寝る前にはちみつを取り入れると、睡眠の質向上やリラックス、脂肪燃焼のサポートなど、さまざまな効果が期待できるが、はちみつには種類があり、加工方法によっても特徴が異なる。
この記事では、寝る前にはちみつを摂取することで期待できる効果を始めとし、太りにくい食べ方やアレンジレシピ、注意点などを紹介する。
この記事の監修者

金丸利恵さん
おうちごはん研究家 管理栄養士
この記事の検証者

内田 瑠菜さん
Wellulu編集部
体調を崩したことを機に、日々の過ごし方を見直し始めた。忙しい毎日の中でも無理をせず、健康的な生活を送れるように模索中。
はちみつの種類

■主な種類
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種類 |
特徴 |
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百花蜜(ひゃっかみつ) |
・さまざまな花の蜜が混ざった、最も一般的なはちみつ ・クセが少なく、甘さと香りのバランスがよいため、初めてはちみつを選ぶ人にも向いている。 |
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アカシアはちみつ |
・アカシアの花から採れるはちみつで、色が淡く、さらっとした甘さが特徴。 ・クセが少なく、後味が軽いため、寝る前でも重たく感じにくい |
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レンゲはちみつ |
・レンゲ草の花から採れる、やさしい甘さのはちみつ ・まろやかでコクがあり、昔から親しまれてきた定番タイプ。 |
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クローバーはちみつ |
・クローバーの花由来で、香りが穏やかでクセが少ないのが特徴 ・海外産でよく見られ、飲み物やヨーグルトに合わせやすい。 |
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そばはちみつ |
・そばの花から採れる、色が濃く独特の風味を持つはちみつ ・コクが強く、香りも個性的なため好みは分かれやすいが、栄養価が高いとされている。 |
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マヌカハニー |
・ニュージーランド原産のマヌカの花から採れるはちみつ ・抗菌作用が注目され、体調管理目的で選ばれることが多い。 ・殺菌力が高いため、普段使いは避けたほうがいい。 |
■加工形態別の種類
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種類 |
特徴 |
栄養成分 |
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純粋はちみつ |
・添加物や化合物を一切含まない100%天然のはちみつのこと。 ・ミツバチが花から集めた蜜を分離機を使って採集・加熱したもの |
・水分含有量、果糖・ブドウ糖の含有量など厳しい品質基準を満たしている ・「ビタミン」「ミネラル」「酵素」などの栄養成分が豊富 |
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非加熱(生)はちみつ |
・加熱処理がされていない天然のはちみつのこと。 ・生はちみつとも呼ばれていて、純粋はちみつと同じく化合物や加熱処理がされていない天然のはちみつ。 |
・熱に弱い酵素や栄養素が壊れていないため、はちみつの中でもとくに栄養価が高い。 ・代謝を促進する酵素量も多い。 |
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加工はちみつ |
・加熱処理や精製、糖類の添加などがおこなわれたはちみつ ・主に味や品質を安定させる目的で加工されており、スーパーなどで手に入りやすく、価格が比較的安い |
・果糖・ブドウ糖が中心で、素早くエネルギー補給ができる。 ・ビタミン・ミネラルなどは天然はちみつと比べると含有量は少なく、微量にとどまることが多い。 |
寝る前のはちみつ摂取で期待できる効果

寝る前に摂取するはちみつは、睡眠の質向上に寄与するだけでなく、リラックス効果や脂肪燃焼をサポートする役割を果たす。
これらの効果は、生活習慣を整えるためにもおすすめ。ここでは寝る前にはちみつを摂取することで期待できる効果について紹介する。
- 睡眠の質を高めてリラックスできる
- 寝ている間に脂肪燃焼をサポートする
- 脳のエネルギー不足を解消
- 成長ホルモンの分泌を促し、代謝をサポート
- 口臭ケアや殺菌作用
睡眠の質を高めてリラックスできる

起床時に疲労感がある、食いしばりがある、首や肩がこる、中途覚醒があるなど寝る前のはちみつを試してみるとよい。
寝る前にはちみつを摂取するとリラックス効果が期待でき、睡眠の質を高めることができる。はちみつに含まれる天然の糖分が脳にエネルギーを供給し、就寝前のリラックス状態を促進する。
さらに、はちみつはトリプトファンという成分を含んでおり、セロトニンやメラトニンの生成を促進し、より良い眠りをサポートする。
はちみつをお湯やお茶に溶かして飲むことで薄まり、ゆっくり補給できる。糖類はゆっくり体内に入れていくことが、血糖値の急上昇を抑えるコツ。
はちみつのブドウ糖による血糖値の効果があるが、はちみつだけに頼らないことがポイント。夜ダイエットのためにご飯は食べず寝る前に蜂蜜を飲むというのであれば、夕飯のときにご飯を食べておけば睡眠に困らない場合もあるので試してみよう。
朝に太陽の光を浴びる、適度に運動する、湯舟に浸かる、遅い時間に夕食を食べ過ぎない、早寝を心がけるなどの別の方法も併用しよう。
寝ている間に脂肪燃焼をサポートする

