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ゴブレットスクワットのやり方!効果・重量・ダンベルやバーベルとの違い

ゴブレットスクワットは、ケトルベルやダンベルを胸の前で抱えておこなう下半身トレーニングで、重りを身体の前に置くことでフォームが自然に安定するのが特徴。

この記事では、ゴブレットスクワットのやり方・効果などを紹介。また、ノーマルスクワット・ダンベルスクワット・バーベルスクワットと比べたときの違い、ゴブレットスクワットで扱える重量の目安などをWellulu編集部が検証したので参考にしてみて。

この記事の監修者

おぜき としあきさん

パーソナルトレーナー

青山学院大学在学中の1988年から指導をスタート。指導歴30年で女優、役者、アイドル、女子アナ、ミスワールド日本代表モデル、プロサーファー、新体操選手などのスポーツ選手なども含め20000人超の指導を経験。2003年OZEKIパーソナルトレーナー養成スクール(現Shapesアカデミー)開設。2005年Shapes(現ShapesGirl)を東京渋谷に開設。メディア出演のほか、「腹凹は太もも運動でつくれる 1日3分週3日でOK!」(SBクリエイティブ)「5秒姿勢矯正ダイエット」(マガジンハウス)など多数の著書を執筆。

この記事の検証者

吉田 健二さん

Wellulu編集部

学生時代は運動部に所属。過去にトレーニングの継続を二度挫折したが、6ヵ月前から再びジム通いをスタート。現在は「続けられる筋トレ習慣」をテーマに、週2〜3回の全身トレーニングを中心に実践している。

目次

ゴブレットスクワットは最強?他スクワットとの違い

ゴブレットスクワットは、ケトルベルやダンベルを胸の前で持っておこなう下半身のトレーニング。重りを胸の前に抱えることでフォームが安定し、初心者でも正しいフォームを身につけやすい。

  • ゴブレットスクワットとノーマルスクワットの違い
  • ゴブレットスクワットとダンベルスクワットの違い
  • ゴブレットスクワットとバーベルスクワットの違い

検証者:吉田

トレーニング歴6ヵ月の編集スタッフが検証!

ゴブレットスクワットと他スクワット種目の大きな違いは重りの位置。「重量を身体の前に抱えることで、どのようなメリットが生まれるのか?」を種目別に比較してレポートしています。

以下は、おすすめ度で各スクワット種目をまとめた比較表です。

ゴブレットスクワットと他スクワット種目の比較表

種目 おすすめ度 おすすめな人
ゴブレットスクワット ★★★★☆ フォームの安定性を高めながら、重量を扱いたい人
ノーマルスクワット(自重) ★☆☆☆☆ 自宅で気軽に始めたい人
ダンベルスクワット ★★★☆☆ バーベルより安全に重量を扱いたい人
バーベルスクワット ★★★★★ しっかり筋肉をつけたい人

ゴブレットスクワットとノーマルスクワットの違い

ゴブレットスクワットとノーマルスクワットの比較結果

種目 メリット デメリット
ゴブレットスクワット ・重心が安定し、しゃがみ込みやすい
・お尻への刺激が強い
・器具が必要
ノーマルスクワット(自重) ・器具なしでできる ・姿勢が前傾しやすい
・負荷が軽い

検証者:吉田

ゴブレットスクワットは安定性が高く、柔軟性の低い人におすすめ

ゴブレットスクワットは柔軟性が低い自分でも深くしゃがみ込みやすいと感じました。ノーマルスクワットで可動域を広げるとバランスを崩しがちでしたが、ペットボトル程度の軽い重りでも安定したフォームを再現できました。

監修者:おぜき

ノーマルスクワットでバランスを崩しやすくなる理由として、身体に上からの圧がかからず、安定性を保ちにくくなる点にあります。特に足首の可動域が狭い人は、かかとが浮きやすく、より前傾しやすくなります。

