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習慣づけるのに必要な期間は?習慣化のコツやメリット・デメリットも紹介

習慣化は意志の強さで決まると思われがちだが、実は「意志力に頼らない仕組みづくり」が成功の鍵を握る。人間の脳は変化を嫌い現状維持を好むため、最初のハードルをできるだけ低くし、小さな達成感を積み重ねることで習慣として定着しやすくなる。

この記事では、習慣化の専門家に聞いた、習慣が身につくまでのプロセスや必要な期間、簡単なことから始めて継続するための具体的なコツ、よくある失敗パターンとその対策まで詳しく解説する。

この記事の監修者

相良 奈美香(さがら・なみか)さん

行動経済学コンサルタント。「行動経済学」博士。
日本を中心に、10カ国以上にわたる国際的な行動経済学コンサルティングを展開する傍ら、執筆やメディア活動を通して行動経済学を広める活動をしている。

代表作『行動経済学が最強の学問である』(SBクリエイティブ)は18万部を超えるベストセラーとなり、日本における行動経済学の認知度を広げる大きなきっかけとなった。

現在は「アフェクトの力で人々の生活をより豊かに、幸せにしたい」という信念のもと活動。
日常の中にすぐ取り入れられ、自己管理能力を高めるアフェクト・マネジメント法を多くの人へ届けている。 

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目次

習慣は4つプロセスで形成される!

特定の行動が習慣として身につくには「意思決定」→「実行」→「反復」→「習慣化」の4つのプロセスを経て定着する。

意思決定・計画 何をどのように続けるかを決め、具体的な目標を設定する段階
行動開始
  • 実際に新しい行動を始める段階
  • 合図となる状況(時間・場所・既存の行動など)をトリガーにして行動を実践する
反復 同じ行動を継続的に繰り返し、行動の結びつきを強化していく段階
習慣化 意識せずとも無意識に実行できるようになる

意思決定~実行

まずは行動しようと意思決定をすることが習慣化の第1歩となるが、実行に移す段階でさまざまな障壁が生じる。

たとえばウォーキングを習慣にする場合、今日は朝からウォーキングをすると決めても「めんどくさい」「外が寒い」「疲れている」といった要因が立ちはだかる。

このような障壁を意志力や気合いだけで乗り切ることはハードルが高いので、障壁があっても続けられるように「とりあえず決まった時間に外に出る」「毎日5分だけでも歩く」など、最初の負荷をできるだけ低くすることが重要。

面倒だと思っていたけど、やり始めると意外と集中してしまったという経験はありませんか?

人間は区切りをつけるのが好きで、一度やり始めるとキリのいいところまでやらないと気が済まなくなるという性質があります。この性質をうまく利用するには、最初のハードルをできるだけ低くすることが重要です。

反復~習慣化

最初のハードルを低くして行動に移すことができたら、少しでもいいから毎日続けることが大切。

すぐに結果が出ないことは変化を実感しづらいので、結果だけに目を向けず、実行できている自分を褒めるようにしよう。その結果、ポジティブアフェクトが積み重なり、続けることが楽しくなってくる。

アフェクトとは

喜怒哀楽ほど強くない、ふんわりと浮かぶ淡い感情のこと
※すべてのできごとは、ポジティブアフェクトかネガティブアフェクトに分類できる

ポジティブなアフェクトもネガティブなアフェクトも周囲に伝染するので、モチベーションの高い人や気が合う人と一緒に取り組むのもよい方法です

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今ある習慣に組み合わせたい「ガンマ波サウンド」

散歩をする・読書をする・マインドフルネスをする。日々の中で自然と続いている、ささやかな「習慣」。こうした習慣を丁寧に続けていくことや他の習慣と組み合わせることで、生活の質を高めることにつながる。今ある習慣に別の習慣を組み合わせるやり方として、具体的におすすめなのが「ガンマ波サウンド」という音を聞く習慣。

ガンマ波サウンドは、脳波の周波数のひとつとされる「ガンマ波」に着目した音のテクノロジー。特別な準備を必要とせず、いつもの習慣に音を重ねるだけ。散歩をしながら、読書をしながら、マインドフルネスをしながら。音を聞くという行為を加えることで、日々のルーティンに新しい輪郭が生まれる。

