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睡眠は生活習慣とつながっている!「可視化」を通じてわかる睡眠改善の方法【issin株式会社】

生活習慣の大元になる睡眠だが、実際のところ自分の睡眠習慣を適切に評価できる人は少ないのが現実。睡眠を見直すためにどのような方法を取ればよいかわからない人も多い。

睡眠習慣の可視化は、生活習慣の見直しにどのように生かすことができるのか。スマートリカバリーリングとパーソナルヘルスケアAIのサービスを提供するissin株式会社代表取締役の程涛(テイトウ)さんに詳しくお話を伺った。

程 涛さん

issin株式会社 代表取締役CEO

1982年、中国・河南省生まれ。シリアルアントレプレナー(連続起業家)。
東京大学修士在学中に、東大発ベンチャーpopInを創業し、照明一体型3in1プロジェクター「popIn Aladdin」や「スイカゲーム」などを開発。
2021年、issin株式会社を創業。体重測定できるバスマット「スマートバスマット」や睡眠の質などを可視化できる指輪型デバイス「スマートリカバリーリング」などを展開。

https://issin.cc/

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目次

睡眠の可視化で叶う睡眠への客観的な評価

── 近年、アプリやゲームがリリースされるなど、広がりつつある睡眠の可視化ですが、どのような効果があるのでしょうか?

程さん大きく分けて2つの役割があります。

1つ目が、自分の睡眠習慣に対して客観的な評価ができることです。たとえば、自分は「ぐっすり眠れた」と思っていても、データで見たら意外と眠りが浅かった、中途覚醒していたなんてことがあるんです。睡眠を記録して、数値データにすると、これまで見えてこなかった睡眠習慣や問題を発見できます。

2つ目は、達成感を得られることです。長く睡眠の記録をつけていると、他の生活習慣との因果関係が見えてくることがあるんです。データを記録していると、ほかの生活習慣と睡眠習慣との関係性が見えて、生活習慣を変えたら睡眠がどう変わるのかを試してみようと、試行錯誤できます。試行錯誤の結果を目で見ることができるので、睡眠習慣の改善に対して達成感を得られるんです。

可視化したデータを見て、行動に反映するのが大切!

── 睡眠のデータを取ったけど、次は何をしたらいいのかわからないという方も多いのではないかと思います。可視化のあとにやるべき改善はなんでしょうか?

程さんそれぞれ異なる生活習慣を持っているので、万人に共通する魔法のような改善方法は残念ながら存在しないんです。可視化はあくまできっかけであり、そこから自分の生活習慣を見直すことが大切です。

たとえば、「寝室の温度・湿度はどうだったか」「部屋の明るさはどの程度だったか」などの睡眠環境、「睡眠の直前に摂取した飲み物は何か」「何時間前に食事をとったか」などの食習慣などとの関係を一緒に考えてみるといいでしょう。やりやすいことから改善していくといいと思います。

── とはいえ続かないひともいるのではと思います。睡眠習慣の可視化を継続する上で、大切なことを教えてください。

程さん楽しむことが一番です。弊社では、ユーザーのみなさんに楽しみながら利用していただくために、グラフや数値を見ていて楽しく、成果がわかりやすいデザインになるよう工夫しています。

生活習慣の可視化をするツールを選ぶ際の判断基準にしてもらうといいと思います。

スマートデバイスの習慣化のために必要なこと

── 生活習慣を可視化するためにスマートデバイスを選ぶ時、どのような観点で選べばいいでしょうか?

程さん大切なのは「装着感」ですね。どんなに高機能でも、装着感に違和感があると継続できません。

私たちもスマートリカバリーリングを開発するときに、指輪として違和感のない厚さにするのにこだわりました。実際に付けてみて、腕を動かしたり、指を動かしたりして、装着感を試すといいでしょう。

── 機能面で重視すべき点はありますか?

程さんセンサーの精度はもちろんですが、意外と大切なのがバッテリーの駆動時間と、バッテリーが無くなったときに通知があるかどうかです。せっかく装着していたのに、知らない間にバッテリーが切れて、データが取れていなかったとなるともったいないですよね。

勝手にバッテリーが切れていたという状態は意外とストレスになるので、事前にチェックしておくのがおすすめです。

パーソナルデータを取得する重要性

── スマートリカバリーリングは、他社製品と比べてどういった違いがありますか?

