ヨガの代表的なポーズとして知られる「ダウンドッグ」。「下向きの犬のポーズ」「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」とも呼ばれる。一見シンプルに見えるが、「腕がつらい」「かかとが床につかない」「本当に合っているのかわからない」と感じる人も多い。
この記事では、ダウンドッグの効果、正しいやり方、バリエーションなどをわかりやすく解説。
この記事の監修者

廣田なおさん
ヨガインストラクター
この記事の検証者

神山 その香さん
Wellulu編集部
学生時代は中高6年間陸上部に所属し中長距離を専門とし、昨年はフルマラソンを完走。現在は月1〜2回のランニングや自宅での腹筋・プランク・スクワットなどを中心に取り入れている。日常的に身体を動かす意識を持ちつつ、無理のない範囲で運動習慣を続けている。ヨガ経験もあり。
ダウンドッグはどんなポーズ?

ダウンドッグは、手足で身体を支え逆V字を作るヨガの基本ポーズの1つ。「下向きの犬のポーズ」「アド・ムカ・シュヴァナーサナ」とも呼ばれる。ほぼすべてのヨガのクラスに登場し、呼吸を整えながら全身をリセットし次の動作へつなぐ役割を担う。ヨガの代表的な一連のポーズである「太陽礼拝」中にも含まれ、ポーズの繋ぎにダウンドッグが何度も出てくる。

監修者:廣田
ヨガは自分の身体が今どうなっているのかを知ることが一番大事です。ダウンドッグは上半身も下半身も伸ばせるポーズなので、身体の状態と向き合うのに最適なポーズです。
ダウンドッグの効果は?
- 血流が良くなる
- 柔軟性が向上する
- むくみが取れる
- 自律神経を整える
血流が良くなる

ダウンドッグは「逆転のポーズ」と言われており、頭が下になるポーズ。心臓より頭が下がるため、全身の血行が促されやすくなる。血流が良くなると冷えや疲労感の軽減などに繋がる。
柔軟性が向上する

ダウンドッグは上半身も下半身も一度に伸ばせるため、全身の柔軟性向上に繋がる。ストレッチ効果もあり、効率よく身体をゆるめることができ、他のヨガポーズへの移行もスムーズにできる。
むくみが取れる

ダウンドッグはふくらはぎや太ももを伸ばすため、下半身に滞りがちな水分の循環を助け、リンパや血液の流れを促進する。脚の重だるさやむくみ対策に効果的。1日の終わりに取り入れるのがおすすめ。
自律神経を整える

呼吸と動作を連動させやすいダウンドッグは、心身を落ち着かせられる。全身を伸ばしながら深い呼吸を行うことで、副交感神経が優位になりやすい。身体だけでなく心の緊張をゆるめるポーズとして、日常のリセットにも役立つ。
ダウンドッグの基本のやり方
ダウンドッグの基本のやり方
【やり方】
- 四つん這いになる
- つま先を立て、お尻を天井へ引き上げる
- 手で床を押しながら、背中を長く伸ばす
- かかとを床に近づけ、体で逆V字を作る
- 首と肩の力を抜き、呼吸を続けながらキープする
【STEP1】四つん這いになる


【STEP2】つま先を立て、お尻を天井へ引き上げる

【STEP3】手で床を押しながら、背中を長く伸ばす

肩がすくまないように、しっかり手のひらで床を押す

【STEP4】かかとを床に近づけ、身体で逆V字を作る

【STEP5】首と肩の力を抜き、呼吸を続けながらキープする


監修者:廣田
お尻をしっかり斜め上に上げて背中を伸ばすことを意識しましょう。かかとを床につけたり、膝を伸ばすことを意識しすぎず、自分の身体の柔軟性に合わせて強度を変えていくことがコツです。呼吸と共に伸びを深め、ふくらはぎやももの裏の突っ張りを緩めてあげましょう。

検証者:神山
つい肩がすくみがちになってしまいますが、それだと呼吸がしづらく動きが固くなりがちに。床を両手でしっかり押すことで、肩が下がり、お尻を上げやすくなりました。
ダウンドッグのバリエーション6選

