骨格筋量とは、骨や関節についていて、身体を動かすために使われる筋肉(骨格筋)の量のこと。歩く・立つ・姿勢を保つといった、毎日の動きを支える存在で、身体を動かす力や基礎代謝の目安。
この記事では、男女別・年齢別に骨格筋量の平均目安をはじめとし、骨格筋量が減りやすくなる理由や、日常生活の中で無理なく維持・増やしていくための考え方も紹介する。
この記事の監修者

石本 哲郎さん
女性専門のパーソナルトレーナー
この記事の検証者

山下さん
筋トレ歴9年
学生時代から週3~トレーニングや運動を続けており、社会人になってからも週4~トレーニングを継続。コンテスト出場歴もあり。 正しいフォームを皆さんに伝えられるように日々奮闘。
骨格筋量って何?筋肉量との違いは?

- 骨格筋量・骨格筋率とは?
- 骨格筋量の計算方法
- 筋肉量との違い
骨格筋量・骨格筋率とは?

骨格筋量とは、身体を動かすために使われる筋肉(骨格筋)の量のこと。腕や脚、お腹や背中など、骨についていて自分の意思で動かせる筋肉が対象になり、心臓の筋肉や内臓を動かす筋肉は含まれない。
歩く・立つ・姿勢を保つといった、毎日の動きを支える存在で、身体を動かす力や基礎代謝の目安として見られることが多い。
一方、骨格筋率は、体重のうち骨格筋がどれくらいの割合を占めているかを示す数値で、kgではなく%で表される。
体脂肪率と同じように、身体の中身のバランスを知るための指標で、体重が同じでも、筋肉が多い人ほど骨格筋率は高くなる。
骨格筋量の計算方法

骨格筋量は「体重 × 骨格筋率 = 骨格筋量」で求められる。体組成計に骨格筋率が表示されていれば、この計算でおおよその骨格筋量がわかる。
骨格筋率がわからない場合でも、体重と体脂肪率があれば、目安を出すことができる。
1:体脂肪量を出す
体重(kg) × 体脂肪率(%)= 体脂肪量(kg)
2:脂肪以外の体重を出す
体重(kg) − 体脂肪量(kg)= 除脂肪体重(kg)
3:骨格筋量の目安を出す
除脂肪体重(kg) ÷ 2 = 骨格筋量(kg)
※筋肉以外の成分も含まれるため、あくまで目安
4:骨格筋率を出す
骨格筋量(kg) ÷ 体重(kg) × 100 = 骨格筋率(%)
体組成計に表示される骨格筋量は、体重や身長、体脂肪率、水分量などの情報をもとに計算された推定値。使う体組成計や測るタイミングによって、多少の差が出ることも。
そのため、何kgか、何%かという数字だけにとらわれすぎないことが大切。前回より増えているか、減っているかといった身体の変化を見るための目安として活用するのがおすすめ。
筋肉量との違い

筋肉量とは、身体のなかにあるすべての筋肉を合わせた量のこと。腕や脚を動かす筋肉だけでなく、心臓の筋肉や内臓を動かす筋肉も含まれる。
一方、骨格筋量は、心臓の筋肉や内臓を動かす筋肉は含まれず、腕や脚、お腹や背中など、骨についていて自分の意思で動かせる筋肉(骨格筋)のみが対象。
そのため、骨格筋だけを指す骨格筋量より、数字は大きくなりやすい。
【男女別】骨格筋率の平均

骨格筋率の平均は、男性と女性で大きな違いがある。
男性は女性よりも男性ホルモンの分泌が多く、筋肉がつきやすい体質。脚やお尻などの下半身は、男女でそれほど大きな差は出にくいが、腕・胸・背中といった上半身は、男性ホルモンの影響を受けやすく、特別な運動習慣がなくても筋肉量に差が出やすい。
そのため、同じ体重でも、男性のほうが筋肉の割合が高くなりやすいという傾向がある。
- 【男性】骨格筋率の平均
- 【女性】骨格筋率の平均
【男性】骨格筋率の平均

成人男性の骨格筋率は、女性より高めになる傾向がある。平均の目安は、32.9%〜35.7%前後。
普段から身体を動かす習慣がある人は、35.8%以上になりやすい。一方で、運動不足が続いたり、体脂肪が増えてくると、32.8%以下になりやすい。
【女性】骨格筋率の平均

成人女性の骨格筋率の平均は、25.9%〜27.9%前後がひとつの目安。
運動習慣がある人は、28.0%以上に入りやすく、筋肉量が少なかったり、体脂肪が多かったりすると、25.8%以下になりやすい。
女性はもともとの筋肉量が男性より少なめ。そのため、食事を減らしすぎたり、身体を動かす機会が少なくなると、筋肉が落ちやすく、骨格筋率も下がりやすい傾向に。
【年齢別】骨格筋率の平均の傾向

