
「昔よりも疲れやすくなった気がする」「寝るだけでは疲れが取れない」20代は環境の変化によって慢性的な疲労を抱えやすい年齢でもあり、8割以上が疲れているというデータも。
この記事では、休息の専門家に聞いた、寝ても疲れやすい原因や睡眠以外の疲労回復方法を詳しく解説する。
この記事の監修者

片野 秀樹 博士(医学)
一般社団法人日本リカバリー協会代表理事/株式会社ベネクス執行役員
20代はシニア世代より疲れやすい?
日本リカバリー協会の調査データによると、男性・女性問わず20~30代がもっとも疲れを感じており、とくに20代女性の約9割が疲れていると回答している。20代は仕事や家庭環境の変化も大きく、多方面からのストレスによって疲労が蓄積しやすい年代。
とくに大きな要因の1つとして、社会人になることによる環境の変化があげられる。新入社員として先輩や上司に教えを受ける立場では、相手のペースにしたがって業務をおこなうことが多い。1日中相手のペースに合わせていると、想像以上にストレスを抱えてしまうので、自分なりの休息やストレス解消の方法を持っておくことが重要。
- 女性の場合:早い人では家庭を持って育児が始まる時期でもあり、仕事と家庭の両立が求められる
- 男性の場合:早く一人前になりたいという気持ちから、休息時間を削って仕事に集中する傾向が強い
20代の人が寝ても疲れが取れない原因
- 10代よりも体力が低下し始める
- そもそも疲れの取り方を知らない
- 働き方の変化によるスキマ時間の減少
- 姿勢の悪化からくる自律神経の乱れ
10代よりも体力が低下し始める
一般的には10代後半~20歳ごろをピークとして、体力や免疫機能は徐々に低下し始める。そのため、20代はすでに体力低下の初期段階に入っているが、多くの人はこの変化を自覚せずに過ごしている。
まずは自分の体力や疲労の状態を客観的に把握することが、体調管理において重要な最初のステップ。
そもそも疲れの取り方を知らない
私たちは学校で運動や栄養については学ぶ機会があるものの、休養について教わる機会がない。そのため、幼少期の「たくさん寝たら回復した」という原体験を基準に「休養=寝ること」だと認識しているケースが多い。
しかし、幼少期と比べて体力や生活環境が大きく変化している20代では、睡眠だけで疲れを取りきるのは難しくなり始める。

原体験にもとづく「できるはず」という思い込みで無理を重ねてしまうと、どこかで限界が来てしまうので、適度に休むことを習慣にしましょう。
働き方の変化によるスキマ時間の減少
昔であれば、電車の中や信号待ちの間など、移動時間に休憩を取ることができていた。しかし、最近は移動中にスマートフォンで資料をチェックしたり、メールの返信をしたりする習慣が身についている人も多い
本来であれば休息が取れるスキマ時間で仕事をしてしまっているため、疲労が溜まりやすくなっている。
また、オンラインでの会議や商談が増えたことによって、スキマ時間が少なくなり、交感神経が優位の状態が長くなっていることも、現代人の疲労の原因の1つといえる。

