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ダンベルプルオーバーで胸と背中を鍛える!効果的なやり方・重量の目安

ダンベルプルオーバーは、胸と背中を同時に刺激できる種目。ダンベルを頭の後ろへ動かす独特な軌道により、大胸筋にストレッチ刺激、広背筋には伸びと収縮の両方を与えやすいのが特徴。

この記事では、ダンベルプルオーバーの効果や鍛えられる部位、正しいフォーム、重量の目安までを紹介。胸・背中を効率よく鍛えたい人やトレーニングの幅を広げたい人は参考にして。

この記事の監修者

三矢 紘駆さん

日本体育大学助教 日体大ボディビル部監督

2024年日本体育大学大学院体育科学研究科博士課程修了。博士(体育科学)。日本体育大学体育研究所助教であり、同学のボディビル部にて監督およびボディビルクラブ代表を務める。2024年におこなわれた第38回東京クラス別ボディビル選手権大会では、ミスター75kg以下級にて優勝。

【資格】
NSCA-CSCS

この記事の検証者

吉田 健二さん

Wellulu編集部

学生時代は運動部に所属。過去にトレーニングの継続を二度挫折したが、約1年前から再びジム通いをスタート。現在は「続けられる筋トレ習慣」をテーマに、週2〜3回の全身トレーニングを中心に実践している。

目次

胸・背中に効く!ダンベルプルオーバーの特徴

ダンベルプルオーバーは、ベンチに仰向けになりダンベルを頭の後ろへ動かすトレーニング。ダンベルを下ろす局面で胸へのストレッチ刺激が入り、戻す局面では背筋への収縮刺激を作りやすい。

肩に負担が出やすいため、初心者の場合は軽い重量から始めるのがおすすめ。

  • 大胸筋種目の比較
  • 背筋種目の比較

監修者:三矢

ダンベルプルオーバーは、初心者にはやや難易度の高い種目です。ダンベルの軌道を安定させ、胸へのストレッチ刺激が入る感覚を掴んでから徐々に重量を上げていきましょう。

肩に違和感が出やすい種目でもあるため、無理に深く下ろさず、コントロールできる範囲でおこなうことが大切です。

大胸筋種目の比較

大胸筋を狙う種目として、ベンチプレスやダンベルフライは「押す・開く」動きが中心。腕を頭上方向へ動かすダンベルプルオーバーは、胸の上部から下部にかけて伸びを作りやすい

高重量で出力を上げる局面はベンチプレスが得意で、筋力アップの軸になりやすい。プルオーバーは補助的に使い、胸のストレッチ感や可動域の拡大を狙うのがおすすめ。

胸狙いでは、ダンベルを下ろす深さよりも胸の張りが保てる範囲を優先したい。

おもな大胸筋種目の違い

種目 おもな動き 特徴
ダンベルプルオーバー 上方向に動かす 胸のストレッチをつくりやすい
ベンチプレス・ダンベルプレス 押す 高重量を扱いやすく出力が高い
ダンベルフライ・ペックフライ 開く 胸のストレッチと収縮を感じやすい

背筋種目の比較

背中の筋トレとして定番のラットプルダウンや懸垂は、引く動きで広背筋を収縮させる。負荷を増やして背中全体を追い込む目的では、ラットプルダウンやローイング系が軸になりやすい。

プルオーバーは、広背筋をストレッチする用途に向く。背中狙いでは、脇を締めて広背筋の張りを感じる意識が大切。

おもな背筋種目の違い

種目 おもな動き 特徴
ラットプルダウン 上から引く 安定して広背筋を収縮させやすい
懸垂 自重で引く 強度が高い
ローイング系 水平に引く 背中の厚みを出しやすい
ダンベルプルオーバー 上方向から戻す 広背筋をストレッチしていく

ダンベルプルオーバーで鍛えられる部位

部位 負荷の強度(※)
大胸筋 ★★★☆☆
広背筋 ★★☆☆☆

※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差

大胸筋

胸に効かせる局面は、ダンベルを頭の後ろへ下ろしていくとき。大胸筋が伸びながら力を出し、胸の下部から上部へかけてストレッチ刺激が入りやすい。

【目的別】大胸筋を鍛えるメリット

ボディメイク 胸の厚みや立体感が出やすくなり、上半身のシルエットが整いやすい
機能改善 押す動作が安定しやすくなり、日常動作やスポーツで力を発揮しやすい
ケガ予防 肩関節まわりの安定性が高まり、過度な負担を分散しやすくなる
パフォーマンス ベンチプレスやプッシュ動作の出力が高まりやすくなる

広背筋

背中に効かせる場合は、ダンベルを降ろす局面で広背筋のストレッチを作る意識が大切。背中の筋肉でダンベルの軌道をコントロールし、背中の広がりを作る補助種目として組み込みやすい。