寝ている間に摂取したはちみつは、睡眠中の脂肪燃焼を助ける役割を果たす。とくに夜間は代謝が下がるため、脂質をエネルギー源にする。
はちみつに含まれるブドウ糖が肝臓で処理される過程で、脂肪の分解が促進されるといわれている。寝る前に少量のはちみつを摂ることで脂肪燃焼をサポートし、ダイエット効果が期待できる。
脳のエネルギー不足を解消

寝ている間血糖値が急激に下がることで、脳がエネルギー不足に陥ることがある。そうすると血糖値が下がらないようにアドレナリンで上げていくため、覚醒してしまう。夕食に炭水化物を食べない人、晩酌習慣がある人も起こりやすい。
その際にはちみつに含まれる自然な糖分が肝臓にエネルギー源を供給し、夜間の低血糖を防ぐ。これにより、脳のエネルギー不足を解消し、睡眠中の覚醒を防ぐ。はちみつは血糖値の急激な変動を抑えることから、安定した睡眠を得るためにも効果的。
はちみつを摂ることだけでなく、そもそもの課題解決には、食事で炭水化物を摂ることが大事。また、晩酌でお酒を飲むと、アルコールの解毒に肝臓がかかりきりになってしまうため、避けたほうがいい。
成長ホルモンの分泌を促し、代謝をサポート

ノンレム睡眠のときに分泌される成長ホルモンは、身体の修復や成長を促進する重要なホルモン。はちみつの糖分で血糖値を安定させるとノンレム睡眠に入りやすくなる。
このプロセスにより筋肉や皮膚の再生が進み、健康な身体作りをサポートする。さらに、代謝が活発になることで、ダイエットや健康維持にも効果が期待できる。
深い眠りにつくには、日中の適度な運動や規則正しい生活、タンパク質豊富な食事など、ほかの要素も必要なため、あくまで睡眠時のサポートとして考えよう。
口臭ケアや殺菌作用

はちみつには天然の抗菌作用があり、寝る前に摂取することで口腔内の健康をサポートできる。日本でも、大根に蜂蜜を漬けた液体を飲むと炎症が治まるという文化も。
はちみつは喉の痛みや口臭に対する効果が期待されており、細菌の抑制が促される。とくにティートリーから採れたマヌカハニーは、殺菌能力が強い。
寝ている間に細菌の繁殖を防ぐことで、翌朝の口臭や喉の不快感を軽減できる。朝の口腔ケアが楽になり、健康的な口腔環境を維持できる。
寝る前にはちみつの量や食べ方

寝る前にはちみつを摂取すると、睡眠の質を高め、リラックス効果を促進する。最適なタイミングと食べ方を知ることで、その効果を最大化することができる。
ここでは実践的な食べ方やおすすめの組み合わせなどを紹介する。
- おすすめの量は「大さじ1杯」
- 寝る30分〜1時間前に摂取する
- 食べ方・組み合わせを工夫する

監修者:金丸
寝る前にはちみつを摂取する場合は、量とタイミングを守ることが重要です。目安量とされる大さじ1杯程度であれば、血糖値の急激な変動を抑えつつ、睡眠中のエネルギー不足を防ぐサポートが期待できます。
摂取のタイミングは、就寝直前ではなく、寝る30分〜1時間前を目安にすることで、体が落ち着いた状態で眠りにつきやすくなります。
おすすめの量は「大さじ1杯」

寝る前に摂取するはちみつの適量は大さじ1杯、小柄な人は小さじ1杯が理想的。この量は、血糖値を安定させ、睡眠の質を高めるのに十分な効果をもたらす。
また、はちみつに含まれる天然糖分が脳のエネルギー源となり、眠りに入る前のリラックスをサポートする。
なお、おいしいはちみつはクセになりやすい傾向があり、日中も食べ続ければ糖の過剰摂取につながりやすいため、適量に留めよう。
寝る30分〜1時間前に摂取する

