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「おもしろ福利厚生」で実現! 離職率1%未満を誇る老舗企業の新しい挑戦

社員の健康や働きがいに投資する「健康経営」や「ウェルビーイング経営」への関心が高まるなかで、それらをいち早く実践し、独自の取り組みを続けてきた企業がある。それが、静岡市に本社を構え、創業150年以上を誇る総合食品商社・ヤマキ株式会社だ。

同社8代目社長の山口敦さんが考える“本当の意味で社員のためになる”福利厚生制度とは? 社員との信頼関係を大切にする経営観、そして「頑張った人が報われる社会」への思いまで、Wellulu編集長の堂上がじっくり話を伺った。

 

山口 敦さん

ヤマキ株式会社 代表取締役社長

2005年に国分株式会社入社、広島・東京での勤務を経て2011年に家業であるヤマキ株式会社に入社。静岡支店長などを歴任して2020年3月より現職。創業150年以上の食品問の老舗8代目として、社員の信頼を軸にした経営を実践。「頑張った人が報われる社会」を信条に、制度の透明性や評価基準の明確化に取り組むほか、健康支援やユニークな福利厚生制度を導入。社員のウェルビーイングを経営の柱に据え、組織の活力向上を目指している。

https://www.ymkfoods.co.jp/company/

堂上 研

株式会社ECOTONE 代表取締役社長/Wellulu編集長

1999年に博報堂へ入社後、新規事業開発におけるビジネスデザインディレクターや経団連タスクフォース委員、Better Co-Beingプロジェクトファウンダーなどを歴任。2023年、Wellulu立ち上げに伴い編集長に就任。2024年10月、株式会社ECOTONEを立ち上げる。

https://ecotone.co.jp/

目次

160年続く食品問屋、受け継がれている「信頼」の精神

堂上:今日は企業としてのお話に加えて、「なぜ社員のウェルビーイングに目を向けるようになったのか」についても伺えたらと思います。まずはこれまでのご経歴や現在の仕事について教えていただけますか?

山口:当社は創業から150年ほど続く食品問屋で、もともとは八百屋からスタートしました。乾物屋を経て、1900年頃から加工食品が流通し始めると、自然と扱う品も広がり、現在のようなかたちになりました。

堂上:いくつかのタイミングで、時代のニーズを捉えながら事業の形を変え、拡大されてきたんですね。

山口:そうですね。正確な記録はあまり残っていないんですが、「野菜が売れるなら豆も売れるんじゃないか」「そうめんが作れるらしい」といった具合に、時代ごとのニーズを捉えてきたようです。曾祖父の代は、新潟まで汽車で昆布を仕入れに行くなど、商売に積極的だったと聞いています。

堂上:時代の変化を読むのがうまかったんですね。山口さんは何代目なんですか?

山口:僕が8代目になります。

堂上:150年以上の歴史があっての8代目ってすごいですね。お父様やおじい様から、「将来は継ぐんだぞ」と言われて育ったんですか?

山口:明確にそう言われた記憶はないですね。僕は4人兄弟で3番目の長男なんですが、両親からはっきり「継げ」とは言われたことはありません。ただ、子どもの頃から会社に連れて行かれたり、中学生の時には「この大学は食品業界に強いよ」と大学見学に連れて行かれたりして。

レールが敷かれていたわけではないけれど、「レールを作るための道具」はすべて揃えられていて、「このパーツを組み合わせたらレールができるな」と自然と気づくわけですよ。

堂上:継ぐことに対して、葛藤はありませんでしたか?

山口:大学生のときはありましたね。自分でレールを引くとしても、「この列車でいいのか?」「これは自分自身の人生といえるのか?」と自問自答していました。ただ、用意された道具でレールを作ったとしても「列車を走らせるのは自分自身なんだ」と気づいて、継ぐことにしました。まずは同じ食品業界の国分という会社に就職したのち、6年間働いてヤマキに入社しました。

“頑張ったら報われる”を言葉で終わらせない仕組みづくり

堂上:国分さんでの経験も踏まえ、問屋業というビジネスにおいて意識していることはありますか?