【目的別】広背筋を鍛えるメリット

ボディメイク 背中の横幅が出やすくなり、逆三角形のシルエットを作りやすい
機能改善 腕を引く動作が安定しやすくなり、肩甲骨の可動域が整いやすい
ケガ予防 背中の筋力が高まり、肩関節まわりの負担軽減につながりやすい
パフォーマンス 懸垂やローイングなど引く動作のパワーが発揮しやすくなる

監修者:三矢

広背筋をしっかり狙う場合はケーブルでのプルオーバーのほうが負荷が抜けにくく、安定して収縮を作りやすくなります。

ダンベルプルオーバーのやり方・フォーム

難易度 ★★★☆☆
続けやすさ(※1) ★★★☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】

  1. ベンチにもたれ、両手でダンベルを持つ
  2. ひじを軽く曲げ、ダンベルを頭の後ろへ下ろす
  3. 胸を張った姿勢を保ちながら、ダンベルを戻す
ケガのリスク 中程度
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル・ベンチ
負荷の調整 可能

監修者:三矢

ダンベルプルオーバーは、ベンチ上で肩甲骨をしっかり固定し、ひじの角度を変えずに動作するのが基本です。可動域は肩に違和感が出ない範囲にとどめ、無理に深く下ろさないことがポイント。

STEP1:ベンチにもたれ、両手でダンベルを持つ

検証者:吉田

ベンチにもたれたときに、腰を軽く落とすだけで上半身の安定感が大きく変わりました。腰を張りすぎると体が反ってしまい、スタート時点で力が入りにくくなります。胸の上でダンベルを構えたときにグラつかない姿勢を作ることで、その後の動作も安定しやすくなりました。

監修者:三矢

少し脇を開きダンベルを両手で包むように持ち、胸の上で構える形が基本です。肩甲骨は軽く寄せて下げ、胸をつぶさない姿勢を作るとフォームが崩れにくくなります。

スタートでひじを伸ばし切ると関節負担が増えるため、ひじは軽く曲げた角度でキープしておくことが大切です。

STEP2:ひじを軽く曲げ、ダンベルを頭の後ろへ下ろす

検証者:吉田

ダンベルを下ろすときに床と垂直を意識するだけで、胸にストレッチがしっかり入る感覚が強くなりました。深く下ろそうとするよりも、コントロールできる範囲で止めるほうが安定しました。

監修者:三矢

ひじの角度を一定に保ったまま、ダンベルを頭の後ろへゆっくり下ろします。肩がすくむ・腰が反るといった崩れが出ない範囲で深さを調整することが大切です。

STEP3:胸を張った姿勢を保ちながら、ダンベルを戻す

検証者:吉田

肩甲骨を固定して胸を張ったまま戻すことで、胸や背中に力が入り続ける感覚がありました。ゆっくり動かすほど狙っている部位に効いている実感も強くなります。

監修者:三矢

勢いで戻すと狙いの筋肉より腕に負担が乗りやすくなるため、動作の終点までコントロールしましょう。一定のテンポで繰り返すことが大切です。

ダンベルプルオーバーの効果を上げるポイント

  • 少し脇を開いてダンベルを持つ
  • わきや肩の下をほぐす

少しわきを開いてダンベルを持つ

ダンベルプルオーバーでは、わきを軽く開いた状態でダンベルを持つことで、大胸筋に負荷が乗りやすくなる。わきを締めすぎると腕に力が逃げやすく、狙いの筋肉に刺激が入りにくくなるため注意しよう。

わきの開き具合は「力が入りやすい角度」を探りながら微調整するのがおすすめ。

監修者:三矢

ダンベルは下側ではなく上の方を包み込むように持つことで、わきが自然に開きやすくなります。持ち方を変えるだけでも胸への負荷の乗り方が変わるため、フォームが安定しない場合はグリップ位置を見直すのがおすすめです。

わきや肩の下をほぐす

ダンベルプルオーバーは可動域が広い種目のため、事前にわきや肩の下をほぐしておくことで、動作がスムーズになりやすい。筋肉のこわばりがある状態でおこなうと、可動域が制限されるだけでなく、肩への負担も大きくなりやすい。

監修者:三矢

フォームローラーやボールを使って、わきの下から肩にかけて軽くほぐしておくと可動域が出やすくなります。肩への負担がかかる・違和感が出やすい人ほど事前のケアを取り入れることが大切です。

ダンベルプルオーバーの回数・重量

ダンベルプルオーバーは可動域が大きく、重量を上げるほどフォームが崩れやすい種目。最優先は狙いの筋肉に張りが残る動作を保つこと。目安は「8〜12回×3セット」を正しいフォームでおこなえる強度。

  • 初心者は10kg前後
  • 中級者20kg前後
  • 上級者は30kg以上

初心者は10kg前後

初心者はフォーム習得を優先し、軽めのダンベルから始めるのが安全。目安は8〜12回で動作が乱れず、胸や背中に張りが残る重量。具体的には両手で扱って10kg前後から調整しやすい。