夕方以降も交感神経が優位なままだと、緊張状態が続き、休養モードに切り替えることができません。その結果、睡眠の質が下がるといった悪循環に陥ってしまいます。
姿勢の悪化からくる自律神経の乱れ
パソコンやスマートフォンの画面に長時間集中していると、姿勢が乱れることで横隔膜が圧迫されて呼吸が浅くなる。
浅い呼吸は交感神経を優位にさせるため、慢性的に呼吸が浅い人は夜になっても副交感神経が働かず、うまくリラックスモードに切り替えることができなくなる。結果として睡眠の質が低下し、疲労が蓄積してしまうという悪循環に陥る。
【横隔膜の圧迫を解消する方法】
- ときどきでよいので意識的に胸を上に引き上げる
- こまめに軽い休憩を取り、ゆっくり深呼吸をする
- 「1時間に1回は姿勢を整える
※自分なりのルールをつくって習慣化することが大切
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【20代向け】疲労度がわかるチェックリスト
自分ではあまり疲れていないと感じていても、気づかないうちに疲労が溜まっているケースも少なくない。
まずは、今の状態の疲労度をチェックしてみよう。
☐ 寝ても寝ても眠い
☐ 身体は疲れているのに、いざ寝ようとすると寝つけない
☐ 朝、起きた瞬間からすでに疲れている
☐ 休日の日は思いっきり朝寝坊をして、そのままゴロゴロして過ごす
☐ 有休が取りづらい職場に勤めている
☐ 残業は当たり前だ
☐ 人間関係に悩んでいる
☐ 育児や介護など定休日のない仕事をしている
☐ 最近、つまらないことでイライラする
☐ 眼精疲労や肩こりがある
☐ 入浴は湯船につからず、シャワー派だ
☐ 夜のつきあいが多いが、毎朝9時には出社する
☐ 栄養ドリンクやコーヒーを飲まないとやる気が出ない
☐ 性欲が低下してきた
☐ 最近、著しく気力・体力が衰えた自覚がある
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☑ 2個以下 :今のところ比較的元気ですが、無理は禁物!
☑ 5個以下 … そこそこ疲れがたまっているので、まずはゆっくり休もう
☑ 10個以下 … かなりお疲れモード。計画的に休息を取ろう
☑ 15個以下 … かなりの危険水域。いくら忙しくても、休むことを真剣に考えて!

若いうちは栄養ドリンクに頼って無理をすることも多いですが、栄養ドリンクは一時的に疲労感をマスキングしているに過ぎません。
無意識に飲み続けていると、本来の疲労回復能力が損なわれてしまうおそれもあるので注意が必要です。
20代の人が寝ても疲れが取れないときの疲労回復法
仕事や家庭環境などが原因のストレスや疲労は、寝るだけではなかなか回復しない。まずは、どれか1つでもいいので、自分に合った休養方法を取り入れてみて。
- まずはしっかりと休む
- 睡眠以外の休養法を持つ
- 生活リズムを整える
- バランスの取れた食事をする
- ぬるま湯に浸かってリラックスする
- 適度に身体を動かす
まずはしっかりと休む
「疲れたくらいで仕事を休むのは気が引ける」と考える人も多いが、疲れた状態ではパフォーマンスの高い仕事はできないと言い聞かせ、無理をせずに休むことを優先に考える。
たとえば、肩こりや腰痛などの身体的サインを自律神経の乱れとして認識し、身体からの声に耳を傾ける習慣を身につけることが重要。また、疲労を慢性化させないためには、疲れたら休むのではなく、疲れる前に計画的に休むようにするとよい。
睡眠以外の休養法を持つ
20代のうちからオフ(休息)を自分自身でマネジメントし、自分なりの休養ルーティンを見つけることが重要。休日に何となくダラダラして過ごすのではなく、運動や趣味、旅行など、自分の好きなことや新しいことにチャレンジし、あえて軽い負荷をかけることで活力が高まる。
「睡眠」と「活力」の両方を意識した生活を送ることで、疲労回復効果が増し、より高いパフォーマンスを発揮することができる。

休日の予定を立てることで生活にメリハリが生まれるので、仕事のモチベーションを高めることにもつながります。
生活リズムを整える
起床や就寝時刻を意識的に統一するなど、毎日規則正しい生活を送ることで、自律神経のバランスが整いやすくなる。
また、夕方以降はスピード感を落とし、リラックスできる環境で過ごすなど、意識的に睡眠モードに切り替える準備をおこなう必要がある。夜遅くまでパソコンやスマートフォンを使用していると、交感神経が優位の状態が長くなり、自律神経のバランスが乱れやすくなる。