山口:じつは国分とヤマキの価値観って、驚くほど似ているんです。国分の社是は「信用」、ヤマキの社是は「明朗誠実」。言葉は違えど、どちらも“人との信頼関係”を大事にしてるんですよね。

堂上:まさにウェルビーイングにも通じますよね。結局「信用」は人と人との関係から生まれるものですから。

山口:問屋って、商品そのものでの差別化が難しい業界なんです。誰でも同じ商品を仕入れて販売できるからこそ、「あの人から買いたい」と思ってもらえるかどうかがすべてなんですよ。だからこそ、信用や誠実さが商売の根幹になります。

堂上:そうした信頼や透明性って、社員のウェルビーイングにも関わる大切な要素ですよね。ヤマキさんでは、そのような組織文化づくりで意識されていることはありますか?

山口:国分にいた頃から感じていたのは、社員同士や取引先との関係がとても良いことでした。ヤマキも同じ空気感があって、実際、離職率は1%未満なんですよ。

堂上:ええっ! すごいですね……! 社員みんながウェルビーイングに働ける環境が整っていると思うのですが、何か特別な制度があるのでしょうか?

山口:これまで特別な制度があったわけではなくて、むしろ前社長(現会長で山口さんの父)の「人への思い」が強く影響していたと思います。父は、「うちで働いてくれているんだから、静岡県の平均年収を超えさせたい」という思いが強くて、給料も賞与も惜しまなかったんです。その愛情が、社員のモチベーションにつながっていたのかもしれません。

ただ、それだけでは持続性がないとも感じていて、私が社長になってからは「説明ができないことはしない」「頑張った人にはしっかり報いる」というルールを明文化しました。たとえば、営業職だけに支給されていた手当を見直して、全員に公平に分配するようにしたり、意味が曖昧な手当は廃止したり。

給与が増えたら、きちんと「頑張った結果だよ」と伝えます。頑張ってくれた人には、胸を張って報いたいんです。

堂上:素晴らしい取り組みですね。山口さんの改革は「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の観点にもつながっていると思います。

どんな生活を送りたいか、何を大切にして働いているかによって、人が求める報酬は変わってきますよね。そんななか、自分の役割や働く目的を理解して、自律的に頑張っている人と、ただ言われたことだけをこなしている人とでは、成果に差が出て当然だと思います。

その違いを明確にする、つまり「頑張った人にはきちんと報いる」仕組みをつくることは、とても大切なこと。まさに、山口さんが今それを実践されているのは、そうした“健全な仕組みづくり”であり、素晴らしいことだと感じました。

山口:ありがとうございます。やっぱり、働くうえで「楽しさ」や「やりがい」があるほうが、パフォーマンスは上がると思うんです。「この会社で働きたい」と思ってもらうにはどうすればいいか、「楽しい」と感じてもらえる職場になるには何が必要か……。そのために、評価の在り方や、どんな人と働くかを真剣に考えています。

社員の健康を守るために。『アミノインデックス』導入の背景

堂上:福利厚生の一環として、御社では味の素さんの『アミノインデックス』を導入されたと伺いました。導入のきっかけを教えてください。

山口:2023年に、味の素さんの会で、北陸のスーパー「アルビス」の方とご一緒させていただいて、そのときに「がん検診が簡単にできるサービスがある」と教えてもらいました。じつはその頃、社員ががんで亡くなっていて……。自分に何かできたんじゃないかという思いがあったなかで出会ったことで興味を持ち、1年かけて社内で導入を進めました。

堂上:いまは健康診断とセットで受ける仕組みなんでしょうか?

山口:当初はそう思ってたんですけど、アミノインデックスでランクCが出ても、健康診断がすでに終わっていると、自ら病院に行く人って案外少ないんですよね。そこで順序を変えて、「まずアミノインデックスを受ける→結果を踏まえて健康診断で精密検査へ」という流れにしました。もちろん強制ではありませんが、受診した人には精密検査まで受けることを推奨しています。

堂上:なるほど、それはすごく実用的な仕組みですね。僕自身、アミノインデックスを初めて知ったのは10年以上前のローンチ時で、「健康診断のオプション的な検査かな」くらいの認識でしたが、考えが変わりました。