年齢を重ねるにつれ、生活や仕事のリズムは少しずつ変わっていく。だからこそ、無理に何かを変えるのではなく、続けられる形で習慣を整えていくことが大切。ガンマ波サウンドは、日常の延長線上で取り入れられる存在として、毎日の習慣にそっと寄り添っている。

習慣化のメリット・デメリット

習慣化のメリット

習慣化された行動は脳の認知的なリソースを削減できるので、ほかの重要な課題や意思決定にエネルギーを振りやすくなる。また、毎日の小さな継続が自信につながり、行動が積み重なることで、より大きな目標を達成しやすくなる。

  • 行動が自動化されて脳のエネルギー消費が減る
  • モチベーションに左右されずに続けることができる
  • 日々の行動が積み重なることでより大きな目標を達成しやすくなる
  • 「小さなことを続けられた」という経験が自信につながる
  • 日々のスケジュールが明確になり、自己管理がしやすくなる

習慣化のデメリット

一度習慣として身につくと、良くないとわかっていることや今の時代や環境に合わないことでも惰性で続けてしまうというリスクも存在する。

また、人には新しい選択肢や変化よりも現在の状況を維持しようとする「現状維持バイアス」が備わっており、新しいツールや効率的な方法が登場しても、従来のやり方に固執しやすいという特性も備わっている。

 もし悪い習慣が身についている場合、「この習慣は自分の不利益になる」と自覚し、「またやってしまった」とネガティブな感情を喚起させる必要がある。ネガティブな感情を植えつけることで、次に同じ行動を取ろうとした瞬間にブレーキがかかりやすくなる。

悪い習慣をやめるには「電車の中でスマホを見るのをやめたい場合は電車に乗ったらスマホをバッグの奥に入れる」といったふうに、物理的なハードルを上げることが大切です。

  • やっている作業に慣れて、目的意識が薄れてしまうことがある
  • 間違った習慣が身についてしまうと、治すのに時間がかかる
  • 現状に固執して新しいことを試す機会を失う

習慣化に必要な期間

ロンドン大学の研究では、習慣が定着するまで平均66日かかると報告されている。ただし、あくまで平均であり、個人差が大きい。

3日 「三日坊主」という言葉が示す通り、行動開始直後の初期段階(反発期)を表す程度であり、習慣化に必要な正式な研究結果ではない
18日
  • Lallyの調査で報告された最短日数

※96人の被験者を対象に、健康行動が習慣化されるまでの日数を追跡したところ、18日が最小値(最大254日、中央値66日)であった

21日
  • 美容整形外科医マルツが観察した患者の経験(手術後に身体イメージに慣れるまでに「最低21日かかる」)に由来する数字

※以後「21日で習慣化」という説として広まったが、科学的裏付けは乏しい

66日
  • Lallyの研究で得られた中央値

※メディアでは「2ヵ月強」として紹介されることが多い

基本的に好きなことや楽しいことは、習慣として定着するまでの期間が短くなりやすく、苦手なこと・嫌いなこと、すぐに変化や成果が出ないことは習慣化が難しい。

また「夜中にラーメンを食べる」「仕事が残っているのに飲みに行ってしまう」などのすぐに報酬や快楽が得られる行為は、クセになりやすく、やめるのも難しい。

習慣化や継続のコツ

  • 簡単にできることから始める
  • 続けることを目標にする
  • すでに習慣化されている行動に紐づける
  • やらないという選択肢を外す
  • 達成した先に得られる結果を想像する
  • 記録をつける
  • 不要なノイズを削除する
  • 誰かに公言する
  • できごとや思考から距離を置く
  • 他人と比較しない

簡単にできることから始める

脳は変化を嫌い、現状維持を好む性質を持っているため、習慣化には時間がかかる。とくに、行動を起こそうとする最初の段階でもっとも強い抵抗が生じるため、いきなり高い目標を設定すると、継続が難しく挫折につながりやすい。

そのため、最初の一歩はできるだけ小さく、簡単にできることから始めるのがおすすめ。小さな達成感を重ねることで、脳の報酬系が刺激され、モチベーションが持続する。

続けることを目標にする

習慣化の観点で「結果」に強くこだわると、多くの場合は挫折しやすい。たとえば、毎日1時間筋トレをすることを目標にした場合、1時間以上続けられれば達成感が得られるが、30分の場合はネガティブな感情を抱きやすくなってしまう。

