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約60%が植物性タンパク質!ビタミン・ミネラルをはじめ豊富な栄養を含むスーパーフード「クロレラ」【クロレラ工業】

約20億年前から存在し、近年注目を集めている藻類「クロレラ」。その生命力と栄養価の高さは私たちの健康にも多様な効果をもたらすそう。人だけではなくペット、農業や水産業まで、活躍の場が限りなく広がるクロレラの持つ力とは?スーパーフードとして、未来のタンパク質源として再注目されているクロレラについて、今回クロレラ工業の首藤さんに詳しくお話を伺った。

首藤 太一さん

クロレラ工業株式会社 営業本部 マーケティング戦略部 部長代理 お客様相談室 室長
一般社団法人 日本臨床栄養協会 NR・サプリメントアドバイザー。

筑後産クロレラの普及、販売促進にあたり、マーケティング/企画広報/新規事業/セールスプロモーションを行う。また、全国の得意先やご愛用者を対象とした研修会、セミナー等の講演講師を務める。

本記事のリリース情報
ウェルビーイングメディア「Wellulu」のインタビューを受けました

目次

約20億年前から存在する?緑色植物の原点・スーパーフード「クロレラ」

──本日はどうぞよろしくお願いします。まず、クロレラについて教えていただけますか?

首藤さん:はい、クロレラは藻類の1種で、化石からも20億年前のものが発見されているとおり、地球史上、最初期の生物の一つです。その長い歴史の中で、生命力の強さと栄養価の高さが認識され、現代に至るまでさまざまな研究と利用が進められてきました。クロレラは今でも健康食品やサプリメントとして広く利用されています。

──20億年前とは驚きです。クロレラに関しての研究が始まったのはいつごろだったのでしょうか?

首藤さん:クロレラの食料利用の研究は第一次世界大戦のころ、約100年前に始まりました。戦争による食糧難で、栄養源としての関心が高まったことがきっかけです。

とくに、クロレラはその約60%がタンパク質で構成されているため、タンパク質の供給源として注目されました。さらに、クロレラは4分裂で増殖するため、通常の動植物よりも倍の速さで増えます。この生命力の強さとタンパク質の豊富さが評価されたのです。

──約100年もの間、研究が続けられているのですね。

首藤さん:そうなんです。また、第二次世界大戦の時期も同様に世界的な食糧難が訪れました。この時期には、植物性タンパク質の供給源としてのクロレラの大量培養技術が研究されました。

日本でもGHQの要請で研究が進められ、1950年代には徳川生物学研究所で大量培養研究がおこなわれ、国を挙げて研究に取り組まれました。

──第一次世界大戦、第二次世界大戦…とタンパク質供給源として注目され、また最近も注目されていますよね。

首藤さん:おっしゃる通りです。2030年ごろには世界的なタンパク質危機が予測されています。需要と供給のバランスが逆転することで、タンパク質不足が問題になると言われていますよね。そのため、近年クロレラを含む藻類が再び注目されているのです。

とくに、ユーグレナやスピルリナといった藻類は、そのタンパク質含有量が約60~70%と非常に高いことから、スーパーフードとしても知られていますよね。

──注目されている藻類の中でも、クロレラの特長について教えてください。

首藤さん:クロレラは淡水生物です。栄養成分の組成にも違いがあり、クロレラにはクロロフィルaとbの両方が含まれており、これは緑黄色野菜と共通の特性になります。クロロフィルの比率は3対1なのですが、これも共通であるため、クロレラは緑黄色野菜の祖先と見なされることがあるんです。

──緑黄色野菜の祖先なのですね。クロロフィルとはどのような成分なのでしょうか?

首藤さん:クロロフィルは緑色の栄養成分(葉緑素)で、さまざまな働きがあります。細胞膜や粘膜の修復を助け、防臭作用を持ちます。また、栄養学的には解毒(デトックス)に役立つことが確認されています。

また、クロレラは60種類以上の栄養成分を含んでいます。とくにビタミン13種類全部とミネラル12種類が含まれています。

さらに、先ほどもお伝えした通りクロレラは栄養素を補給するだけでなく、有害物質のデトックスにも役立ちます。つまり、栄養を「足す」ことも、不要な物を「引く」こともできるということなんです。

──クロレラは日本にもともと生息しているのでしょうか?

首藤さん:はい、クロレラは世界中の川や池、湧水に微量ながら含まれています。よく「奇跡の水」などと言われる湧水があったりしますよね。詳しく調べると、クロレラをはじめとする藻類が含まれていることがよくあるんですよ。弊社でも、創業当初からさまざまな場所で採水し、研究を重ねてきました。

生活習慣病・糖尿病・高血圧…多様な健康への影響

──御社がこれまでにおこなってきたクロレラの研究について教えてください。

首藤さん:弊社は福岡県出身の創業者と九州大学医学部のつながりから、九州大学の生体防御医学研究所と協力して研究を進めてきました。免疫に関する研究は、試験管レベル、動物実験、臨床試験など、さまざまなレベルでおこなわれてきました。

──人を対象とした試験もおこなわれてきたのですね。

首藤さん:過去には小学校の給食にクロレラエキスを錠剤化したものが提供され、体力測定や健康診断の結果にどのような影響があったかについても研究されました。これらの研究により、クロレラの多岐にわたる働きが明らかになっています(詳細はチクゴ株クロレラ研究所より)。

──給食でも提供されたのですね!ほかにも、クロレラはどういった場面で活用されているのでしょうか?

