関節を伸ばしたりする際に影響する。日常生活では歩行だけでなく、脚を後ろに蹴り出す際などでも関わってくる。 |
位置 | 太ももの裏側 |
構成筋肉 | 大腿二頭筋・半膜様筋・半腱筋 |

監修者:つむら
ハムストリングスは下半身の中でも大きな筋肉なので、鍛えることで基礎代謝が向上し、ダイエットにも効果的です。
ハムストリングスを鍛えるには、「バックランジ」や「ブルガリアンスクワット」など、裏ももにストレッチのかかるトレーニングが効果的です。
大臀筋
主な役割 | 歩く、走るといった日常動作に欠かせない存在で、股関節の安定性に影響する。日常生活において、階段を上る時や坂道を上る時に関わる。 |
位置 | お尻の左右 |

監修者:つむら
大臀筋は鍛えることで下半身のスタイルアップが期待できます。「ブルガリアンスクワット」や「ヒップスラスト」などの種目でも鍛えられます。
内転筋
主な役割 | 周辺の筋肉バランスを整え、股関節の可動域を広げる役割。さまざまな動作や姿勢改善に関わる。 |
位置 | 太ももの内側 |
構成筋肉 | 大内転筋・長内転筋・短内転筋・恥骨筋・薄筋 |

監修者:つむら
内転筋は動作の質を高め、さらにはケガの予防にも役立つ、健康的な身体づくりには欠かせない筋肉です。
鍛えるには「バレエスクワット」や「ワイドスクワット」など、脚を外側に開く・閉じるを繰り返す種目が効果的です。
レッグプレスの効果
スタイルアップ効果 | お尻と脚にメリハリがつき、太ももからふくらはぎにかけてのコントラストが生まれる。これにより脚長効果や美脚効果が得られ、見た目の印象UPにつながる。 |
ダイエット効果 | 下半身は筋肉量が多いため鍛えることで基礎代謝が上がり、痩せやすい身体づくりにつながる。 |
効果を実感するまでの期間は人それぞれだが、体力がついてきたと感じるのは大体1ヵ月後くらいから。見た目の変化を感じるのは約3ヵ月後になることが多い。
レッグプレスのやり方
難易度 | ★☆☆☆☆ |
続けやすさ | ★★★☆☆ |
トレーニング効率 | ★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
- レッグプレスマシンに座り、背中をシートにつける
- 脚をフットプレートに肩幅程度に置く
- 息を吐きながら、ひざをゆっくりと完全に伸び切る一歩手前までのばす
- 息を吸いながら、ひざをゆっくりと曲げる
バリエーション | 約5種類 |
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | 大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋・内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
STEP1:レッグプレスマシンに座り、背中をシートにつける
【注意点】
- シートぴったりに背中をつける
シートぴったりに背中をつける

検証者:兵藤
背中をつけようとしすぎて、逆に腰が丸まってしまいそうになりました。これだと腰を痛める可能性もありますか?

監修者:つむら
背中を意識しすぎてしまうと、腰を痛めてしまうリスクがあります。背中全体をシートにつけつつ、座面の角度や足の置く位置を調整して自然につくようにしてみましょう
STEP2:脚をフットプレートに肩幅程度に置く
【注意点】
- 足の位置はひざ裏が90度になるようセットする
- 足の向きは正面より軽く外向きにする
足の位置はひざ裏が90度になるようセットする
足の向きは正面より軽く外向きにする

検証者:兵藤
シートの位置を調整して90度の角度を意識すると、お尻から太ももにかけてしっかりと伸びている感覚がありました。

監修者:つむら
90度より大きいと腰が丸まりやすく、小さすぎると可動域が十分に取れないため、90度という目安を意識して取り組みましょう。
STEP3:息を吐きながら、ゆっくりと脚をのばす
- ひざは完全に伸ばし切る1歩手前で止める
ひざは完全に伸ばし切る1歩手前で止める

検証者:兵藤
ひざが伸び切らないことで、常にどこかしらの筋肉に負荷がかかり続けているように感じました。

監修者:つむら
完全に伸ばし切ってしまうと休憩ポイントができてしまったり、ひざへの負荷がかかるので伸ばしきらないようにしましょう。
STEP4:息を吸いながら、ひざをゆっくりと曲げる

検証者:兵藤
息を吸い込むことで自然とお腹に力が入ったように感じたのですが、やはり呼吸は大事なのでしょうか?