骨格筋率は、年齢とともに少しずつ変化していく。
ここでは20代から60代まで、年代ごとの骨格筋率の傾向と、気をつけたいポイントを整理。平均値を知ることで、今の身体の状態を見直すヒントにしていこう。
- 【20代】骨格筋率の平均の傾向
- 【30代】骨格筋率の平均の傾向
- 【40代】骨格筋率の平均の傾向
- 【50代】骨格筋率の平均の傾向
- 【60代】骨格筋率の平均の傾向
【20代】骨格筋率の平均の傾向

20代は代謝が高く、骨格筋率も保ちやすい年代。ただし、生活習慣によっては平均を下回ってしまう人も少なくない。
最近は20代でも、お腹まわりに脂肪がつき、いわゆるメタボ体型になる人が増えている。おもな原因は、運動不足やお酒の飲みすぎ、夜更かしなどの生活リズムの乱れ。
とくに注意したいのが、学生時代に部活をしていた人。社会人になって運動量だけが減り、食べる量が変わらないと、急激に太ってしまうケースも多い。
【30代】骨格筋率の平均の傾向

30代は、20代と同じ感覚で過ごしていると、気づかないうちに筋肉が減っていくことも多い。
とくに女性は、30代後半から身体の変化を感じやすくなり、筋肉がつきにくく、脂肪が落ちにくいと感じる人も増えてくる時期。
少しでも身体を動かす習慣を持つことが、骨格筋率を守るポイント。
【40代】骨格筋率の平均の傾向

40代は、筋肉が落ちやすく、骨格筋率も下がりやすい年代。とくに女性はホルモンバランスの影響もあり、身体が変わりにくく感じやすい。
ただし、この時期に無理なダイエットをすると、筋肉まで減りやすいため、その結果、疲れやすくなったり、老けた印象につながることも。
数値を上げようと頑張りすぎるのではなく、急に下げないように意識することが大切。
【50代】骨格筋率の平均の傾向

50代になると、筋肉の減りを今まで以上に実感しやすくなり、太りやすくなる人も増える。ただし、若い頃と同じやり方で体重を落とそうとすると、顔のシワやたるみが出て老け感につながり、食事を減らしすぎると、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまう。
筋肉を維持することを優先して取り組みたい年代。
【60代】骨格筋率の平均の傾向

60代では、骨格筋率を保つことが健康にも直結する。筋肉が減ると、転倒リスクが高まったり、日常動作の質も低下してしまう。
ケガのリスクも高い年代のため、無理に筋肉を増やすより、今ある筋肉を減らさない意識が最優先にしよう。安全性を重視しながら、できる範囲で身体を動かす意識をもとう。
【骨格筋率別】見た目の変化

骨格筋率の平均は、体型の完成度を表す数字ではなく、年齢に合った健康状態を知るためのひとつの目安にすぎない。
骨格筋率を平均に近づけることを目標にするのではなく「どんな見た目になりたいか」を基準に目標を決めることが大切。

監修者:石本
たとえば、体脂肪率が低く、骨格筋率が高い人でも、筋肉が脚に多く集まっていて、上半身は一般的というケースもあるので注意しましょう。
- 骨格筋率32%の見た目
- 骨格筋率34%の見た目
- 骨格筋率36%の見た目
骨格筋率32%の見た目

標準〜やや引き締まった体型。筋トレ習慣がない人よりは明らかに締まって見えるが、筋肉の主張はまだ控えめで、服を着ていると「細身」「健康的」という印象に留まりやすい。
体脂肪率が高めだと、お腹まわりにやや脂肪が残りやすく、「運動している感じ」が見た目に出にくいことも。
骨格筋率34%の見た目

いわゆる「運動している体」のラインがはっきりしてくる。肩幅が広く見え、胸・背中・太ももに厚みが出やすいため、逆三角形のシルエットになりやすい。
Tシャツ1枚でも体つきが分かり、「鍛えている人」「男らしい体型」という印象を持たれやすくなり、多くの男性が「見た目と健康のバランスが良い」と感じやすいゾーン。
骨格筋率36%の見た目

明確なアスリート体型・トレーニング上級者の見た目。胸・肩・背中の筋肉が強調され、腕や太ももにもはっきりとした筋肉の輪郭が出る。
体脂肪率が低い場合は、筋のカットが見えやすく、スポーツ選手やボディメイク経験者の印象になる一方で、スーツや既製服が窮屈に感じやすく、「大きい」「ゴツい」と見られることも。
骨格筋量の正しい測り方