深くしゃがみ込むことで大殿筋やハムストリングへの負荷が高まりやすく、ノーマルスクワットの次のステップとしてゴブレットスクワットを取り入れるのもおすすめです。

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ゴブレットスクワットとダンベルスクワットの違い

ゴブレットスクワットとダンベルスクワットの比較結果

種目 メリット デメリット
ゴブレットスクワット ・バランスを保ちやすい
・フォームの再現性が高い
・胸前での保持が疲れやすい
・細かい重量調整がしづらい
ダンベルスクワット ・中重量まで扱いやすい
・重量調整がしやすい
・姿勢が崩れやすい
・ダンベルが横にあると少し邪魔

検証者:吉田

フォームの再現性はゴブレットスクワット、筋肥大目的ならダンベルスクワット

フォームの安定性という観点では、ゴブレットスクワットのほうが再現性が高く毎回同じ動作を続けやすいと感じました。重心が前にあるためバランスが取りやすく、深くしゃがむ動作も安定します。一方で、重量が10kgを超えてくると胸の前で保持する腕の負担が大きくなり、途中で前腕が疲れてしまう場面が出てきました。

筋肥大目的で中重量を扱いたい場合は、ダンベルスクワットの方が継続しやすいと感じました。

監修者:おぜき

ゴブレットスクワットは重りを胸前に保持することで身体が起きやすく、しゃがむ動作を安定させやすいのが特徴です。特に可動域をしっかり使いたい段階では非常に有効です。

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ゴブレットスクワットとバーベルスクワットの違い

ゴブレットスクワットとバーベルスクワットの比較結果

種目 メリット デメリット
ゴブレットスクワット ・姿勢が安定しやすい
・ケガのリスクが低い
・高重量に挑戦しづらい
バーベルスクワット ・高重量を扱いやすい
・筋肥大に最適
・ケガのリスクが高い

検証者:吉田

しっかり鍛えるなら、バーベルスクワットが一番!

筋肥大を狙うのであれば、最終的にはバーベルスクワットが最も効率がよいと実感しました。翌日の筋肉痛の出方も明確で、全身にしっかり負荷が入っていた感覚があります。一方で、ゴブレットスクワットは持てる重量に限界があり、私の場合は10kg程度でも腕が先に疲れてしまい、下半身を追い込む前にフォーム維持が難しくなりました。

しかし、「引き締めたい」というニーズの場合は、深くしゃがめることで下半身をしっかり使えるため、ゴブレットスクワットは最適な選択肢だと感じます。

監修者:おぜき

バーベルスクワットが筋肥大に適している最大の理由は、身体全体で高重量を支えながら動作することにあります。バーベルを背中上部に担ぐことで、左右・前後のバランスを自ら取る必要があり、その過程で下半身だけでなく上半身・体幹深層部にも自然と負荷がかかります。扱う負荷を高めることで筋肉の発達を効率的に促すことができます。

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ゴブレットスクワットはどこに効く?鍛えられる部位

ゴブレットスクワットは、脚(大腿四頭筋・ハムストリング)、お尻(大殿筋)、体幹(腹横筋)を一度に刺激できる。下半身の大きな筋肉群に加えて、重りを支える動作で体幹に関わる腹横筋も働く。

部位 負荷の強度(※)
大腿四頭筋 ★★★★★
ハムストリング ★★☆☆☆
大殿筋 ★★★☆☆
体幹 ★☆☆☆☆

※負荷の強度=各部位にアプローチできる負荷量の差

大腿四頭筋

大腿四頭筋は太ももの前側に位置する。しゃがむ動作で強く働き、ひざを伸ばす瞬間に負荷が集中する。

【目的別】大腿四頭筋を鍛えるメリット

ボディメイク 大腿四頭筋が発達すると下半身のシルエットが引き締まる。モデル体型にもマッチョ体型にも影響し、服のシルエットが崩れにくくなる。
ダイエット 下半身で最大級の筋肉で消費エネルギーが大きい。基礎代謝の底上げに直結し、脂肪燃焼効率が高まりやすい。他部位と比べ影響度は特に高い。
健康や体力 歩行・立位を支えて疲れにくさや全身の活動量向上に影響する。
身体能力 ジャンプ・ダッシュなど下半身の瞬発動作を強く支える。競技全般でパワー発揮に効果的。

