はじめてのホースローグと7分間【1日目】

株式会社ECOTONE代表取締役社長 Wellulu編集長

堂上 研

ホースローグで北海道へ

『ナチュラルリーダーシップ』の著者である小日向素子さんのホースローグを体感するために、新緑の素敵な季節の北海道「ピリカの丘」にやってきた。今回、Welluluに出て頂いた及川さんにお誘い頂いたのである。僕は、馬が好きだし、自然の中で自分と向き合う時間が、僕にとって「今、必要なタイミング」なんだと思って楽しみにやってきた。

7人の参加者。及川さん以外はみんなはじめてお会いするメンバーである。この偶発的な出逢いも楽しみのひとつであった。Welluluをはじめてウェルビーイングというテーマでたくさんの方々とお会いしたが、僕は「人と会うのが好きなのである」こんな好きを仕事にできているのだから、僕は恵まれている。

最初に、みんなの自己紹介と挨拶。そして、早速ホースローグがはじまる。素子さんは「観察」と「主観」の話をしてくださった。

馬を観察するところからはじめる。これが難しい。僕は主観の塊だった。常に仕事をしているとき、家族で過ごしているとき、日常で目の前の現実をありのままに「観察」しているつもりで、実は自分自身の「主観(色眼鏡)」というフィルターを通して世界を見ている。僕は、観察してるつもりが、主観で想像、妄想していたのに過ぎないことを知った。ここで僕の新たな気づきがあった。

振り返ってみると、僕は常に「自分のブランディング」という感覚で、自分をひとつのブランドとして見られるようにポジショニングマップを描く癖がある。周りを観察して「自分がどのポジションだと生きやすいか」考えてニッチ作戦を取っていた。今回も7人の自己紹介のときに、みんな仕事の話を中心にしていたので、あえて家族や子どもの話から、話しはじめていた。僕は、人と同じことをするのが嫌なのだろう。これは僕にとっての社会における生存競争に生き残れるための手段だったのである。僕はこれを「軸ずらし」と読んでいた。最初の自己紹介から、自分の中の何かが変わりはじめようとしていることに気づかしてもらった。

7分間の挑戦と失敗

早速、ホースローグで、馬を四角い馬場の中で1周するというミッションを与えられ、馬を導くということに挑戦することになった。角に手綱をつけられた馬をうまく1周させるというシンプルなミッション。馬はみんなで名前をつけた「ココアちゃん」美人なお馬さんである。僕はまだ思考が定まっていない中、初陣をきった。この一番目という状態で、緊張感が芽生えてきた。正直、簡単にできると思っていたのに、どうしようもなく難しく、焦る中、「あと1分」となり、あっと言う間の7分が終了した。僕はココアちゃんを一歩も動かせないで終わってしまったのである。

あの7分間、動かないココアちゃんを前にして、僕の鼓動は早くなっていた。「うまくできるはず」「成功させるぞ」という気持ちが、「あれ、こんなはずじゃ」という焦りに近い、そして周りの目が気になる自分がいたのである。「格好いいところを見せたい」という日常の虚勢が、焦りとなって僕を支配していたのである。手綱を握る位置さえおぼつかなくなるほどの不安の中で、ココアちゃんは、僕の不安や緊張、虚勢の気持ちを感じ取り、動かなかったのだろう。

僕は、「動きたくなったら、一緒に動こう」という気持ちで、強く指示を出すや引っ張るのは辞めようと思っていた。だからこそ、僕はココアちゃんに話しかけ寄り添い、まずは正面から触れ合った。顔を近づけて、僕と近い関係を築いてから一緒に歩き出したいと思った。ココアちゃんの意志を大切にして動き出す意志を見せてくれるまで待ったのだ。仕事でも子育てでも、僕は自分たちの気持ちや意志を尊重するという意識で動いている。僕は、グイグイ引っ張っていくというよりも、本人がやりたいと思ったら応援するし、本人が辞めたいといったら辞めても良いと思っている。そこで、強い意志を持ったというよりも、動いてくれたら嬉しいな、という気持ちになっていたんだと思う。

あとで振り返り、素子さんと参加者で「純粋な観察」を言語化してもらった。主観的な感情をすべて脇に置いて、ただ目の前の事実だけを観る。ココアちゃんは、僕と心を通わせてくれたかもしれないが、僕の強い意志は伝わらず、ここにいて良いんだよ。というメッセージを受け取ってたのかも、と思った。ココアちゃんは、ただ、静かに、そこに「たたずんでいる」だけ。そして、「僕と顔を寄せ合っていた」という、圧倒的な事実だけだった。ただ、僕という人間が放つ「動きたくなったら動いて」という小さな感覚を、ありのままに観察していたのだ。「動かない」という事実に焦っていたのは、馬ではなく、僕の主観だった。

僕の「なんかうまくやれるはず」「馬も僕の気持ちが分かってくれるはず」という隠れた自分の虚勢と期待を、馬はただ静かに見つめ、包み込んでくれていたのかもしれない。太陽の強い光と北海道の冷たい空気が、僕を全く違う世界へと連れて行ってくれるような感覚を覚えた。

正直、悔しいという気持ちと、もっと次回はできるように思考を変えたいと思った。物理的には一歩も動かせなかった。けれど、「観察」のフィルターを通したとき、僕と馬の間には、確かに言葉を超えた温かい空気が通じ合っていたように感じたのである。時間をかければいけたのでは、と負け惜しみをここに綴っておきたい。

3日間のホースローグ。初日が終了した。脳の中の自分が発見と気づきが交錯していた。面白い。この体感は、北海道という大地で、馬という生き物との対話から、見えていなかった自分があらわれ、僕のアンラーンにつながる時間と体験になっている。今から2日目。次はどんな自分の発見があるだろう?

堂上 研 株式会社ECOTONE代表取締役社長 Wellulu編集長

株式会社ECOTONE代表取締役社長
ウェルビーイングメディアWellulu編集長
情報経営イノベーション専門職(iU)大学教授
日本イノベーション協会 理事
私生活では、3人の子供の父。趣味は、スポーツとアート。

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