可動域を深くしすぎると肩がすくみやすいため、重さよりも動作の安定を優先する。反動を使わずゆっくり動かし、最後の数回でフォーム維持が難しくなる強度に合わせると効果が出やすい。

中級者20kg前後

中級者はフォームを維持したまま重量を伸ばしやすい段階。目安は8〜12回で限界が来る負荷で、最後の2回がきついが軌道は崩れない状態。具体的には両手で20kg前後が目安。

重量を上げるほど腕主導になりやすいため、フォームを一定に保てるかを基準に調整したい。

上級者は30kg以上

上級者は目的に応じて強度を使い分けやすい。目安は6〜10回で限界が近い負荷、または8〜12回の負荷。両手で30kg以上を扱う場面もあるが、重量よりフォームの安定が最優先。

腰の反り・肩のすくみ・軌道の乱れが出た時点で負荷は過大。狙いの筋肉の張りを保てる重量設定が重要。

プルオーバーの種類

  • インクラインダンベルプルオーバー
  • ケーブルプルオーバー

インクラインダンベルプルオーバー

難易度 ★★★★☆
続けやすさ(※1) ★★★☆☆
トレーニング効率(※2) ★★☆☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】

  1. ベンチを10~30度に設定し、背中を預けて座る
  2. 両手でダンベルを持ち、胸の上で構える
  3. ひじを軽く曲げたまま、ダンベルを頭の後ろへゆっくり下ろす
  4. 胸のストレッチを感じながら、元の位置へコントロールして戻す
ケガのリスク 中程度
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル・ベンチ
負荷の調整 可能

監修者:三矢

インクラインにすることで自然と腰の位置が下がるため、胸にストレッチ刺激を入れやすくなります。基本的なやり方は、通常のダンベルプルオーバーと同じになります。

【注意点】

  • ベンチをインクラインにする
  • 頭がベンチから少し出る位置に座る

ベンチをインクラインにする

頭がベンチから少し出る位置に座る

検証者:吉田

ベンチの角度をつけて頭を少し出すだけで、ダンベルを下ろしたときの伸び感がかなり強くなりました。逆にベンチに深く座ると可動域が狭くなり、胸に効いている感覚も弱くなります。

ポジションを少し変えるだけで効き方が大きく変わる種目だと感じました。

監修者:三矢

インクライン設定と座る位置によって可動域と刺激の入り方が大きく変わります。

注意点として、可動域が広がる分だけ肩への負担も増えやすくなるため、違和感が出ない範囲でコントロールすることが大切です。

ケーブルプルオーバー

難易度 ★★★★☆
続けやすさ(※1) ★★☆☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】

  1. ケーブルマシンのハンドルを高い位置にセットする
  2. 両手でハンドルを持ち、腕を伸ばした状態で構える
  3. ひじを軽く曲げたまま、腕を下へ引き下げる
  4. 元の位置へゆっくり戻す
ケガのリスク 低い
実施できる場所 ジム
器具・設備 ケーブル
負荷の調整 可能

監修者:三矢

ケーブルプルオーバーは動作終盤の負荷が抜けにくいため、広背筋の収縮を意識しやすい種目です。反動を使わず、一定のテンポでコントロールすることで、効率よく背中に刺激を入れやすくなります。

【注意点】

  • ケーブルから少し離れて立つ
  • 胸を張り、肩をすくめない

ケーブルから少し離れて立つ

胸を張り、肩をすくめない

検証者:吉田

ケーブルから少し離れて立つだけで、背中にしっかり負荷が乗る感覚が強くなりました。逆に近すぎると腕で引いてしまい、広背筋への刺激が弱くなります。

また、肩がすくむと一気に効きづらくなるので、胸を張る意識だけでも負荷のかかり方が大きく変わりました。

監修者:三矢

ケーブルプルオーバーでは、ケーブルを引く途中で負荷がしっかり乗ると広背筋に刺激が入りやすくなります。そのため、動作の終盤で腕とケーブルの角度が直角に近づくポジション(ケーブルから少し離れる)に立つことが大切です。

ダンベルプルオーバーに関するQ&A

立ったまま・座った状態でもダンベルプルオーバーはできる?

A. 基本はベンチでおこなうのがおすすめ。

監修者:三矢

立位や座位ではダンベルを扱ってプルオーバーをすることはできません。背中狙いであれば、立位でケーブルを使ったほうが負荷のコントロールもしやすく、安全性も高くなります。

ダンベルプルオーバーは毎日やっても大丈夫?

A. 毎日より、週1〜2回の頻度でおこなうのが効果的。

監修者:三矢

毎日おこなうよりも、回復日を挟んだ頻度のほうが筋肉への刺激は安定しやすくなります。胸や背中は他種目でも使われやすいため、連日続けると疲労が蓄積しやすくなります。

目安としては週1〜2回程度に設定し、フォームの質を保てる範囲で取り入れることが大切です。

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