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ハムストリング

ハムストリングは太ももの裏側に位置する。ひざを曲げる動作に関わり、歩行や走行をスムーズにおこなうために必要。

【目的別】ハムストリングを鍛えるメリット

ボディメイク ハムストリングが引き締まると脚の裏ラインが整い、太もも全体がシャープに見えやすくなる。ヒップ位置も高く見える。
ダイエット 下半身でも大きい筋群で消費エネルギー量が高め。基礎代謝の底上げに影響し、脂肪燃焼効率の向上にも関係する。大腿四頭筋ほどではないが効果は期待しやすい。
健康や体力 骨盤を支えて腰の負担軽減に働きやすく、歩行時の安定にも影響。疲れにくい身体づくりにもつながりやすい。
身体能力 ダッシュやジャンプでの推進力を高め、瞬発系の動きに影響しやすい。走力が求められる競技や下半身の切り返し動作が多い種目との相性が強い。

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大殿筋

大殿筋はお尻の大部分を占める筋肉。脚を後ろに引く動作に関わり、立ち上がる、階段を上るなどに関わる。

【目的別】大殿筋を鍛えるメリット

ボディメイク 大殿筋が引き締まるとヒップ位置が上がり、下半身のシルエットが立体的に整う。モデル体型にもマッチョ体型にも影響し、パンツのラインも崩れにくくなる。
ダイエット 下半身でも特に大きい筋肉で消費エネルギー量が高い。基礎代謝の向上や脂肪燃焼のしやすさに作用し、他部位と比べても影響度は高め。
健康や体力 骨盤や腰まわりの安定に関わり、歩行・階段動作の疲れにくさへつながりやすい。腰痛対策としても影響が期待されるが、肩こりへの直接効果は小さい。
身体能力 ダッシュやジャンプの推進力を強め、下半身のパワー発揮に直結しやすい。スプリント系や跳躍系など多くの競技で動きを支えやすい。

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体幹(腹横筋)

腹横筋は体幹の深層にあり、腹部をコルセットのように囲む筋肉。体幹の安定性やバランス感覚に大きく影響し、内臓の保護・姿勢維持に関わる。

【目的別】体幹(腹横筋)を鍛えるメリット

ボディメイク 腹横筋が引き締まると腹周りのシルエットが整い、ウエストラインがすっきり見えやすくなる。体型づくりとの相性は高いが、筋肥大で魅せる部位ではない。
ダイエット 体積は大きくないため消費エネルギーは高くないが、腹圧が高まり姿勢が整いやすくなることで日常消費の向上に作用する可能性も。
健康や体力 内臓を支えつつ腰周りの安定に働き、腰の負担を減らしやすい。疲れにくい姿勢づくりにも影響し、反り腰や腰痛対策とも関係が深い。
身体能力 瞬発力を直接高める部位ではないが、体幹のブレが減り、走・跳の動作で力を伝えやすくなる。多くの競技で動きの安定に影響しやすい。

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腹横筋を鍛える前に知りたい6つのこと 腹横筋はボディメイクの「隠し味」のような筋肉 腹横筋は体型の見た目に大きく影響を与える筋肉で、お腹の立体感やウエストの引き.....

