
眠っている間に夢を見たせいで、「寝た気がしない」「起きても疲れが残っている」と感じた経験がある人もいるのでは。夢を見ることは自然な現象だが、頻繁に夜中に夢から醒めたり、悪夢を頻繁に見たりする場合は、睡眠の質が低下しているサインかも。
この記事では専門家への取材をもとに、夢ばかり見てしまう原因を解説し、睡眠の質を高めるための具体的な対策を紹介する。夢ばかり見て寝た気がしない状態を改善し、深く質の高い眠りを手に入れよう。
この記事の監修者

中村 真樹さん
日本睡眠学会総合専門医・指導医、日本睡眠学会評議員。東北大学大学院医学系研究科修了(医学博士)。東北大学病院精神科で助教、外来医長を務めた後「睡眠総合ケアクリニック代々木」院長を経て、2017年に「青山・表参道睡眠ストレスクリニック」を開院。2014年に全米ナルコレプシーネットワーク最優秀研究者賞を受賞するなど、臨床と研究、両面の実績があり、睡眠に悩む多くの患者さんの治療にあたっている。ビジネスパーソン向けの書籍『仕事が冴える眠活法』(三笠書房)他を執筆・出版。
夢をよく見る=眠りが浅いとは限らない
夜に夢を見る回数が多いと、どうしても睡眠が浅いと感じやすい。しかし、実際は夢の多さと睡眠の質がイコールとは限らない。
睡眠は大きく分けて、心身を休める「ノンレム睡眠」と記憶の整理の「レム睡眠」が交互に繰り返されており、眠り始めほどノンレム睡眠の割合が多く、明け方に近づくにつれてレム睡眠が増えるのが一般的。
レム睡眠中に目が覚めると夢の内容が記憶に残りやすいため、起床直前のレム睡眠で目覚めると「夢ばかり見ていた」と感じることがある。これは正常な睡眠サイクルの一部とされるので、朝起きたときに「夢を見ていたな」と思う程度なら、必ずしも睡眠の質が落ちているわけではない。
夢ばかり見て寝た気がしない状態は問題?
前述のように、朝起きたときに少し夢の記憶がある程度なら問題はないが、夜中に夢の途中で目覚めることが頻繁にあるなら、「睡眠時無呼吸症候群」などの身体の病気や、アルコールやストレスなどが原因で睡眠の質が低下している兆候かもしれない。
悪夢を頻繁に見る場合は精神面に原因があることも
悪夢が頻繁に現れる場合は、精神的な不調の表れであるケースも。
とくにPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱える人は、トラウマと関連した夢を繰り返し見る傾向がある。悪夢が続くと睡眠自体に対する不安が増し、寝付きが悪くなって質も下がってしまう。さらに、不安障害やPTSDなどの精神疾患が背景にあると、悪夢の記憶が残りやすく、悪循環に陥りやすい。
睡眠障害の中には、夢が多くて眠れないという症状と関連するものもある。夢を見過ぎて眠れないという症状が続く場合は、専門家への相談を検討しよう。

