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【髙島宏平氏×宮田教授】『Eat Diversity』で実現するウェルビーイングな食卓

人間が健やかに、そして豊かに生きるためには欠かせない「食」の分野。今回お話を伺ったのは、オイシックス・ラ・大地株式会社の代表取締役社長を務める髙島宏平さん。

髙島さんは、経済界・アカデミア・自治体がタッグを組み、社会課題が発生する前にエビデンスによって解決する取り組みを推進する一般社団法人DSTの共同代表理事でもある。

食品会社の社長として、そして髙島さん個人が考える「ウェルビーイングな食卓」とは? DSTの共同代表理事でもあり長年のオイシックスファンだという、宮田教授との対談をお届けする。

 

髙島 宏平さん

オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長

1973年神奈川県生まれ。東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、マッキンゼー日本支社勤務を経て、2000年6月に「一般のご家庭での豊かな食生活の実現」を企業理念にオイシックス株式会社を設立。2007年、世界の食糧問題に取り組むNPO法人「TABLE FOR TWO International」に理事就任(現在はファウンダー)。2011年3月の大震災後に復興支援活動として一般社団法人「東の食の会」の発起人となる。2016年に「大地の芸術祭」で生まれた作品やプロジェクトを運営し、越後妻有を魅力ある地域にしていくために設立されたNPO法人「越後妻有里山協働機構」の副理事に就任。2018年からは一般社団法人日本車いすラグビー連盟 理事長に就任(現在は理事)し、経済界からパラスポーツを支援。2021年より経済同友会副代表幹事に就任。

宮田裕章さん

慶應義塾大学医学部教授/Welluluアドバイザー

2003年東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程修了。同分野保健学博士
2025日本国際博覧会テーマ事業プロデューサー
Co-Innovation University(仮称) 学長候補

専門はデータサイエンス、科学方法論、Value Co-Creation。データサイエンスなどの科学を駆使して社会変革に挑戦し、現実をより良くするための貢献を軸に研究活動を行う。
医学領域以外も含む様々な実践に取り組むと同時に、世界経済フォーラムなどの様々なステークホルダーと連携して、新しい社会ビジョンを描く。宮田が共創する社会ビジョンの1つは、いのちを響き合わせて多様な社会を創り、その世界を共に体験する中で一人ひとりが輝くという“共鳴する社会”である。

経営は「入れ物作り」。良いサービス・良い組織のために決定権を持ちすぎない

宮田:僕はオイシックスの大ファンなんです。私の食卓にはいつもオイシックスが並んでいます。

これまで、一般的な食の企業はどちらかというと賞味期限を伸ばすことを重視していたり、美味しさや安全性とは違う場所に軸があるような気がしていたんです。そんななかでオイシックスは美味しさと安全性はもちろん、生産者さんとのつながりや、サステナビリティというところも意識されていて、本当にすごいと感動しました。

そんな血の通ったストーリーに感動するとともに経営戦略も本当に見事で、しかも髙島さんのお人柄も素晴らしくて、初めにお会いした時には「ありがとうございます……!」という気持ちが溢れたのを覚えています。

髙島:光栄です。ありがとうございます。

宮田:オイシックスの構想は、どういった経緯で生まれたのですか?

髙島:私は大学時代に一度起業した経験があるのですが、それがすごく面白くて、またいつか事業を立ち上げたいと思っていました。インターネットで起業することを前提に、勉強のためマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社したんです。

在籍した2年のうち最後の1年間はインターネットチームに所属していて、そこでインターネットを使って暮らしを変える領域にチャレンジしたいと思い辿り着いたのが「食」の分野でした。ちょうどその頃、大手企業の食中毒食事件や鳥インフルエンザの流行など、食に関する問題が次々に起こっていて、「食の安全性」みたいな部分が揺らいでいたんです。

そういう経緯があって、インターネットを使って「食べていい食べ物が、食べていい食べ物であるということ」を証明しながらお客さんに売るという、直販モデルのサービスを始めました。当時はウェルビーイングというより、もっと直接的な食の安全性という部分が騒がれていましたが、今考えればそれもウェルビーイングの概念に含まれますよね。