ゴブレットスクワットの効果

ゴブレットスクワットは、姿勢改善や腰痛予防・ヒップアップにつながる種目。ここでは期待できる効果とより高めるためのポイントを紹介。

  • 姿勢改善・腰痛予防
  • ヒップアップ・下半身の引き締め
  • 体幹力の向上
  • 柔軟性の向上

姿勢改善・腰痛予防

重りを胸の前で支えることで背中が自然に伸び、体幹がバランスよく働くため猫背や反り腰の改善につながる。特に腰痛予防では、腹横筋と背中の安定性が大切。ダンベルやケトルベルの重量を無理なく設定し、動きの質を高めることで、腰への負担を減らしながら効果を最大化できる。

監修者:おぜき

深くしゃがむことが姿勢改善や腰痛予防に効く

深い可動域で動作することで、骨盤が前傾から後傾へと自然に動き、本来の機能を引き出しやすくなります。その結果、姿勢の崩れや腰への負担を減らす方向へつながります。ただし、腰に痛みがある状態での実施は避けるようにしてください。フォームが乱れやすく、かえって症状を悪化させる可能性があります。

ヒップアップ・下半身の引き締め

深くしゃがむことでお尻(大殿筋)をメインに刺激できる。可動域の広いフォーム・足裏全体で床を押すイメージで動作することで、下半身全体を引き締めながら美しいヒップラインをつくる。

監修者:おぜき

身体の裏面を狙うならかかと重心でしゃがむ

ヒップアップを狙う場合は、かかと重心でしゃがみ込む意識が重要です。重心が適切に乗ることで、お尻やハムストリングといった身体裏面の主要筋群がしっかり働き、狙った部位に負荷を集めやすくなります。

体幹力の向上

重りを前で支える姿勢は、腹横筋を中心に体幹全体を強く働かせる。体幹が強化されることで、他のトレーニングや日常動作も安定しやすくなる。ゴブレットスクワットは、単なる脚の種目ではなく「全身を支える力」を養うベースづくりにも有効。

監修者:おぜき

体幹力の向上は不安定性をつくることがポイント

幹力をさらに高めたい場合は、①扱う負荷を少しずつ増やす②重りを持つ位置を変えて不安定性を作るなどの工夫が効果的です。いずれも体幹への刺激を高め、より「支える力」を養いやすくなります。ただし、難易度が上がるため、安全にコントロールできる範囲から段階的に取り入れていきましょう。

柔軟性の向上

しゃがみ込みの動作が股関節・足首まわりの柔軟性を高める。硬さを感じる部位を意識的に動かすことで関節の動きがスムーズになり、ケガ予防にもつながる。

監修者:おぜき

ワイドスタンスで動作するのもおすすめ

柔軟性を高めるには、足幅やつま先の向きを変えてしゃがむ方法も有効です。たとえばワイドスタンス(足幅を広めに開く)にすると、股関節が外に開きやすくなり、可動域が自然と広がります。普段とは違うスタンスを試しながら、無理のない範囲で股関節や足首がスムーズに動く姿勢を探してみてください。

ゴブレットスクワットのやり方・フォーム

▼ケトルベルver

▼ダンベルver

難易度 ★☆☆☆☆
続けやすさ(※1) ★★★★☆
トレーニング効率(※2) ★★★☆☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 胸の前でウエイトを持ち、足は肩幅程度にひらく
  2. ウエイトを身体から離さず、ゆっくり腰をおとす
  3. 足の裏で地面を押しながら立ち上がる
バリエーション 約5種類
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 ジム、自宅
器具・設備 ダンベル、ケトルベル
鍛えられる部位 大腿四頭筋、ハムストリング、大殿筋、腹横筋
負荷の調整 可能

STEP1:胸の前でウエイトを持ち、足は肩幅程度にひらく

【注意点】
  • 重りは胸の近くに置く
OK:ひじをまげた位置で重りを持つ
NG:ひじが伸びた状態で重りを持つ

検証者:吉田

重りを胸の近くに寄せひじを軽く締めることで、上半身が安定しやすくなりました。ここのバランス次第でフォームの正確性やしゃがみ込みの深さが大きく変わると感じました。

監修者:おぜき

重りを身体から離すと体幹トレーニングとしての刺激は強まりますが、ゴブレットスクワットの基本フォームでは胸の近くで保持するのが最適です。重りを近づけることで上体が自然に安定し、正しいしゃがみ込み動作につなげやすくなります。