山口:そういう人は多いと思います。でも参考書を買っただけでは学力はつかないのと同じで、ちゃんと精密検査まで受けて初めて意味があるんですよ。

堂上:がんで亡くなられた社員さんのことがあって、何かあれば命を救えたかもしれないという思いも導入の大きな背景にあったんですね。

山口:はい。あのときを「運が悪かった」で終わらせちゃいけないなと思ったんです。アミノインデックスを導入後、社員から「〇〇さん(亡くなった社員)がこれ受けてたら、どうなってたんでしょうね……」ってポツリと声があがって、導入した意義をすごく感じました。

山口:がん検診は本来であれば部位ごとに行うところ、アミノインデックスは少量の血液で複数項目を検査できるので、効率が良いですよね。

堂上:それらの病気やリスクを早期発見できる体制をつくっているのは、本当に素晴らしいです。

山口:導入後は社員の反応にも変化がありました。たとえば「ランクCが出たけど、9月の健康診断まで待てない。先に検査したいです」との声もあって。その場合は、会社が費用を負担して前倒しで精密検査を受けられるようにもしています。

じつは私も、先日の検査で胃がんのランクCが出たので、9月に精密検査を受ける予定です。社員から「出ちゃいましたね〜」って言われました(笑)。

堂上:そうやって自分の健康に興味を持つようになったり、社内で身体について自然に共有できる雰囲気があるのも、この検査のいいところですね。

実際、ある調査では「自分の健康をちゃんと管理できている」と言える人って、全体の10%ほどらしいんですよ。僕もその90%側で、睡眠は乱れてるし、ストレス値も高めです。ウェルビーイングを掲げるメディアの編集長として、ちょっと反省してます(笑)。でも今日の話を聞いて、僕もアミノインデックスを受けてみたくなりました。会社にも導入してみようかな。

山口:ぜひ!

“想いが伝わる”制度へ。おもしろ福利厚生の真意

堂上:ヤマキさんでは、アミノインデックス以外にも何かユニークな福利厚生はありますか?

山口:ここ2年ほど、「おもしろ福利厚生」という名称で、年間社員一人あたり2〜3万ほどの予算を使いながら、社員のテンションが上がるような施策を試しています。たとえば、会員制のリゾートホテルの宿泊券を忘年会や慶事などでプレゼントにして、社員がお祝いの際に家族と宿泊できるようにしました。

堂上:「おもしろ福利厚生」って、ネーミングも素敵ですね。アイデアはすべて山口さんが考えているんですか?

山口:今はほぼ私が企画していますが、いずれは総務にも年1回アイデアを出してもらうかたちにしたいです。「俺と勝負!」みたいな感じで(笑)。

堂上:それは楽しそうですね! みんなでアイデアを出し合えるようになると、社員のエンゲージメントも一層高まりそうです。

僕たちがやっている「ウェルワーキング調査」でも、福利厚生に関しては「満足度と実現度のギャップ」が一番大きかったんです。福利厚生は重視されてるのに、実際に「使いたい」と思えるものが少ないのが現実です。

たとえばサッカー観戦が好きな人にJリーグのチケットを贈るなど、個別性がある支援のほうが、本来の意味で“福利”になりますよね。

山口:確かにパッケージ型の福利厚生は手軽です。でも相手一人ひとりのことを考えるのは大変だし時間も手間もかかるけど、そのほうが喜んでもらえるんじゃないかと思うんです。

私がおもしろ福利厚生をやろうと思ったきっかけもそこにあります。仮に会社が100万円の予算があったとして、1人1万円ずつ配るよりも、「健康になってほしい」「元気に出社してね」といったメッセージが伝わるような、具体的なサービスを提供するほうが、受け取る側にも想いが伝わると思うんです。

堂上:「おもしろ福利厚生」がもっと浸透して、社員と一緒に企画を考えるようになったら最高ですね。たとえば「今年の『おもしろ福利厚生』はこれにしよう!」って、みんなで決められるようになったら、さらに良い仕組みになりそうです。

堂上:実際に、社員のニーズを取り入れたこともあるんですか?