たとえ1回の時間は短くても「続けることができれば成果はついてくる」と考え、毎日少しでもいいから継続するのが習慣化のコツ。

結果よりも行動できた自分を褒めることを習慣にすれば、淡い感情のポジティブアフェクトが積み上がり、続けることが楽しくなってきます。楽しい状態をつくることができれば、自然と高い目標にもチャレンジできるはずです。

すでに習慣化されている行動に紐づける

すでに習慣化されている行動に新しい行動を結びつけると、その行為を思い出しやすくなる。たとえば、「メールチェックのあとにストレッチをする」「コーヒーを飲んだあとは企画のアイデアを考える」といったふうに、習慣化された行動がトリガーとなり、新しい習慣の定着を手助けしてくれる。

行動だけでなく、場所や時間をトリガーにすることも可能。時間をトリガーにする場合は、カレンダーアプリに予定を入れるなど、思い出せるように工夫しよう。

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今ある習慣に組み合わせたい「ガンマ波サウンド」

散歩をする・読書をする・マインドフルネスをする。日々の中で自然と続いている、ささやかな「習慣」。こうした習慣を丁寧に続けていくことや他の習慣と組み合わせることで、生活の質を高めることにつながる。今ある習慣に別の習慣を組み合わせるやり方として、具体的におすすめなのが「ガンマ波サウンド」という音を聞く習慣。

ガンマ波サウンドは、脳波の周波数のひとつとされる「ガンマ波」に着目した音のテクノロジー。特別な準備を必要とせず、いつもの習慣に音を重ねるだけ。散歩をしながら、読書をしながら、マインドフルネスをしながら。音を聞くという行為を加えることで、日々のルーティンに新しい輪郭が生まれる。

年齢を重ねるにつれ、生活や仕事のリズムは少しずつ変わっていく。だからこそ、無理に何かを変えるのではなく、続けられる形で習慣を整えていくことが大切。ガンマ波サウンドは、日常の延長線上で取り入れられる存在として、毎日の習慣にそっと寄り添っている。

やらないという選択肢を外す

疲れているときや仕事で遅くなった日などは、「今日はやるか・やらないか」の2択で考えてしまいがちだが、やることを前提とし、どれくらいやるかを考えるクセをつけることが重要。

理想はまったくやらない日をなくし、たとえば5分しかできなくても「疲れていたのに5分続けられた」自分を褒めることで自然と習慣化しやすくなる。

疲れているからテキストを眺めるだけにするなど、負荷を下げてもかまいません。ただし、「今日あまりできなかったから明日はいつもの2倍やろう」と考えてしまうのは、翌日の難易度を上げてしまうのでおすすめしません。

達成した先に得られる結果を想像する

習慣化に成功した将来の状況を紙に書き出したり、想像したりすることで、現在の行動と将来の自分を紐づけやすくなる。

紙に書いて見えるところに貼っておく(作業の邪魔にならない場所)・スマホの待ち受けにするなどして、自然と目に入るように仕組化するのも1つの方法。日常生活で自然におこなっている行動に紛れ込ませるのがコツ。

記録をつける

筋トレを実施した回数や資格の勉強時間などを数値として記録すると、積み重ねが一目でわかるので、達成感が生まれやすい。手書きでもアプリでも方法は何でもいいので、努力の結果が可視化できる状態をつくり、行動そのものを報酬として感じられる仕組みをつくることが大切。

とくにすぐに変化や結果が出ないことを続ける場合は、記録として残すことで「これだけ続けられた」という満足感が生まれやすい。

不要なノイズを削除する

何かに取り組む際、関係がないものが視界に入ると注意が散漫になってしまう。

プリンストン大学などの研究では、散らかった環境では視界の情報量が増え、脳の認知資源が奪われて集中力や情報処理能力が低下する一方、不要なものを片づけると生産性が向上することが示されている。また、スマホ通知などのデジタルなノイズも作業を頻繁に中断させ、パフォーマンスや心身の負担に悪影響を与えると報告されている。