宮田:食については、まさにおっしゃるとおりです。ウェルビーイングであることの前提として「安心」と「安全」がありますね。

髙島:そうですよね。でも、当時は安心と安全が両立していないことがすごく多かったんですよ。安全だけどなんとなく不安、国際野菜だから安心と思いきや思っていたより農薬が使われていた、みたいな。そのせいで人々がモヤモヤしていることが多かったので、安全は徹底的に担保しながら、安心を担保するためにインターネットの力を使って「トレーサビリティ」を確保することを意識しました。

宮田:なるほど。それが生産者へのリスペクトやサステナビリティなど、まさに現代の世の中の本流にもつながっていったというわけですね。

宮田:ちなみに、髙島さんは昔から食べることが好きだったんですか?

髙島:比較的好きなほうですね。こだわりも人並みにはあると思いますが、私の味覚をオイシックスの世界観やサービスに反映しないようにはしています。私は商品開発の決定権を持っていないんですよ。

宮田:そうなんですか? では、髙島さんが「これ美味しいよ」と持って行っても、商品になるとは限らないんですね。

髙島:はい、社員から「そんなの売れませんよ」と言われることもあります(笑)。ただ、「オイシックスっぽい」を崩さないよう、「(サービスとして成功しそうでも)これはオイシックスでは売ってはダメ」という拒否権は持っています。

オイシックスにおいては、食のプロフェッショナルではなく“お客様のプロフェッショナル”であることを大切にしているんです。なので、商品開発部は鋭敏な舌を持っている人ではなく、お客様と近しい感覚を持っている人たちで構成しています。

宮田:そこが髙島さんの素晴らしい部分ですよね。食に深く関わっていると、つい自分の味覚が一番だと思いたくなるし、その世界観を広げることに目が向いてしまいがちです。もちろんそれはそれであるべきスタイルのひとつですが、一歩引いてビジネスという観点を持つと、取るべき選択肢は違ってくるのかもしれません。それをしっかり判断できるチームを独立して作っているというのが、オイシックスの強さのひとつですね。

髙島:自分のスペシャリティは、味覚ではなく他の部分で発揮するべきだと思っています。

宮田:企業という組織のなかで継続的に良いものとしっかり向き合う上で、代表取締役として決定権はチームに持たせつつ、そのチームの透明性もしっかり担保しているということですよね。

髙島:そうですね。それに、比較的フラットな社風の会社なので、決定権を持つ場にいたほうが力を発揮するタイプの社員が多いんですよ。

宮田:髙島さんとはDSTで何年かご一緒させていただいていますが、チームが本当にフラットですよね。ウェルビーイングな組織にするためには、言いたいことを言い合える関係性、いわゆる「心理的安全性」を確保することが重要です。髙島さんはまさにそういうチーム作りをされている印象があります。

髙島:経営は「入れ物作り」だと思っているんです。たとえば平たい入れ物だと平たい形に水が入りますし、傾斜を付けた入れ物を作ればそこに入れる水に勢いを付けることができますよね。入れ物、つまり「ここからはみ出たらダメ」というラインを作るのが私の役割で、後は自由に頑張ってもらうことを常にイメージしています。

宮田:面白い。OB(アウトオブバウンズ)ゾーンをきっちり決めているということですね。

髙島:はい。組織の本質的な存在意義に寄与するかしないかは、かなり大事にしています。組織って、成長するうちにどうしても幹から枝が出るように離れていってしまうことがあるじゃないですか。それでもきちんと根の部分がつながっているか、それは常に意識しています。

『Eat Diversity』で自分にとってベストな食が選択できる社会を作る

宮田:髙島さんとは、今まさにDSTで『Eat Diversity』の構想もご一緒させていただいています。声の大きい人や力の強い組織で決まる世の中ではなく、もっとフラットに集めた科学的根拠をできる限り尊重しようという取り組みで、そのうちのひとつとして食の分野の掛け声として決まったのが『Eat Diversity』です。改めて、髙島さんから簡単にご説明いただけますでしょうか。