監修者:つむら
呼吸を意識することで、より安全に、効率的にレッグプレスをおこなえます。意識して取り組んでいきましょう。
足の位置別:レッグプレス4選
太ももの前側(大腿四頭筋)を鍛える「レッグプレス」
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ | ★★★☆☆ |
トレーニング効率 | ★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
- 足をプレート真ん中より下にセット
- 足幅を肩幅にそろえ、ひざが90度になるようにシートを調節
- 背中全体をシートにぺったりと付けるように深く腰掛ける
- 姿勢をキープしたままひざを伸ばすが、この際に伸ばし切らないように注意
- ゆっくり息を吐きながらひざを曲げて、プレートが元の位置にくるようにゆっくりもどす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | 大腿四頭筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- 足幅は20度程度外向き
足幅は20度程度外向き

検証者:兵藤
自分から見ると90度になっているかわかりづらいので、誰かに確認してもらうのが良さそうだと感じました。
確認してもらえる人がいない場合は、気持ち90度以下まで曲げる意識でもいいと思います。

監修者:つむら
意識はとてもよいですが、腰が丸まらない範囲でおこなうことがポイントです。もし腰が浮いてしまう場合は、そこが限界と判断しましょう。
ハムストリングスを鍛える「レッグプレス」
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
- プレートの真ん中より上に足をセット
- 足幅を肩幅にそろえ、ひざが90度になるようにシートを調節
- 背中全体をシートにぺったりと付けるように深く腰掛ける
- 姿勢をキープしたままひざを伸ばすが、この際に伸ばし切らないように注意
- ゆっくり息を吐きながらひざを曲げて、プレートが元の位置にくるようにゆっくりもどす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | ハムストリングス |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く
- 足の幅を腰幅より少し広めにとる
ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く
足の幅を腰幅より少し広めにとる

検証者:兵藤
ハムストリングが少しプルプルする感じがありました。効いている部位がわかりづらくなりますが、極限までゆっくり動作をするとどこに効いているか?がよりわかりやすくなると感じました。

監修者:つむら
速い動作でおこなうと反動や勢いがつきやすく、狙った筋肉以外を使用してしまったり、負荷がかからなかったりします。反動を使わないようにしましょう。
お尻の筋肉(大臀筋)を鍛える「レッグプレス」
難易度 | ★★★☆☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
- プレートの真ん中より上に足をセット
- 足幅を肩幅にそろえ、ひざが90度になる位置から一足分上に足をつけるようシートを調節
- 背中全体をシートにぺったりと付けるように深く腰掛ける
- 姿勢をキープしたままひざを伸ばす。この際に伸ばし切らないように注意
- ゆっくり息を吐きながらひざを曲る
- プレートが元の位置にくるようにゆっくり元の位置にもどす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | 大臀筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く
ひざが90度になる位置より一足分上に足を置く

検証者:兵藤
脚を戻すときにゆっくりおこなうと負荷がかかっている感覚があります。大殿筋だけではなく、太ももの裏側もしっかり効いている感じです。
意識していないと足幅が狭くなってしまうので、開始前に足幅の位置を意識することが大切だと感じました。

監修者:つむら
トレーニング中は疲れてくると無意識のうちにフォームが崩れがちになってしまいます。開始前に足幅を意識し、セットポジションを毎回確認する習慣をつけましょう。
難易度 | ★★★★☆ |
続けやすさ(※1) | ★★★☆☆ |
トレーニング効率(※2) | ★★★☆☆ |
- ※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
- ※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか
【やり方】
- 足をプレート真ん中にセット
- 足幅を拳1個分程度にひらき、ひざが90度になるようにシートを調節
- 背中全体をシートにぺったりと付けるように深く腰掛ける
- 姿勢をキープしたままひざを伸ばすが、この際に伸ばし切らないように注意
- ゆっくり息を吐きながらひざを曲げて、プレートが元の位置にくるようにゆっくりもどす
ケガのリスク | 低い傾向 |
実施できる場所 | ジム |
器具・設備 | レッグプレスマシン |
鍛えられる部位 | 内転筋 |
負荷の調整 | 可能 |
- つま先はまっすぐにする
- 足幅は拳1個分程度にする
つま先はまっすぐにする
足幅は拳1個分程度にする

検証者:兵藤
太もも全体に負荷がかかっている感じがしました。
極限までゆっくり動かすと内側にも負荷がかかっている感覚はありましたが、内転筋にピンポイントに効かせるのは難しいと感じました。