週末に1日中ゴロゴロして過ごすと、月曜日に時差ボケのような状態で仕事に向かうことになり、余計に疲れやすくなってしまうという悪循環に陥ってしまうことがあります。
普段から一定の睡眠時間を確保し、できれば週末も同じ時間に起きるか、2時間以上長く寝ないようにしましょう。
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バランスの取れた食事をする
疲労回復のためには栄養バランスを重視しつつも、現代の食生活で過剰になりやすい糖質を減らしていき、オメガ3系脂肪酸のような質のよい脂質を積極的に摂取する。
また、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が不足すると、神経伝達物質がうまくつくられなくなってしまう。
代表的な神経伝達物質には、意欲や学習に関わる「ドーパミン」、脳の興奮を鎮めてリラックス効果をもたらす「GABA(ギャバ」、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」などがあり、これらのバランスが崩れると、疲労感や集中力・意欲の低下といった不調を引き起こす。
【オメガ3脂肪酸の含有量が多い食品】
- 亜麻仁油
- えごま油
- くるみ
- サバ
- イワシ
- サンマ など
ぬるま湯に浸かってリラックスする
疲れているときはシャワーだけで済ませがちだが、38〜40℃くらいのお湯に15~20分ほど浸かることで、副交感神経を優位にし、睡眠の質を高めてくれる。就寝の90分ほど前にお湯に浸かって身体を温めておくと、寝床に入るタイミングで体温が下がり始めるので、自然な眠気が誘発される。
逆に、42℃以上の熱めのお湯に浸かると交感神経が優位になってしまい、寝つきが悪くなるので注意が必要。
適度に身体を動かす
日中に身体を動かすことで適度に身体が疲れ、夜に睡眠圧が高まり、眠りにつきやすくなる。また、適度に運動をすると血流がよくなり、細胞の一つひとつにしっかりと酸素や栄養を届けることができる。それによってリンパの流れがよくなることで疲労感の軽減につながる。
ただし、夜に激しい運動をすると神経が高ぶって眠れなくなるので、軽い運動かストレッチ程度にしておこう。
20代で疲れを放置すると起こる悪影響
日頃の疲れをそのままにしておくと、仕事のパフォーマンスはどんどん低下する。さらに、疲労が慢性化することで、さまざまな不調を引き起こす原因になる。
- パフォーマンスがどんどん低下する
- 疲労が慢性化しさまざまな不調を引き起こす
- 自律神経のバランスが乱れる
パフォーマンスがどんどん低下する
活動後にしっかりと休養を取ることができれば、以前の活動能力よりも高いパフォーマンスを発揮できる。
しかし、適切な休養が取れていないと、体力が回復しないままの状態で次の活動に入るため、パフォーマンスがどんどん下がってしまう。すると身体的なストレスだけでなく、メンタル面でも同様の現象が起こり、活力も低下する。
疲労が慢性化しさまざまな不調を引き起こす
疲労は急性疲労・亜急性疲労・慢性疲労の3段階に分類される。初期段階の急性疲労は数日寝れば回復するが、疲労が半年以上続いている場合は、慢性疲労の状態に陥っている。
慢性疲労をそのままにしておくと、発熱や咽頭痛、睡眠障害などのさまざまな不調を引き起こすリスクが高まる。
自律神経のバランスが乱れる
人間の身体は神経系・内分泌系・免疫系の3つの制御システムがバランスを取りながら恒常性(ホメオスタシス)を保っている。どれか1つに異常が生じた場合でも、残りの2つが補うことでバランスが保たれている。
しかし、慢性的な疲労によって自律神経のバランスが乱れ、3つすべてに負担がかかると、さまざまな病気や不調を引き起こす。
休養学の第一人者として休養に関する社会の不理解解消やリテラシー向上を目指して啓発活動にも取り組んでいる。著書「あなたを疲れから救う 休養学」(東洋経済新報社)」は現在16万部を超えるベストセラー。そのほかに編著書「休養学基礎」(メディカ出版)、著書『マンガでわかる休養学』(KADOKAWA)などがある。