首藤さん:農業や水産業でもクロレラが活用されています。きっかけは、クロレラの愛用者である農家の方が、自分の身体によいものだから農作物にもよいのではないかと考えて、自分の畑にクロレラを使用したところ、非常によい野菜が収穫できたというエピソードから始まったんです。

クロレラ生産時の副産物を肥料に活用したり、クロレラエキスを葉面散布などに用いられています。これにより、栄養素が豊富に含まれたクロレラが農作物の成長を助け、土壌改良や成長促進にも役立っています。

──農業でも活用されているのですね。では、水産業ではどのように使われているのでしょうか?

首藤さん:水産業では生のクロレラが使われています。クロレラは食物連鎖の最初に位置する植物プランクトンであり、これを動物プランクトンが食べ、その動物プランクトンを稚魚が食べるという形で利用されています。

クロレラを食べた動物プランクトンで育った稚魚は病気になりにくく、歩留まりが改善されます。国内の水産試験場や養殖施設の多くでクロレラが使われていて、海外でも活用されています。また、サンゴの餌としても使われ、水族館などでも活用されています。

さらに、クロレラを使うことで水が適度に濁るのですが、これが魚のストレス軽減につながるとして、環境水としての利用もされています。

抹茶や青海苔っぽい味?料理に・ドリンクに入れて気軽にクロレラ摂取

──クロレラの摂取方法について教えていただけますか?

首藤さん:一般的な健康食品やサプリメントには、タブレット状の錠剤が人気です。また、パウダータイプのものもあり、スムージーやプロテインシェイクなどに加えて摂るのも手軽でおすすめです。

──パウダータイプのものはいろいろな料理に混ぜて使えそうですね!

首藤さん:そうなんです。料理であれば、グリーンカレーやポタージュスープに加えるのが一番違和感がなく、おすすめです。

また、餃子の皮やパスタなどの麺、アイスクリームに練り込んでも、見た目も鮮やかな緑色で素敵なんです。抹茶と一緒に使うことで、色褪せ防止や発色のよさから、抹茶カステラやスポンジケーキなどのお菓子にも活用されています。

──いろいろと試してみたくなりました!割となににでも合わせやすそうですね!

首藤さん:パウダータイプのクロレラであれば、サラダに振りかけたり、塩と混ぜて藻塩にしたりできます。弊社の近くに「クロレラサワー」というメニューを提供している焼肉屋さんもありますよ。とくに、肉を食べるときや甘いものを楽しむときに、クロレラを摂取することで、罪悪感を軽減できるという考え方もあるみたいです。

──少しでも健康的に!おもしろい考えです。まずはドリンクから入るのもよさそうです。

首藤さん:また、ペットの餌に混ぜることで、動物も喜んで食べてくれるといった声もあります。健康食品としてだけでなく、幅広く料理や飲み物に活用できる万能食材なのです。

──ペットもおいしく食べてくれるのですね!風味の特長を教えてください。

首藤さん:クロレラには特有の風味がありますが、えぐみや苦味はありません。抹茶や青海苔のような風味と感じる方も多く、日本人には馴染みのある味といいますか、料理に使っても邪魔になりません。展示会などで試飲会をおこなうと、「思ったより飲みやすい!」という声を多くいただきます。

──クロレラに含まれる60種類以上の栄養素の中でもとくに注目したいものはありますか?

首藤さん:特筆すべきはビタミンB12です。ビタミンB12は代謝や造血に重要な栄養素であり、通常、動物性の食材にしか含まれていないため、菜食主義の方には不足しがちな栄養素です。しかし、たった1グラムのクロレラで1日の摂取推奨量を補うことが可能なのです。

また、魚介類やキノコ類に多く含まれるビタミンDに関しても、クロレラも光合成を通じてビタミンDを生成するため、クロレラを摂取することでビタミンDの不足を補うことができます。

──菜食主義の方やプラントベースの食事などをする方には大きなメリットですね。

首藤さん:そうなんです、ヴィーガンやベジタリアンの方にとって、ビタミンB12の供給源として重宝されています。私たちもさまざまな企業と協力し、ベジメニューを提供するレストランや健康志向のプラントベースの方々に向けた商品開発をおこなっています。

Wellulu編集後記
クロレラが約20億年前からあるということにまず驚きでしたが、その内に秘めている生命力の強さや豊富な栄養を知り、これから世界的なタンパク質不足が予想されるなか、再注目を浴びている理由がわかった気がします。現在では、人だけでなく農業や水産業まで、さまざまな場面で活用され、私たちの生活を支えてくれているクロレラのさらなる活躍が楽しみです。

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