集中したいときは、机の上から関係のない物を退け、不要な通知や音を切るなど、ノイズを意識的に削ることが習慣化の助けになる。

誰かに公言する

家族や友人、オンラインコミュニティなどで目標を宣言したり、進捗を報告し合うと、継続率が高まりやすい。ほかのメンバーから報告が届くと「自分もやろう」という気持ちが生まれ、相互に行動を促し合う相乗効果が期待できる。

また、誰かに公言することによって、やらなければいけないという適度なプレッシャーが生まれる。自分にとって負荷が強すぎない範囲で、ちょうどよいプレッシャーレベルを選ぶことが重要。

できごとや思考から距離を置く

「今日は仕事が遅くなったから」「いつもより疲れているから」などの言い訳が浮かんできたら、思考から一歩距離を置いて客観的な視点でものごとを捉えることが大切。

そのときに有効なのが「これが友人の悩みだったらなんて声をかけるか」と考える方法。友人の悩みごとだと思うことで「疲れていてもやったほうが長期的によい結果につながる」などの冷静な判断ができるようになる。

他人と比較しない

習慣化においては誰かと比較することにメリットはなく、むしろネガティブな感情を生みやすい。

たとえば、90点という自己ベストの結果を出せたとしても、比較相手が95点だった場合、ネガティブな感情を抱いてしまう。ネガティブな感情は心に残りやすく、比較行為そのものが習慣化のブレーキとして働いてしまうおそれも。

「昨日よりも長い時間集中できた」「1週間継続できた」などの自分の成長に目を向けることが大切。自分を肯定する材料が増えれば、それだけポジティブアフェクトを積み上げることができるので、結果的に習慣化もしやすくなります。

何をやっても続かない・飽き性の人は何から始めればいい?

まずは習慣化したい目標を細分化して、スモールステップでスタートすることから始めよう。達成できたら自分を褒めて、毎日少しずつでもいいから継続することが大切。

また、習慣を定着させるのに「優先すべきポイント」は人によって異なる。だからこそ「自分にとって一番のネック」をピンポイントで見つけることが、最短で習慣化を成功させるコツ。

下記のサイトでは、いくつかの質問に答えるだけで、「今できていていること」や「どこを整えれば習慣が続きやすくなるのか」を可視化することができ、自分にあったアドバイスが受けられる。

自分に合った習慣化の方法を調べてみる

習慣づけに関するよくある失敗や誤解

「意志の力」に頼りすぎる

意志力が高いほうがいいのは間違いないが、意志力は「調子が悪い日」や「忙しい日」には機能しにくいため、長時間にわたって継続するのは難しい。

そのため、習慣化では「意志力に頼る」のではなく「行動に必要な意志力を減らす」「行動のハードルを下げる」「障壁を取り除く」といった工夫が重要。必要な意志力を最小限に抑えることができれば、調子が悪い日でも行動が続きやすくなる。

一度に多くのことを習慣化しようとする

たとえ簡単にできるレベルであっても、新しい習慣を複数同時に走らせると、認知的負荷が増え、失敗する可能性が高まる。1つの習慣がある程度安定してから、次の習慣にチャレンジするほうが、成功確率は高くなる。

習慣化に関するQ&A

習慣の定着に年齢は関係している?

A.習慣の定着に年齢はあまり関係ない。

年齢を理由にして挑戦を先送りにしていると、その分だけ状況は悪化していきます。今の自分が一番若いので、とにかく始めてみることが大切です。

一度やめてしまった習慣を再開するときはどうすればいい?

A.無理なくできるレベルからスタートする

まずはやめてしまった原因を特定することが重要です。原因が明確になると、障壁を乗り越えるための対策が立てやすくなります。

再開するときは、以前にどこまでやっていたかは気にせず、今の自分が無理なくできる範囲から再開したほうが長期的に継続しやすいです。

忙しい人でも続けやすい工夫は?

A.日々の時間を切り出して行動自体を楽しむ

表面的には時間がないと言いつつ、実際にはスマホを触っていたり動画を見たりしている時間はあるはずなので、日々の行動を見直してみましょう。

また、忙しい人ほどやらなければならない行動をいかに楽しくできるかも重要です。義務感だけで続けようとすると、疲労やストレスが蓄積し、挫折してしまいます。

小さな達成をしっかり褒める工夫や、身近な人を巻き込んで一緒に取り組むなど、自分なりに楽しく続けられる方法を見つけてください。

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