STEP2:背中をまっすぐにしたまま腰をおとす

【注意点】
  • 背中はまっすぐの状態をキープする

OK:ボトム時でも背中が真っすぐ
NG:ボトム時に背中が丸まる

検証者:吉田

お尻を後ろへスッと引きながらゆっくり腰を下げると、太ももとお尻にしっかり効いてくるのを感じました。勢いよく下ろすとフォームが崩れて腰への負担も増えるので、下ろす動作をゆっくりおこなうことで負荷が高まる感覚がありました。

監修者:おぜき

しゃがむ深さは「どこまで下げるか」よりも、筋肉の力が抜けない範囲でコントロールできることが優先です。動作全体を通して負荷が抜けない“自分にとっての最適な深さ”を見つけましょう。

STEP3:足の裏で地面を押しながら立ち上がる

【注意点】
  • ひざは足のつま先と同じ方向にまげる

OK:外に開くイメージでひざを曲げる
NG:ひざが内側に入る(内旋している)

検証者:吉田

床を押すイメージで立ち上がることで、下半身がバランスよく使われる感覚がありました。ゆっくり腰を落とし・素早く立ち上がるイメージで取り組むと、テンポにメリハリがでてフォームも崩れにくくなると感じました。

監修者:おぜき

立ち上がる際は 足裏全体で地面を押すのが基本ですが、目的に応じて押し方を変えるバリエーションもおすすめです。

・かかとで押す:お尻(大殿筋)やハムストリングに効かせやすい
・つま先寄りで押す:太もも前(大腿四頭筋)に効かせやすい

また、腰を落とす際は徐々にゆっくり下げることで、トレーニング効率も高くなります。

▼動作のカウントイメージ

1.2は早く、3,4,5はゆっくり

【検証】動作スピードがゆっくり・早いで比較

▼動作がゆっくりのフォーム

▼動作が速いフォーム

ゴブレットスクワットの動作がゆっくりしたフォームと早いフォームを比較した結果、主に以下のような違いが感じられた。

項目 各部位への刺激 フォームの安定性 心拍数
動作がゆっくり 強い 高い 低い
動作が早い 弱い 低い 高い

検証者:吉田

早いフォームだと主にお尻へのストレッチ感がほとんど感じられず、下半身全体への刺激もかなり弱く感じました。ゆっくりしたフォームだとお尻や太もも裏の伸び縮みがはっきりわかり、1回の負荷が段違いに高い印象です。早いフォームの方が心拍数は上がりやすかったですが、筋トレとしての効率はゆっくりしたフォームの方が正解だと感じています。

監修者:おぜき

動作をゆっくりおこなう最大のメリットは、筋肉がテンション(張力)を保ったまま動ける点にあります。特に下ろす場面で時間をかけると、筋線維に伸ばされながら耐える刺激が入り、筋肥大にも効果的です。

ゴブレットスクワットの種類

種類 難易度 鍛えられる部位
(※負荷の高い順)
おすすめの人
ゴブレットワイドスクワット 初〜中級者向け ・内転筋
・大臀筋
・大腿四頭筋
・内ももを重点的に鍛えたい人
ゴブレットナロースクワット 中級者向け ・大腿四頭筋
・下腿三頭筋
・腹横筋
・太もも前に集中的に負荷をかけたい人
・通常のスクワットが物足りない人
ゴブレットフルボトムスクワット 中級〜上級者向け ・大腿四頭筋
・大臀筋
・ハムストリング
・腹横筋
・お尻をしっかり鍛えたい人
ゴブレットブルガリアンスクワット 上級者向け ・大臀筋
・ハムストリング
・大腿四頭筋
・腹横筋
・片脚ずつ集中的に鍛えたい人