筋肉は、数日で大きく増えたり減ったりするものではない。そのため、毎日測る必要はなく、2週間〜1か月に1回を目安にチェックするのがちょうどよい。
自宅で測定する場合は、1回ごとの数値を見るよりも、一定期間の平均で比べるほうが変化をつかみやすい。たとえば、月初の1週間分の平均と、翌月の同じ期間の平均を比べることで、1か月単位の筋肉量の変化が見えやすくなる。
さらに、骨格筋率は、水分量やむくみ、胃腸の中の状態などの影響を受けやすく、時間帯によって数字が動きやすい指標。測定するときは毎回できるだけ同じ条件をそろえることが大切。
とくに夜は、水分が下半身に集まりやすく、脚がむくみがちなので、朝起きてトイレを済ませたあとのタイミングで測定するのがおすすめ。
▼計算している風景


検証者:山下
体組成計に乗るたびに数値が変わるので、最初は「どれが正しいの?」と戸惑いましたが、毎日測らなくていいと知って気持ちが楽になりました。
実際に1週間分の平均を出して比べてみると、前後の日の細かな上下に振り回されず、「先月より少し上がっているな」「今回はほぼ変化なしだな」と、体の変化を落ち着いて見られるようになりました。

監修者:石本
家庭用の体組成計では、メーカーによって骨格筋率の数値が異なることがあります。これは、それぞれが独自に集めたデータをもとに計算しているためです。また、年齢を入力するタイプの体組成計では、設定年齢を変えるだけで数値が大きく変わる場合もあります。
正確な数字を追い求めるよりも、前回と比べてどう変化しているかを見るための指標として使う意識が大切です。
骨格筋量が減少する原因

骨格筋量とは、身体を動かすために使われる筋肉の量のこと。筋肉は「必要だ」と身体が判断している限り保たれ、使われなくなると少しずつ減っていく性質を持つ。
骨格筋量が減る背景には、年齢だけでなく、日々の動かし方や体重の変化、食事内容なども深く関わっている。
- 加齢
- 運動不足
- 食事量の不足・たんぱく質不足
- 過度なダイエット
加齢

年齢を重ねるにつれて、筋肉を合成する力は徐々に弱まっていくため、骨格筋量は自然に低下しやすくなる。
とくに40代以降は、同じ生活をしていても、筋肉が減りやすくなる傾向にあるので注意しよう。
運動不足

筋肉は、使われない状態が続くと、身体が「必要ない」と判断し、少しずつ減っていく性質。
デスクワーク中心の生活など、歩く量や動く時間が少ないと筋肉を使う機会が大きく減りやすい。日常的に身体を動かす習慣が少ないと、年齢に関係なく筋肉は落ちやすくなる。
そこに加齢が重なると、筋肉の低下スピードがさらに早まる点にも注意が必要。
食事量の不足・たんぱく質不足

筋肉を保つには、筋肉を動かすだけでなく、筋肉の材料となるたんぱく質も必要。食事量が少なかったり、たんぱく質が不足すると、筋肉をつくる材料が不足し、筋肉量が減少しやすくなる。
さらに摂取エネルギーが少ない状態が続くと、身体は不足分を補うために筋肉を分解してエネルギーに変えようとする。その結果、基礎代謝が下がり、太りやすい状態につながりやすい。
過度なダイエット

急激に体重を落とすダイエットは、脂肪だけでなく筋肉も減らしやすい。とくに食事制限のみで痩せようとすると、筋肉への刺激が不足し、筋肉量が減少しやすくなる。
筋肉が減れば基礎代謝が下がり体脂肪が落ちにくくなるだけでなく、リバウンドしやすい身体になりやすい。体脂肪を減らすには、無理な制限よりも栄養を整えつつ筋肉を維持する視点が重要。
また、体重が軽い状態で筋トレする習慣がないと、日常生活で下半身にかかる負荷がないため、下半身の筋肉が落ちやすいため要注意。
骨格筋量を増やす方法

- 筋トレやで筋量を増やす
- 大きな筋肉を優先して鍛える
- 日常生活の活動量を増やす
- たんぱく質を十分に確保する
筋トレや運動で骨格筋量を増やす

骨格筋量を増やすには、筋トレや運動で筋肉に刺激を与えることが基本。筋肉は、使われることで「身体に必要なもの」と判断され、次に備えて少しずつ育っていく。
自重トレーニングや、マシンを使う筋トレに加えて、ウォーキングなどの有酸素運動を組み合わせるのもおすすめ。体力づくりにつながり、運動を続けやすくなる。