髙島:もともと、社会保障が年間140兆円近く国の財政を占めているにも関わらず、「何が正しい使い方かよくわからない」「ほとんどが問題の事後に使われる」という問題意識がありました。たとえば病気になった後、認知症になってしまった後、職を失った後……には使われるけど、「予防」として社会保障が使われることがないんですよね。その理由は、食べ物・睡眠・運動などが、薬や医薬品のように「体や心に良い」というエビデンスがしっかりとないからなのではないか。そういう仮説を立て、だったらそのエビデンスを証明しようというのがDSTのスタートです。

宮田:これまでの食事は、平均的な“誰か”を想定して、みんなで同じものを食べるというのが一般的でした。でも、一人ひとり体格も違えばライフスタイルも違うなかで、何を食べたら良いのかわからないという方も多いんです。

今後さらにライフスタイルが多様化していくなか、その多様性に寄り添いながらウェルビーイングを目指すことが大事になってきます。だからこそ、いろいろな企業が連携しながら個々のライフスタイルに応じて科学的根拠に基づいた食の提案をしたり、そもそも多様な選択肢を用意したりすることで、より良い方向を目指していこうという宣言ですよね。

髙島:はい。社会保障というと、どうしても政府の政策というイメージがありますよね。しかし、それを待っているだけでは、日本のような高齢化先進国では追いつけません。そこで我々のような民間の会社も一緒になることで、日本全体を変えていく必要があります。ただ、一社で新サービスを始めるとなると根拠の部分がどうしても「自社調べ」になってしまう。だからこそ、共通のエビデンスにしていきましょうというのがDST、そして『Eat Diversity』のコンセプトです。

実際に研究を始めてみると「冷凍食品も含めて、食に多様な選択肢があることはウェルビーイングにつながりやすい」という結果が出ました。一般的に冷凍食品はヘルシーなものという認識はされていないのですが、少なくとも心にとってはヘルシーなものだということがわかってきたんです。

宮田:「自分にとって」ベストな選択ができるよう、選択肢を用意しておくことが大事ですね。

髙島:はい。同じくDSTに参加されている株式会社ローソンの竹増社長は「今はお客様が自分に合った惣菜やデザートをカスタムする時代になってきているので、幕の内弁当がどんどん売れなくなってきている」とおっしゃっていました。だから、一つひとつのポーションをどんどん小さくしているらしいんです。

宮田:昔はコンビニ弁当はみんなのお腹を満たすために、いわゆる平均よりも少しだけ多い量で提供していたらしいです。そうすると、不満だという人は少なくなりますからね。でもその一方で、その量に釣られて自分に必要以上の量を食べてしまう方も増えてしまいます。ローソンでの取り組みは、この問題が解決されますよね。

僕もよくコンビニでサラダを買うんですが、通常のサラダだと量が少ない一方で塩分は少し高いと感じていたので、100円で買える葉野菜のパックを混ぜて食べているんです。こういうふうに、コンビニや食品会社が消費者に提供するものをしっかり考えていくことで、きっと社会全体がより良い方向に変わっていくはずです。

食べることは生きること。データを活かしてウェルビーイングな食卓に

宮田:オイシックスファンとしてはぜひお伺いしたいのですが、2000年に創業してからこれまでで転機となったプロジェクトや商品はありますか?

髙島:いくつかありますね。ひとつは、初期からずっとやってきた「オリジナル野菜」です。生で食べておいしいカブやサラダ用のカボチャなどさまざまなものを開発してきたおかげで、野菜の食品会社という地位を獲得できたと思っています。

宮田:いわゆるアーリーマジョリティマーケティングですね。

髙島:そうです。もうひとつは、2013年からR&Dで始めた「ミールキット」ですね。有機野菜だけでは健康意識の高い方々にしかアプローチできませんでしたが、ミールキットを始めてからは一気にお客様の層が広がりました。

ミールキットはもともと、「オイシックスの野菜は好きだけれど、量が多くて使い切れない」「せっかく良い野菜を買っているのに、忙しくて使い切れず捨ててしまうのが忍びない」というお客様の課題を解決するために生まれたんです。それに加えて、料理スキルはそこまで高くないけど毎日の食事にきちんと野菜を取り入れたい方にもアプローチできるようになりました。

宮田:野菜とミールキットで顧客層を完全に分けず、既存ユーザーの悩みを解決しながら新しい層まで取り込むサービスだったわけですね。

髙島:オイシックスの成長には、この2つのサービスが大きかったですね。今はミールキットをいろいろ改善している感じです。

宮田:今後はどんな構想を持っていますか?