ゴブレットワイドスクワット

難易度 ★★☆☆☆
続けやすさ(※1) ★★★☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を肩幅より広くして、重りを胸の前で持つ
  2. 背中をまっすぐに保ちながら、腰を下げる
  3. 太ももの内側を意識しながら立ち上がる
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル、ケトルベル
アプローチできる部位 内転筋群、大殿筋、大腿四頭筋
負荷の調整 可能
【注意点】
  • 足を広げ、つま先は少し外側に向ける
  • つま先とひざの向きをそろえる

足を広げ、つま先は少し外側に向ける

つま先とひざの向きをそろえる

検証者:吉田

足幅をしっかり広げ、つま先を外に向けて構えると、内転筋とお尻に強い刺激が入るのを実感しました。つま先とひざの向きをそろえる意識を持つだけでフォームが安定し、下半身全体へ負荷が乗りやすくなると感じました。

監修者:おぜき

ワイドスタンスでは、足幅が広いぶん つま先とひざの向きがズレやすく、ひざが内側に入りやすいので注意が必要です。ひざが内側に倒れると股関節やひざへの負担が増え、狙いたい内転筋や大殿筋にうまく負荷が入りません。

ゴブレットナロースクワット

難易度 ★★★★☆
続けやすさ(※1) ★★☆☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★☆

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 足を腰幅に立ち、重りを胸の前で保持する
  2. 背中をまっすぐに保ちながら、腰を下げる
  3. 太もも前側を意識しながら立ち上がる
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル、ケトルベル
鍛えられる部位 大腿四頭筋、下腿三頭筋、腹横筋
負荷の調整 可能
【注意点】
  • 足は骨盤の広さにする

足は骨盤の広さにする

検証者:吉田

足幅を骨盤程度まで狭めるナロースタンスでは、重心をまっすぐ下に落とすようにしゃがむと、太ももの前側がしっかり使われている感覚がありました。軽い重量でも十分キツく感じるため、フォーム優先で重量設定した方がよさそうです。

監修者:おぜき

ナロースタンスは太ももの前側へ刺激を入れやすい反面、人によっては深くしゃがみにくくなることがあります。その場合は、無理に狭い幅にこだわらず、骨盤幅よりわずかに広げるなどの微調整をおこなうと自然にしゃがみやすくなります。「足幅が狭い=よいフォーム」ではなく、自分の柔軟性や骨格に合わせてしゃがみやすい幅を見つけることが最優先です。

ゴブレットフルボトムスクワット

難易度 ★★★★☆
続けやすさ(※1) ★★★☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★★

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. 肩幅程度に足を開き、胸の前で重りをもつ
  2. 太ももが平行になる位置より深くしゃがむ
  3. 床を押し返すように立ち上がる
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル、ケトルベル
鍛えられる部位 大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリング、腹横筋
負荷の調整 可能
【注意点】
  • 可動域を広くして、深くしゃがむ

可動域を広くして、深くしゃがむ

検証者:吉田

しゃがみ込みがより深いフルボトムゴブレットスクワットは、太もも・お尻・ハムストリングが一度に強く働くのを実感できました。可動域が広い分、背中を丸めずに体幹を保つことが難しく、柔軟性が十分でないとフォームが崩れやすいと感じました。

監修者:おぜき

フルボトムといっても違和感を感じるほど無理に深くしゃがむ必要はありません。身体が温まるにつれて可動域は広がりやすく、1セット目より2セット目、2セット目より3セット目の方が深くしゃがみやすくなるケースも多いです。最初から完璧な深さを狙わず、セットごとに少しずつ深さを調整していく方法もおすすめです。