寝る前に摂取するベストなタイミングは、寝る30分〜1時間前が理想的。あまりに寝る前より早い時間だと起きている間にカロリー消費してしまう一方で、遅すぎると眠りにくくなる。
このタイミングで摂取すると、はちみつの成分が体内でしっかりと作用し、リラックス効果を高める。とくに寝る前に空腹感を感じたときには、少量のはちみつが血糖値を安定させ、眠りに入りやすくなる。
食べ方・組み合わせを工夫する

はちみつをそのまま食べる方法は、手間がかからず量を調整しやすい点がメリット。小さじ1杯程度を口に含むだけで済むため、就寝前の習慣として取り入れやすい。
一方で、甘みを強く感じやすく、つい量が増えてしまう点には注意が必要。また、粘度が高いため口の中に残りやすく、歯への付着が気になる場合も。
睡眠を改善したい人は、はちみつににがりを入れたレモネードを就寝前に飲むのがおすすめ。
にがりは筋肉を緩めやすく、糖の代謝も助けてくれる。にがりに含まれるマグネシウムは筋肉の弛緩作用があるため、夜寝ているときに足がつってしまう人、筋緊張が強い人におすすめ。
寝る前におすすめのはちみつアレンジレシピ

- はちみつしょうが湯
- ヨーグルトはちみつ
はちみつしょうが湯

■レシピ
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【材料】 ・はちみつ:大さじ1杯 ・生姜(すりおろし、またはチューブ):小さじ1/2杯 ・お湯:150ml |
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①カップにすりおろし生姜(小さじ1/2程度)を入れる ※可能であればスライスしょうががおすすめ |
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②ぬるめのお湯(約150ml)を注いてよく混ぜる |
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③はちみつを大さじ1杯加えて混ぜる |
【メニューのポイント】
- 生姜は加熱して乾燥したものが体を温める効果が高い脳のエネルギー不足を解消
- 自分でスライスして茹でた生姜をオーブンで低温で焼いて、ドライ生姜を作ると便利でおすすめ

検証者:内田
飲んだ直後から体が内側から温まる感覚があり、冷えやすい夜に特に向いていると感じました。甘さとはちみつのコク、生姜のピリッとした風味がちょうどよく、少量でも満足感がありました。寝る前でも重たさはなく、リラックスして布団に入れました。

監修者:金丸
加熱した生姜には血行を促進する作用があり、はちみつと組み合わせることで体を温めながら穏やかなエネルギー補給ができます。就寝前は刺激を抑えるため、生姜の量は控えめにし、ぬるめのお湯で作るのがポイントです。冷えが睡眠の妨げになる方に適したアレンジです。
ヨーグルトはちみつ

■レシピ
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【材料】(2~3人前) ・プレーンヨーグルト:100g ・はちみつ:大さじ1杯 |
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①プレーンヨーグルト(100g程度)を少し温める |
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②はちみつをかけて混ぜる |
【メニューのポイント】
- 寝る前ならヨーグルトをややあたためたほうが、胃腸の負担も少なく、乳酸菌も体内に届きやすい

検証者:内田
甘みがやさしく、デザート感覚で食べられるため、寝る前でも無理なく続けやすいと感じました。ヨーグルトの酸味がはちみつで和らぎ、少量でも満足感がありました。食後に胃が重くなる感じもなく、落ち着いて眠れました。

監修者:金丸
ヨーグルトはたんぱく質や乳酸菌を含み、腸内環境を整えるサポートが期待できます。はちみつを少量加えることで、糖質の摂りすぎを防ぎつつ満足感を高められます。冷たすぎると胃腸に負担がかかるため、常温に近づけてから食べることをおすすめします。
はちみつを摂取する際の注意点

はちみつは健康に多くのメリットをもたらすが、摂取する際にはいくつかの注意点も。とくに歯磨きをせずに寝る前に摂取すると、歯に糖分が残り虫歯の原因になる可能性があるので注意が必要。
ここでははちみつを摂取する際に気をつけるべき注意点について紹介する。
- ハチミツを食べたあとは歯磨きを必ずする
- 1歳未満の乳児には絶対に与えない
- 持病がある場合は専門家に相談する

監修者:金丸
はちみつは自然由来の甘味料ですが、摂取方法によっては注意が必要です。とくに寝る前に摂取した場合、歯に糖分が残りやすく、虫歯の原因となる可能性があるため、必ず歯磨きをおこないましょう。
また、はちみつにはボツリヌス菌の芽胞が含まれる可能性があるため、1歳未満の乳児には絶対に与えてはいけません。さらに、糖質を含む食品であることから、持病がある方や食事制限が必要な場合は、摂取前に専門家へ相談することが望ましいです。
安全に配慮し、適量を守って取り入れることが大切です。
ハチミツを食べたあとは歯磨きを必ずする