山口:はい。以前、静岡のとあるスポーツチームの方から「年間シート買いませんか?」と声をかけていただいたことがありました。「おもしろいかも!」と思って社員にアンケートを取ったんです。ところが、希望者が年間シート分に満たず、導入を見送ったことがありました。

最近では、バドミントンが趣味の社員から「部活を作りたい」という声があがりました。ただ楽しく運動するだけでなく、支店間の交流が増えるように工夫や、活動報告もしてもらって、和を広げていくような設計にしようと一緒に考えているところです。

堂上:めちゃくちゃいいですね。まさに、ウェルビーイングにつながる話だと思いました。スポーツに限らず好きな活動があると、それが閉じたコミュニティになりがちです。でもそこに横のつながりや、多様な人との交わりがあると、ウェルビーイング度はグッと高まるんです。

たとえばアミノインデックスも、最初は個人の健康管理を中心にした制度だったとしても、それが広がって結果を共有するようになったり、同じ病気を持った家族同士がつながるようになったりすれば、共感が生まれて支え合が生まれます。

そのような越境やつながりがウェルビーイングを高めるカギなんですよね。まさに今、山口さんがやろうとしていることは、そういう世界観だと感じました。すでにウェルビーイングな会社じゃないですか!

山口:ありがとうございます。「おもしろ福利厚生」も、結局は社員のパフォーマンスを最大化するための取り組みなんです。そして、その状態こそがウェルビーイングに近づくのだと思っています。

離職しない、ロイヤリティが高い、社員同士が仲が良い、意見が言いやすい、経営層とのコミュニケーションがしやすい……。そんな状態をつくるために、いろいろな施策をおこなっているんです。

堂上:社員のことを大切に思う気持ちが、最終的にはしっかり会社に還元されていくわけですね。

山口:そうなんです。アミノインデックスの導入も、「社員の健康を祈ってます」なんて聖人君子のような気持ちで導入したわけではありません。本音を言えば、社員が健康でいてくれれば会社にとってプラスですし、辞めなければさらにプラス。つまり、経営としての「投資」ですね。

「賃上げ=給与」だけじゃない。福利厚生を“投資”と捉える視点

堂上:僕たちは今、「ウェルワーキングな働き方」を全国の経営者と探るプロジェクトをおこなっているのですが、山口さんのお話はまさにその実践例だと感じました。社員の健康やウェルビーイングを「コスト」ではなく「投資」として捉える姿勢が、とても印象的です。

「コスト」として考えると、「この制度を入れたら離職率はどれほど下がるのか?」と短期的な成果を考えがちなのですが、本質はそこではありません。社員が満足して、ワクワクしながら働ける環境を整えることが、結果的に会社全体の成長にもつながっていく。そんな視点が大切なんだと感じています。

山口:じつは、私にそのマインドを教えてくれた方がいるんです。静岡銀行で人事トップを務めていた方で、その方が「賃上げは給与や賞与だけじゃない。福利厚生や教育にかかる費用も含めて“賃上げ”だ」とおっしゃっていて。なるほどな、と深く共感しました。たとえ100円でも、社員満足度を大きく高められるなら、それは立派な「投資」なんだと。

私がなぜ「投資」と捉えられるのかというと、主に2つの理由があります。1つ目は、「性善説に立てるかどうか」。人を信じて先にお金をかけられる人は、結果として恩恵が返ってくると信じられます。

2つ目は、私が“オーナー経営者”という立場にあることです。「いいじゃん、やってみよう」と思ったら、数百万円単位をドンと出せる。意思決定を即断できるのは、大きな利点ですね。

堂上:いわゆるサラリーマン社長のような立場だと、稟議を通すのにどうしても3〜4カ月かかるケースもあります。実際、「今年は予算がなくて……」といった理由で断念するケースも多いんですよね。

山口:上に提案を上げたときに「いくら払って、いくら回収できるの?」と聞かれてしまうと、「離職率がどのくらい下がるか」を具体的に説明しなきゃいけない。それに、投資の回収期間の感覚も、オーナー系企業とそうでない会社では大きく違いますしね。

堂上:僕たちが関わる企業でも「3年以内に辞めてしまう人が多い」「採用しても定着しない」といった課題は多く、打開策が見つからないまま悪循環に陥っているケースも少なくありません。だからこそ、山口さんのような実践例がとても貴重なんです。