- 子犬のポーズ
- 壁を使ったダウンドッグ
- 膝曲げダウンドッグ
- かかと浮かせダウンドッグ
- 片足ダウンドッグ
- ツイストダウンドッグ
子犬のポーズ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★☆☆☆☆ |
| ノーマルとの違い | 膝をつき、肩と背中を集中的に伸ばせる |
| おすすめな人 | 初心者、リラックスしたい人 |
【やり方】
- 四つん這いになり、ひざは股関節の下に置く
- 手を前に歩かせ、胸を床に近づける
- お尻は高く保ったまま背中を伸ばす
- あごや額をマットに近づける
- 呼吸を続けながらリラックスしてキープする

監修者:廣田
一番簡単なのは子犬のポーズです。膝が完全に曲がっている状態なので、下半身の柔軟性を無視でき、上半身を伸ばしやすいポーズです。

検証者:神山
肩甲骨がグッと寄せられ、肩まわりをとても気持ちよくストレッチすることができました。脇の下から体幹部まで、上半身をしっかり伸ばしたいときに取り入れたいです。
壁を使ったダウンドッグ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★☆☆☆☆ |
| ノーマルとの違い | 体重が分散され負荷が軽い |
| おすすめな人 | ヨガ初心者、体が硬い人 |
【やり方】
- 壁の前に立ち、両手を肩の高さで壁につく
- 足を後ろへ下げ、上半身を前に倒す
- お尻を後ろに引き、背中を長く伸ばす
- 腕で壁を押し、胸を床に近づける
- 呼吸を続けながらキープする

監修者:廣田
壁を使ったダウンドッグは股関節が硬い方におすすめです。上半身を伸ばしやすいポーズです。

検証者:神山
壁を使うことで、より難易度が低く、取り組みやすかったです。頭に血がのぼる感覚が苦手な人におすすめであると感じました。
膝曲げダウンドッグ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★★☆☆☆ |
| ノーマルとの違い | 脚を伸ばさず、背中と腰の伸びを優先できる |
| おすすめな人 | 太もも裏が硬い人、初心者 |
【やり方】
- 四つん這いになり、手は肩の真下、ひざは股関節の下に置く
- つま先を立て、お尻をかかとにおろし両手を前に伸ばす
- 手で床を押しながら、お尻を天井方向へ引き上る
- 両ひざを軽く曲げ、かかとを床から少し浮かせ、太ももとお腹を近づける
- お尻を高く保ち、背中を長く伸ばす
- 腕で床を押し、体重を手と足に分散させる
- 呼吸を止めず、その姿勢をキープする

監修者:廣田
膝を曲げたダウンドッグは柔軟性が低下している人でも取り入れやすく、上半身メインで効かせられます。

検証者:神山
ダウンドックのポーズでは、つい膝をまっすぐ伸ばそうと頑張りがち。膝を曲げても、ポーズさえ正しければ、効かせたい部分を刺激できるのだと感じました。
かかと浮かせダウンドッグ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★★☆☆☆ |
| ノーマルとの違い | 肩・腕・体幹への負荷が高まる |
| おすすめな人 |
上半身を強化したい人 |
【やり方】
- 四つん這いになり、手は肩の真下、ひざは股関節の下に置く
- つま先を立て、お尻をかかとにおろし両手を前に伸ばす
- 手で床を押しながら、お尻を天井方向へ引き上る
- 両かかとを床から浮かせ、つま先で体を支える
- お尻を高く保ち、背中を長く伸ばす
- かかとを天井方向へ引き上げる意識でふくらはぎを使う
- 呼吸を続けながら姿勢をキープする

監修者:廣田
かかとを上げることで、ふくらはぎの柔軟性が関与しなくなるため、やりやすくなります。

検証者:神山
かかとを上げることで、より背中と腰周りに伸びを感じました。同じダウンドッグでも、意識するポイントを変えることで伸びる部分が違うから面白い!
片足ダウンドッグ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★★★★☆ |
| ノーマルとの違い | 体幹とバランス力をより使う |
| おすすめな人 |
ダウンドッグに慣れてきた人 |
【やり方】
- 手と足で床を押し、お尻を頂点とした三角形を作る。
- 片足を床からゆっくり天井方向へ持ち上げる
- 骨盤を床と平行に保ったまま脚を後ろへ伸ばす
- 両手で床を強く押し、体幹でバランスを取る
- 呼吸を続けながらキープし、反対の足も行う

