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腕立て伏せの回数の目安は?平均的な回数や回数を増やすコツを紹介

腕立て伏せで効果を出すためには、「とにかくたくさんやる」ことよりも、自分の目的に合った回数と負荷を設定することが重要だが、筋肥大、ダイエットなど、目的に応じておすすめの回数や強度が異なる。

この記事では、目的別のおすすめの回数をはじめとし、回数を増やす際の注意点やおすすめステップを紹介する。

この記事の監修者

古谷 有騎さん

スポーツモチベーション所属トップトレーナー|PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー

東京神楽坂・会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」で幅広い年代のクライアントの運動指導をおこなう。青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。その他にも『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)の出演、NHK文化センターの講師、書籍では『肩こり・腰痛 速効!かんたん体操』(コスミック出版)の構成を担当するなど、活動の幅を広げている。

【保有資格/実績など】
米国スポーツ医学会認定運動生理学士/大阪国際がんセンター認定がん専門運動指導士
/adidasトレーニングアカデミー認定ジム&ランインストラクター/TPI認定レベル1

この記事の検証者

山下さん

筋トレ歴9年

学生時代から週3~トレーニングや運動を続けており、社会人になってからも週4~トレーニングを継続。コンテスト出場歴もあり。 正しいフォームを皆さんに伝えられるように日々奮闘。

目次

腕立て伏せの効果を高める回数

腕立て伏せの回数は目的によって異なるが、いずれの目的でも2セット以上を週2〜3回継続するのがポイント。

例えば筋力アップを狙う場合、1セットあたり8〜15回前後をおこなう。その上で「これ以上はもう上がらない」という回数を目安にしよう。

引き締めや持久力向上を優先する場合、15〜20回以上を目安にしつつ、フォームを崩さずに動かせる範囲で回数を伸ばすのがおすすめ。

日によって体調や疲労度に応じて回数を微調整していこう。

監修者:古谷

負荷を上げるタイミングの基準は、設定していた目標回数が余裕をもってこなせるようになり、さらに3〜5回ほど追加で実施できるようになった時期がおすすめです。

この状態は、現在の負荷に身体が適応し始めているサインであり、そのまま同じ強度で続けても成長が停滞しやすいです。

回数を増やす、動作スピードを変える、足を高くする、加重するなどの方法で負荷レベルを段階的に引き上げましょう。

【目的別】腕立て伏せの回数の目安

  • 筋肥大目的
  • ダイエット目的
  • 健康維持目的
目的 回数 負荷
筋肥大 12~15回 高負荷
ダイエット 20〜25回 低~中負荷
健康維持 15~20回 中負荷

筋肥大目的

筋肥大を目的とする場合は、高負荷・中回数でのトレーニングが基本。一般的には、12~15回の反復で筋肉が限界に達する程度の負荷を設定することが効果的。

この回数帯で追い込むことで、筋線維への刺激が十分に入り、筋肥大に必要な負荷とボリュームを確保しやすくなる。

【おすすめのプッシュアップ種目】

  • ノーマルプッシュアップ
  • デクラインプッシュアップ
  • プッシュアップバーでおこなう

検証者:山下

12〜15回で限界に達する負荷に設定して腕立て伏せをおこなってみると、後半は動作のスピードが落ちるほど筋肉に強い刺激が入りました。普段の腕立てよりも胸や腕がしっかり疲労し、短時間でも「鍛えている実感」が得られました。

ただ、疲れてくるとフォームが乱れやすくなるため、最後まで正確に動作する難しさも感じました。

監修者:古谷

筋肥大を狙う場合、12〜15回で限界を迎える負荷設定が最も効果的です。後半でフォームが乱れやすくなるのは自然な反応ですが、乱れた状態で無理に続けるとケガの原因になります。

ノーマルプッシュアップやデクライン、プッシュアップバーを活用し、負荷を調整しながら正しいフォームで追い込むことが効果を最大化するポイントです。

ダイエット目的

ダイエットを目的とする場合は、低〜中負荷で回数を多めにするトレーニングが効果的。目安としては20〜25回程度の回数ができる軽めの負荷を設定し、ゆっくりとした動作で筋肉に持続的な刺激を与える。それによって筋肉量の増加だけではなく、カロリー消費にもつながる。

