子どもの夢を応援するサッカー大会

Wellulu 編集部プロデューサー

堂上 研

少年サッカーの進化。

僕の息子は、地元のサッカークラブに年少の頃から入って「サッカー好き」の男の子になった。4年生になる頃、彼の意志で「もっとサッカーをおもいっきり楽しめるチームでプレイしたい」と言って、地元から電車で通える「スポーカル六本木」というチームに移籍させていただいた。ここも街クラブで、地元の小学生が通うチームだ。何より、指導者のポジティブな声掛けに、息子は嬉しかったのだろうと思う。

僕が小学校のときに通っていた大阪の地元のサッカークラブも所謂、サッカー好きの監督がはじめた街クラブだった。小学校の校庭をベースに活動するのだが、女の子も交じってサッカーをする。覚えているのが、土のグラウンドで試合をして、スライディングをしたりして、太ももの裏が傷になってしまう。これがめちゃくちゃ痛いのだ。小学生のとき、これを「ビフテキ」と呼んでいた。ひどいビフテキは、長ズボンを履くと、ひっついてしまうので、治りが遅くなる。

雪が降ったときも、大雨のときも、週末の試合や大会をやっていた。ある日、雪が降りながらのサッカーをしていたとき、ドリブルで相手を交わそうとしたら、鼻水が垂れてきて、対戦相手選手の背中に鼻水がくっついてしまったのをいまだに鮮明に覚えている。あのときの相手選手には、いまだに申し訳ない気持ちで謝りたいが、誰だったのかは覚えていない。

どんな試合も、両親がいつも応援に来てくれていた。そして、いつも送迎してくれていた。これは、昔も過去も同じ光景である。全然、違うことは、グラウンドが人工芝や天然芝になっていること。さらには、指導者の質もあがっているだろうし、少年サッカーのレベルも毎年あがっているのは事実だろう。日本にプロサッカーのJリーグ発足以来、急激に「日本のサッカー」が世界の強豪と闘える環境が整ってきた。そして、今やヨーロッパなどの強豪クラブに所属する選手が増えているのも、すごい発展を遂げている。

僕自身は、自分でサッカーで生きていくことは頭になかったので、ただサッカー好きな少年だったが、今の子たちは「サッカー選手」「日本代表」「海外でサッカーしたい」という子どもがたくさんいることに驚く。

柏レイソルU12が圧倒的な強さで優勝した少年サッカー大会

ある日、息子が所属するサッカーチームのコーチに、「柏市に、世界の強豪を呼んだサッカー大会をやりたい」と相談をいただいた。正直な話、準備に時間がかかるし、何かをやろうと思うと金銭的なサポートが必要になってくる。そういう意味では、相当難しい運営になるだろうと考えた。そこで、クラウドファンディングで資金集めをすることを提案して、Campfireの家入会長に相談をさせていただいた。すると、柏市や柏レイソルの方のご協力もあり、100万円以上のサポートを集めることができた。また、地元の電力会社「ゼロワットパワー」が冠協賛に来ていただいたり、「サントリー」が大会中のお水をご提供いただいたり、「味の素」がアミノバイタルキッズギアのゼリードリンクをご提供いただいたり。。。恩送りがはじまっていった。そして、大会に参加する親が最大のサポートをしながら、子どもたちの活躍する場を応援した。この場をお借りして、サポートいただいたみなさまに感謝申し上げます。

そして、「JAPAN FOOTBALL FESTA in KASHIWA」大会がはじまった。何より、コーチの想いがどんどん拡がっていった。子どもたちの世界・可能性を拡げ、世界で活躍する人材育成のキッケカになる舞台を創っていくこと。ということに共鳴した人たちがどんどんまきこまれていった。

大会には、海外からオランダからNEC ナイメヘン 、ベルギーからKRCヘンク、タイからラチャブリーFCが参画。日本からも、未来の日本代表がここから生まれるかもしれないJリーグのU12のメンバーが集結した。柏レイソル、川崎フロンターレ、北海道コンサドーレ札幌、大分トリニータ、モンテディオ山形、柏レイソル A.A. TOR‘82、そして、息子が所属するスポーカル六本木SC。世界中の強豪が集まる大会に参加できて、プレイできるなんて、なんて恵まれた環境だろうか?

大会がはじまった。

大会初日は、大雨が降る中での寒さで凍える時間だった。1日目予選リーグ。2つのリーグに分かれて各5チームの総当たりで上位2チームが決勝トーナメントに進める。全敗も覚悟していた息子のチームは、見事2連勝。雨の中、走り切った子どもたちを見ながら感動した。親は、こういう子どもたちの成長を感じるからこそ、いろいろとサポートしたくなる。僕の両親もこうやってサポートしてくれていたんだなあ、と感じる一日だった。自分が子どものときは、そんなサポートに気づくこともなく、感謝するということはなかった。自分がサッカーをしているのが楽しかっただけだった。その日の夜は、僕が坐骨神経痛も出て、腰も痛くなり、試合は楽しかったが、苦行かと思うくらいだった。夜は死んだように眠りについた。

2日目、予選リーグの2試合だ。昨日とは大違いの快晴。気温もぐんぐん上がってきて、サントリーからご提供いただいた水がどんどんなくなっていく。子どもたちも、顔を真っ赤にしながら走っている。そんな中、海外からの参加くださった子どもたちは、日本の子どもたちと違って、上手にスピードの緩急をつくって、休むときとボールを追いかけるときの差がはっきりしている。瞬発力の差なのか、点を取りたいという貪欲さの表れなのか、素晴らしい体感で、ボールロストをなかなかしない。この日は、2連敗で予選リーグで決勝トーナメントには進めなかった。

そして、3日目。決勝トーナメントと下位リーグの試合が、それぞれ2試合行われる。この日も快晴。残念ながら、この2試合も敗れてしまった。実力の差ははっきりしていたのだが、1日目は雨の影響もあったのか、2試合勝てたことでよく頑張った。決勝戦は、柏レイソルとNECナイメヘン。本当に小学生で自分の息子と同い年か、と疑いたくなるくらいひとりひとりのプレイが素晴らしかった。優勝は、柏レイソル。ホームの利を得ながら、Jリーグのプロが対戦する天然芝のピッチで闘える体験をしていた。

息子は、この大会を通じて何を感じただろうか?世界との大きな差を感じながら、サッカー選手になりたい、という夢を追いかけ続けるのだろうか?それとも、サッカーを通して、世界中に友達ができることを楽しむようになるのだろうか?これから、彼らが描く夢は、どんな夢でも、まっすぐ行動に移してほしい。そして、その夢を父ちゃんは、いつでも応援している。

試合を観ながら、親父がこんな話をしてきてくれたのを思い出した。「サッカーは、世界中に友達ができる最高のコミュニケーション手段だ」と。確かに、サッカー好きの子どもたちは、ただただボールを追いかけているだけなのに、試合が終わった後の、まるで昔からの友達だったのでは、と思えるくらい交流をしている感じは、子どもだからこその無邪気さも含めてうらやましい時間だった。

最高の舞台を用意してくださったコーチ、関係者、スポンサーのみなさまに感謝である。僕も子どもに負けないくらい、自分が一生懸命にやり続けよう。そして、みんなの笑顔をつくれる人間になろう。子どもたちから、いろいろと教えてもらう時間を過ごさせてもらった。

堂上 研 Wellulu 編集部プロデューサー

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集部プロデューサーに就任。

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