山口:離職って連鎖するんですよね。一人が辞めると「自分も……」という空気になりやすい。逆に、定着率が高い会社はどんどん良くなっていくものです。

堂上:閉鎖的な社内風土も課題ですよね。経営者自身がオープンでいることで、社員の心を開きやすくなります。ヤマキさんには、社員同士が支え合う“家族的な温かさ”を感じます。発言しやすい雰囲気がつくられているんですね。

山口:そうですね。特に社長交代を機に、大きく変わったと感じます。私が就任したときは、社内の多くの人が年上だったので、それを逆手にとって「教えてください」というスタンスで接するようにしたんです。そのおかげで、マネージャー陣には「敦さんは意見を言っても大丈夫な人」と思ってもらえています。年下であることを上手く利用しました(笑)。

堂上:その「教えてください」という姿勢が、社内に馴染んだんですね。

山口:はい。地元の静岡に戻って来たときに出会った、先輩経営者の存在も大きかったです。たとえば静岡銀行の頭取や、静岡を代表するような経営者の方々、みなさん本当に腰が低くて。私のところまでわざわざ来てくれて、「君が茂君(父)の息子か、よろしくな!」って声をかけてくれて……。「えっ、頭取が直接!?」と驚きました。

堂上:それはすごいですね。若いうちに、そうした偉大な経営者の方たちと出会えたのは、本当に貴重な経験ですよね。

山口:公にも評価されていて、個人としてもとても魅力的な方々に出会えたからこそ、「社長だからといって偉ぶってはいけない」と思うようになりました。

だからこそ、社長になってからも社員からの意見を取り入れて制度を導入したときには、「これは◯◯さんの提案で実現できました」と必ず伝えるようにしています。ちゃんと手柄を配ることも、社長の大切な仕事だと思っています。

「やりたい」を実現できる社会を、会社からつくる

堂上:最後に2つ、お聞きしたいことがあります。まずは、最近どんなときにワクワクしたり楽しいと感じていますか?

山口:少し先に遊びの予定があるときですね。土日に非日常を楽しむことを大事にしています。最近は友人とウェイクサーフィンをしたり、これから登山に行く予定もあります。

堂上:オンとオフをしっかり切り替えて過ごされている感じが素敵ですね。社員の皆さんと一緒に出かけたり、遊んだりする機会はありますか?

山口:今のところそういった機会はないですが、「登山部つくろうよ」といった話はしていますね。部活のような形で何かできたら楽しそうだなと。

堂上:いいですね。そういう活動のなかで、普段は気づけない社員の魅力や、意外な一面が見えてきたりしますよね。自然な形でのコミュニケーションで関係性が深まって、組織の雰囲気づくりにもつながると思います。

山口:私が「登山行こう」と誘うのと、社員主導で登山部があって、そこに私が参加するのとでは、同じ活動でも意味合いがまったく違うんですよね。

堂上:たしかに。そこには社員の主体性が表れてきますよね。

では最後に、これからどんな社会になっていたらいいと思いますか? お子さんの世代の未来も含めてお聞かせください。

山口:今日の対話を通じて改めて思ったのは、「頑張ったら報われる社会」がいいなということですね。ヤマキの人事制度の根底にもある考え方です。そもそも「頑張ろう」と思ったときに、実際に挑戦できる環境がある社会が理想です。「やりたい」ことに挑戦できる環境があれば、自然と幸福度も高まると思います。

堂上:たとえば「部活をつくりたい」と社員が発言できる環境があって、それを実現しようと背中を押してくれる経営者がいる。そんなヤマキさんのように、やりたいことをやりたいと言えてそれを実現できる社会って、素晴らしいですよね。

山口:ポジティブなエネルギーを持って、みんなで前進していける。そんな組織や社会をつくりたいです。私自身も、「言われたことだけする人」よりも、「自分で考えて動く人」を評価しています。その積み重ねが組織の力になり、社会全体にも広がれば、もっと良い未来になるはずです。

堂上:本当にその通りですね。僕たちも「ウェルビーイングな共創社会」を掲げて活動しています。やりたい気持ちを安心して伝えられて、共感してくれる仲間がいる。そんな社会を、これから一緒につくっていけたら嬉しいです。本日は本当にありがとうございました!

山口:こちらこそ、ありがとうございました!

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