心拍数が緩やかに上がることで脂肪燃焼効果も期待でき、全体的なエネルギー消費を高めるアプローチとしておすすめ。

【おすすめのプッシュアップ種目】

  • ひざつきプッシュアップ
  • インクラインプッシュアップ

検証者:山下

20〜25回を目安に軽めの負荷で継続してみると、途中からじんわり汗をかき、心拍数も上がってくるのを感じました。筋肉への刺激は弱めですが、長く動き続ける感覚があり、カロリー消費を意識したトレーニングとして取り組みやすかったです。

ただ、回数が多いため後半は集中力が切れやすいと感じました。

監修者:古谷

ダイエット目的の場合、軽〜中負荷で高回数を継続する方法はとても効果的です。筋肉に持続的な緊張を与えることで、筋肉内での血流量の制限が高まり、加圧トレーニングのような効果が得られます。また運動後のエネルギー消費量を高めることもできます。

集中力が切れやすい方は、セット間の休憩を2~3分とり、各セットを丁寧に行っていきましょう。

健康維持目的

健康維持を目的とする場合は、中程度の負荷で無理なく続けられる回数設定がおすすめ。目安としては15~20回程度の反復を、正しいフォームを保ちながら安定しておこなおう。

筋力・持久力をバランスよく刺激でき、日常生活での動きやすさの向上やケガ予防にもつながるため、継続的な健康づくりに効果的。

【おすすめのプッシュアップ種目】

  • ひざつきプッシュアップ
  • インクラインプッシュアップ

検証者:山下

15〜20回の中程度の負荷でおこなうと、きつすぎず軽すぎず、ちょうどよい負担で続けやすかったです。動作中に身体が温まり、終わったあとも心地よい疲労感が残りました。無理のないペースで続けられるため、習慣化しやすいと感じました。

監修者:古谷

健康維持には、継続できる負荷設定が最も重要です。15〜20回は筋力と持久力をバランスよく刺激でき、ケガのリスクも低い理想的です。ひざつきプッシュアップやインクラインなど強度を調整しやすい種目を選ぶと、年齢や体力に合わせて無理なく継続できます。

日常生活の動作改善にもつながるため、習慣として取り入れましょう。

腕立て伏せの平均回数

レベル 回数 ポイント
初心者 10~15回 × 2〜3セット
  • 肩甲骨の位置と腰の落ち込みを確認しながら、回数より姿勢維持を優先する
  • 疲労が溜まりすぎると反り腰になりやすいため注意する
中級者 20〜30回 × 2〜4セット
  • 可動域を深くとることで胸の下部から上部まで刺激が広がり、見た目の変化も感じやすい
  • 疲労により姿勢が崩れやすくなるため、最後まで胸を張ったままおこなう
上級者 20~30回以上 × 3〜5セット
  • 可動域の拡大・テンポ調整・角度変更が必要なのでスピードも意識することが大切

腕立て伏せの回数を増やす際の注意点

  • 無理な回数設定をしない
  • 極端に軽負荷・高負荷でやらない
  • フォームが崩れていないかを意識する
  • 反動を使わない
  • 筋肉痛が残っているときは無理せず休む

無理な回数設定をしない

腕立て伏せを継続していくうえで重要なのは、最初から無理な回数を設定しないこと。できる範囲からスタートし、フォームを崩さずにこなせる回数で習慣化していくことが、ケガの防止と長期的な成長につながる。

慣れてきたら少しずつ回数を増やしていくことで、負担を感じすぎることなく継続でき、結果として効果を実感しやすくなる。

検証者:山下

最初から多い回数に挑戦しようとすると、どうしても途中でフォームが崩れたり、腕や肩に無理な力が入ってしまうことが多かったです。「あとちょっと頑張れるかな」と思う程度の回数に設定すると、動作も丁寧にできて負担が少なく、続けやすいと感じました。

無理な回数にしてしまうと気持ち的にもハードルが上がり、継続へのモチベーションが下がりやすいと感じました。

監修者:古谷

回数設定はできる範囲からスタートすることが最も大切です。フォームが乱れるほどの回数はケガのリスクを高めてしまいますし、効果も半減します。最初は少ない回数からはじめて問題ありません。