寝る前にはちみつを食べたあとは、必ず歯磨きをしよう。はちみつに含まれる糖分が歯に残ると、虫歯の原因になるため、寝る前に摂取した場合はとくに注意が必要。
歯磨きをすることで、はちみつの成分が歯に付着しないようにし、虫歯や歯周病を防ぐことができる。食後の歯磨きは、健康的な口腔環境を維持するために欠かせない習慣。
1歳未満の乳児には絶対に与えない

1歳未満の乳児には、はちみつを与えてはいけない。はちみつに含まれるボツリヌス菌が乳児に感染し、重篤な食中毒を引き起こす可能性も。
この菌は腸内で繁殖し、神経系に深刻な影響を与えるため、非常に危険。乳児の消化器官は完全に発達していないため、はちみつの摂取は避けよう。
持病がある場合は専門家に相談する

「持病がある人」「健康面に不安がある人」は、かかりつけの医師など専門家に相談の上、はちみつを摂取しよう。はちみつは多くの人にとって安全な食べ物だが、特定の健康状態や疾患によっては注意が必要な場合も。
とくに糖尿病の人は、はちみつのように甘いものを制限しなければいけないケースがあるため医師に確認を取ろう。
はちみつでダイエットをする際のポイント

「はちみつダイエット」とは、日常生活にはちみつを取り入れて減量を目指すダイエット法のこと。はちみつには「ビタミン」「ミネラル」「酵素」などの栄養素が豊富に含まれていて、ダイエットの成果を高めやすくなる。
はちみつはいろいろなタイミングで摂取しやすく、とくに朝食前・運動前後・間食代わりにとるのもおすすめ。はちみつは同じグラム数であれば砂糖より「低カロリー」なので、甘味欲求を満たしつつ、カロリー摂取を抑えられる。
▼はちみつのダイエットについて詳しく見る
はちみつダイエットの効果・やり方!おすすめレシピや種類、注意点も紹介
はちみつダイエットとは? 「はちみつダイエット」とは、日常生活にはちみつを取り入れて減量を目指すダイエット法のこと。はちみつには「ビタミン」「ミネラル」「酵素」.....
寝る前のはちみつに関するQ&A
咳や喉の痛みがあるときにも効果的?
A. 効果が期待できる

監修者:金丸
寝る前に摂取するはちみつは、喉の痛みや咳に対して効果が期待できます。はちみつには天然の抗菌成分が含まれており、喉の炎症を和らげ、風邪や喉の不調を改善する手助けをします。中医学、薬膳では潤す食材として使われてきました。
とくに、寝る前に摂取すると、喉を保湿し、睡眠中に喉の回復を促進できるでしょう。また、はちみつのリラックス効果により、睡眠の質も向上するため、早期回復を期待できます。
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ダイエット中でも毎日続けても大丈夫?
A. 適量であれば問題ない

監修者:金丸
ダイエット中でも、寝る前のはちみつを適量摂取することは問題ありません。大さじ1杯程度の摂取であれば、血糖値の安定や脂肪燃焼をサポートし、ダイエットを助ける働きが期待できます。
ただし、食事で適正なバランス、カロリーを摂取していれば、日中に肝臓にグリコーゲンが貯められ、夜間低血糖になりにくくなり、就寝前のはちみつは不要です。様子を見ながらおこない、大さじ1が多かったら小さじ1から試すのがおすすめです。







1995年給食会社に入社し、給食管理、レシピ開発などの業務に携わる。出産を機に退職し、育児中は特定保健指導員として生活習慣改善の支援をしながら、料理教室を主宰し、地域で食育活動を広げる。2020年に分子栄養学認定カウンセラー取得。
オーソモレキュラーの特徴である個体差を重視した栄養指導でダイエット、体調不良改善のカウンセリングを行う。コロナ禍を機にオンラインにて、料理教室、栄養講座、社内研修などに関わる。オンライン料理教室「4品×4人分作れる!管理栄養士のカラダが喜ぶ絶品おうちごはん」は、3年間で受講者1900人を超える。
【資格】
・管理栄養士
・分子栄養医学研究会 認定指導カウンセラー
・臨床分子栄養医学研究会 PNTトレーナー
・ナチュラル&ミネラル食品アドバイザー
・食生活アドバイザー2級(FLAネットワーク協会認定)
・国際薬膳食育師3級(国際薬膳食育学会認定)
・スパイスコーディネーターマスター(SCA認定)