監修者:つむら
内転筋をより意識したい場合は足幅と角度を調整し、さらに集中的に鍛えたい場合は別の種目と組み合わせながらおこなうのもおすすめです。
マシンや器具の使い方
- レッグプレスマシンに座り、背中をシートにつける
- 脚をフットプレートに肩幅程度に置く
- 息を吐きながら、ひざをゆっくりと完全に伸び切る一歩手前までのばす
- 息を吸いながら、ひざをゆっくりと曲げる
「レッグプレス」の重量と回数
平均重量
◾️男性の体重別重量の目安
体重 | 平均重量 | 初心者の場合 |
---|---|---|
50kg | 76kg | 75kg |
55kg | 88kg | 83kg |
60kg | 101kg | 90kg |
65kg | 114kg | 98kg |
70kg | 126kg | 105kg |
75kg | 138kg | 113kg |
80kg | 149kg | 120kg |
85kg | 160kg | 128kg |
90kg | 171kg | 135kg |
95kg | 182kg | 143kg |
100kg | 193kg | 150kg |
体重 | 平均重量 | 初心者の場合 |
---|---|---|
40kg | 47kg | 48kg |
45kg | 54kg | 54kg |
50kg | 62kg | 60kg |
55kg | 68kg | 66kg |
60kg | 75kg | 72kg |
65kg | 81kg | 78kg |
70kg | 87kg | 84kg |
75kg | 93kg | 90kg |
80kg | 99kg | 96kg |
85kg | 104kg | 102kg |
90kg | 110kg | 108kg |

監修者:つむら
初心者の場合は、男性は体重の1.5倍、女性は体重の1.2倍を目安に重量を設定するのがおすすめです。
平均回数
基本的には12回を目標におこなう

監修者:つむら
男性だから/女性だからでこの回数がいいという考え方ではなく、自分の筋力と目標に合わせた調整が必要です。
大事なことは、8回から12回おこなったときに設定した重量が何%の負荷と感じるか。
同じ50kgでも、100%と感じる人もいれば80%と感じる人もいるので、自分の目的に合わせて重量で調整しましょう。
「レッグプレス」に関するQ&A
「レッグプレス」は週何回おこなえばいい?やりすぎはよくない?
A:最大で1日か2日休みながらトレーニングするのがよい

監修者:つむら
「レッグプレス」をおこなう頻度については、早ければ24~48時間空けるのがおすすめです。これを基に考えると、2日おきにトレーニングをしても問題ありません。
ただし、個人の目的や身体の反応によって適切な頻度は変わります。例えば、ダイエットを目的とする人や筋肥大をめざす人では、トレーニングの頻度に対する考え方が異なることも。
1日か2日休むことを基本とし、個人の状態や目的に応じて適宜調整するようにしましょう。
自宅用レッグプレスを購入してトレーニングするときの注意点はありますか?
A:マシンを設置する場所の床は、水平で硬めの材質を選び、マシンのメンテナンスを怠らないようにする

監修者:つむら
床が柔らかい素材だとマシンの重さに耐えられず、床が歪む可能性があります。また、定期的なメンテナンスが必要で、ボルトが緩んでいないか、潤滑油にホコリがついていないかを確認しましょう。
ボルトがゆるんでいると、使用中にケガをするリスクが高まります。潤滑油にホコリがついてしまう場合も、マシンの動きが悪くなったり、部品の摩耗や錆の原因になります。
「レッグプレス」は腹筋にも効果ありますか?
A:「レッグプレス」が腹筋に効果があるかどうかは人による

監修者:つむら
「レッグプレス」は脚のトレーニングですが、実際には身体を安定させるために体幹を使うため、その過程で腹筋も副次的に鍛えられていると感じる人もいます。
とくに、重量を増やしていくと腹圧を利用して持ち上げる必要があります。お腹のトレーニングで表面の腹筋を鍛えるよりも、インナーマッスルで圧をかけるトレーニングの方が、お腹がへこむ効果を実感しやすい場合もあります。
「レッグプレス」でジャンプ力は鍛えられますか?
A:「レッグプレス」だけでジャンプ力をずっと向上させることは難しい

監修者:つむら
普段脚を鍛えていない人が「レッグプレス」で脚を鍛え始めると、最初はジャンプ力が上がる可能性があります。
ただし、「レッグプレス」はジャンプに必要な筋肉を鍛えるトレーニングではないため、ジャンプ力に特化して鍛えたい場合は、腸腰筋などジャンプに直接関係する筋肉のトレーニングにを取り入れましょう。
絶対とはいえませんが、「レッグプレス」はジャンプ力アップの一助として、ほかのトレーニングと組み合わせておこなうようにしましょう。
腸腰筋のコンディションを整えるトレーニングや筋トレは以下の記事で詳しく紹介。
ハーティネス株式会社代表
フィットネス勤務から独立し、現在はダイエット迷子に正しい知識を伝えるためのオンライングループレッスン運営中。
コンプレックスを強みに変える!ボディメイク運動指導やリバウンドなしで、理想の体を手に入れる食事指導をおこなっている。
2チャンネル目となるYouTube「みおGYM」にて週2回エクササイズ配信中
著書4冊/各種雑誌、テレビ出演
JBBF 日本ボディビル・フィットネス連盟 2年連続優勝経験を持つ