正しいフォームを維持できたうえで余裕が出てきたら、少しずつ回数を増やすことで安全に成長を促せます。

極端に軽負荷・高負荷でやらない

極端に軽い負荷で、ただ回数だけを多くこなしても得られる効果は限られている。

とくに自重で30回以上を余裕で連続実施できてしまう場合、消費カロリーもわずかであり、筋肥大や見た目の大きな変化にはつながりにくい。

軽すぎる負荷では筋肉が十分に刺激されず、「やった感」ばかりが先行してしまう点にも注意が必要。

効率よく効果を得るためには、15〜20回前後で限界を迎える程度の負荷設定がおすすめ。この強度であれば、筋肉に十分な刺激が入りつつ、フォームの維持もしやすいため、筋力向上と体型変化の双方を狙いやすくなる。

検証者:山下

軽い負荷で回数だけを増やしてみたところ、思ったほど「効いている感覚」が得られず、達成感はあっても筋肉に刺激が入っている実感が弱かったです。

逆に高負荷で挑戦すると、フォームが崩れやすく、肩や腰に負担がかかりやすいと感じました。無理に重さや回数だけを求めても効果が出にくいことを実感しました。

監修者:古谷

負荷が軽すぎる場合は筋肉への刺激が不足し、高負荷の場合はフォームが乱れケガにつながりやすくなります。適切な強度で動作を行うことが最も効果的であり、15〜20回で限界を迎える負荷設定がおすすめです。

フォームが崩れていないかを意識する

腕立て伏せはシンプルな動作に見えるが、回数を重ねて疲労が蓄積すると、徐々にフォームが崩れやすくなる。フォームが崩れることで胸や腕に効かなくなるばかりか、手首・肩・腰などへ無駄な負担が集中し、ケガにつながる可能性も。

初心者のうちは疲労によってフォームが怪しくなってきたと感じた時点で、無理をせず一度動作を止めよう。正しい姿勢を維持したまま行える範囲で取り組むことこそ、長期的な成長とケガの予防につながる。

【よくあるフォームの間違い】

  • 頭が上がる
  • お尻が上がる
  • 腰が反れる

検証者:山下

回数を重ねていくうちに腰が落ちてしまったり、肩に力が入りすぎて首がすくんでしまったりと、フォームが維持できなくなる瞬間が多くありました。フォームが崩れると目的の筋肉に効きづらくなり、同時にケガにつながりそうな不安も感じました。

監修者:古谷

フォームの乱れは効果の低下だけでなくケガのリスクを高めます。頭・背中・腰がまっすぐに整った姿勢を維持できなくなった時点が休むタイミングです。回数よりも正確な動作を優先することが、長期的に見ても最も効率的で安全な方法です。

反動を使わない

腕立て伏せをおこなう際に勢いや反動を使って身体を持ち上げる方法は、一見すると回数を稼ぎやすく効率的に見える。しかし実際には、反動により負荷が目的の筋肉から逸れ、胸や腕に十分な刺激が入らないため、トレーニング効果を大きく損なう。

また、勢いを利用した動作は身体全体へのコントロールが失われやすく、手首・肩・腰といった関節部位への負担を急激に増加させるため、ケガのリスクが高まる。

腕立て伏せは、本来「押す力」と「身体を安定させる力」を同時に鍛えるトレーニングであるため、反動に頼らず、自分の筋力のみで動作をコントロールすることが重要。とくに下ろす局面はゆっくりおこない、筋肉に適切な負荷をかけながら動作を進めることで、筋力向上はもちろんフォームの安定にもつながる。

検証者:山下

疲れてくるとつい勢いで持ち上げたくなりましたが、反動を使うと胸や腕に効いている感じが弱まり、ただ動作をこなしているだけになってしまいました。

さらに、手首に衝撃がかかるような感覚があり、反動がケガにつながる危険性も感じました。

監修者:古谷

反動を使うと筋肉にかかる負荷が逃げ、トレーニング効果が下がるだけでなく、関節に大きな負担がかかります。動作はゆっくり丁寧にコントロールし、筋肉で支えている感覚を大切にしましょう。