ゴブレットブルガリアンスクワット

難易度 ★★★★★
続けやすさ(※1) ★★☆☆☆
トレーニング効率(※2) ★★★★★

※1:続けやすさ = トレーニングができる場所の自由度/器具や設備の必要性
※2:トレーニング効率 = 複数部位にアプローチできるか/負荷調整できるか

【やり方】
  1. ベンチや台の前に立ち、片足の甲を後ろに乗せる
  2. 胸の前で重りを持ち、背筋を伸ばしたまましゃがむ
  3. 前足のかかとで床を押し、元の姿勢に戻る
ケガのリスク 低い傾向
実施できる場所 自宅・ジム
器具・設備 ダンベル、ケトルベル、イス
鍛えられる部位 大殿筋、ハムストリング、大腿四頭筋、腹横筋
負荷の調整 可能
【注意点】
  • 腰を落としたときにひざがつま先より前に出ない

腰を落としたときにひざがつま先より前に出ない

検証者:吉田

重量を持たないブルガリアンスクワットより、重りを胸の前で保持するゴブレットスタイルの方が姿勢が安定しやすく感じました。特に、お尻(大殿筋)や太ももへの負荷を強く感じられました。片足になるため、重量は2~3㎏程度がおすすめです。

監修者:おぜき

ゴブレットスタイルの方がやりやすいと感じる人もいますが、ブルガリアンスクワットはそもそも難易度が高い種目です。重りを持つゴブレットスタイルでいきなりおこなうと姿勢が崩れやすく、負荷が適切に筋肉に入らない可能性もあります。 まずは 自重(重りなし)でフォームを習得し、動作が安定してからゴブレットブルガリアンスクワットに進むのがおすすめです。

ゴブレットスクワットの注意点

ゴブレットスクワットはフォームが崩れると、腰やひざに過剰な負荷がかかりやすい。重量・呼吸・可動域の管理を怠ると、トレーニング効果を得るどころかケガにつながるリスクもある。注意すべき主な点は以下。

  • 呼吸を止めない
  • 無理な可動域でおこなわない
  • 無理な重量でおこなわない

呼吸を止めない

呼吸を止めると一気に血圧が上昇し、めまいや失神を起こす可能性がある。しゃがむときに息を吸い、立ち上がるときにゆっくり吐き出す流れが理想。また、呼吸のリズムを整えることで、フォーム維持と筋肉への負荷コントロールがしやすくなる。

監修者:おぜき

動きに合わせた呼吸法では、筋肉の力が抜けてトレーニング効率が下がる可能性もあります。そのため、酸欠やめまいをおこさない程度に呼吸をする、という意識で取り組むのもおすすめです。

無理な可動域でおこなわない

柔軟性のない人が深くしゃがみすぎると、かかとが浮く・背中が丸くなるなどのフォームが乱れる原因に。可動域は筋肉の伸びを感じる範囲で止めるのが理想。フォームの安定を優先しながら、少しずつ深さを広げることで安全に可動域を広げられる。

監修者:おぜき

深くしゃがむほど刺激は大きくなりますが、柔軟性が不足した状態で無理に深く沈むとケガにつながります。まずは足裏がしっかり床についたまま、背中を丸めずに保てる深さを基準にしましょう。

無理な重量でおこなわない

扱う重量が自分の筋力に見合っていないと、トレーニングの質が下がる。重量を上げるより、フォームを優先することが大切。余裕を持てる範囲で調整しよう。

監修者:おぜき

重量を急に重くすると、立ち上がりで腰が反ったり、ひざが内側に寄ったりと、コントロールの効きにくい動作になりやすいです。

【レベル別】ゴブレットスクワットの重量と回数

フォームが安定していない段階で過度な負荷をかけると、姿勢が崩れやすく腰やひざに負担が出る。自分のレベルに合った重さを選ぶことがポイント。世界基準で重量目安を示している「Strength Level」によると、レベル別の重量目安は以下となっている。