髙島:給食の分野にチャレンジしたいですね。今の給食は、安くて人件費がかからないことが良いとされていますが、本来給食はあくまでも手段であって、目的は別のところにあるんです。たとえば、病院給食であれば病気が良くなるのが良い給食だし、学校給食は子どもたちの体を作るために、そして社員食堂は社員が健やかに働くためにあります。そのような課題を一緒に解決するため、2024年1月、給食事業を展開するシダックス社を子会社化しました。

宮田:そうですよね。美味しさとは別に、もうひとつ軸があるということですよね。

髙島:もはや美味しいのは当たり前なんですが、今は美味しいことさえ重視できない環境があります。それは国の予算の問題で、たとえば保険料のなかで実現するという、ビジネスとしてはもうとても実現し得ないような制約条件でやろうとしてるからです。でも、本来給食には目的があるものだから、目的から入った給食作りをしたいというのがそもそも私の問題意識としてあります。

すでにデータを取り始めていますが、保育園でオイシックス食材を使った給食を提供したところ、完食する子どもの数が増えました。これは子どもにとってのウェルビーイングにつながりますよね。

宮田:おっしゃるとおりです。学校給食を考えると、美味しいか美味しくないかで食べることができる割合は全然違いますよね。

髙島:病院給食も顕著ですよね。

宮田:そうですね。特に病院給食の場合、問題があってもそれが放置される傾向にあるのは、透明性がないからではないでしょうか。特定の人たちが我慢していても、それを誰かが知る術がないので、質の低いものが提供され続けてしまう。コンビニの逆ですよね。コンビニはいろいろな人がチェックするので、少しでも質の低いものは商品として成り立たなくなりますから。

髙島:さらに、病院給食は基本的に保険診療の範囲で作られていて、予算が20年以上変わってきませんでした。物価はこれだけ変わっているのにですよ。2024年は1食あたり30円程度の引上げになりましたが、そんななかで質を高くしようとしてもそれは無理な話で、みんな諦めてしまっているんです。

一方でDSTの話にもつながりますが、医療行為と食事の関係は、すでにエビデンスが出てきているじゃないですか。たとえば糖尿病やがんの闘病中、化学療法する際にはこういう食事をしてたほうが良いとか。やるべきことはかなり明確で、私がやりたいのはまさにこれです。

宮田:加算(質のあるサービスが提供されるように国が医療政策の一部として取り決めること)も取れそうですよね。リハビリテーションなどは本来運動だけでなく、食事もセットのはずです。

髙島:はい。そのために、まずは食が健康にどう影響するかをしっかりデータで見える化できるようにしたいと思っています。そのうえで、業務用のミールキットを開発しようとしているんです。きちんと効果のある給食を提供するには、きっと複雑な工程を要するメニューが必要で、それを病院や学校がゼロから作るとなると難易度がかなり高いですからね。業務用のミールキットを使うことで、コストと工数を抑えつつ今より給食の価値がグンと上がるはずです。

宮田:面白いですね。さすが髙島さんです。

髙島:つい最近も、老人ホームにオイシックスのサラダバーを入れたことで、施設が満員になるまで通常3年くらいかかるのにも関わらず、半年で満員になったという事例がありました。

宮田:サラダバーは、選ぶ楽しさだけでなく、自分で考えてカロリーコントロールすることで頭も使いますからね。認知症の予防にもなりそうです。未開の地というか、これまでなかなか手を付けられにくかったところを攻めていく感じが、髙島さんらしくて素敵です。

髙島:ありがとうございます。同じお客さまに毎週違うメニューを提供するサービスという意味では、オイシックスと給食は似ている部分があるんです。給食はサプライチェーン的に私たちの得意分野でもあるので、強みを活かしつつチャレンジしていきたいです。

宮田:給食は「集団」向けのサービスですよね。これまでのオイシックスでは、インターネットを通して「個」に向けたサービスを展開してきました。オイシックスファンとしては、研究で得た医学的な科学的根拠を「個」の健康やウェルビーイングに活かすサービスもあったら嬉しいなと思うのですが、そのような計画はありますか?

