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世界の幸せをデザインする。武蔵野大学が日本初の「ウェルビーイング学部」を開設!記者発表会レポート

武蔵野大学が日本初の「ウェルビーイング学部」を開設

武蔵野大学は創立100周年を迎える2024年4月、新学部「ウェルビーイング学部」を武蔵野キャンパスに開設する。日本には「ウェルビーイング」を冠する学部は他にはなく、「あらゆる産業で活躍できるウェルビーイング分野の人材を育成していく」最初の学部になる。

2023年4月12日(水)、武蔵野大学・有明キャンパスにて「『ウェルビーイング学部』学部開設に関する記者発表会」が行われた。武蔵野大学の西本照真学長をはじめ、ウェルビーイング学会の代表理事で慶應義塾大学大学院教授の前野隆司先生、同学会副代表理事であり東京大学公共政策大学院教授/慶應義塾大学教授の鈴木先生が登壇。そして株式会社YeeY共同創業者・代表取締役の島田由香氏がリモートで参加した。

ここでは、その記者発表会の様子をレポートする。

生きとし生けるものを幸せに。武蔵野大学学長が語るウェルビーイングとは

武蔵野大学学長

最初に、武蔵野大学学長の西本照真氏が登壇し、日本初でもある「ウェルビーイング」を冠した新学部への思いを語った。

西本学長:私は今日、とても幸せです。新学部の記者発表会に、こんなにたくさんの方にご参加いただきました。歴史をさかのぼると、武蔵野大学は1924年、関東大震災の翌年に誕生しました。苦しみや悲しみをどん底の中で、「人々に幸せを」という願いを込めて創立された大学なのです。

2016年、武蔵野大学は「世界の幸せをカタチにする。」というブランドステートメントを宣言した。次の世代に種をまくため、「アントレプレナーシップ学部(2021年4月開設)」「工学部サステナビリティ学科(2023年4月開設)」など、次々と新しい学部・学科を設立させている。

そして、「仏教精神に基づく人格育成」を建学の精神として掲げる武蔵野大学は2024年、いよいよ100周年を迎えようとしている。

西本学長:仏教の基本的な願いは「生きとし生けるものが幸せであるように」ということ。「ウェルビーイング」の願いもそれと同じく、人も、社会も、自然も、モノも、互いに調和しながら、「より良い状態」を共に創っていくことです。武蔵野大学が100周年を迎える記念の年に「ウェルビーイング学部」が誕生することを、大変喜ばしく思っています。

西本学長は「未来に向けて、みなさんとご一緒に大きなウェルビーイングのムーブメントを作ってまいりたいと思っております!」と力強く語り、挨拶を終えた。

社会をウェルビーイングへと導く。「維新」を起こす志士が集う学部に

武蔵野大学

西本学長の挨拶に続いて、スクリーンでは「武蔵野大学ウェルビーイング学部 開設予告動画」(URL:https://www.youtube.com/watch?v=qd_OXxRR3_4)が公開された。

「ウェルビーイング学部」への期待感が高まる中、登壇したのは「武蔵野大学ウェルビーイング学部」の学部長に就任予定の前野隆司先生。慶應義塾大学大学院教授であり、ウェルビーイング学会の代表理事も務める、「幸福学」の第一人者だ。

前野先生は「みなさんは幸せでしょうか?世界は、人類は、幸せでしょうか?」と切り出し、語り始める。

前野先生:産業革命以降、私たちは経済成長こそ素晴らしいと思って発展を進めてきました。その結果、環境・戦争・貧困・少子高齢化など様々な問題が生まれています。人々のウェルビーイングを創るための、新しいパラダイムへと転換していくべきではないでしょうか。自分のウェルビーイングについて考えながら、新しい世界をデザインし、創造し、世界を変えていく。「ウェルビーイング学部」は、学生自身がウェルビーイングな状態を高めると共に、社会をウェルビーイングへと導く人材を育てていく学部なのです。

「明治維新以来の『令和維新』を起こす志士たちを教育していく」と、前野先生はその大きな志を語り、「ウェルビーイング学部の学び」について解説した。

前野先生:ウェルビーイング学部では、まずウェルビーイングの基礎を学びます。さらに、日本、日本の企業、世界をキャンパスにして、自然環境体験・地方体験・企業体験・国際体験など、実習体験の中から「人間らしい力」を身に付けてもらいます。そして、次に必要なのがアントレプレナーシップ。創造性を発揮して、社会を変えるための方法を徹底的に養っていきます。

前野先生は「あらゆる産業分野において、ウェルビーイングの考え方の重要度は日に日に高まっています」と語り、先生の専門である「幸福学」の基礎を学ぶ「ミニ模擬授業」へと進んで行った。

和歌山を“キャンパス”に。梅の収穫体験から学べること

島田由香氏

前野先生が「ミニ模擬授業」を終え、ウェルビーイング学部の教員として就任予定の島田由香氏が、リモートで登場。島田氏は、株式会社YeeY共同創業者/代表取締役として、日本企業のウェルビーイング経営実現に最前線で取り組んでいる。

島田氏:私は今、和歌山県にいます。和歌山県で、学生のみなさんには、梅の収穫という体験を通じて、地域とのつながり、農家さんとのつながり、自分のパーパスや生きがい、生きるとは何か、食べるとはどういうことなのか。このようなことを体験して学んでいただきます。