とくに下ろす動作は筋肉に強い刺激を与えられる時間なので、反動を使わないことが質の高いトレーニングにつながります。

筋肉痛が残っているときは無理せず休む

筋トレ後は筋線維に微細な損傷が起き、修復のために48〜72時間ほどの回復期間が必要とされている。

この超回復の期間に休息を取らずに鍛え続けると、筋力向上どころか逆効果となり、パフォーマンス低下やケガのリスクを招く。そのため、筋肉痛が残っている場合は無理をせず休息を優先する。

一方、筋肉痛がまったく来ない場合は、負荷が不足している可能性があるため、強度や回数を見直すのがおすすめ。

また、強度が高いトレーニングほど筋肉の緊張が強まるため、休息中は軽いストレッチを取り入れると血流促進に役立つ。ただし、ストレッチをおこないすぎると筋出力が低下することがあるため、あくまで軽いストレッチに留め、水分補給や十分な休養を確保することが大切。

検証者:山下

筋肉痛が残ったまま腕立て伏せを続けてみたところ、力が入りにくく、フォームもすぐに崩れてしまいました。無理をした結果、トレーニングの質も下がり、かえって疲労がたまりやすいと感じました。

また、ストレッチをしすぎると筋肉が伸びすぎて、次に力が入りにくくなることも実感しました。

監修者:古谷

筋肉痛がある状態で無理に続けると、回復が追いつかず筋力向上の妨げになります。筋肉をしっかり休ませることもトレーニングの一部です。痛みがない範囲で軽いストレッチを取り入れ、無理をしない頻度で継続することが理想的です。

筋肉痛が来ない場合は負荷が不足している可能性があるため、強度の見直しも必要になります。

腕立て伏せの回数を増やすおすすめステップ

腕立て伏せの回数を効果的に増やすためには、種目自体は頻繁に変えず、同じ動作の中で少しずつ強度と総回数を調整していく方法がおすすめ。

調整方法の1つとして下記を参考にしてみて。

▼手の向きを外側に調整する方法

検証者:山下

手の向きを調整するなど、少し調整するだけで身体にかかる負荷を変えられました。他の調整方法と比較して負担が少なく、続けやすかったです。

▼ダンベルを使用して負荷を調整する方法

検証者:山下

ダンベルを使用した状態でさらにテンポをゆっくりにして15回おこなってみたところ、普段より負荷が強くかかり、回数は同じでもかなり効いている感覚がありました。20回に挑戦した際も、残りの回数だけひざつきに切り替えることで無理なく続けられ、全体の回数を少しずつ増やせました。

監修者:古谷

テンポ調整やトレーニング器具を使用したトレーニングは、回数を増やしたい人に非常におすすめの方法です。ゆっくり動作することで刺激が高まり、20回への移行もスムーズになります。限界が近い部分だけ強度を下げるやり方も正しく、少しずつフル動作の回数が伸びやすくなります。

腕立て伏せの回数に関するQ&A

Q:年齢に応じて回数の目安は変化する?

A: 回数は変わらないが、強度を変える

監修者:古谷

年齢によって腕立て伏せの回数目安が大きく変わるわけではありませんが、無理なく続けるためには強度を調整することが大切です。

疲労の感じ方や身体の状態に合わせて、手幅・角度・回数などを工夫しながら負荷を減らし、自分に合った強度で取り組みましょう。

Q:1日の合計回数は分割してもOK?

A: できたら分割しない方が効果は高い

監修者:古谷

腕立て伏せの合計回数を分割しておこなう方法でも問題ありません。しかし、より高い効果を狙う場合は、できる範囲でまとめておこなったほうが筋肉への刺激が十分に入りやすくおすすめです。

回数設定は「筋持久力を高めたいのか」「筋肥大を狙うのか」など目的に合わせて調整しましょう。

Q:ひじが痛い人は回数をどう調整すればいい?

A: 動作ができる可動域を確かめて調整する

監修者:古谷

ひじの痛みが持続的に痛みがあるのか、動作中に痛みを感じる瞬間があるのかなど、原因や程度は人によって異なります。まずは痛みが出ない可動域を確認し、その範囲内で無理のない動作をおこなうことが重要です。

痛みをこらえて続けると悪化につながるため、違和感を感じた時点で動きを調整しましょう。

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