監修者:廣田
片足を上げたダウンドッグは、お尻の筋肉の強化に効果的です。また、3点で支えることから、お尻だけでなく腹筋など体幹の強化にもつながります。

検証者:神山
両手はしっかり床を押し、脚は後ろにまっすぐ伸ばすことで、前後へのバランスを保つことが大切でした。
ツイストダウンドッグ
| 難易度(基本を★3とした場合) | ★★★★★ |
| ノーマルとの違い | ねじりが加わり背骨が動きやすい |
| おすすめな人 |
体をすっきりさせたい人 |
【やり方】
- 手と足で床を押し、お尻を頂点とした三角形を作る。
- 片手を反対側の足首またはふくらはぎに近づける
- 体をねじりながら、胸を横に開く
- もう一方の手で床を強く押し体を支える
- 呼吸を続けながらキープし、反対側も行う

監修者:廣田
片手を離してツイストするダウンドッグは、腹筋などの体幹への負荷が強くなります。

検証者:神山
柔軟性も力強さも必要なパワーを感じるポーズでした。難易度の高いポーズはつい呼吸が止まりがちですが、だからこそより呼吸を意識することが無理せず行うためにも必要であると感じました。
ダウンドッグができない原因と対処法
- 頭に血が上る感覚になれていない
- 背中が硬い
- 股関節が硬い
頭に血が上る感覚に慣れていない

ダウンドッグは本来「休憩のポーズ」と言われるほどリラックス効果があるが、初めて行う人にとってはきついポーズ。きついと感じる理由の1つは、頭が下に来る構図に慣れていないため。頭に血が上る感覚や、ふらつきを感じることがあり、きつく感じる人が多い。

監修者:廣田
初めは短い秒数からポーズを取るなどして徐々に感覚に慣れていくことが大切です。「子犬のポーズ」や「壁を使ったダウンドッグ」など、頭が下がらないポーズから始めるのもおすすめです。
背中が硬い
また、ダウンドッグは全身が伸ばされる構図のため、普段運動をしていないと手を上げるだけでも背中が硬くてきつい。体重で身体を支えなければならない大変さもある。

監修者:廣田
慣れるまでは「子犬のポーズ」「壁を使ったダウンドッグ」「膝曲げダウンドッグ」「かかと浮かせダウンドッグ」など難易度の低いポーズから始めるのがおすすめです。
股関節が硬い

股関節が動かない人は、ダウンドッグの姿勢自体を取るのが難しい。「膝曲げダウンドッグ」や「かかと浮かせダウンドッグ」などで、膝を曲げたりかかとを床から浮かせたりするバリエーションを取り入れることで、初心者でも無理なく行える。

監修者:廣田
ヨガには柔軟性が必要だと思われがちですが、柔軟性がない人こそヨガをすることをおすすめします。身体が硬いというのは関節が十分に動いていない状態で、血行不良や体調不良、呼吸の浅さ、メンタル低下につながります。ヨガで関節をしっかり動かし筋肉を伸び縮みさせましょう。柔軟性は自然に高まります。
ダウンドッグについてのQ&A
ダウンドッグは何秒くらいキープすればいい?
A.3呼吸から5呼吸ぐらいが目安

監修者:廣田
ダウンドッグの秒数や頻度について特に決まりはありません。1つのポーズだけをしっかり練習していきたい場合は、3呼吸から5呼吸ぐらいキープすると効果的です。1セットでも十分な効果が得られます。
ダウンドッグの効果はいつ頃から感じられる?
A.血行促進効果はポーズをとってすぐ感じられる

監修者:廣田
ダウンドッグの効果を感じ始める時期は、効果の種類によって異なりますが、血行促進の効果はすぐに感じられます。毎日ダウンドッグを行っていれば、1週間程度で柔軟性アップの効果も感じられると思います。
柔軟性を上げるためには日常生活で何をすればいい?
A.筋肉を硬くさせないことが重要

監修者:廣田
日常生活で気をつけることは、同じ姿勢を長く続けないことです。トイレのたびに少しでもよいのでストレッチをしたり、入浴で身体を温めたりしましょう。

































美筋ヨガの考案者であり、美筋ヨガのインストラクター。自身が-13kgのボディメイクに成功した経験から、解剖学に基づき「とにかく楽に効率良く!」を追求したオリジナルメソッド「美筋ヨガ(ほぐす+のばす+鍛える)」を考案。体型の変化と共に、長年抱えていた容姿のコンプレックスから抜け出し、現在は「自分を好きになろう」をモットーに活動中。
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