髙島:まだ実験的ではあるんですが、2024年から、がん患者さん向けのミールキットデリバリーを始めました。がんは病院での入院期間はそこまで長くなく、在宅闘病期間のほうが長いことが多いです。在宅闘病において食事はかなり重要だといわれているものの、患者さんは何を食べたら良いのかなかなかわからないですよね。そこで病院の先生と協力してメニューを開発しています。

そのうち食事メニューと寛解率の関係性がデータとして得られるようになってくるはずなので、オイシックスとしても、まずはここから食とヘルスケアの領域を広げていきたいと思っています。いつかは闘病中の方だけでなく、「スポーツをしている子ども向け」「美肌を目指す人向け」と広げていけたら良いですよね。

宮田:本来なら、食というと糖尿病のような生活習慣病が想定されがちですが、それだとそもそも食の部分が崩れたことが原因になっている可能性もあるので、ライフスタイルに入り込みながら食事を改善するのは難しいですよね。その点、がんの場合は病気と食生活をある程度切り離して考えられるので、エビデンスを作って成果を出すという点では優れたアプローチだと思いました。

髙島:もちろん食事によってがんが治れば良いですが、治らないケースもあるじゃないですか。でも、残りの命を考えた際に病気だろうがそうでなかろうが、食事の時間を楽しく過ごすことが人生の満足感に直結するだろうと思うんです。単に体に良いというだけでなく、毎日の食事の彩りを感じられるようなサービスにしたいです。

宮田:食べることは生きることにつなげて考える人も多いですから、オイシックスのサービスが生きる喜びに寄り添えて、かつ健康にも良いとなれば、まさにウェルビーイングになりますよね。さすがです……!

世の中に価値のあることで勝つことに喜びを感じる

宮田:最後に、髙島さんにとってのウェルビーイングを教えてください。何をしてる時に「楽しいな」「心地良いな」と感じますか?

髙島:戦って勝つのが好きですね。会社を経営していると、一歩引きながら全体を見る必要があるんですが、時々、短期決戦みたいなものがやってきます。そういう、無我夢中になれる瞬間がすごく好きです。

宮田:なるほど。僕が傍にいて感じる髙島さんの魅力は、いわゆる戦略的なビジネス戦みたいなものをやりながら、計算機上には乗らない文化的な取り組みもしているところだと思うんです。たとえば「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」もそうでしたよね。僕からするとまったく違うベクトルのように感じるのですが、髙島さんのなかではつながっているんでしょうか?

髙島:つながってますね。私のなかでは、世の中に価値のあることで勝つことが大事なんです。「大地の芸術祭」が実施されるようになってから、地域の高齢者の自死率が圧倒的に激減したという、とても素晴らしい取り組みなんですよ。ただ、すごく意味がある取り組みにも関わらずビジネスモデルが成り立たなくて困っている状況で呼んでいただき、ようやく2023年に黒字化しました。

宮田:素晴らしいです! 髙島さんのすごいところは、現場の判断を尊重しつつ、口を出さない領域を決めたうえで、 自分の領分でしっかり成果を出されるところですよね。

髙島:私の仕事は勝利に導くチームマネージメントと決めていて、これからもそこに特化してやっていきます。宮田さんみたいに多才じゃないですから……。

宮田:いえいえ……どちらが正解というわけではないと思いますが、髙島さんの戦い方は僕とは全く違っていて新鮮です。まさに先ほどおっしゃっていた「入れ物作り」ですね。本日は貴重なお話をたくさん伺えて楽しかったです。ありがとうございました。

髙島:こちらこそありがとうございました!

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