程さん睡眠習慣以外の生活習慣のデータを取得するので、独自のリカバリースコアを算出しています。

睡眠時間やHRVという心拍のゆらぎの数週間のデータをもとに算出し、回復の傾向がスコアになって表示される仕組みです。そのリカバリースコアをもとに、生活習慣の改善ポイントも表示されるようになっています。

── 睡眠だけでなく、日中のデータを元に判断されているんですね。

程さんそうですね。睡眠時間そのものよりも「どれだけ身体が回復しているか」を重視しています。

「どれだけ身体が回復しているか」を判断するためには、日中のデータが欠かせませんし、長期のデータ取得が必要になります。日中のデータも合わせて取ることで、精度の高いパーソナルデータを収集できるので、より個人にフォーカスした効果的で具体的な生活習慣の改善方法を提案できるんです。

可視化して初めてわかる体感と実際の睡眠のズレ

── issin株式会社では、ユーザーに対して「思い込み睡眠」に関するアンケートを行っていますよね。実際の睡眠時間と体感の睡眠時間には、どれくらい差が生まれるのでしょうか?

程さん個人差はありますが、多くの方は30分から2時間程度のズレを感じています。寝つきがよいと思っていても実際は入眠まで時間がかかっていたり、しっかり寝ていたつもりでも眠りが浅かったり。

そういったことが私たちの体感よりも頻繁に起きているので、ズレが生じてしまうようです。

── 体感と実際の睡眠のズレは日常生活にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

程さん日中のパフォーマンスに影響してしまうことがあります。たとえば、「よく眠れたと思ったのに、身体が重い」「疲れが取れていないと思い休んだが、実際はよく眠れていた」などです。

日中の活動量を正しく調整するためにも、客観的に正しい睡眠の質を判断するのが大切です。

まずはここから!すぐにできる睡眠習慣の改善方法

 

── 睡眠習慣を見直すうえで、最低限確認すべき指標はなんでしょうか?

程さんまずは睡眠時間です。とくに入眠時刻と深い睡眠の割合が重要なポイントです。

深い睡眠は全体の20〜25%程度が理想とされていて、睡眠時間と睡眠のリズムを把握するとある程度睡眠の質を評価できます。

── 睡眠データを可視化したあとに、どのように生かせばいいのか悩んでしまいます。

程さん悪かった時の原因を追うよりもよい結果が出たときに何をしていたかを振り返る方が効果的ですし、長続きすると思います。

たとえば、よく眠れたと感じたら、実際のデータはどのように推移していたか、前日の夜は何をしていたか、翌朝どんな気分で起きられたかを記録するなどです。体感と数値的なデータを紐付けながら、睡眠に影響のある生活習慣を明らかにできます。

── 生活習慣の改善はどれくらい継続すればよいでしょうか?

程さんまずは3日坊主で大丈夫です。たとえば、室温25度で寝る日を3日間継続して、翌朝の感覚と客観的なデータを比べてみる、効果を感じられなかったら明るさを調節し、3日間継続してデータを取り、見比べるというイメージです。

睡眠に関わるさまざまな要素を変えてみて、数日継続して結果を見るのを繰り返すことで、自分にあった睡眠習慣が見えてきます。

自分に適した睡眠時間の見つける方法

── 睡眠の質はどういった要素で左右されるのでしょうか?

程さん大きく4つあります。①睡眠環境(光・音・寝具など)、②生活習慣(食事や飲酒のタイミング)、③睡眠リズム(就寝・起床の時刻が一定かどうか)、④ストレスや心身の状態です。これらが複合的に影響して、入眠時間や睡眠時間に影響します。

とくに影響するものがどれかは、人それぞれです。睡眠環境を室温や明るさを変更したり、生活リズムを整えたりと試行錯誤してみるといいでしょう。

寝具などのグッズ類は長く使えるので、一度投資してみるのもおすすめです。

── 自分にとっての適切な睡眠時間の見つけ方はあるのでしょうか?

程さん実はあるんです。1日目は7時間、2日目は7時間半、3日目は8時間というように、1週間かけて、睡眠時間を30分ずつ伸ばす方法です。

徐々に睡眠時間を伸ばすと、ある日これ以上寝られないという時間に自然と目が覚めるので、その時間が自分にとって最適な睡眠時間になります。

これは、一定期間長く寝ることでいったんその時までに溜まった睡眠負債をすべて返している状態を作る方法になります。その状態で寝たときに、自分はどれくらい寝られるのかを試す方法です。

長期休暇のときにぜひ試してみてください。

── 最後に、睡眠に悩む方にアドバイスをお願いします。

程さんぜひ、睡眠そのものではなく、生活習慣全般に着目してみてください。睡眠には、睡眠環境、日中の活動量、食事、ストレスなど、さまざまな生活習慣が影響するので、何を改善すれば睡眠の質がよくなるのかは人によって本当にさまざまです。

生活習慣全般を整えるきっかけと捉えて、睡眠の可視化に取り組んでもらえると嬉しいです。

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