和歌山県を“キャンパス”にして行われる予定の体験が、「実習紹介」として、島田氏から語られていく。

島田氏:私も梅の収穫を体験していますが、自然の中では鳥の声、木の枝が風に揺れる音、梅のいい香りを感じて、もちろん身体は疲れますが、頭と心がすっきりとするんです。これが学生のみなさんが3年生になったときに展開しようと予定している実習です。

島田氏はさらに、「ポジティブ心理学という学問の中で、ウェルビーイングは5つの要素で高まっていくという研究があります」と話し、この実習の核心へと迫っていく。

島田氏:「PERMA」というモデルがあり、5つアルファベットがその要素を表しています。「ポジティブな感情(Positive emotion)」「主体的に関わる(Engagement)」「よい人間関係(Relationship)」「意義・意味(Meaning)」「達成・熟練(Accomplishment)」。この5つを合致させて、説明できるのがこの実習になります。

東洋の概念を取り入れたウェルビーイングへ。武蔵野大学から始まるアップデート

武蔵野大学

3人目にゲストスピーカーとして登壇したのは、東京大学公共政策大学院 教授、慶応義塾大学政策・メディア研究科教授の鈴木寛先生。鈴木先生は、ウェルビーイング学会で副代表理事を務めている。

西本学長とは、学部は違うものの、東京大学を同年に卒業した間柄だという。

鈴木先生:日本でも、急速に「ウェルビーイング」という考え方が政策の中心概念として位置付けられています。その中で、ウェルビーイングの概念をさらに研究し、教育し、人材育成をしていくことは本当に重要です。そして私は、武蔵野大学はその場所として、もっともふさわしいと思っています。

ウェルビーイングについての議論がここまで進むずっと以前から、武蔵野大学は西本学長を中心に「世界の幸せをカタチにする。」という思いを積み重ねてきたと話す鈴木先生。

鈴木先生:武蔵野大学のウェルビーイング学部が、これからすばらしい発展をしていくことを私は確信しています。これまでのウェルビーイングは、西洋が作ってきた概念でした。私たちは、仏教の精神でもある、「和」や「縁」という「つながり」の考え方も取り入れて、新しいウェルビーイング概念にアップデートしていかなければなりません。

鈴木先生は「ウェルビーイング学会、そしてウェルビーイングコミュニティと共に、ウェルビーイングな未来を創っていきましょう。新学部の開設、おめでとうございます!」とメッセージを送り、スピーチを締めくくった。

この場所から「ウェルビーイング学部」が世界へと広がっていく

ウェルビーイング学部

最後に、西本学長、前野先生、鈴木先生にリモート参加の島田氏を加えた4人によるトークセッションが前野先生の司会で進んで行く。

前野先生:新学部開設にあたって、みなさんが伝えたいことはありますか?

西本学長:みなさまから熱いメッセージを語っていただき、ますます私のウェルビーイング度が高まっています。

島田氏:オンラインで話を伺っていても、みなさんの熱い思いや信念が伝わり、これからの広がりをイメージできました。西本学長と一緒で、ウェルビーイング度が上がっています。もうワクワクしかないと感じています!

鈴木先生:世界中に、経済学部はたくさんありますよね。これから50年後には、今の経済学部と同じかそれ以上に、「ウェルビーイング学部」ができる時代が来ると思っています。その第一号が生まれる歴史的な瞬間に、ここにいることに感謝を申し上げたいと思います。

前野先生:ウェルビーイング学部の開設について、もちろんこれから大変なこともあると思いますが、新しいものを共に創っていくことに私も本当にワクワクしています。私も長年、ウェルビーイングの研究をしてきて、ウェルビーイングがますます世界に必要になってくるに違いないと確信しています。みなさんもさらに強い確信を持っていると感じますが、その確信の元はどこにあるのですか?

鈴木先生:「幸せの再定義」が必要だと、研究を続ける中で、28年間ずっと考えてきました。日本において、ここ150年の幸せは「モノの豊かさ」や「富国強兵」でしたが、もっと長く千年のスパンで考えて、「人々の幸せとは何なのか」を議論し直すことの必要性を強く感じているのです。

ウェルビーイングな社会の実現を確信し、前へと進んで行く4人の熱い思いが語られたトークセッション。質疑応答のコーナーでも多くの質問・意見が飛び交い、大盛況の中で記者発表会は幕を閉じた。

Wellulu編集部の高校生に感想を聞いてみた

高校1年生女子

今、SDGsの大切さは学校の授業で取り上げられていて学ぶ機会があります。その中で「ウェルビーイング」って具体的にどういうことだろう、と疑問に思っていました。普通に「幸せ」と言うのが良いのか、「生き方」のような感じなのか、「人や自然との関係性」なのか、すごい広い概念だと感じました。
私にとってのウェルビーイングってなんだろう、と考えたときに、「人を笑顔にすること」と最初に頭に浮かんだので、どうやったら「人を笑顔にできるか」具体的な行動が何かを考えました。例えば、ゴミ拾いのボランティアに行く? 例えば、困っている人がいたら声をかけてあげる?いろいろな行動が思い浮かびますが、私はまず「自分が一生懸命になっているものを、一生懸命やること」からだと思いました。スポーツが分かりやすいですが、私自身が頑張っている姿を見てくれた人が、勇気をもらったり、笑顔にできると感じます。
まずは、自分ができるウェルビーイングからはじめてみることができたらと思いました。武蔵野大学で、ウェルビーイングを学べて、今後ウェルビーイング学部が普通になる世の中は、人に優しさと笑顔をもたらす人を増やすんだろうと感じました。

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