監修者:石本
大切なのは、強度よりも継続して取り組めるかどうかです。無理のない内容を選び、習慣にすることがポイントになります。
大きな筋肉を優先して鍛える

効率よく筋肉を増やしたいなら、身体のなかでも大きな筋肉を意識するのもひとつの方法。とくに太ももやお尻、背中は筋肉量が多く、鍛えることで消費エネルギーも増えやすい。
筋トレの代表的な種目であるスクワットやデッドリフトのような動きでは、脚だけでなく、背中や腕、肩なども同時に使われる。そのため、「この部分だけを鍛えたい」と思っても、実際には全身に刺激が入ることが多い。

ただし、単に骨格筋量を増やすことが目的なのか、理想の体型をつくりたいのかによって、選ぶべき筋トレメニューや鍛えるべき筋肉の部位は変わってくるので注意しよう。

監修者:石本
大きな筋肉を鍛えるのは効率はよいですが、そこだけに意識が向くのはおすすめしません。自分にとって必要な部位の筋肉を見極めてトレーニングメニューをつくることも大切です。
日常生活の活動量を増やす

筋肉は、使われていれば保たれ、使われないと少しずつ減っていく性質。そのため、骨格筋量は、筋トレだけでなく、日常生活の動きや運動量にも大きく左右される。
忙しくて運動の時間が取れない日でも、身体を動かす意識があれば筋肉への刺激を与えることができる。たとえば、歩く距離を少し増やす、階段を使うなどの工夫をして、小さな行動を積み重ねてみよう。
特別な運動だけに頼らず、生活全体で動く量を増やす意識を持つことがポイント。
▼おすすめの活動例(階段を上る)

▼おすすめの活動例(座るときにきれいな姿勢を保つ)


検証者:山下
運動以外の時間も身体を動かすことを意識しました。こまめに立ち上がる、歩く距離を増やすだけでも、1日の終わりの消耗感が違います。特別な運動をしない日でも、身体管理につながっていると感じました。

監修者:石本
日常生活の活動量を増やすことは、とくに運動習慣がない人ほど意識するだけで効果がでやすいです。そもそも外に出ない人は、「まず外に出る」ことから意識してみましょう。
たんぱく質を十分に確保する

筋肉を増やしたり、維持したりするために欠かせないのが、たんぱく質。トレーニングを続けていても、筋肉の材料となるたんぱく質が足りていなければ、筋肉は思うように育ちにくい。
とくに食事量が少なかったり、ごはんやパン中心の食事が続くと、たんぱく質は不足しがち。肉や魚、卵、大豆製品などを、毎食少しずつ取り入れる意識を持つことが大切。

検証者:山下
私の場合は一度の食事量が多くないため、「ゆで卵」のように手軽にタンパク質がとれるものはとても取り入れやすかったです。
また、たんぱく質は一度にまとめて摂取するよりも、こまめに補うのがポイント。1日の量を意識しながら、3食や間食、寝る前などに分けてとるのがおすすめ。
骨格筋量の平均に関するQ&A
骨格筋率を1%増やすのにどれくらいの期間が必要?
A:筋肉を増やすという点では、一般的に3〜6ヵ月ほどは必要

監修者:石本
骨格筋率を1%上げるまでにかかる期間には個人差があり、体脂肪が減っているかどうかで大きく変わります。単に筋肉を増やすことで骨格筋率を上げる場合、どんなに順調でも最低3か月、一般的には3〜6か月ほど見ておきたいところです。一方で、体脂肪が同時に減っている場合は短期間で数値がかわる可能性も大いにあります。分母となる体重が軽くなるため、筋肉量が大きく変わらなくても1か月ほどで骨格筋率が上がるケースもあります。
中学生・高校生の平均骨格筋率はどれくらい?
A:成長期は身体が短期間で変わりやすく、一律に並べて比較することが難しい

監修者:石本
中学生・高校生の成長期は、身長や体重が大きく変わりやすく、筋肉量や体脂肪量も短期間で動きやすい時期です。そのため、骨格筋率の数値そのものよりも、体脂肪率や体格の変化、運動量とのバランスを見る考え方が一般的です。多少の増減は自然なことなので、数値の良し悪しで判断するよりも、成長に必要な運動、食事、睡眠がしっかり取れているかを意識することが大切です。
1980年生まれ。モデルやタレントではなく、ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」は誰にも負けないという自負がある。東京神田大手町および横浜市あざみ野で、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを5店舗運営。SNSの総フォロワー数は約10万人。
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