▼男性の重量目安

体重ビギナー
(3ヵ月未満)
初心者中級者上級者
50㎏8㎏17㎏30㎏48㎏
55㎏9㎏19㎏33㎏51㎏
60㎏10㎏21㎏35㎏54㎏
65㎏12㎏22㎏38㎏57㎏
70㎏13㎏24㎏40㎏60㎏
75㎏14㎏26㎏42㎏62㎏
80㎏15㎏27㎏44㎏65㎏
85㎏16㎏29㎏46㎏67㎏
90㎏17㎏30㎏48㎏69㎏
95㎏19㎏32㎏50㎏71㎏
100㎏20㎏33㎏51㎏73㎏

▼女性の重量目安

体重ビギナー
(3ヵ月未満)
初心者中級者上級者
40㎏7㎏14㎏22㎏34㎏
45㎏8㎏14㎏23㎏35㎏
50㎏8㎏15㎏24㎏36㎏
55㎏9㎏16㎏25㎏37㎏
60㎏9㎏16㎏26㎏38㎏
65㎏10㎏17㎏27㎏39㎏
70㎏10㎏17㎏27㎏40㎏
75㎏10㎏18㎏28㎏40㎏
80㎏11㎏18㎏29㎏41㎏
85㎏11㎏19㎏29㎏42㎏
90㎏11㎏19㎏30㎏42㎏

監修者:おぜき

適正重量の基準は、正しいフォームで10〜12回繰り返せるか

重量を追いすぎると、フォームの乱れやケガにつながります。重量を上げる前に、まずは一定テンポで動けるか、しゃがむ深さが毎回そろっているかを確認しましょう。フォームが乱れない範囲で、2〜2.5kgずつ段階的に増やすと安全にレベルアップできます。

【検証】トレーニング歴6ヵ月スタッフの重量目安は?

初級~中級者レベルのWellulu編集スタッフが検証

Strength Level」の基準を参考にすると、編集スタッフ(体重65kg)におけるゴブレットスクワットの目安重量は22〜38kgほどと算出される。しかし、実際に5kgから段階的に重量を上げていったところ、10kgを超えたあたりから少しづつフォームの乱れや腕の疲れが目立ち始めた。

深い可動域を保ちながら下半身全体に刺激を届けることが大切なゴブレットスクワットの場合、Wellulu編集スタッフ(トレーニング歴約6ヵ月)の最適重量は8~12㎏程度。

大殿筋やハムストリングにしっかりアプローチしたい場合は、「Strength Level」(世界基準のため日本人にはやや高重量)で示される重量の約半分程度から取り組むと、フォームを崩さず適切な負荷を得やすい。

検証者:吉田

重量を求めるならバーベルスクワットに切り替える

今回の検証結果を踏まえると、普段からゴブレットスクワットに取り組んでいない人が高重量(10㎏以上)を扱うのは少し危険だと感じました。高重量を扱いたい場合は、ゴブレットスクワットではなく、バーベルスクワットに切り替える方が理想的です。検証者の場合、バーベルスクワットでは70㎏×10回(3セット)でトレーニングしています。

ゴブレットスクワットに関するQ&A

ゴブレットスクワットは毎日やってもいい?

A:目的によって異なるが、週2〜3回が目安

監修者:おぜき

ゴブレットスクワットは下半身と体幹を広く使うトレーニングのため、筋肉の回復を考慮すると毎日の実施は避けたいところです。週2〜3回を目安におこない、間に休息日を設けるのが理想です。軽めのダンベルやケトルベルでフォーム練習を目的とするなら、毎日でも問題はありません。

ゴブレットスクワットでお尻に効かない原因は?

A:股関節手動で動作ができていない。

監修者:おぜき

お尻に効かない場合、多くは重心とフォームのずれが原因です。しゃがむ際にひざが前へ出すぎたり、背中が丸まると太もも前側に負荷が逃げやすくなります。お尻をうしろに引きながら、股関節で動作を主導させることが大切です。

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