悪夢が頻繁に出現したり、夢により睡眠が妨げられたりする場合は、強いストレスや心の不調が影響しているかもしれません。とくにPTSDや不安障害などの精神疾患を抱える方は、思い切って専門家に相談すると安心につながります。
熟睡するための改善策や取り入れるべき習慣
夢ばかり見て寝た気がしない状態を改善するには、睡眠環境と生活習慣の改善が欠かせない。ここでは、熟睡するための改善策や取り入れるべき習慣を解説する。
- 室温を20℃前後・湿度は50〜60%に調整する
- 遮光カーテンと耳栓で光と音を遮断する
- 自分に合ったマットレスと枕を選ぶ
- 就寝2時間前にはスマホやパソコンの使用を中止する
- 就寝2時間前に38~40℃のぬるめの湯に浸かる
- 就寝前にストレッチなどで身体をほぐす
室温を20℃前後・湿度は50〜60%に調整する
寝室の温度と湿度を調節すると入眠しやすくなり、睡眠の質も上がりやすい。寝室の環境は、一般的に室温20℃前後(冬場は16℃前後、夏場は26℃前後)、湿度50〜60%が理想的。
身体の深部の体温が下がることで眠気が促進されるため、やや涼しいと感じる程度の室温に設定しよう。また、湿度が低すぎると喉や鼻の乾燥を引き起こし、高すぎると寝汗をかいてしまい、途中で目が覚めやすくなる。クーラーや加湿器を設置して、熟睡しやすい環境を整えよう。
遮光カーテンと耳栓で光と音を遮断する
睡眠中に光や音の刺激を受けると、脳が覚醒してしまい、目が覚めやすくなり、レム睡眠のタイミングで目覚めると夢の記憶が残りやすい。遮光機能や遮音(防音)機能のあるカーテンを設置して、寝室の環境を整えよう。
とくに、夜勤明けで朝や昼間に寝る必要がある人は、しっかり部屋を暗くすることが大切。遮光カーテンだけでは完全に遮光できない場合は、アイマスクを活用するとよい。
また、騒音が気になる場合は、耳栓をつけるのも効果的。
自分に合ったマットレスと枕を選ぶ
寝具が合っていないと身体に負担がかかり、睡眠の質の低下や腰痛・肩こりを引き起こす原因になってしまうことがある。マットレスの硬さや枕の高さは、自分の体格や寝姿勢に合わせて選ぶことが大切。
マットレスに横になった際に、背中や腰に圧迫感や浮遊感がある場合や、寝返りが打ちづらい場合は、身体にマットレスが合っていない可能性が高い。また、枕は首筋と寝具の隙間がなく、自然な寝姿勢を維持できるものが理想。
就寝2時間前にはスマホやパソコンの使用を中止する
スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌を抑制するため、入眠を妨げる原因となる。就寝前はスマートフォンやパソコンの使用を控えるのが理想的。
就寝前にスマートフォンやパソコンを使用する必要がある場合は、ナイトモードを活用し、ブルーライトカットのメガネを着用すると、負担を軽減できる。
就寝2時間前に38~40℃のぬるめの湯に浸かる
眠りにつく前は身体から熱が放出され、中心部の体温「深部体温」が下がることで眠気が生じる。入浴で上昇した体温が風呂上がりに下がることで入眠前のような温度変化が身体に起こり、睡眠を誘発する効果が期待できる。
また、入浴することで筋肉の緊張がほぐれ、リラックス効果が高まる。就寝前にリラックスできると、睡眠の質の向上も期待できる。
入浴の最適なタイミングは、就寝の約2時間前。お風呂の温度が熱すぎると、交感神経を刺激してしまい逆に覚醒を促してしまうため注意が必要。38~40℃のぬるめの温度に設定して、できれば30分程度ゆっくり浸かるのが理想。
就寝前にストレッチなどで身体をほぐす
就寝前にストレッチをおこなうと、筋肉の緊張がほぐれて血行が促進され、深い睡眠につながりやすい。とくに肩や首、腰周りを軽く伸ばすストレッチがおすすめ。
呼吸を意識したゆっくりとしたストレッチは、副交感神経を優位にしてリラックス状態を促すため、自然な眠気につながりやすい。ただし、就寝前に激しい運動をするとかえって身体が目覚めてしまうため、ヨガや軽いマッサージを組み合わせるなど、心地よいと感じる程度にとどめることが大切。
味の素株式会社 | グリナ®
商品ジャンル | 機能性表示食品 |
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主成分 | グリシン |
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もしかしたら睡眠障害かも?考えられる病気の種類
夢を頻繁に見てしまい、きちんと眠れていない状態が続く場合は、睡眠障害の可能性も考えられる。
睡眠障害には主に7つの大きな分類があり、その中にさらに細かな下位分類が存在している。よく知られているのは「不眠症」で、寝つきが悪かったり夜中に何度も目覚めたりする症状が代表的。
逆に日中に強い眠気に襲われる「過眠症」や、生活リズムが乱れて朝起きられなくなる「概日リズム睡眠障害」もある。ほかにも、眠っているあいだに異常な行動を起こす睡眠時随伴症、呼吸が止まる睡眠関連呼吸障害など多岐にわたる。
いずれも症状が長く続いたり日常に大きな支障が出る場合は、専門医への相談が望ましい。
夢ばかり見て寝た気がしない悩みについてのQ&A
悪夢ばかり見る状態を改善する方法はある?
A.悪夢を頻繁に見てしまう場合は、心療内科や精神科、睡眠クリニックなどの医療機関に相談するのが効果的

悪夢が続くのは単なる睡眠だけの問題ではなく、ストレスや不安、PTSDといった精神面の影響が関係している場合もあります。こうした要因を放置すると症状が悪化する恐れがあるため、気になる場合は専門家の診断や治療を受けることを検討しましょう。
よく眠れているってどんな状態?
A.よく眠れているかどうかを判断するには、睡眠の量と質の両方を考慮することが大切。

量的には、医学的に必要とされる7時間以上の睡眠を確保しているかどうかが目安になります。ただし、必要な睡眠時間には個人差があります。もし朝のだるさが毎日続くようなら、自分に睡眠時間が足りていない可能性が高いです。
質的には「規則正しい時間帯の就寝・起床」と、「睡眠の質を下げる要因をできるだけ減らすこと」の2つがポイント。
同じ睡眠時間でも、体内リズムに合わない時間に寝ると浅い眠りが増えやすく、また入眠前にリラックスできておらず、興奮や緊張状態にあると寝つきや深い眠りに影響が出ます。。
結局は「睡眠の質を高める」意識よりも、「睡眠の質を悪くする要素を減らす」意識を持つほうが重要です。
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